耳の痛いことが沢山書かれていると同時に、新発見も沢山ありました。お勧めの一冊です。特に印象に残った部分を箇条書きしていきます。
今日最も深く攻撃されているもの、それは伝統と本能と意志とである。
「常識」「良識」「歴史感覚」それらすべてが「現代精神の趣味に反するもの」「反時代的なもの」として葬られてしまった結果、社会全体がブレーキを失ってしまったのです。
素人が政治に口を出すどころか、素人が閣僚になっている。
「忘れてほしい」というのは前代未聞です。
B層は「改革」「変革」「革新」「革命」という言葉が大好きです。「改革」というキーワードがついていれば、なにを改革するかは別として、そのまま誘導されていく。テレビや新聞の報道、政治家や大学教授の言葉を丸ごと信じ、踊らされ、騙されたと憤慨した後、再び騙されるような人たち。彼らがB層です。
「B層をだます側」にいたB層政治家が、B層そのものになりつつある。
B層を説得、あるいは論破しても無駄です。われわれが行わなければならないのは、B層、B層政治家、B層知識人の生態と行動パターンを分析し、狂気の時代において正気を保つ努力を怠らず、来るべきカタストロフィに備えることだと思います。
動物を擬人化するのは、歴史的に見て全体主義の兆候です。
大衆とは、善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出してるいるすべての人々のことである。
B層が無知を自慢し、偉大な人物が死んでも「アタシ知らな〜い」「誰それ?」などとわざわざネットに書き込むのは、彼らがキリスト教の影響下にあるからです。
政治家がやるべきことは「民意」から距離を置き、「民主主義の原点」から国家、社会、共同体を守ることです。
古代から連綿と続く人類の知の伝統は次のように教えます。「民意」を強調する政治家を警戒せよと。
ブロイラーのように個体差を認めないから、差別を許容できなくなる。差別をなくそうとする運動が、暴力と文明の破壊につながるというカラクリにB層は気づくことはありません。
B層は「格差」に敏感です。しかし、人間社会は格差により成り立っているのです。
裁判に「民意」を反映させることは、宗教的迷妄の時代への退行です。国家に責任を負う者は、プロフェッショナル、専門家、職人であるべきです。
ニーチェに言わせれば不平等こそが正義なのです。
B層は病気の話が大好きです。
B層は同情が大好きです。
A層の商売人は、ミュージシャンの「死」や「病」を利用して、陳腐なドラマをつくり、B層をひっかけるわけですね。「二四時間テレビ」のマラソンと同じで、A層がB層向けの「感動」を量産する。
ゲーテは政治家に必要なものは、まず教養だと言います。
まずはヨハン・エッカーマンの「ゲーテとの対話」を読むべきです。
そのゲーテは「古典を読め」と言います。
教育者の新渡戸稲造も熱心にプルタルコスを薦めます。
何はさておきスタンダール
ドストエフスキーこそ、私が何ものかを学びえた唯一の心理学者である。
町場の肉屋が揚げたきちんとした唐揚げより、チェーン店の悪臭のするフライドチキンを買って帰るのがB層です。こうした土壌の上に「B層グルメ」は成り立っています。
一例をあげれば、ユングの影響を受けている民主党の原口一博です。彼はきわめて特殊な精神構造をもっています。公の場で話したことでも次の日には正反対のことを述べる。
B層政治家の見抜き方。
B層は単なるバカではありません。むしろ新聞を丹念に読み、テレビニュースを見て、自分は合理的で理性的な判断を下していると信じています。そして、騙されても決して反省せず、自己正当化の挙句、永遠に騙されていくのです。
B層を教育するのは無駄です。B層につける薬はありません。
男女は平等ではないからです。男女平等は宗教です。
こうした民主党の独裁理論を引き継いでいるのが大阪維新の会の橋下徹ですね。われわれは懲りもせず、過去と同じ失敗を繰り返し、自らの首を絞め続けているのです。
選挙は「デモクラシー教」「民主教」の儀式です。厳密に言えば、選挙は民主主義的ではありませんが、先述したように議会は民主主義の呪いを背負っています。
選挙なんかで世の中を変えることは危険なのです。
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ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社+α新書) 新書 – 2012/4/20
