グローバル経済を否定する訳ではなく、持続出来ないものだということを、歴史をベースに教えてくれます。
解決策も示してあります。
解決策の深掘りに、今後、期待
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静かなる大恐慌 (集英社新書) 新書 – 2012/9/14
柴山 桂太
(著)
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EU破綻とともに、グローバル化は終焉。
「世界秩序」の崩壊が始まる!
世界は「静かなる大恐慌」に突入した。危機的なのは経済だけではない。国際政治は、一九二九年の世界大恐慌をはさんだ、ふたつの世界大戦の時代と同じコースを歩み始めた。
グローバル化が必然的に招く、社会の不安定化と経済の脆弱化。これに耐えるシステムは、通説とは逆に「大きな政府」の復活しかない、という歴史の趨勢に我々は逆らうことはできないのだ。
このグローバル化の行きづまり、急反転というショックを日本はいかに生き抜くか。経済思想、国際関係論、政治・経済史の知見を総動員して、新進気鋭の思想家が危機の本質と明日の世界を精緻に描き出す!
[著者情報]
柴山 桂太(しばやま けいた)
滋賀大学経済学部社会システム学科准教授。一九七四年、東京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。専門は経済思想、現代社会論。主な共著に『グローバル恐慌の真相』(集英社新書)、『危機の思想』(NTT出版)、『成長なき時代の「国家」を構想する』(ナカニシヤ出版)など。
「世界秩序」の崩壊が始まる!
世界は「静かなる大恐慌」に突入した。危機的なのは経済だけではない。国際政治は、一九二九年の世界大恐慌をはさんだ、ふたつの世界大戦の時代と同じコースを歩み始めた。
グローバル化が必然的に招く、社会の不安定化と経済の脆弱化。これに耐えるシステムは、通説とは逆に「大きな政府」の復活しかない、という歴史の趨勢に我々は逆らうことはできないのだ。
このグローバル化の行きづまり、急反転というショックを日本はいかに生き抜くか。経済思想、国際関係論、政治・経済史の知見を総動員して、新進気鋭の思想家が危機の本質と明日の世界を精緻に描き出す!
[著者情報]
柴山 桂太(しばやま けいた)
滋賀大学経済学部社会システム学科准教授。一九七四年、東京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。専門は経済思想、現代社会論。主な共著に『グローバル恐慌の真相』(集英社新書)、『危機の思想』(NTT出版)、『成長なき時代の「国家」を構想する』(ナカニシヤ出版)など。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2012/9/14
- ISBN-104087206580
- ISBN-13978-4087206586
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2012/9/14)
- 発売日 : 2012/9/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4087206580
- ISBN-13 : 978-4087206586
- Amazon 売れ筋ランキング: - 266,892位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 118位マクロ経済学 (本)
- - 524位集英社新書
- - 635位その他の地域の世界経済関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家・経済評論家。中小企業診断士。1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業ノーテルをはじめNEC、日本IBMなど を経て2008年に中小企業診断士として独立、三橋貴明診断士事務所を設立した。現在は、経済評論家、作家としても活躍中。2007年、インターネットの 掲示板「2ちゃんねる」において、公開データの詳細な分析によって韓国経済の脆弱な実態を暴く。これが反響を呼んで『本当はヤバイ!韓国経済』(彩図社) として書籍化されて、ベストセラーとなった(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 経済ニュースが10倍よくわかる「新」日本経済入門 (ISBN-13: 978-4776206187)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
