ベトナムは広報目的で戦場ジャーナリストを利用していたのでベトナム取材での死者は少なかったが、
カンボジアに関わると生きて戻ってこれることは少なく、その中で著者は異例の人物だった。
捕まる前にクメール・ルージュの軍事部門のトップ、タ・モクに取材出来たのは著者だけだった。
なので内容はどのジャーナリストよりもクメール・ルージュ寄りになっている。
だからと言ってこのソースの価値は減るものではない。
著者の立場、観点を考慮した上で検証すればいいだけのことだ。
クメール・ルージュの犯罪を検証する国際法定は20年経っても有耶無耶のままだ。
その間に当時の指導者達、キュー・ポナリー、タ・モク、イエン・チリト、イエン・サリとバタバタと死んでいき、
もう既に検証不能となっている。そこに眠っている事実には現フン・セン政権にも不都合なものがあるからだ。
そしてこの本の著者馬渕氏本人も既に他界された。
映画『キリング・フィールド』についてここで書かれたことは事実だろう。シャンバーグの写真も載っている。
だからと言ってクメール・ルージュによる虐殺が無かった訳ではない。
あるのは関わった様々な方面に不都合な事実で、今なお残る政治関係が口を重くし、
虚構を通してしか語れないというこだ。
アフガン戦争以降はインターネットの普及から戦場ジャーナリストの価値は下がり、
生きて帰り辛い状況となっている。
著者のように取材相手に取り込まれるぐらいまで入り込まないと取材すら出来ない。
その経験だけでも価値はあると思う。
著者の時代は戦場ジャーナリストが活躍した最後の時代になるかもしれない。
検証可能なソースの無いプロパガンダしか報道されない時代だ。

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わたしが見たポル・ポト キリングフィールズを駆けぬけた青春 単行本 – 2006/9/5
馬渕 直城
(著)
或る日本人が送った「虐殺の地」での30年。
またポル・ポトが裁かれようとしている。何故? インドシナの複雑な権力構造を、カンボジアの地で30年間、見つづけた報道カメラマンの生き様と、勝者によってねじまげられた歴史の真実。
またポル・ポトが裁かれようとしている。何故? インドシナの複雑な権力構造を、カンボジアの地で30年間、見つづけた報道カメラマンの生き様と、勝者によってねじまげられた歴史の真実。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/9/5
- ISBN-104087753670
- ISBN-13978-4087753677
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/9/5)
- 発売日 : 2006/9/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4087753670
- ISBN-13 : 978-4087753677
- Amazon 売れ筋ランキング: - 729,251位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若いカメラマン志望者の成長物語のような書き始め。「先輩に見習って私も頑張りました。」という内容が続く。それで終始するなら,それはそれで1冊の本なのだと思っていると,P114で「プノンペン大放下はなかった。」と言い出し,更には,P115に「大虐殺は無かった。」と爆弾発言。上梓が2006年なので(何でこんなに遅くなったのだろ。)この時点ではかなりの情報が出ていて,「虐殺は無かった説」はかなりの少数派になっていたはず。少数説を唱えるのは良いが,それならそれを主題に正面から取り組んで書くべきではなかったか。
ところがこの後,「展示された銅鐸は日本のものと似ていて,」などと呑気な記述が続き,終章手前で「ポル・ポト派に最も信頼されていたのは私で,」という変な自慢話になって,ポル・ポトとの中途半端な独占取材の話になって終わる。この時点で著者は大虐殺の有無や「ポル・ポト」を,どう考えていたのかさっぱり判らない。
「キリングフィールドを駆けぬけた青春」という自分本位の甘いサブタイトルのまま,1979年くらいに書き上げてしまった方が良かったような気がする。
ところがこの後,「展示された銅鐸は日本のものと似ていて,」などと呑気な記述が続き,終章手前で「ポル・ポト派に最も信頼されていたのは私で,」という変な自慢話になって,ポル・ポトとの中途半端な独占取材の話になって終わる。この時点で著者は大虐殺の有無や「ポル・ポト」を,どう考えていたのかさっぱり判らない。