適菜 収
(著)
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19世紀の終わり、ニーチェはこの先、2世紀がニヒリズムが徹底されていく過程と予言しました。その予言は的中。あらゆる「真理」の根拠を失った近代人は、ますますおかしな袋小路に閉じ込められるようになりました。政治やJポップ、グルメ、経済などを素材に、「なぜいまの世の中はおかしいのか」を明らかにしていきます。B層=近代を妄信するバカの行動パターンを分析することで、今の時代の病を浮き彫りにします。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/4/20
- 寸法11.7 x 1.3 x 17.4 cm
- ISBN-104062727560
- ISBN-13978-4062727563
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商品の説明
著者について
適菜 収
作家、哲学者
1975年山梨県生まれ。早稲田大学哲学科でニーチェを専攻。卒業後、出版社勤務を経て現職。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語に訳した著書『キリスト教は邪教です!』(講談社+α新書)が、ニーチェの難解な思想を誰にでもわかるように翻訳した「真髄を捉えた新訳」として話題に。他の著書に『いたこニーチェ』『脳内ニーチェ』(朝日新聞出版)、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』(講談社+α新書)、『ゲーテに学ぶ賢者の知恵』(だいわ文庫)などがある。主にニーチェとゲーテに私淑しているが、日本人では徳川家康が好き。世界各地、日本各地の100以上の都市を訪れ、哲学的生活とは何かを探る紀行家でもある。オフィシャルサイト http://www.geocities.jp/tekina777/
作家、哲学者
1975年山梨県生まれ。早稲田大学哲学科でニーチェを専攻。卒業後、出版社勤務を経て現職。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語に訳した著書『キリスト教は邪教です!』(講談社+α新書)が、ニーチェの難解な思想を誰にでもわかるように翻訳した「真髄を捉えた新訳」として話題に。他の著書に『いたこニーチェ』『脳内ニーチェ』(朝日新聞出版)、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』(講談社+α新書)、『ゲーテに学ぶ賢者の知恵』(だいわ文庫)などがある。主にニーチェとゲーテに私淑しているが、日本人では徳川家康が好き。世界各地、日本各地の100以上の都市を訪れ、哲学的生活とは何かを探る紀行家でもある。オフィシャルサイト http://www.geocities.jp/tekina777/
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/4/20)
- 発売日 : 2012/4/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4062727560
- ISBN-13 : 978-4062727563
- 寸法 : 11.7 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 414,172位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 499位講談社+α新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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2012年8月19日に日本でレビュー済み
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2016年3月6日に日本でレビュー済み
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真理は細部に宿る、という言葉があるが、