柴山桂太、中野剛志 両氏 の著書を計10冊位購入、現在順に読んでる。経済思想、グローバリズム、TPP、ナショナリズム、MMT …経済オンチで これまで避けて生きて来たが、この両氏の解説は解りやすく 腑に落ちる。
2013年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済思想の先生が書いた「次の20年間で歴史の流れはどのように変わっていくのか」という予言の本。過去の分析だけでなく、今後どうなる、という一般の人が知りたいだろうことを、リスクを冒してあえて書いたことは評価できる。
著者は、今のグローバル化は、世界を不安定化させるという。
ただ、その主張の依拠する
「第一次グローバル化が、第一次世界大戦、第二次世界大戦という二度の大戦争によって終わったという事実」(2章)
の前提が、そんな単純なもんじゃないだろう、と受け入れられなかった。いったいどういった定義で「グローバル化」という言葉を使っているのだ。
(帝国主義の「グローバル化」の先の、ブロック経済が、第二次大戦につながったということは常識だろうが、現在の、人・物・金・情報の世界的な移動=「グローバル化」とは質的にも量的にも全然違うものだろう。同一視できる理由がわからない)
「本書では、いくつもの専門領域ーー経済学、政治学、歴史学、思想史ーーで蓄積された理論を踏まえて、議論が進められることになるでしょう。」(はじめに)
と大見得を切る割りには、個々の議論が浅い。まあ、新書にそんなもの期待するのが間違いか。
5章の分析は良かったが、他はまあ、雑誌の記事を薄く引き延ばしたような、最近の新書にありがちな本ですね。
著者は、今のグローバル化は、世界を不安定化させるという。
ただ、その主張の依拠する
「第一次グローバル化が、第一次世界大戦、第二次世界大戦という二度の大戦争によって終わったという事実」(2章)
の前提が、そんな単純なもんじゃないだろう、と受け入れられなかった。いったいどういった定義で「グローバル化」という言葉を使っているのだ。
(帝国主義の「グローバル化」の先の、ブロック経済が、第二次大戦につながったということは常識だろうが、現在の、人・物・金・情報の世界的な移動=「グローバル化」とは質的にも量的にも全然違うものだろう。同一視できる理由がわからない)
「本書では、いくつもの専門領域ーー経済学、政治学、歴史学、思想史ーーで蓄積された理論を踏まえて、議論が進められることになるでしょう。」(はじめに)
と大見得を切る割りには、個々の議論が浅い。まあ、新書にそんなもの期待するのが間違いか。
5章の分析は良かったが、他はまあ、雑誌の記事を薄く引き延ばしたような、最近の新書にありがちな本ですね。
2017年3月25日に日本でレビュー済み
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こんな本が出ていたなんて、驚いています。今2度目に入っています。
2012年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバル化が叫ばれて久しいが、果たしてグローバル化は正しかったのか、という問題を提起する、問題作。
私自身も、日本から世界に進出し、世界からも日本へ人やモノが流入し、グローバル化することは良いこと、当たり前のことだと、漠然と思っていた。
しかし、グローバル化により問題が複雑になり、本質が掴みにくくなるとともに、政治の力が衰えることで、さらに様々な問題が表面化してきた。
全ての元凶はグローバル化にあり、とまではいかないが、グローバル化の弊害を論じることは必要である。
第一次世界大戦前に進行した、第一次グローバル化。
グローバル化により資本主義が世界に広まり、貿易や投資により世界経済の結びつきが強くなることで、戦争のコストが高くなりすぎることから、世界に平和が訪れるという論が1910年頃に流行ったというのは、驚きだ。
このような論は、現代でも十分に通用するものと思っていた。
歴史は繰り返すと言うが、人類は第一次世界大戦の教訓も生かせていないのかと思うと、気が遠くなる。
人間の心理は、経済だけでは計れない。
政治、思想、歴史、哲学などあらゆる面からものごとを見ないと、大切なものを見落としてしまう。
世界は既に「静かなる大恐慌」に突入しており、もはやこれは避けられない。
これからは脱グローバル化を想定し、それに対する準備が必要となる。
資本主義が唯一絶対のものとは思わないが、少なくとも現状では、資本主義以外の社会は考えられない。
資本主義の中で、脱グローバルに対応しなければならない。
貨幣で計ることのできる物的な資本のみを崇拝する価値観から脱却し、無形の資本を評価する価値観へ移行しなければ、生き残れない。
かんじんなことは、目には見えない。
歴史の無常の中で、どう生きていくかを考えさせられる一冊。