「キリングフィールドを駆けぬけた青春」という自分本位の甘いサブタイトルのまま,1979年くらいに書き上げてしまった方が良かったような気がする。
2007年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若い時に映画「キリングフィールド」を見て、あの内容が全く事実だと信じて
いました。しかしこの本を読んで、あれはノンフィクション風のフィクション
映画だったのか? と考え直しています。
本多勝一の「中国の旅」について考え直したのと同じパターンでした。「一枚
の写真が、誰がどのようにして撮影したのか? 」「そしてその死体は、どの
民族のもので、誰が殺したのか? 」は、本当はその場にいた人でないとわから
ない、ということを、改めて教えてくれる本でした。そして、戦場にいるカメ
ラマンは、その写真を買ってくれる新聞社が好むような写真を撮るために、演
出に走る傾向にあるということも。
この本を読むまでは、ベトナムは一方的な戦争の被害者だと思っていたのが、
カンボジアに対しては加害者となっていて、かつて日本が「大東亜共栄圏」と
いうスローガンの下、各地に侵攻して行ったのと同様に、ベトナムがインドシ
ナ解放の名目の下、カンボジアやラオスに侵攻していた、ということに驚きま
した。そして、タイ、ラオス、中国などの東南アジアの諸国間の単純でない関
係なども、勉強になりました。
欧米や日本のマスコミという色のついたメガネでしか東南アジアの戦争を見て
いなかった自分の目から、突然そのメガネを外されたような、そんなリアリティ
を味わいました。
最後に、惜しむらくは、ポル・ポトが行ったという家族制度の破壊について、
そしてサイホンとの別れ(辛すぎたのでしょうか)の記述もあったら、もっと良
かったと思います。
いました。しかしこの本を読んで、あれはノンフィクション風のフィクション
映画だったのか? と考え直しています。
本多勝一の「中国の旅」について考え直したのと同じパターンでした。「一枚
の写真が、誰がどのようにして撮影したのか? 」「そしてその死体は、どの
民族のもので、誰が殺したのか? 」は、本当はその場にいた人でないとわから
ない、ということを、改めて教えてくれる本でした。そして、戦場にいるカメ
ラマンは、その写真を買ってくれる新聞社が好むような写真を撮るために、演
出に走る傾向にあるということも。
この本を読むまでは、ベトナムは一方的な戦争の被害者だと思っていたのが、
カンボジアに対しては加害者となっていて、かつて日本が「大東亜共栄圏」と
いうスローガンの下、各地に侵攻して行ったのと同様に、ベトナムがインドシ
ナ解放の名目の下、カンボジアやラオスに侵攻していた、ということに驚きま
した。そして、タイ、ラオス、中国などの東南アジアの諸国間の単純でない関
係なども、勉強になりました。
欧米や日本のマスコミという色のついたメガネでしか東南アジアの戦争を見て
いなかった自分の目から、突然そのメガネを外されたような、そんなリアリティ
を味わいました。
最後に、惜しむらくは、ポル・ポトが行ったという家族制度の破壊について、
そしてサイホンとの別れ(辛すぎたのでしょうか)の記述もあったら、もっと良
かったと思います。
2012年5月6日に日本でレビュー済み
社会主義が歴史の屑籠に捨てられた後も
なおあきらめられないサヨクの未練が
馬渕のごとき検証精神なきエセ・ジャーナリストの
周回遅れの駄法螺本を出版させたのであろうか
高度資本主義の国で暖衣飽食しながら
酒の勢いを借りて「革命」をブツ手合いは
こういう職業的詐話師の本で
目からウロコが落ちるものとみえる
この手合いは未だに血に乾き
流血カクメイとやらで己が老醜のルサンチマンを晴らし、社会を破壊して
何も知らない若い世代を
テロと内ゲバを日常とする原始の地獄に突き落としてやりたいと
未だにラチもない妄想をこねくり回し
闇の中で息を潜めているのである。
殺人鬼ポルポトの造り出した地上の地獄を
間違っても日本に現出させないためにも
本書のごとき左翼歴史修正主義に
警戒を怠ってはならない。
なおあきらめられないサヨクの未練が
馬渕のごとき検証精神なきエセ・ジャーナリストの
周回遅れの駄法螺本を出版させたのであろうか
高度資本主義の国で暖衣飽食しながら