著者は、現代日本を、無知で大樹の陰好きな
B層人間たちの支配する、変な社会であること
を、ニーチェに依拠しながら、この世で起きている
政治、社会、文化、音楽や、スポーツ、食べもの
や趣味に至るあらゆる分野の退廃を批判する、
そして、その原因は
パウロが作り上げた、神の下での人々の平等思
想と、来世主義に基づく、全西洋哲学思想である、
と
このキリスト教が、単なる言葉であり、概念に過
ぎない、平等」観念を生み出し、これが、ルソーの
自然権と、フランス革命の理念たる「自由、平等、
博愛」の芸念の基盤となった、
やがて産業革命によって、ヨーロッパが人口密集
地帯になるや、数千年も社会の下層にひっそりと
自足しながら生きてきた「大衆」が、平等の権利を
唱えて、社会の前面に躍り出てくる、
「民」=デモスの権利を主張しながら、
人はみな平等であり、人権を持ち、絶対王政に変わ
る、民主主義が登城したのだ、
詳しくは、この本を見てもらいたいが、こうした、人間の
平等とデモス主義が、現代のゆがんだ社会を生んだの
であり、それの基盤である、社会のB層がうみだされた、
と
本書ではこうした経過が、ニーチェの言説と歴史の経
過に基づきながら、詳しく解説される、
ニーチェは2つのことを言った、
1.これまでの哲学思想は、単なる、観念であり、
概念であって、歴史によって実証されたものではない、
と
これは、戦後のドイツで、ハイデガーの発言は、
単なる、言葉である、と批判されたのと、似ている、
ドイツの青年たちは、ハイデガーを読まなくなり、
熱心に読んだのは日本の文学部の学生だけだった
といわれる、余計なことだが、
2、もう一つは、上の続きだが、人間たちには、おのず
から、品性の高い人と、無知を自慢し、知をさげすむ
「下流の人たち」の区別が存在する、無前提に「民デモス」
を尊重するのではなく、上等な人々に従わねばならないの
だ、
、これを位階制といった、
問題の解決の道は、それでは、如何
ニーチェの言う、社会の正しい「位階制」に立ち戻ること、
位階の上部に位置する小数者の「ノーブレス。オブリージ」
に依拠すること、社会の多数派の知性のないB層は
分に応じた」正確に戻ること、がそそれである、と、
著者は、現代日本を、無知で大樹の陰好きな
B層人間たちの支配する、変な社会であること
を、ニーチェに依拠しながら、この世で起きている
政治、社会、文化、音楽や、スポーツ、食べもの
や趣味に至るあらゆる分野の退廃を批判する、
そして、その原因は
パウロが作り上げた、神の下での人々の平等思
想と、来世主義に基づく、全西洋哲学思想である、
と
このキリスト教が、単なる言葉であり、概念に過
ぎない、平等」観念を生み出し、これが、ルソーの
自然権と、フランス革命の理念たる「自由、平等、
博愛」の芸念の基盤となった、
やがて産業革命によって、ヨーロッパが人口密集
地帯になるや、数千年も社会の下層にひっそりと
自足しながら生きてきた「大衆」が、平等の権利を
唱えて、社会の前面に躍り出てくる、
「民」=デモスの権利を主張しながら、
人はみな平等であり、人権を持ち、絶対王政に変わ
る、民主主義が登城したのだ、
詳しくは、この本を見てもらいたいが、こうした、人間の
平等とデモス主義が、現代のゆがんだ社会を生んだの
であり、それの基盤である、社会のB層がうみだされた、
と
本書ではこうした経過が、ニーチェの言説と歴史の経
過に基づきながら、詳しく解説される、
ニーチェは2つのことを言った、
1.これまでの哲学思想は、単なる、観念であり、
概念であって、歴史によって実証されたものではない、
と
これは、戦後のドイツで、ハイデガーの発言は、
単なる、言葉である、と批判されたのと、似ている、
ドイツの青年たちは、ハイデガーを読まなくなり、
熱心に読んだのは日本の文学部の学生だけだった
といわれる、余計なことだが、
2、もう一つは、上の続きだが、人間たちには、おのず
から、品性の高い人と、無知を自慢し、知をさげすむ
「下流の人たち」の区別が存在する、無前提に「民デモス」
を尊重するのではなく、上等な人々に従わねばならないの
だ、
、これを位階制といった、
問題の解決の道は、それでは、如何
ニーチェの言う、社会の正しい「位階制」に立ち戻ること、
位階の上部に位置する小数者の「ノーブレス。オブリージ」
