元ガイナックス代表取締役で自称オタキングの岡田さんが東大で開いたオタク論ゼミをまとめたもの
オタク道に入るための作法を学ぶための本だ
光のオタク編
第1講 ゲームクリエイターのアノマリー分析(ゲーム概論)
第2講 日本アニメの思想と根性と美学(アニメ概論)
第3講 エフェクトアニメ進化論(アニメ各論)
第4講 あくなきオタクなまんが読みになる方法(まんが概論)
第5講 民主主義的に正しいスーパーヒーロー(まんがとアメコミ)
第6講 まちがいだらけの現代科学(オカルト概論)
第7講 妄想戦士たちの栄光と影(オカルト各論)
闇のオタク編
第8講 現代アートの超理論
第9講 ゴミ漁り想像力補完計画
第10講 終わりなき「やおい」の野望
第11講 日本核武装論
第12講 愛と誠の変態講座
第13講 敗られざる「ゴーマニズム宣言」
本書はまずオタクの定義から入る
もともとオタクとはある特定の人種、アニメやまんが、ゲームなどにハマっていて紙袋下げている奴を指す言葉ではありません。そういった人々がバックグラウンドとして持っている文化の総体が「オタク」なわけです。この文化に首まで浸ってしまうとだんだん太ってきたり紙袋下げたりするようになるというだけのことであって、何らかの遺伝子を持つ特定の人種が「オタク」になるわけではありません。
得てして「オタク」と言う言葉には偏見があるが、一般的に考えられている「オタク」という概念は甘いことが次の言葉でわかる。
さて、ここで一つとても重要な問題として、「オタク」はいったい「ファン」や「マニア」とどう違うのかという点を明らかにしなければなりません。
「ファン」というのは、対象が好きでたまらないという状態。
(略)
だから「エヴァンゲリオンの綾波レイがイイ!」と叫んでいるようなのは、これはオタクではなくて「ファン」なんです。
これが高じて「マニア」になると、対象そのものよりもそれに対する研究や収集の方にのめり込んでいくようになります。アイドルのコンサートに行っても、ステージの上にいる女の子なんかろくに目もくれず、メモを片手に「ああ、今日はイントロが何秒だった」とか「ここの振り付けがちょっとズレていた」とか、そういうチェックに熱中しているという、つまりはこれが「マニア」ですね。
(略)
つまり「ファン」や「マニア」と「オタク」の差は、対象と自分との関係を振り返れるかどうかなんです。
(略)
「銀河旋風ブライガー」が好きなら、ただ「ブライガーがいい!」と叫んだりあらゆるアイテムをコレクションしたりするだけでなく、「なぜ「銀河旋風ブライガー」と言う作品が自分にとって素晴らしいのか、特殊なのか」を自分の言葉で語らなければならないのです。当然、これには「好きなだけ」「集めるだけ」とは一線を画した、高度な知性が要求されるでしょう。
そうオタク道に入るためには生半可な努力ではだめだということ。
真にオタクの人というのはそのために多くの代償を払い時間とお金をつぎ込み一つの対象を極めているような人物であって、本来は尊敬されてしかるべき存在だと思う。
実際本書でも触れられているが、日本が世界に誇れる文化というのは食を除いてオタク文化ぐらいでないのかとも思う
いつしかシェークスピアを知らずにイギリス人と話せないように、ガンダムを知らずに日本人とは話せないという日がくる(かもしれない笑)
オタクになるのがいかに難しいかをわかったところで実際に本論に移ると、「オタク文化」がいかに奥の深いものかということがわかる
とりわけ宮崎駿は化け物だということもよくわかった
アニメ、ゲーム、まんがなどどこから入るかは自分次第なのだが、一つ一つに広大なバックグラウンドがあることは知っておくべきことだろう
しかし目次にもあるように後半の方にいくとさすがに引いてくる笑
ゴミ漁り、やおい、変態性研究と実際にこういう人いるんだぐらいの人物が講師として登場してくるのだがまぁこれもオタクの一側面なのだろう
それぞれの人生の時間は限られている
したがって、アニメにすべてを費やすもよし、オタクと無縁の人生を歩むもよしだと思うが、なにか一つのことを極めている一っていうのはかっこいいなぁと思った

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東大オタク学講座 単行本 – 1997/9/1
岡田 斗司夫
(著)
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1997/9/1
- ISBN-104062082926
- ISBN-13978-4062082921
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
