スマナサーラ長老には100書以上の著書があるとのことで、
私はまだ十数冊しか目を通していないが、本書は非常にオススメである。
専門的になりすぎない軽やかな語り口でありながら、
しっかりとした仏典の裏付けのある内容である。
私が読んだこの著者の本の中では、読みやすさは群を抜いている。
面白いのは「仏陀は輪廻を説かなかった。仏典にあっても後から加えられたものだ」
「仏陀は伝統的な輪廻の価値観を用いて道徳を説いただけで、肯定しているわけではない」
という類の学者の説を一刀両断しているところであり、宗教のプロの意地を感じた。
そもそも仏教は「輪廻」を前提にしているので、
それを近代哲学に合わせて非宗教的に解釈しようとしても無理がある。
なにしろ、輪廻がなければ「解脱」もなく、そうであれば「仏陀」も「八正道」も無いだろう。
それを斬る論説は、宗教を以て仕事としている人間だけが持ちうる重みがあった。
スマナサーラ長老独特の辛口な感じはなく、その意味でも読みやすいといえるし、
どういうわけか読者への慈しみさえ感じる本である。

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死後はどうなるの? (角川文庫) 文庫 – 2012/6/22
アルボムッレ・スマナサーラ
(著)
ブッダの教えをそのまま伝える初期仏教の立場で、ブッダが「輪廻転生」「来世」「臨死体験」をどう考えたかをやさしく講義。悩むことは意味がなく、生きているから善行ができるということが素直に実感できる一冊。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2012/6/22
- 寸法10.7 x 1 x 14.9 cm
- ISBN-104041003334
- ISBN-13978-4041003336
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商品の説明
著者について
1945年スリランカ生まれ。13歳で出家。スリランカの国立大学で教鞭をとったのち、80年に来日。日本テーラワーダ仏教協会の長老として、初期仏教の伝導に従事
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/6/22)
- 発売日 : 2012/6/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4041003334
- ISBN-13 : 978-4041003336
- 寸法 : 10.7 x 1 x 14.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 146,181位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。スリランカの国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭を とった後、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事。全国で 講演やセミナーなども行い、ブッダの根本の教えを説き続けている。また、朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務める(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『くじけないこと 角川SSC新書』(ISBN-10:4047315354)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月26日に日本でレビュー済み
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2018年8月28日に日本でレビュー済み
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ちょっとした輪廻転生への好奇心が、
読み終えたことには輪廻はそう楽しいものではないと思いました。
人間に生まれることはありがたい。
これはお釈迦様の言葉だそうですが、
善いことができるうちに善いことをしたほうがいいと思いました。
精進する気持ちが持てると思いますのでおすすめです。
ありがとうございました。
読み終えたことには輪廻はそう楽しいものではないと思いました。
人間に生まれることはありがたい。
これはお釈迦様の言葉だそうですが、
善いことができるうちに善いことをしたほうがいいと思いました。
精進する気持ちが持てると思いますのでおすすめです。
ありがとうございました。
2023年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本には以下のことが書かれています。
①輪廻転生は証明できない。見て来た者は無く、触ることもできないから。
②しかし、来世が無いなら、仏教で解脱を勧める意味が無くなってしまう。「この世は苦である。二度とこの世に生まれて来ないように、悟りを開いて解脱しましょう」というのが仏教本来の趣旨ですから。
③この本は、スマナサーラ師が自身の「個人的」思想信条に基づいて、死後の世界である天国・地獄・餓鬼道等を解説している。信じるか信じないかは読者の自由、という内容です。
でも、今の時代に仏教に関心を寄せる人は、より深く人生を生きようという人がほとんどではないでしょうか?
お釈迦様の生きていた時代は、日本で言うなら黒澤明の映画「羅生門」のような世界。戦乱・疫病・飢饉が蔓延している世界だったのではないでしょうか。それなら、「厭離穢土、欣求浄土」と叫びたくなるのは当然です。
ともかく、今は医学もなく、社会福祉の概念もないB.C.500年の古代の世界とは違います。あなたは二度とこの世に生まれたくないと思いますか。自分の人生を振り返ってそこそこ楽しかったと感じる人が大半なのでは…。
現代のニーズと、テーラワーダはちょっと乖離が生じているかもしれません。「地獄は人の心の中にある」という現代の大乗仏教の方が私は好きですね。
多分、私の感想を聞いた師は、「どっちだっていいんだよ、結果は同じだから。仏教は地獄を強調したりはしない。悟りに拘ることも執着だ。ましてや地獄などという更に大きな執着を生む話を強調するはずもない」とおっしゃると思いますが
①輪廻転生は証明できない。見て来た者は無く、触ることもできないから。
②しかし、来世が無いなら、仏教で解脱を勧める意味が無くなってしまう。「この世は苦である。二度とこの世に生まれて来ないように、悟りを開いて解脱しましょう」というのが仏教本来の趣旨ですから。
③この本は、スマナサーラ師が自身の「個人的」思想信条に基づいて、死後の世界である天国・地獄・餓鬼道等を解説している。信じるか信じないかは読者の自由、という内容です。
でも、今の時代に仏教に関心を寄せる人は、より深く人生を生きようという人がほとんどではないでしょうか?