に依拠すること、社会の多数派の知性のないB層は
分に応じた」正確に戻ること、がそそれである、と、
2021年3月4日に日本でレビュー済み
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この本は著者が自らのルサンチマンをニーチェを利用してぶちまけたものだから、もしニーチェが生きていてこの本を読んだら著者を心底軽蔑・罵倒することだろう。
ニーチェを利用してニーチェが最も嫌った事をやっているのだからただただ呆れる他はない。
ニーチェを利用してニーチェが最も嫌った事をやっているのだからただただ呆れる他はない。
2023年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ニーチェライブラリーを揃えているニーチェファンの方には一冊あっても良いと思います。
ニーチェをよく知らない方が最初に読むのはお勧めしません。
やはり最初はニーチェの著作(の翻訳本)を読むことお勧めします。
ニーチェをよく知らない方が最初に読むのはお勧めしません。
やはり最初はニーチェの著作(の翻訳本)を読むことお勧めします。
2012年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ニーチェが言ったことは、「神は死んだ」ということではなくて、実は「神は生きている」ということ。
かつては、教会のなかにおさまっていた神が様々な形に姿を変えて、現代社会に君臨しているという。
ニーチェの鋭さは、神の権威、教会の権威を否定し、「これからは新しい時代だ」などと浮かれている人々の根幹に、依然として《神》が座り続けているということを指摘したことにある。
ニーチェは一般に倫理などでは「実存主義者」としての枠にあてはめられるが、これを現代に君臨している政治思想に批判の焦点を当てたものと言える。
「カトリック」のコミュで、この本をもとにした考え方を提示したら、「ニーチェはキリスト教を分かっていない。聖書を誤読している」「当時の西洋文明だけに対する批判であり、現代日本人の我々には関係ない」といったようなとぼけた意見が跳ね返ってきて、「宗教」、「非宗教」に関わらず、ものを考えない、現状にぬくぬくとしたマインドコントロールされた、《終末の人間》というのは、どこにでもいるのだなと本書が指摘している通りに思わされました。ネットでのコミュニケーション場など、典型的な群畜の集まりでしかない。
著者は、「民主主義」を形を変えた「キリスト教カルト」と断定し、それを支える、マスコミに流されやすい「B層」を徹底的に批判している。
ツァラツストラも、ニーチェも、「バカを論破するのは不可能」だと悟り、語りかけることをあきらめます。
では、B層批判の本書が書かれた対象とは?直接B層に向かってではないでしょう。
「今の世の中が肌に合わない人。今の世の中がどこかおかしいと感じている人。今の世の中を深く軽蔑している人。」に対して、ニーチェは、共に批判をし、呼びかけているようです。
キリスト教も、社会主義も、ルサンチマン(恨みつらみ)と同情の力を利用して、世界に君臨し、世の中の価値を転倒させてしまった。
民主主義や、民意が世界を動かすことほど危険なものはありません。
「一人ひとり」は完全に平等ではない。全くの妄想です。
フランス革命においても、重要であった点は、虐殺がロベスピエールの暴走ではなく、確固とした道徳思想および、人権思想により、理性的に大量粛清をはかった点にある。
《神》の普遍性や、そこから派生したイデオロギーは全くの無効です。
ニーチェが批判しているのは、《神》ではなく、《神として崇められてきたもの》。教会が生み出した《人工の神》。
本書の後半は、ニーチェの誤読者を徹底追及。知識人と呼ばれている人たちが、いかに汚染されているかを暴きます。
痛烈な民主主義、「形を変えた神」の批判だったが、最後に、この世界を良くするために、「選挙に行かない」こと以外に何かできるのだろうかと思わされた。
B層につける薬はない。有権者も成熟しない。
「選挙なんかで世の中は変わらない」のではなく、「選挙なんかで世の中を変えることは危険」なのだ。
我々は、ただ、B層や民主主義の「権力」に社会ごと流されて、何も変えられないまま、批判をすることしかできないのだろうか。
誰もが、「まだ大丈夫」と思っているうちに社会は腐っていった。