私自身も、日本から世界に進出し、世界からも日本へ人やモノが流入し、グローバル化することは良いこと、当たり前のことだと、漠然と思っていた。
しかし、グローバル化により問題が複雑になり、本質が掴みにくくなるとともに、政治の力が衰えることで、さらに様々な問題が表面化してきた。
全ての元凶はグローバル化にあり、とまではいかないが、グローバル化の弊害を論じることは必要である。
第一次世界大戦前に進行した、第一次グローバル化。
グローバル化により資本主義が世界に広まり、貿易や投資により世界経済の結びつきが強くなることで、戦争のコストが高くなりすぎることから、世界に平和が訪れるという論が1910年頃に流行ったというのは、驚きだ。
このような論は、現代でも十分に通用するものと思っていた。
歴史は繰り返すと言うが、人類は第一次世界大戦の教訓も生かせていないのかと思うと、気が遠くなる。
人間の心理は、経済だけでは計れない。
政治、思想、歴史、哲学などあらゆる面からものごとを見ないと、大切なものを見落としてしまう。
世界は既に「静かなる大恐慌」に突入しており、もはやこれは避けられない。
これからは脱グローバル化を想定し、それに対する準備が必要となる。
資本主義が唯一絶対のものとは思わないが、少なくとも現状では、資本主義以外の社会は考えられない。
資本主義の中で、脱グローバルに対応しなければならない。
貨幣で計ることのできる物的な資本のみを崇拝する価値観から脱却し、無形の資本を評価する価値観へ移行しなければ、生き残れない。
かんじんなことは、目には見えない。
歴史の無常の中で、どう生きていくかを考えさせられる一冊。
2012年11月19日に日本でレビュー済み
最近はご無沙汰気味なのだが、私は佐伯啓思・京都大学教授の論考をよく読んでいた方だろう。当書の著者である柴山桂太・滋賀大学准教授は、端的に言って佐伯教授の弟子筋に当たる人物で、その視点、視角は師匠譲りだろう。無論、そのことを批判している訳ではない。私も、もともと人類が営む「経済」を理解するに当たっては、「英語」と「高等数学」さえ身に付ければ「事足れり」とする思潮には否定的であり、「歴史」や「制度」、「心理」や「技術」などといった問題も探求しなければ、「経済」という社会的行為あるいは社会的事象の解釈は難しい、と考えている。
本書は、近代における“資本主義の歩み”を、「グローバル化」と「脱グローバル化」という切り口で歴史的に捉え、そこに「国家」という「制度」を絡ませて、「今、まさに進行中の経済危機について分析」(p.18)を試みようとする意欲的な作品である。そして、「戦前の脱グローバル化が、戦争に行き着いた」(p.194)ことを踏まえ、ケインズの意想なども勘考し、新たな「経済社会のビジョン」を構想しようとするものだ。その一つに、ケインズのいう「投資の社会化(socialization of investment)」という概念の拡張などがあり、「社会関係資本(social capital)」等も包摂される。
20世紀を代表する歴史学者、フェルナン・ブローデルは「資本主義は、それが国家と一体化するとき、それが国家であるときにのみ、栄える」(『 歴史入門 』)と述べた。この含意するところは大きい。資本主義という経済システムは、一見、アナーキーなものに見えるが、実は「国家」なしでは機能し得ない。それを「国家資本主義」という言葉で言い表せば、「自由資本主義とはいえ、一皮剥けば国家資本主義的な側面をかなりもっている」(p.95) ということになる。柴山准教授も、資本主義の「グローバル化は「大きな政府」に帰結する」(p.104)と語るが、そのとおりであろう。
また、「国家」の問題から「歴史」のそれへと戻るが、我が国は歴史上、何度かグローバリゼーションとは無縁の時代を経験してきた。直近では「江戸時代」がそうであろう。この時代は、まさしく「 拡大されたクローズド・システム 」で担われ、「 分権と民活 」が特徴であった。だからこそ、多くの歴史家たちが明証するように、“江戸幕府”は「小さな政府」であったのだ。例えば、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を「平成の開国」などと声高に叫ぶ徒輩もいるけれど、資本主義経済のグローバル化は「大きな政府」を必然とし、その矛盾、逆説を柴山准教授は理路整然と論じている。
Amazonで購入
最近はご無沙汰気味なのだが、私は佐伯啓思・京都大学教授の論考をよく読んでいた方だろう。当書の著者である柴山桂太・滋賀大学准教授は、端的に言って佐伯教授の弟子筋に当たる人物で、その視点、視角は師匠譲りだろう。無論、そのことを批判している訳ではない。私も、もともと人類が営む「経済」を理解するに当たっては、「英語」と「高等数学」さえ身に付ければ「事足れり」とする思潮には否定的であり、「歴史」や「制度」、「心理」や「技術」などといった問題も探求しなければ、「経済」という社会的行為あるいは社会的事象の解釈は難しい、と考えている。
