本書は、前漢時代の歴史書に「漢委奴国」として弥生時代の日本が登場するところから始まり、これまでの日中関係を今まで私が知らなかった視点で語ってくれた。目からウロコの良書である。
これまで「中国とは仲良くしなければならない」とか「中国は巨大市場であり無視できない」という強迫観念に囚われて、「では、どうすれば中国と仲良くできるのか。どんな風に仲良くなればいいのか」と考えていたが、「中国とは仲良くするな、距離をおけ!」という著者の回答に、ひざを打つ思いがした。頭の中でもやもやしていたものが、すっきり解決した気分だ。著者の文章には、説得力がある。
私は小さい頃から漠然とした中国文化への憧れがあり、実際に中国にも滞在したが、その時に中国という巨大な国の人々の層の厚さに驚いた。底辺のあまりにも野蛮な人々と、上層部のあまりにも博識で有能な志高い人々との幅の広さは、想像を絶するものだった。本書の著者は、もちろん後者であり、私は同世代の日本人として尊敬の念すら抱いてしまう。
ところで、本書のタイトル『「日中友好」は日本を滅ぼす!』が、なぜこのサイトでは『「乱世」の日中関係史―日本よ、いますぐ中国から離れよ!』となっているのだろうか!?

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「日中友好」は日本を滅ぼす! 歴史が教える「脱・中国」の法則 新書 – 2005/7/21
石 平
(著)
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/7/21
- ISBN-104062723271
- ISBN-13978-4062723275
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史的に見て、日本と中国が関係が深かった時代に日本は混乱に巻き込まれ、中国と関係が薄かった時代に日本は安定して繁栄したという指摘は面白い。確かにそうだなと思う。そういう筋立てで構成されている前半に比べて、現在の中国国内の不安定要因を述べるくだりは目新しさはなく、陳腐であるが、大筋の分析はその通りだろう。
日本の繁栄はアングロサクソン陣営との協調、連携にその基盤があるのであって、日本の一部にある「アジア主義」は観念論にすぎない。ましてや現在の共産党政権の命脈はそう長くはなく、いつかはわかならないが、そう遠くないうちに中国国内に相当程度の混乱が起こることもまず間違いないだろう。
そういう前提に立ったうえで、いかに近隣国である中国政府と中国の人々とつきあっていくのかを考える必要がある。その意味で筆者が唱える「政涼経温」ぐらいにすべしという主張は納得できる。ただの安っぽい反中本と違い、全体として一読の価値ある本と思う。
日本の繁栄はアングロサクソン陣営との協調、連携にその基盤があるのであって、日本の一部にある「アジア主義」は観念論にすぎない。ましてや現在の共産党政権の命脈はそう長くはなく、いつかはわかならないが、そう遠くないうちに中国国内に相当程度の混乱が起こることもまず間違いないだろう。
そういう前提に立ったうえで、いかに近隣国である中国政府と中国の人々とつきあっていくのかを考える必要がある。その意味で筆者が唱える「政涼経温」ぐらいにすべしという主張は納得できる。ただの安っぽい反中本と違い、全体として一読の価値ある本と思う。
2010年9月20日に日本でレビュー済み
日本は、どこの国とも争っては行けない。過去の歴史の真実もしらないいまま
他の国のことを言うべきじゃない。それよりも、今、日本がどうあるべきか
国民、県民、市民にとって、政府は、どうあるべきか?
極端なことを言えば、小学生にも選挙権をあたえるべきです。
お年寄りは、政治に興味がなくなり、農作業を実際に、朝早くからされている。
他の国のことを言うべきじゃない。それよりも、今、日本がどうあるべきか
国民、県民、市民にとって、政府は、どうあるべきか?
極端なことを言えば、小学生にも選挙権をあたえるべきです。
お年寄りは、政治に興味がなくなり、農作業を実際に、朝早くからされている。
2007年8月19日に日本でレビュー済み
毛沢東時代に中国で青年期を送った中国人評論家石 平氏による現代中国の政治経済評論である。その主張は現共産党政権による中国の繁栄は長く続くことはなく、いずれ混乱におよぶという反中国書。
乱世の日中関係史というタイトルにあるとおり古代以来の歴史に照らし、日本が中国と関係の深かった時代、国内は混乱に見舞われ疎遠になる時代は安定するという法則がある。だから現代日本も中国とあまり深く付き合うなという主張になっており、紙数の三分の一を古代以来の交流史に当てている。
しかしながら、その部分の主張はまったく妥当な根拠を示しておらず、読む価値がない。日本の動乱の国内の社会発展に内在する要因をまったく無視して、都合よく短命な政権を羅列しただけである。
後半主要部の現代中国評論は著者得意の分野で、すでに多くの媒体で発表されているところ。身をもって現代中国を体験してきた人ならではの主張である。単にヒステリックな反中国論ではなく、冷静に政治社会構造の諸相を分析している。
おそらく講談社としては、新書ブームの中、何か目を引くタイトルで出版したかったのである。そこでこのような付け焼刃の歴史分析をつけてだすことにし、著者もその話に乗ったのであろう。物書きで食べていくのは大変なんだなと思わせる一冊である。
乱世の日中関係史というタイトルにあるとおり古代以来の歴史に照らし、日本が中国と関係の深かった時代、国内は混乱に見舞われ疎遠になる時代は安定するという法則がある。だから現代日本も中国とあまり深く付き合うなという主張になっており、紙数の三分の一を古代以来の交流史に当てている。