噂がウワサを呼びモグリ殺到の超人気ゼミ「オタク文化論」の傑作選。ゲーム、アニメ、まんが、オカルトから講義はやがて哲学の深みへなだれこむ。ゲストも多数登場。
著者について
1958年大阪府生まれ。85年アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立、代表取締役を務める。映画『オネアミスの翼』、NHKアニメ『ふしぎの海のナディア』、パソコンゲーム『プリンセス・メーカー』など、手がけたアニメーション映画、コンピュータ・ゲームは多数。92年同社を退社、東京大学オタク文化論ゼミ講師を務める。本書に収められたゼミは96年度のもの。97年株式会社オタキングを設立。著書に『ぼくたちの洗脳社会』(朝日新聞社、1995)『オタク学入門』(太田出版、1996)『オタクアミーゴス!』(共著・ソフトバンク、1997)がある。従来、サブカルチャー領域の個別分野ごとのマニアとしか見られなかった「オタク」を、個別分野を横断する膨大な情報集積回路を持つトータルな文化として認識させた、新しい文化論の旗手である。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1997/9/1)
- 発売日 : 1997/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 374ページ
- ISBN-10 : 4062082926
- ISBN-13 : 978-4062082921
- Amazon 売れ筋ランキング: - 297,230位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 556位サブカルチャー一般の本
- - 5,492位社会学概論
- - 29,526位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1958年大阪生まれ。85年、アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立。代表取締役として「王立宇宙軍―オネアミスの翼」「ふしぎの海のナディア」な ど数々の名作を世に送る。92年退社。「オタキング」の名で広く親しまれ、「BSマンガ夜話」「BSアニメ夜話」のレギュラーとしても知られる。大阪芸術 大学客員教授(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『遺言』(ISBN-10:4480864059)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月1日に日本でレビュー済み
2010年2月23日に日本でレビュー済み
語調は軽やかで読みやすいし
タイトル通りオタク文化周辺を横断的に解説してくれるので、
サブカルチャーのある限られた分野の知識を補強するには手ごろかと。
たまに笑えます。
公式紹介文「哲学の深みへなだれこむ」というのは過言です。
どこにもそんなものはありません。
タイトル通りオタク文化周辺を横断的に解説してくれるので、
サブカルチャーのある限られた分野の知識を補強するには手ごろかと。
たまに笑えます。
公式紹介文「哲学の深みへなだれこむ」というのは過言です。
どこにもそんなものはありません。
2007年6月14日に日本でレビュー済み
読み物として面白い。
講義録らしく、途中で学生が帰るなど、非常にシビアな反応もきちんとフォローしていて、興味深い。
どの話もものすごくディープですが、私は「闇のオタク」部(本書後半)の小林よしのりをのぞいた部分が好きです。
完全に好みの問題ですが。
こういうのが研究資料として利用できる書籍の形になっているのは非常にありがたいことです。
オタクの生態研究は、同著者の「オタク学入門」の方がとっつきやすいかもしれませんが。
講義録らしく、途中で学生が帰るなど、非常にシビアな反応もきちんとフォローしていて、興味深い。
どの話もものすごくディープですが、私は「闇のオタク」部(本書後半)の小林よしのりをのぞいた部分が好きです。
完全に好みの問題ですが。
こういうのが研究資料として利用できる書籍の形になっているのは非常にありがたいことです。
オタクの生態研究は、同著者の「オタク学入門」の方がとっつきやすいかもしれませんが。
2006年2月19日に日本でレビュー済み
昨年出版された異能ミュージシャン菊地成孔さんの著書「東京大学のアルバート・アイラー」は面白い。そいえば岡田斗司夫さんの「東大オタク学講座」も書斎のどこかにあるはずなんだが・・・ついでに探してみたら本棚の手前にあった。これを「灯台下暗し」という。(笑)・・・以下、gooブログ「デューク・アドリブ帖」ご覧ください。