酒の勢いを借りて「革命」をブツ手合いは
こういう職業的詐話師の本で
目からウロコが落ちるものとみえる
この手合いは未だに血に乾き
流血カクメイとやらで己が老醜のルサンチマンを晴らし、社会を破壊して
何も知らない若い世代を
テロと内ゲバを日常とする原始の地獄に突き落としてやりたいと
未だにラチもない妄想をこねくり回し
闇の中で息を潜めているのである。
殺人鬼ポルポトの造り出した地上の地獄を
間違っても日本に現出させないためにも
本書のごとき左翼歴史修正主義に
警戒を怠ってはならない。
2007年11月9日に日本でレビュー済み
報道カメラマンとして30年以上カンボジアを中心にインドシナ半島を取材してきた著者が、ベトナム戦争後のカンボジアで何が起こったかを明かす取材記録です。
1970年代後半から国際ニュースに登場したポル・ポトは、多くの国民を虐殺した人物として有名になりました。しかし、ポル・ポトへの2回の直接インタビュー経験を持つ著者は、「大虐殺」は政治的キャンペーンで、真実は違っている、と言います。
当時、ベトナムは、侵略者アメリカを追い出したヒーローとして報道されていました。ホー・チ・ミンは偉大な指導者として紹介され、ベトナム戦争が終わって近隣諸国も平和になったと信じられていました。
しかし、戦火は続いていました。
著者の歴史解説によると、クメール王国は一千年の繁栄を誇ったあと衰退しつづけ、東のベトナムと西のタイがゆっくりと確実に侵食している、とのことです。
アメリカが撤兵したあと、ベトナム軍の直接・間接の介入を受け、カンボジアは戦火の止まない地域になりました。その根底には、ベトナム人とクメール人の長年の対立と怨念が隠れています。
カンボジア人と結婚し、現在もバンコクに住んでいる馬淵氏から見るインドシナ観は、日本のマスコミからの情報しか知らない私とは正反対と言っていいでしょう。
政治的プロパガンダは、一般人には見抜けなません。
ただ踊らされるだけです。
日本のマスコミに対しての次のような一言が強烈でした。
ただ面白おかしく記事を垂れ流す日本のジャーナリズムは、まさしく
危機に瀕している。外国に住んでいる私には、そう見えて仕方がない。
政治的な立場が異なる地域に身を置いていると、こんなにも見方が違います。ジャーナリズムも、得てして片方の主張ばかり増幅する結果になりかねません。
本書を読んで、ニュースを疑って聞く大切さを知りました。
1970年代後半から国際ニュースに登場したポル・ポトは、多くの国民を虐殺した人物として有名になりました。しかし、ポル・ポトへの2回の直接インタビュー経験を持つ著者は、「大虐殺」は政治的キャンペーンで、真実は違っている、と言います。
当時、ベトナムは、侵略者アメリカを追い出したヒーローとして報道されていました。ホー・チ・ミンは偉大な指導者として紹介され、ベトナム戦争が終わって近隣諸国も平和になったと信じられていました。
しかし、戦火は続いていました。
著者の歴史解説によると、クメール王国は一千年の繁栄を誇ったあと衰退しつづけ、東のベトナムと西のタイがゆっくりと確実に侵食している、とのことです。
アメリカが撤兵したあと、ベトナム軍の直接・間接の介入を受け、カンボジアは戦火の止まない地域になりました。その根底には、ベトナム人とクメール人の長年の対立と怨念が隠れています。
カンボジア人と結婚し、現在もバンコクに住んでいる馬淵氏から見るインドシナ観は、日本のマスコミからの情報しか知らない私とは正反対と言っていいでしょう。
政治的プロパガンダは、一般人には見抜けなません。
ただ踊らされるだけです。
日本のマスコミに対しての次のような一言が強烈でした。
ただ面白おかしく記事を垂れ流す日本のジャーナリズムは、まさしく
危機に瀕している。外国に住んでいる私には、そう見えて仕方がない。
政治的な立場が異なる地域に身を置いていると、こんなにも見方が違います。ジャーナリズムも、得てして片方の主張ばかり増幅する結果になりかねません。
本書を読んで、ニュースを疑って聞く大切さを知りました。
2006年11月5日に日本でレビュー済み
読み進んでいるうちに感じたことは、南京大虐殺や911テロなどでも
使われたプロパガンダの怖さ。
ポル・ポトという革命家に負わされた西側の都合の良い大虐殺政権というデマ情報。
欧米・日本の情報だけしか知らなかった自分は、カンボジア=内戦の国というイメージしか
なかったが、果たして内戦と呼べる戦争だったのか改めて考えさせられる。
本書はポル・ポトのインタビューをはじめ、貴重な情報が多々入っているが、