本書は、近代における“資本主義の歩み”を、「グローバル化」と「脱グローバル化」という切り口で歴史的に捉え、そこに「国家」という「制度」を絡ませて、「今、まさに進行中の経済危機について分析」(p.18)を試みようとする意欲的な作品である。そして、「戦前の脱グローバル化が、戦争に行き着いた」(p.194)ことを踏まえ、ケインズの意想なども勘考し、新たな「経済社会のビジョン」を構想しようとするものだ。その一つに、ケインズのいう「投資の社会化(socialization of investment)」という概念の拡張などがあり、「社会関係資本(social capital)」等も包摂される。
20世紀を代表する歴史学者、フェルナン・ブローデルは「資本主義は、それが国家と一体化するとき、それが国家であるときにのみ、栄える」(『 歴史入門 』)と述べた。この含意するところは大きい。資本主義という経済システムは、一見、アナーキーなものに見えるが、実は「国家」なしでは機能し得ない。それを「国家資本主義」という言葉で言い表せば、「自由資本主義とはいえ、一皮剥けば国家資本主義的な側面をかなりもっている」(p.95) ということになる。柴山准教授も、資本主義の「グローバル化は「大きな政府」に帰結する」(p.104)と語るが、そのとおりであろう。
また、「国家」の問題から「歴史」のそれへと戻るが、我が国は歴史上、何度かグローバリゼーションとは無縁の時代を経験してきた。直近では「江戸時代」がそうであろう。この時代は、まさしく「 拡大されたクローズド・システム 」で担われ、「 分権と民活 」が特徴であった。だからこそ、多くの歴史家たちが明証するように、“江戸幕府”は「小さな政府」であったのだ。例えば、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を「平成の開国」などと声高に叫ぶ徒輩もいるけれど、資本主義経済のグローバル化は「大きな政府」を必然とし、その矛盾、逆説を柴山准教授は理路整然と論じている。
2016年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英国のEU離脱、トランプ大統領の誕生など、ナショナリズムの機運が高まっているようです。この本はGDPの増加とグローバリズムを基本とする資本主義がもはや成り立たないことをわかりやすく解説したもので、今後の日本の行方を見通すのに役に立つでしょう。
2013年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
市場効率や世界貿易といった理想的な概念は得てして陥穽がある。
わかりやすく真実らしく聞こえるものは疑わなければならない。それが人間の理性であり、良心である。
戦前もグローバリズムが礼賛されていた。ヒト、モノ、カネは今と同じ規模で国境を超えていた。しかし、国家主権、言語、地縁、土地、家族によって縛られている我々は、グローバル企業や投資銀行のようには世界をまたにかけることができない。強者は、そうした引力に縛られたものを嘲る。そして騙す。「われわれが富めば、そなたもいずれ救われるのだ。ほかに道があるか」と。
しかし大多数の弱者は、いずれ気づく時がくる。そのときはすでに国内社会は不安定化し、国家間も不安定化してしまっている。
戦後のブレトンウッズ体制は、それを反省して、グローバリズムとりわけ金融の国際化を制限し、各国で資本収支を均衡化して資本主義体制を運用できるように企図された。
今、貿易に活路を見出すのはいいが、その比重を高くし、国内産業と内需を犠牲にしてしまうことは、世界経済が不調になったときの影響を国内にダイレクトに輸入してしまう。事実、輸出依存度が低いアメリカとフランスではアジア通貨危機でもリーマンショックでも日本よりGDPの落ち込みは少なかった。
ポランニーは「誰でも突然仕事を失うという惨めな状態に備えねばならず、市場の気まぐれにまったく依存しなければならない」という。事実、資本市場はアニマルスピリッツを本質とするためバブル生成を構造化している。
またグローバリズムは国内の大多数の弱者を不安定化するため、社会保障費等の弱者対策費用が増え、結果、大きな国家にならざるを得ないという実証研究が示される。我が国は巨額の財政赤字によってソブリンリスクが高水準にあることを考えれば、暗澹たる気持ちになる。
先進諸国のトップ集団を走っていた日本で社会が不安定化し、後発組のアラブで反西欧が掲げられているのは偶然ではない。歴史はまったく同じ道を繰り返すわけではないが、必ず韻を踏む。単純なグローバリズムがもつリスクに備えるべきであろう。
NHKのTPP特番で、甘利明(担当大臣)がまるでなにもわかってない子を相手にするように若い柴山に語っていたのが喜劇だった。
