1991年12月、ソビエト連邦は崩壊し、ロシア連邦となり資本主義の国となりました。
本書は旧ソ連、スターリンの恐怖政治の時代
10歳の主人公・優等生ザイチクが遭遇した出来事を
画家でもあるロシアで生まれの作者によって、端的に描かれ
ニューベリー賞オナーブックにも選ばれた作品です。
(フィクションです。)
主人公ザイチクは、内部人民委員部(ソビエト連邦の秘密警察)に勤めている
(尊敬する)父と二人で暮らしています。
(部屋を他人とシェアして暮らしている理由も明らかにされます。)
ザイチクは共産主義者の第一歩である少年団ピオネールに入団することを
幼い頃から夢に見、いよいよ明日に行われる入団式を前に
スターリンに手紙をしたためています。
「資本主義の国では子どもたちの暮らしがどれだけ大変か、
本で読んだことがあります。
ぼくはこのソビエト社会主義共和国連邦で暮らせない子どもたちが、
かわいそうだと思います。資本主義社会の子どもたちの夢は、
決してかなうことがないからです・・・。」と。
ところが入団式の前夜、父親は隣人に密告され
秘密警察に逮捕されてしまいます。
翌日、父の逮捕を先生に伝えようとしないばかりか
自身が、入団式に掲げる旗を搬入している際、
スターリンの胸像の鼻を、その旗先で壊してしまいます。
先生も生徒たちも、真実は別にして、誰を犯人に仕立てるのか
諦観してたがいの腹を探りあっているようです。
密告することを奨励し、無実の人々を逮捕し、
容易に自白させ、処刑あるいは追放され、
被害にあった人々は2000万人を超えたそうです。
訳者あとがきによると、スターリンの恐怖政治の様子が明るみにされるまで、
ソ連崩壊後20年を要したそうです。
知らなければならない歴史が、これから次々明らかにされていくのでしょう。
人間ってこんなにも残酷になれるのですね。
『
灰色の地平線のかなたに
』
『
コーカサスの金色の雲 (現代のロシア文学)
』も参考に。
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スターリンの鼻が落っこちた ハードカバー – 2013/2/23
ユージン・イェルチン
(著, イラスト),
若林 千鶴
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
スターリン時代の旧ソ連。10歳のサーシャは幼いころから少年団ピオネールに入るのを夢見てきた。ところが入団式の前夜、父親が秘密警察に逮捕されてしまう。学校ではある事件がおき、生徒たちは「犯人だと思う人」の名を書かされる。独裁、密告社会の怖さをえぐりだしたイラスト満載のフィクション。ニューベリー賞オナーに選ばれた注目作。
- 対象読者年齢9 ~ 12 歳
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 寸法14.2 x 1.8 x 17.8 cm
- 出版社岩波書店
- 発売日2013/2/23
- ISBN-104001156598
- ISBN-13978-4001156591
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2013/2/23)
- 発売日 : 2013/2/23
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 160ページ
- ISBN-10 : 4001156598
- ISBN-13 : 978-4001156591
- 対象読者年齢 : 9 ~ 12 歳
- 寸法 : 14.2 x 1.8 x 17.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,205,792位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 14,038位児童文学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年7月19日に日本でレビュー済み
2013年3月24日に日本でレビュー済み
スターリン体制下、ザイチクは共産主義を信奉しています。明日は憧れのピオネール団に入団が決まっています。その日の来賓は尊敬する父親です。ところが夜、父親はKGBに囚われます。良き共産主義者として生きてきた父がどうして?
次の日、父の逮捕を担任に伝えることができません。学校もまた恐怖政治に浸されているからです。両親が逮捕されたクラスメイトは非国民として扱われ、生徒のみならず教師からも迫害されています。
ピオネール入団式の旗持の名誉を担うことになっているザイチクですが、旗を教室に運ぶ途中、心配のあまりスターリンの銅像の鼻を、旗先で壊してしまいます。このことは決して知られてはならない!
独裁政権時代の恐怖を、リアルに描いていますが、憲法改正問題など、昨今の、そして今後の日本を考えるためにも、いい物語です。
画家であるユージン自身の挿絵も鬼気迫ります。
次の日、父の逮捕を担任に伝えることができません。学校もまた恐怖政治に浸されているからです。両親が逮捕されたクラスメイトは非国民として扱われ、生徒のみならず教師からも迫害されています。
ピオネール入団式の旗持の名誉を担うことになっているザイチクですが、旗を教室に運ぶ途中、心配のあまりスターリンの銅像の鼻を、旗先で壊してしまいます。このことは決して知られてはならない!
独裁政権時代の恐怖を、リアルに描いていますが、憲法改正問題など、昨今の、そして今後の日本を考えるためにも、いい物語です。
画家であるユージン自身の挿絵も鬼気迫ります。
2013年3月7日に日本でレビュー済み
タイトルに「スターリン」がくっついているので、難しいのかと思ったら、いやいや何のことはない、まさに現代社会を描いているではないか! 政治的に民衆から圧倒的支持を得る「指導者」…いるいる。実のところ、裏側の世界は醜いもの。ヒットラーが出てきた時代のことをよく思い出してほしい。読んでいて胸が痛むのは、教室で、犯人探しの名前を書かされる場面。今も学校現場では、何かあったら、「被害調査」とかの名のもと、見た人、聞いた人はいないかと書かせる。密告社会だ。そういえば、自分の小学生時代も、こんな場面があり、何もしていないのに、もし誰かに名前を書かれたどうしようとドキドキした覚えがある…。今も変わっていないな。読んだ子どもは考えるだろう。自分たちが何気なくしていた行為がどんなことか。一応子ども向けだけど、子どもに携わるひとは読むべきだと思う。ヒットラーに関する作品はたくさんあるが、YAを除いて、児童書では見当たらない。政治風刺漫画的な挿絵も面白い。