しかしながら、その部分の主張はまったく妥当な根拠を示しておらず、読む価値がない。日本の動乱の国内の社会発展に内在する要因をまったく無視して、都合よく短命な政権を羅列しただけである。
後半主要部の現代中国評論は著者得意の分野で、すでに多くの媒体で発表されているところ。身をもって現代中国を体験してきた人ならではの主張である。単にヒステリックな反中国論ではなく、冷静に政治社会構造の諸相を分析している。
おそらく講談社としては、新書ブームの中、何か目を引くタイトルで出版したかったのである。そこでこのような付け焼刃の歴史分析をつけてだすことにし、著者もその話に乗ったのであろう。物書きで食べていくのは大変なんだなと思わせる一冊である。
2006年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書にはまず、二千年に渡る日中関係の変遷が書かれている。そこから読み取れるのは、日中関係が密になれば日本は「乱」の時代になり、疎になれば「治」の時代になると言うことである。また、奈良の大仏を建立させた時点で日本は世界有数の国力を有していたのであり、その後も中国に頼らず精神的にも技術的にも文明を進歩させてきたのである。それらの歴史的事実からすれば今後の日中関係がどうあるべきかは明白で、最後にはいくつかの提言もまとめられている。その中の一つに「経温政涼」のすすめがあるが、まさに日中関係とはこの程度で満足すべきものだったのだと、あらためて納得した次第である。
2005年12月23日に日本でレビュー済み
著者が勧告する「日中友好は日本を滅ぼす」の考えに賛同します。中国は
経済・軍事両面で帝国化を目指し、日本を飲みこもうとしています。現実に、一
般民衆レベルでは反日思想が確実に根を下ろしてきています。 このままでは、
早かれ遅かれ、第2の通州事件(ご存知ない方は調べて下さい)が起こるよう
な気がしてなりません。先日の反日大暴動はその序章です。 今、我々が執る
べきは、「日中友好」は単なる片思いの幻想であったとの認識に基づいた「脱・
中国」です。本書は、それを史実で実証しています。
経済・軍事両面で帝国化を目指し、日本を飲みこもうとしています。現実に、一
般民衆レベルでは反日思想が確実に根を下ろしてきています。 このままでは、
早かれ遅かれ、第2の通州事件(ご存知ない方は調べて下さい)が起こるよう
な気がしてなりません。先日の反日大暴動はその序章です。 今、我々が執る
べきは、「日中友好」は単なる片思いの幻想であったとの認識に基づいた「脱・
中国」です。本書は、それを史実で実証しています。
2006年10月22日に日本でレビュー済み
歴史上、日本は中国(大陸)と密接な関係を結ぶと国が乱れ、疎遠になると繁栄する法則性があるとの視点から日中関係の
あり方が理路整然と書かれていて、新鮮な驚きがあります。
中国内の反日活動が2004年頃から、従来の感情的な面から中国の発展を阻害するライバルとしての対抗意識が加わって
きているのではないかとの考察、現行の経済発展が多くの内部矛盾を抱えていて「先物食いつぶし」経済でこの先どう転ぶか
不確定であり、「崩壊と再生のサイクル」型の中国の歴史を繰り返す可能性もあり、《経温政冷》の日中関係が推奨されてい
ます。
昨今提唱されている「東アジア共同体構想」も昔の「大東亜共栄圏構想」の焼き直しであり、欧米とアジア回帰で揺れて
来た近代の歩みを見直し、同じ体制の先進国との協調路線をベースにアジアを日本に対しての「喧嘩売りグループ」と
「仲良しグループ」に分けて現実的に対応していくことが今後の日本にとって大切ではとの提言は、充分考慮する価値
があります。
日中関係と日本の未来を考える上での良い視点を与えてくれる良書です。
あり方が理路整然と書かれていて、新鮮な驚きがあります。
中国内の反日活動が2004年頃から、従来の感情的な面から中国の発展を阻害するライバルとしての対抗意識が加わって
きているのではないかとの考察、現行の経済発展が多くの内部矛盾を抱えていて「先物食いつぶし」経済でこの先どう転ぶか
不確定であり、「崩壊と再生のサイクル」型の中国の歴史を繰り返す可能性もあり、《経温政冷》の日中関係が推奨されてい
ます。
昨今提唱されている「東アジア共同体構想」も昔の「大東亜共栄圏構想」の焼き直しであり、欧米とアジア回帰で揺れて
来た近代の歩みを見直し、同じ体制の先進国との協調路線をベースにアジアを日本に対しての「喧嘩売りグループ」と
「仲良しグループ」に分けて現実的に対応していくことが今後の日本にとって大切ではとの提言は、充分考慮する価値
があります。
日中関係と日本の未来を考える上での良い視点を与えてくれる良書です。
2006年1月29日に日本でレビュー済み
私は本書を読んでもっとも感銘を受けたのは、日本が古代史の国造りにおいて中国本場の儒教ではなく、インド伝来の世界宗教の佛教を国教として取り入れることによって中国と対等の立場に立つことができたという著者の指摘である。確かに、もしその時の日本は朝鮮人のように儒教を国教にしてしまえば、日本も当時の朝鮮国のように中国の属国としての三流国家になってしまったと思う。
そういう意味では、著者が勧める、日本は今後でもやはり民主主義など
の世界的普遍価値に身をおいて中国と是々非々のクールな関係を作るべきとの提言には諸手を上げて賛成したいと思う。
そういう意味では、著者が勧める、日本は今後でもやはり民主主義など
の世界的普遍価値に身をおいて中国と是々非々のクールな関係を作るべきとの提言には諸手を上げて賛成したいと思う。