「EUが失敗したのは財政を別にしたまま、金融を一緒にしたからなんです」と。
即座に「TPPが失敗するのは、国家主権を別にしたまま、経済を一緒にしようとするからです」と返して欲しかったが、そこは柴山が大人の対応をしたのだろう。
ほかに中川淳司(東京大学教授)、真山仁(作家)が現行のTPPを賛成していたが、調べてみたら甘利も含めていずれも法学部出身であるのが興味深かった。
甘利と真山仁は、その法律すら勉強していたかどうか・・・
そしてTPPに反対しているのが柴山と日本大学教授水野和夫。いずれも経済学部出身で経済通である。テレビでの諦めに似た表情が痛々しかった。
とはいえ、ブレトンウッズ体制時に発揮されたアメリカの力はすでになく、今や大きな国際収支不均衡の張本人であり、自らのエゴにしたがって動かざるを得ない。おそらく時代はスケープゴートを求めている。それも巨大な。日本がそうならないとは限らないが、賛成派政治家のポジションを理解しようとすると、今の国際状況を考える必要がある。
「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」誰が大人、足りうるか。
私にとっては易しく感じ、また佐伯啓思の本を先に読んでいたこともあり、☆をひとつ減らしたが、文献はキッチリと記載されており、決して内容が劣っているものではない。
わかりやすく真実らしく聞こえるものは疑わなければならない。それが人間の理性であり、良心である。
戦前もグローバリズムが礼賛されていた。ヒト、モノ、カネは今と同じ規模で国境を超えていた。しかし、国家主権、言語、地縁、土地、家族によって縛られている我々は、グローバル企業や投資銀行のようには世界をまたにかけることができない。強者は、そうした引力に縛られたものを嘲る。そして騙す。「われわれが富めば、そなたもいずれ救われるのだ。ほかに道があるか」と。
しかし大多数の弱者は、いずれ気づく時がくる。そのときはすでに国内社会は不安定化し、国家間も不安定化してしまっている。
戦後のブレトンウッズ体制は、それを反省して、グローバリズムとりわけ金融の国際化を制限し、各国で資本収支を均衡化して資本主義体制を運用できるように企図された。
今、貿易に活路を見出すのはいいが、その比重を高くし、国内産業と内需を犠牲にしてしまうことは、世界経済が不調になったときの影響を国内にダイレクトに輸入してしまう。事実、輸出依存度が低いアメリカとフランスではアジア通貨危機でもリーマンショックでも日本よりGDPの落ち込みは少なかった。
ポランニーは「誰でも突然仕事を失うという惨めな状態に備えねばならず、市場の気まぐれにまったく依存しなければならない」という。事実、資本市場はアニマルスピリッツを本質とするためバブル生成を構造化している。
またグローバリズムは国内の大多数の弱者を不安定化するため、社会保障費等の弱者対策費用が増え、結果、大きな国家にならざるを得ないという実証研究が示される。我が国は巨額の財政赤字によってソブリンリスクが高水準にあることを考えれば、暗澹たる気持ちになる。
先進諸国のトップ集団を走っていた日本で社会が不安定化し、後発組のアラブで反西欧が掲げられているのは偶然ではない。歴史はまったく同じ道を繰り返すわけではないが、必ず韻を踏む。単純なグローバリズムがもつリスクに備えるべきであろう。
NHKのTPP特番で、甘利明(担当大臣)がまるでなにもわかってない子を相手にするように若い柴山に語っていたのが喜劇だった。
「EUが失敗したのは財政を別にしたまま、金融を一緒にしたからなんです」と。
即座に「TPPが失敗するのは、国家主権を別にしたまま、経済を一緒にしようとするからです」と返して欲しかったが、そこは柴山が大人の対応をしたのだろう。
ほかに中川淳司(東京大学教授)、真山仁(作家)が現行のTPPを賛成していたが、調べてみたら甘利も含めていずれも法学部出身であるのが興味深かった。
甘利と真山仁は、その法律すら勉強していたかどうか・・・
そしてTPPに反対しているのが柴山と日本大学教授水野和夫。いずれも経済学部出身で経済通である。テレビでの諦めに似た表情が痛々しかった。
とはいえ、ブレトンウッズ体制時に発揮されたアメリカの力はすでになく、今や大きな国際収支不均衡の張本人であり、自らのエゴにしたがって動かざるを得ない。おそらく時代はスケープゴートを求めている。それも巨大な。日本がそうならないとは限らないが、賛成派政治家のポジションを理解しようとすると、今の国際状況を考える必要がある。
「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」誰が大人、足りうるか。
私にとっては易しく感じ、また佐伯啓思の本を先に読んでいたこともあり、☆をひとつ減らしたが、文献はキッチリと記載されており、決して内容が劣っているものではない。