本書は田村俊夫氏による真実の艦艇史シリーズの第4作であり、少々地味な感のある睦月型駆逐艦の戦時中の兵装変遷を中心に取り上げています。
真実の艦艇史シリーズなので戦時中の兵装変遷の考察による実態の検証がメインであり、建造に関する思想や経緯、細かなディテール解説、搭載兵装に関する解説、同時期の外国艦との比較や米英における評価、といった記事はないので、従来の「xx型xx艦」同様の内容を期待しているとがっかりするかもしれません。
その他の記事としては、神鷹、レーダー開発、雪風、迅鯨・長鯨、等について取り上げています。また巻末には真実の艦艇史1〜3の補遺・訂正が掲載されています。誤った内容のまま放置されている出版物が多い中、このようにきちんとしたフォローが行われるのは良いことだと思います。
また、本書でも某権威者について厳しいことを指摘していますが、確かに頷けるところはあると思います。
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