高等遊民と呼べばよいのだろうか。それともニートの先駆けか。あるいは女性無頼派作家?
生きるということはどういうことなのか。人生にやる気なし。自己肯定感些少なり。投げやりにしぶとく生きながら、ときどき自己を見つめる。
とにかく世の中の価値観というものが我慢ならないようだ。こんな生き方もあるんだなあ。珍獣を鑑賞するように読み終えた。あまり好きにはなれないけど。

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傷口にはウォッカ 単行本 – 2005/1/28
大道 珠貴
(著)
女の人って、いつも傷を抱えてるようなもんじゃない? ここに。
こころの傷口にウオッカを吹きかけ、痛みをたしかめながら生きていく。永遠子、40歳の恋愛遍歴。
40歳の今、恋人である寿一郎を手放せばもうあとがない、とも思う。でもそれは焦りからくるものじゃあない。それならそれでいいのだ。もうそれで恋愛というものが終わるとわかっているならば。しかし恋愛は思いがけずしてしまう。自分でも予定していないとき、不意に。——<本文より>
こころの傷口にウオッカを吹きかけ、痛みをたしかめながら生きていく。永遠子、40歳の恋愛遍歴。
40歳の今、恋人である寿一郎を手放せばもうあとがない、とも思う。でもそれは焦りからくるものじゃあない。それならそれでいいのだ。もうそれで恋愛というものが終わるとわかっているならば。しかし恋愛は思いがけずしてしまう。自分でも予定していないとき、不意に。——<本文より>
- 本の長さ213ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/1/28
- ISBN-104062127385
- ISBN-13978-4062127387
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/1/28)
- 発売日 : 2005/1/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 213ページ
- ISBN-10 : 4062127385
- ISBN-13 : 978-4062127387
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,149,616位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 50,663位日本文学
- カスタマーレビュー:
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2005年3月14日に日本でレビュー済み
「ミルク」「素敵」と続いた中短編集は、何だか目をそらしたくなるような話が多くあまり好きになれなかったのですが、この作品は結構ぐっときました。
もう相当いい歳なのに、結婚せず・定職ナシ・親のすねをかじり続けて平気な女、永遠子。世間からは「半端者」「負け犬」「ぶらぶらしてる」なんて言われてしまいそうな彼女だが、常識とは違う(人をくったような)視点からずっとずっと真剣に自分のことを考えつづけていた…。
永遠子が一人称で、これまでの人生を振りかえる内容です。ぱっとしない人生だけど、しめっぽくならないのは大道さんの乾いた文章だからこそ。過去の恋人・藤代さんと永遠子との会話のやり取りの軽妙さは、大道さんの本領発揮という感じでした。
ラストで、今まで真剣に何かを願った事などない永遠子が、痛切に「誰かと一緒に暮らしたい」と思い、しかも「私が暮らしたいのは弟(何故弟と、なのかは実際に読んでみてください)なのだ」と胸を痛める場面は、切なくてたまりませんでした。
「銀の皿に金の林檎を」に通じるテイストの長編ですね。おすすめします。
もう相当いい歳なのに、結婚せず・定職ナシ・親のすねをかじり続けて平気な女、永遠子。世間からは「半端者」「負け犬」「ぶらぶらしてる」なんて言われてしまいそうな彼女だが、常識とは違う(人をくったような)視点からずっとずっと真剣に自分のことを考えつづけていた…。
永遠子が一人称で、これまでの人生を振りかえる内容です。ぱっとしない人生だけど、しめっぽくならないのは大道さんの乾いた文章だからこそ。過去の恋人・藤代さんと永遠子との会話のやり取りの軽妙さは、大道さんの本領発揮という感じでした。
ラストで、今まで真剣に何かを願った事などない永遠子が、痛切に「誰かと一緒に暮らしたい」と思い、しかも「私が暮らしたいのは弟(何故弟と、なのかは実際に読んでみてください)なのだ」と胸を痛める場面は、切なくてたまりませんでした。
「銀の皿に金の林檎を」に通じるテイストの長編ですね。おすすめします。
2005年3月30日に日本でレビュー済み
著者が「しょっぱいドライブ」で芥川賞を受賞したときの記者会見の受け答えが印象的でした。大きな賞を取って嬉しいはずなのに、ちっともはしゃいでいません。ふてぶてしいといってもいい落ち着いた態度。きっと読者にウケようなんて考えない作家なんだろうなぁ、と感じました。
ところが、40歳独身女性である本書の主人公は、妹や弟の子供たちと遊ぼうとして「ゆっくり振り返って口からちょろりと豆乳を流してみせる」というおどけたことをします。しかも「鼻とか目から出せたらなあ。もっとよろこばせられたかもしれんのになあ」とつぶやきました。人間嫌いの主人公が登場するに違いないという私の先入観は、はじめから外れてしまいました。
でも、読み進んでいくうちに、やっぱり“ふつう”じゃない主人公の生い立ちや家庭環境が明らかになってきます。かつて駆け落ちして舞い戻ってきた経験のある母。お互い信頼していない父母なのに崩壊しているわけでもない家庭。弟とは信頼関係があるのに妹1と妹2という名前の必要最小限の会話しかしない二人の妹。「腐れ縁」となってしまったかつての親友。体を触れあっても最後の一線を超えようとしない恋人。主人公は、感動も楽しみも無縁な世界でもぞもぞと生きています。
ピンクの表紙にピンクの栞ひも。一見キャピキャピの装丁は、ちょっとしたサギです。これも著者が「口から豆乳を流してみせた」ようなものなのでしょう。
男とも女ともうまく人間関係を結べない主人公が、心の傷にウオッカを吹きかけながら過ごす物語。自分が何者かを確かめる期間を「青春」とすれば、これは40歳の青春小説といえるでしょう。
ところが、40歳独身女性である本書の主人公は、妹や弟の子供たちと遊ぼうとして「ゆっくり振り返って口からちょろりと豆乳を流してみせる」というおどけたことをします。しかも「鼻とか目から出せたらなあ。もっとよろこばせられたかもしれんのになあ」とつぶやきました。人間嫌いの主人公が登場するに違いないという私の先入観は、はじめから外れてしまいました。
でも、読み進んでいくうちに、やっぱり“ふつう”じゃない主人公の生い立ちや家庭環境が明らかになってきます。かつて駆け落ちして舞い戻ってきた経験のある母。お互い信頼していない父母なのに崩壊しているわけでもない家庭。弟とは信頼関係があるのに妹1と妹2という名前の必要最小限の会話しかしない二人の妹。「腐れ縁」となってしまったかつての親友。体を触れあっても最後の一線を超えようとしない恋人。主人公は、感動も楽しみも無縁な世界でもぞもぞと生きています。
ピンクの表紙にピンクの栞ひも。一見キャピキャピの装丁は、ちょっとしたサギです。これも著者が「口から豆乳を流してみせた」ようなものなのでしょう。
男とも女ともうまく人間関係を結べない主人公が、心の傷にウオッカを吹きかけながら過ごす物語。自分が何者かを確かめる期間を「青春」とすれば、これは40歳の青春小説といえるでしょう。