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牙-江夏豊とその時代 単行本 – 2002/2/1
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日本中が燃えていた。
そして江夏豊がいた!
人工芝も屋根付き球場もなかった。もっと速く、もっと遠くへ――。
グラウンドは「真剣勝負」に溢れていた。単純で、むき出して、けれども胸躍る、熱いもの。それがプロ野球だった。
長嶋がいて王がいた。手に汗握るような王―江夏の一騎討ちがあった。どの時代にも人々を吸引するスターがいる。人は過ぎ去った日々に思いを込めるものであるが、それを差し引いてもなお、プロ野球を包む風景はいまよりずっと熱気に溢れてあったように思える。失われた〈黄金時代〉の一端を、長くプロ野球ファンであったものとして記してみたかった。――(「あとがき」より)
現役生活18年の通算成績は、206勝158敗193セーブ。最優秀防御率1回、最多勝2回、最優秀救援投手5回、セ・パ両リーグにまたがってMVP(最優秀選手賞)……。
残した数字も傑出しているが、江夏は記録よりも記憶に残る投手だった。
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/2/1
- ISBN-104062108623
- ISBN-13978-4062108621
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商品の説明
商品説明
冒頭、最新設備のドーム球場で繰り広げられるゲームに、どこか無機的な雰囲気を感じる著者。かつての心躍るゲームに思いをはせるとき、江夏の姿が思い出され、そこから著者の「あの投手への旅」が始まる。著者にとって江夏は、同時代を生きた反体制の象徴であり、ノンフィクション作家を志すきっかけだった。本編では、当時から30年余を経ているにもかかわらず、綿密な取材によって、選手や関係者の泥臭いやりとりや、職人的意識が生き生きと描かれている。それらが、リアルタイムでは浮き彫りにできなかったであろう時代性や、歳月を経た元選手たちのひと言ひと言を、重みをもったものにしている。
また、各章の端々には著者自身の青年期の思いが重ねられる。だが、過剰な郷愁や押しつけがましさはなく、自己完結にとどまらない読み物としてのエンターテイメント性を十分にもっている。プロ野球ファンにはプロ野球黄金時代の検証として興味深く、そうではない人も、プロ野球を通じて、その時代を見事に描いた著者の視点に興味をそそられるだろう。その読後感は、単なるスポーツノンフィクションの枠に収まらない。(佐藤修平)
メディア掲載レビューほか
「ああいう本物の仕事師には二度とお目にかかれませんよ。疲れる人ではあったが、サラリーマン世界にいると、ことさら懐かしいねぇ」。不世出の天才左腕投手、江夏豊と深く交わった報知新聞社のOBが、本書の中で漏らした印象的な一言である。
「反乱と反体制」の時代を潜り抜けてきた著者は、江夏という同世代の野球人の不器用な生き様を通じ、人間が人間として輝いていた頃の職業野球を活写する。
かつて阪神には、組織の不条理や人事の軋轢を超えて、マウンドに立てば目の前の敵に全力で牙を剥く「プロの中のプロ」がいた。暗い世の中である。企業や官庁の壁を超えて、あらゆる組織に1人でも2人でも「江夏」が現れてくれれば、と願わざるを得ない。
(日経ビジネス 2002/03/25 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
著者について
1946年京都市に生まれる。京都大学農学部卒業。ノンフィクション作家。『遠いリング』(岩波現代文庫)で第12回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
他の著書に『復活』(文藝春秋)、『スカウト』(講談社文庫)、『甦る鼓動』(岩波現代文庫)、『孤塁に刻む』(三五館)、『私だけの勲章』(岩波・同時代ライブラリー)、『ふたつの生命』(同)、『咬ませ犬』(同)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/2/1)
- 発売日 : 2002/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 326ページ
- ISBN-10 : 4062108623
- ISBN-13 : 978-4062108621