お釈迦様の生きていた時代は、日本で言うなら黒澤明の映画「羅生門」のような世界。戦乱・疫病・飢饉が蔓延している世界だったのではないでしょうか。それなら、「厭離穢土、欣求浄土」と叫びたくなるのは当然です。
ともかく、今は医学もなく、社会福祉の概念もないB.C.500年の古代の世界とは違います。あなたは二度とこの世に生まれたくないと思いますか。自分の人生を振り返ってそこそこ楽しかったと感じる人が大半なのでは…。
現代のニーズと、テーラワーダはちょっと乖離が生じているかもしれません。「地獄は人の心の中にある」という現代の大乗仏教の方が私は好きですね。
多分、私の感想を聞いた師は、「どっちだっていいんだよ、結果は同じだから。仏教は地獄を強調したりはしない。悟りに拘ることも執着だ。ましてや地獄などという更に大きな執着を生む話を強調するはずもない」とおっしゃると思いますが
2020年5月25日に日本でレビュー済み
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アルボムッレ・スマナサーラ師の説法の中で、死後の話だけが何度聞いても腑に落ちません。
死後の世界はだれもわからないので、そのことをとやかく考えて悩むより、今という時間を一生懸命生きなさいと言われているかと思えば、地獄や、輪廻の話が出てくる。輪廻から抜け出ることがそれほど幸福なことなのか、輪廻の中で違うものに生まれ変わっても過去の記憶がなければそのことがそれほどつらいことなのか?
原始仏教は、大乗仏教や一神教などに比べて科学的な宗教であると思いますが、地獄や輪廻、転生といったところだけ、必ずあるもの(前提)として話が組み立てられており、正直納得できません。私の理解が浅いのかもしれません。
死後の世界はだれもわからないので、そのことをとやかく考えて悩むより、今という時間を一生懸命生きなさいと言われているかと思えば、地獄や、輪廻の話が出てくる。輪廻から抜け出ることがそれほど幸福なことなのか、輪廻の中で違うものに生まれ変わっても過去の記憶がなければそのことがそれほどつらいことなのか?
原始仏教は、大乗仏教や一神教などに比べて科学的な宗教であると思いますが、地獄や輪廻、転生といったところだけ、必ずあるもの(前提)として話が組み立てられており、正直納得できません。私の理解が浅いのかもしれません。
2015年10月14日に日本でレビュー済み
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すばらしい内容です。
「死後」という誰もが気になるテーマに対して、完璧な論理で語っています。
長老は最初に「死後のことは死んだ事がないのでわからない」と語ります。
それに続き、お釈迦様はどのように語り、他の宗教の事例なども紹介されます。
最終的には、死後を信じようが信じまいが、善行を行うことにより、今の人生も、死後の人生も良くなるのだから、「今からでも徳を積み、善行をしよう」と語りかけます。
ほぼ完璧な論理であり、敬服したい気持ちになります。安心感が生まれます。
根本仏教は本当にスゴイと思う。
ちなみに、大乗仏教は神仏祖師を信仰することから「宗教」と言えますが、根本仏教は、
「自分自身と法(存在の摂理)だけを頼れ」
というお釈迦様の教えと訓練法なので、「宗教」の範疇から外れる。
だから、個人の信仰や宗教観とは関係なく、誰でもが学ぶべき大切な教えだと思う。
補足です。
ゴータマさんが言う ”悟り” を把握したい方は次の本が参考になります。
無師独悟 別府慎剛著
禅友に贈る書 町野久義著
「死後」という誰もが気になるテーマに対して、完璧な論理で語っています。
長老は最初に「死後のことは死んだ事がないのでわからない」と語ります。
それに続き、お釈迦様はどのように語り、他の宗教の事例なども紹介されます。
最終的には、死後を信じようが信じまいが、善行を行うことにより、今の人生も、死後の人生も良くなるのだから、「今からでも徳を積み、善行をしよう」と語りかけます。
ほぼ完璧な論理であり、敬服したい気持ちになります。安心感が生まれます。
根本仏教は本当にスゴイと思う。
ちなみに、大乗仏教は神仏祖師を信仰することから「宗教」と言えますが、根本仏教は、
「自分自身と法(存在の摂理)だけを頼れ」
というお釈迦様の教えと訓練法なので、「宗教」の範疇から外れる。
だから、個人の信仰や宗教観とは関係なく、誰でもが学ぶべき大切な教えだと思う。
補足です。
ゴータマさんが言う ”悟り” を把握したい方は次の本が参考になります。
無師独悟 別府慎剛著
禅友に贈る書 町野久義著
2018年9月10日に日本でレビュー済み
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読んだら色んな意味で人生変わります。お勧めです。
2017年8月12日に日本でレビュー済み
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すごくためになった。生き方を見直せる本だとおもいます。何度も読んでいます。
2020年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
輪廻の証拠は示せないこと、輪廻がなくても、修行はできることがわかった。