「サランボー」は、古代の地中海の貿易を支配した強大な海洋都市国家、カルタゴを舞台にした歴史ロマン物で、フランスのシュールリアリズムの旗手。フロベールの代表作の一つである。
カルタゴは貿易を主体とした商業国家で、土地に土着した農業国家ローマと地中海世界の覇権をめぐって激しく戦うことになる、
その対立は、農民と遊牧民とのそれのように根源的なもので相手を殲滅するまで終わらない。
これが第一次〜三次ボエニ戦争である。第二次ポエニ戦争のハンニバルは殆どローマを滅ぼしかかったが最終的には敗れてしまう。
その後ローマは徹底的にカルタゴを滅ぼしてしまう。皆殺しにし、焼き払い破壊し尽くす。その為カルタゴの社会や文化を知る手がかりが殆ど残されていない。
その文明は謎に包まれている。
フローベルは作家の空想力を駆使しこの謎を挑んでいる。。女神官サランボーと反乱軍のマノンとの恋を交え、第一次ポエニ戦争後のカルタゴと傭兵蛮族との戦争を描いている。全編の半分以上は戦闘場面であり、あまりに生々しい。
そしてその中で描かれるバール神の幼児生け贄の儀式はカルタゴの暗いイメージを作り上げてしまった。
しかしこの作品は歴史の中に消えてしまった謎の都市を、社会を、生き生きと目の前に蘇らせてくれる優れた作品だとと思う。

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サランボオ 上巻 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 46) 文庫 – 1953/7/1
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1953/7/1
- ISBN-10404201402X
- ISBN-13978-4042014027
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1953/7/1)
- 発売日 : 1953/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 215ページ
- ISBN-10 : 404201402X
- ISBN-13 : 978-4042014027
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,549,609位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,343位フランス文学 (本)
- - 17,466位角川文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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かんべ英語塾主宰(東京都世田谷)
慶應義塾大学経済学部卒、Yale University School of Management卒、MBA
全国通訳案内士(2019年合格)
税理士
TOEFL(R.)テストを専門に教えている。著書に『TOEFLテスト英単語3800』、『TOEFLテスト英熟語700』(旺文社)『完全攻略!TOEFL ITPテスト』、『完全攻略!TOEFL iBTテスト』、『完全攻略!英検2級』、『完全攻略!英検準1級』、『TOEFL ITPリーディング・スピードマスター』(Jリサーチ)などのTOEFLテスト、英検関係書籍などがある。
主宰するかんべ英語塾からは、東大、慶応大学、早稲田大学、エール大学、ハーバード大学、MIT、ケンブリッジなどをはじめ、日本や欧米大学・大学院に合格実績が多数ある。
趣味:
旅行
筋トレ
水泳
ホームページ:
http://www.kambe-education.com
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2009年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年3月6日に日本でレビュー済み
カルタゴという前世紀に消えた異教徒の都市国家を舞台にし,文豪の想像力が炸裂します。カルタゴと傭兵反乱軍の戦争ドラマを基調に,女神官サランボーと傭兵の愛の物語を裏で奏でるという趣向ですが,キリスト教の倫理観といった縛りなしの登場人物達が魅力的です。カルタゴのアミルカアル(ハミカル)は天才的将軍であるが決して正義の人ではない。彼の政敵アノン(ハンノ)は殆ど妖怪です。戦争の残虐さもあわせて,中国の歴史小説のような奔放さで,話は進んでいきます。最後のあたりの反乱軍首領同士の会話,泣かせます。ただ,本の旧漢字が読めない,登場する攻城機のイメージがわかない,私のイマジネーション力もpoorという,三拍子に苦しめられました。
出だしの饗宴の場面描写からその迫力に圧倒されます。
他の翻訳として, フローベール全集〈第2〉サラムボー (1966年) があり,新漢字かもしれないが,上とあわせて既に絶版。
出だしの饗宴の場面描写からその迫力に圧倒されます。
他の翻訳として, フローベール全集〈第2〉サラムボー (1966年) があり,新漢字かもしれないが,上とあわせて既に絶版。