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,031,041位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,917位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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その巨人に唯一対抗できたチームが阪神タイガース(甲子園での阪神という限定がつくが)。あの頃、甲子園の阪神・巨人3連戦はほとんど2勝1敗で阪神が勝ち越していたのではないか。第1戦。江夏先発。巨人を完封!阪神先勝。江夏自身がよく決勝打を打っていた。第2戦。村山先発。江夏のロング・リリーフで逃げ切り。阪神連勝。第3戦。江夏が再び先発!疲れた江夏をどうにか打ち崩して、巨人辛勝。現在では考えられないローテーション無視の酷使。江夏はこれに耐えていた。見せ場は、江夏と王の一騎打ち。息詰まるような名勝負。試合経過とは別の力対力の圧倒的な迫力。TVの野球中継を拳を握りしめて見つめていた。
巨人ファンの私だったが、江夏は好きな選手だった。王に打たれても、王を押さえても、常に挙措に潔さがあった。男だと思った。9連覇の巨人にいつも最後はひっくり返される阪神の脆さも好きだった(怒らないでね、タイガース・ファンの皆さん)。阪神タイガース=日本社会党論というのがよく世間で言われていたが、自民党と裏取引を繰り返す社会党より、阪神はむしろ新選組に似ていたのではないか。敗北の美学。内訌、平たく言えば内紛を繰り返して疲弊してゆく点でも。江夏が土方歳三ファン(というより土方フリーク)というのも偶然ではないと思う。
本書は江夏豊という人間を様々な証言で浮き彫りにする。決して熱い記述ではない。江夏とあの時代が淡々と語られる。江夏の冷徹、そして内面の熱さを伝えるのに相応しい静かな文章。江夏が好きな人、江夏が阪神で活躍したあの時代に思い入れのある方に強く奨めます。名著です。
阪神時代の江夏豊に憧れていたという強い思いは理解できるのだが、文章の進め方が下手くそである。物語に連続性がない。ノンフィクションの体裁をとるため人物説明や社会背景の説明は当然あってよいが、それが長過ぎるのだ。そのため、時代が前後するし、同じ出来事が二度以上登場するシーンがあり、非常に読みづらかった。あと社会背景と結びつけるのは良くても、著者の左翼思想が散りばめられていて、どうも馴染めなかった。
著者の分かりにくい表現も気になった。例えば田淵がスゴいと言いたいがために掛布、岡田とは「スケールが違った」とか、村山と江夏という大投手を前にしたらその周辺の出来事は「余計な夾雑物に過ぎない」などの言葉の意味の根拠の無さに疑問を感じた。
そして、気になったのは本書の題名。
「牙―江夏豊とその時代」は本田靖春の名著「疵―花形敬とその時代」のパクリじゃないのですか。そのことに関する断りも本書にはなかったのがなぜか気になりました。
私は江夏豊という魅力的な生き方をする人物を一時代を限定しない、誕生から現在まで通しで描ける本の登場を待ちたい。
時は昭和40年代。ONがいて、村山がいて、堀内がいて、田淵が登場し、そしてそのほかに今では語られることが少ないものの、味のある、個性豊かな芯の通った「男」たちが、プロ野球にいた。
マスコミと選手がまだ信頼関係があり近かった時代。豪快な男たちの中で、江夏も勝負していた。
この本は、豪快でありながら情に深く、でも世渡り下手でナイーブな江夏を数多くの熱い男たちの証言をもとに追っていくと同時に、江夏とかかわりのあった人間と時代背景に迫る本である。
きっとラグビーの本を読むことが好きな読者には、納得の一冊だろう。せこさがなく、プロとしての男気、覚悟、そして堂々と胸を張って勝負したサムライのような男たちの本である。今彼らの熱い魂をフィールドで表現している人はいるだろうか?この時代に勝負をした人たちが、指導者として苦労する理由がよく見えてくる。プライドと誇りの塊のような人たちにとって、自分の経験を押し付けてしまいたくなることが理解できてくる。と同時に、江夏はいい指導者になるのではないかとも思う。情に深く、確立した理論があり、何よりどんなレベルでもかまわないくらい野球が好きだ。ただ、その責任とプレッシャーに押しつぶされないか心配である。
この本の特徴は、江夏だけではなく、彼と接した周りの人物の取材がしっかり構成されていることだろう。彼らの人物像からプロとはなんであるか?そしてその時代背景及び当時のプロ野球が丁寧に説明されている。魅力的で個性豊かな熱い人たちばかりだ。
最近の野球の本は、スポーツビジネスやら軽いプラス思考の本が多かったこともあり、久しぶりに野球で熱い本を読んだ。まだまだ江夏豊について知りたいと思う1冊である。
「好き嫌いがはっきりしていた。とりわけ上のものにへつらう奴を極端に嫌った。好きか嫌いかはあっても損か得かはない」
団塊世代の江夏ではあるが、その世代概念では括れない不器用さ、独り行く、しかし寂しがり屋で甘えん坊の人となりがファンに特別な哀愁を抱かせる----そんな印象がある。
いま、多くの江夏ではない平凡な男達は、「損か得か」という行動原理しか持たない。好きか嫌いかでは生きていけない。それを仕方がないという諦めと浅はかな狡さを持って自己慰撫とも自己憐憫ともつかぬ言い訳にして・・・。
本書は自らの生き方を省みる一つの教材ともなるだろう。