ナチスは狂気の集団ではなく、市民社会の中からごく普通に登場したのである。
本書を契機として、改めて、ニーチェ文献に当たり、社会の見方を考えてみたいと思わされた。
かつては、教会のなかにおさまっていた神が様々な形に姿を変えて、現代社会に君臨しているという。
ニーチェの鋭さは、神の権威、教会の権威を否定し、「これからは新しい時代だ」などと浮かれている人々の根幹に、依然として《神》が座り続けているということを指摘したことにある。
ニーチェは一般に倫理などでは「実存主義者」としての枠にあてはめられるが、これを現代に君臨している政治思想に批判の焦点を当てたものと言える。
「カトリック」のコミュで、この本をもとにした考え方を提示したら、「ニーチェはキリスト教を分かっていない。聖書を誤読している」「当時の西洋文明だけに対する批判であり、現代日本人の我々には関係ない」といったようなとぼけた意見が跳ね返ってきて、「宗教」、「非宗教」に関わらず、ものを考えない、現状にぬくぬくとしたマインドコントロールされた、《終末の人間》というのは、どこにでもいるのだなと本書が指摘している通りに思わされました。ネットでのコミュニケーション場など、典型的な群畜の集まりでしかない。
著者は、「民主主義」を形を変えた「キリスト教カルト」と断定し、それを支える、マスコミに流されやすい「B層」を徹底的に批判している。
ツァラツストラも、ニーチェも、「バカを論破するのは不可能」だと悟り、語りかけることをあきらめます。
では、B層批判の本書が書かれた対象とは?直接B層に向かってではないでしょう。
「今の世の中が肌に合わない人。今の世の中がどこかおかしいと感じている人。今の世の中を深く軽蔑している人。」に対して、ニーチェは、共に批判をし、呼びかけているようです。
キリスト教も、社会主義も、ルサンチマン(恨みつらみ)と同情の力を利用して、世界に君臨し、世の中の価値を転倒させてしまった。
民主主義や、民意が世界を動かすことほど危険なものはありません。
「一人ひとり」は完全に平等ではない。全くの妄想です。
フランス革命においても、重要であった点は、虐殺がロベスピエールの暴走ではなく、確固とした道徳思想および、人権思想により、理性的に大量粛清をはかった点にある。
《神》の普遍性や、そこから派生したイデオロギーは全くの無効です。
ニーチェが批判しているのは、《神》ではなく、《神として崇められてきたもの》。教会が生み出した《人工の神》。
本書の後半は、ニーチェの誤読者を徹底追及。知識人と呼ばれている人たちが、いかに汚染されているかを暴きます。
痛烈な民主主義、「形を変えた神」の批判だったが、最後に、この世界を良くするために、「選挙に行かない」こと以外に何かできるのだろうかと思わされた。
B層につける薬はない。有権者も成熟しない。
「選挙なんかで世の中は変わらない」のではなく、「選挙なんかで世の中を変えることは危険」なのだ。
我々は、ただ、B層や民主主義の「権力」に社会ごと流されて、何も変えられないまま、批判をすることしかできないのだろうか。
誰もが、「まだ大丈夫」と思っているうちに社会は腐っていった。
ナチスは狂気の集団ではなく、市民社会の中からごく普通に登場したのである。
本書を契機として、改めて、ニーチェ文献に当たり、社会の見方を考えてみたいと思わされた。
2017年2月20日に日本でレビュー済み
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著者の本全般に言える事だと思うが、何故日本の政治家達がこのレベル
なのか考えるキッカケを与えてくれる。
なのか考えるキッカケを与えてくれる。
2015年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
適菜は議会制民主主義は肯定するが、民主主義的選挙は否定する。適菜は、自分(適菜)は選挙に行かないという。それは本人の勝手だと思う。
しかしながら重大なことが抜けているように思える。それは、適菜にとって最良の政治体制とは何か?であるかだ。
適菜が民主党が政権与党についてから最も怒った状態で執筆した本ではなかろうか?
しかしながら重大なことが抜けているように思える。それは、適菜にとって最良の政治体制とは何か?であるかだ。
適菜が民主党が政権与党についてから最も怒った状態で執筆した本ではなかろうか?