大半はカンボジアだけでなく、インドシナに関する現場の情報が主なので、広くインドシナの歴史が
理解できると思う(だからタイトルは確かにちょっと変えたほうがいいかな・・)。
解放軍兵士からの質問で、「なぜ日本は米国から独立しないんだ」という問いに
著者は「日本人が無気力だから」と答える場面がある。
実際こんなに米軍基地が存在し、様々な支配を米国から受けている日本人と
強大な米国と戦った解放軍兵士との間には、自国に対する誇りという点で大きな隔たりがある。
使われたプロパガンダの怖さ。
ポル・ポトという革命家に負わされた西側の都合の良い大虐殺政権というデマ情報。
欧米・日本の情報だけしか知らなかった自分は、カンボジア=内戦の国というイメージしか
なかったが、果たして内戦と呼べる戦争だったのか改めて考えさせられる。
本書はポル・ポトのインタビューをはじめ、貴重な情報が多々入っているが、
大半はカンボジアだけでなく、インドシナに関する現場の情報が主なので、広くインドシナの歴史が
理解できると思う(だからタイトルは確かにちょっと変えたほうがいいかな・・)。
解放軍兵士からの質問で、「なぜ日本は米国から独立しないんだ」という問いに
著者は「日本人が無気力だから」と答える場面がある。
実際こんなに米軍基地が存在し、様々な支配を米国から受けている日本人と
強大な米国と戦った解放軍兵士との間には、自国に対する誇りという点で大きな隔たりがある。
2007年1月6日に日本でレビュー済み
大雑把に言えば、「○○の陰謀」や「○○の真実」と同系統の書。
かつて東西冷戦時代には力を持っていたが、いまや陳腐ですらない
西側的報道ならぬ「東側的報道」観に基づいての書とも言える。
時間の洗礼によって大半が淘汰されてしまった文化大革命等を
擁護する書をも思わせる。とすれば30年前でなく今、出版されたのも
判る気がする。
時系列の整合性の無さや、都合の悪い事には眼を背けているかのような
やり方は、まず結論?ありきで書かれた為とも受け取れる。
現地に居たならば確実に自ら目撃し、聞くことも出来たはずの事を
自分のでは無く、何故他人の文章をもって語らせていたりするのかも
疑念を抱かざるを得ない。
これもひとつの見方、と事を複眼視して判断する為の材料としては
評価できるが、単独のルポルタ−ジュとしては?な物。
他の方も書いているが副題を本題にするべきだった。
かつて東西冷戦時代には力を持っていたが、いまや陳腐ですらない
西側的報道ならぬ「東側的報道」観に基づいての書とも言える。
時間の洗礼によって大半が淘汰されてしまった文化大革命等を
擁護する書をも思わせる。とすれば30年前でなく今、出版されたのも
判る気がする。
時系列の整合性の無さや、都合の悪い事には眼を背けているかのような
やり方は、まず結論?ありきで書かれた為とも受け取れる。
現地に居たならば確実に自ら目撃し、聞くことも出来たはずの事を
自分のでは無く、何故他人の文章をもって語らせていたりするのかも
疑念を抱かざるを得ない。
これもひとつの見方、と事を複眼視して判断する為の材料としては
評価できるが、単独のルポルタ−ジュとしては?な物。
他の方も書いているが副題を本題にするべきだった。
2010年3月28日に日本でレビュー済み
著者のスタンスはジャーナリズムの多くがある事実を伝えて
いる場合、真逆のことを無知ながらも伝えてよいということ
につきる。単なる天邪鬼といえばそれまでだが、常に陰謀
めいたことを考えている人には効果があろう。きちんとした
検証よりも思いつきを書き連ねた方が説得力があるという
わけだ。若者兵は善人である、ゆえにポルポトの命で人を
殺すはずはない。ということだろうか。
データも間違いが多く既に述べられている人もいると通り
カンボジア、ベトナム、ラオス、タイをごちゃ混ぜにして
記述している。混乱した状態のまま書き推敲も校正もなか
ったのだろうか?
いる場合、真逆のことを無知ながらも伝えてよいということ
につきる。単なる天邪鬼といえばそれまでだが、常に陰謀
めいたことを考えている人には効果があろう。きちんとした
検証よりも思いつきを書き連ねた方が説得力があるという
わけだ。若者兵は善人である、ゆえにポルポトの命で人を
殺すはずはない。ということだろうか。
データも間違いが多く既に述べられている人もいると通り
カンボジア、ベトナム、ラオス、タイをごちゃ混ぜにして
記述している。混乱した状態のまま書き推敲も校正もなか
ったのだろうか?