櫻井氏の本を読んだことのない人ならば、あのおしとやかな顔で、あのお嬢様言葉で、「マトモな軍備を持て」とか「外国人に参政権など与えるな」とか言われたら、しばし絶句し「…どこか具合でも悪いんですか」とでも返すしかないだろう。
見た目と主義主張にギャップが有りすぎるのだ。
これは、いったいどういうことだろう。
と考えるに、櫻井氏は、帰国子女である。教育もほとんど日本で受けていない。
中身が外人、なのだ。
「日本人」になるには日本人の親から生まれればいいのかといえば、それは違って、日本人の親から生まれて「日本の国土」で育った場合にのみ、「日本人」に成る。この場合の「日本人」とは、島国根性や世間体をはじめとする、日本人のみが持つ属性を備えた人物、という意味である。
宇多田ヒカルや雅子妃が中身が外人になってしまったのは当然で、雅子妃などは「外人」だったからこそ皇室が何をするところかよく知らないから長男の嫁などになってしまったのだ。実情を知っている日本人の女は誰一人「諾」としなかったではないか。
そして櫻井氏もその言動からするに立派な外人、日本人のおしとやかな女性がこういうことを言っていると思うから驚くのであって、これがマーガレット・サッチャーのような金髪碧眼の白人女性が言っている、と思えば、しごく自然なことなのだ。
櫻井氏が主張しているのは要するに「国として屹立せよ」ということで、これは諸外国と比べてみた場合には当然の違和感なのである。外人である櫻井氏が、このような違和感を抱くのは当然であり、必ずしも土井たか子氏のような女性でなくともその言動についてはすこぶるマッチョでもOK、というのは、西洋の文化、なのである。そこに櫻井氏自身は気がついていないようだ。なにしろ外人だからなあ。(着物姿の写真をカバーにしてしまうあたりも、まさに外人感覚である)
それにしても櫻井氏はその見た目で損をしている。

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日本の危機 (新潮文庫 さ 41-1) 文庫 – 2000/3/1
櫻井 よしこ
(著)
- 本の長さ371ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/3/1
- ISBN-104101272212
- ISBN-13978-4101272214
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著者について
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ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTH NEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、現在はフリー・ジャーナリスト。1995年に『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、98年には『日本の危機』(新潮文庫)などで第46回菊池寛賞を受賞。2007年 12月「国家基本問題研究所」を設立し理事長に就任(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 日本を愛すればこそ、警鐘を鳴らす―論戦2010 (ISBN-13: 978-4478013793 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月21日に日本でレビュー済み
戦後から経済復興を果たし、バブル崩壊後も迷走を続ける日本。
著者の綿密なインタビューと、冷静な洞察による事実がレポートされている。
「こうしたら、良くなりますよ」はほとんど書かれていない。
しかし、その根本的な原因がここにあるということはわかる。
私は読後、これから将来ある学生諸氏にこそ、読んでいただきたいという想いで満たされた。
彼らには、書かれている内容は古く遠い昔のことに思うだろう。
しかし、多くの問題の根源はここにあると感じた。
つまり、日本を良くしていくためにはどうすればよいのか。
ヒントが散りばめられている。
後は一人でも多く、これら問題を事前に知った志ある若人が、闇の政治と官僚の世界に立ち向かい、
数的有利で闇を上回るしか、日本を良くする方法は無い。
政治や国政に携わらない一般人ならなおの事、その一票の重みを実感して欲しい。
その投票権を最大限大切に行使して欲しい。
無関心では、いけないのである。
そう感じたので、将来ある若人にこそ、一人でも多く読んで欲しいと切に願う。
著者の綿密なインタビューと、冷静な洞察による事実がレポートされている。
「こうしたら、良くなりますよ」はほとんど書かれていない。
しかし、その根本的な原因がここにあるということはわかる。
私は読後、これから将来ある学生諸氏にこそ、読んでいただきたいという想いで満たされた。
彼らには、書かれている内容は古く遠い昔のことに思うだろう。
しかし、多くの問題の根源はここにあると感じた。
つまり、日本を良くしていくためにはどうすればよいのか。
ヒントが散りばめられている。
後は一人でも多く、これら問題を事前に知った志ある若人が、闇の政治と官僚の世界に立ち向かい、
数的有利で闇を上回るしか、日本を良くする方法は無い。
政治や国政に携わらない一般人ならなおの事、その一票の重みを実感して欲しい。
その投票権を最大限大切に行使して欲しい。
無関心では、いけないのである。
そう感じたので、将来ある若人にこそ、一人でも多く読んで欲しいと切に願う。
2012年11月14日に日本でレビュー済み
異形の大国中国を読ませていただいて、桜井さんの著作を
もう一冊と言うことで手に取りました。
残念ながら、ちょっと時代が古すぎました。
様々なことに言及されており、郵政民営化のところは、特に
面白かったのですが、これについてもかなり時代の変化があり
ました。
医療の問題については、現在DPCという病院、医療の実態調査
を兼ねたコスト管理が推奨されており、これに同意しない病院は
いずれ潰されていくようになってきています。内容があまりにも
現代とかけ離れてしまっています。
中国の問題も、危険性を危惧されており、視点は確かに鋭い
です。更に今は他に情報を得られる本が多数、桜井さんの著作も
含めて存在します。
いかんせん、2000年の著作を結構まじめに読もうとした私が
お馬鹿でした。
もう少し新しい年代の本をお勧めします。
内容は、鋭く、情報量豊富。でも今の時点では、60点。
もう一冊と言うことで手に取りました。
残念ながら、ちょっと時代が古すぎました。
様々なことに言及されており、郵政民営化のところは、特に
面白かったのですが、これについてもかなり時代の変化があり
ました。
医療の問題については、現在DPCという病院、医療の実態調査
を兼ねたコスト管理が推奨されており、これに同意しない病院は
いずれ潰されていくようになってきています。内容があまりにも
現代とかけ離れてしまっています。
中国の問題も、危険性を危惧されており、視点は確かに鋭い
です。更に今は他に情報を得られる本が多数、桜井さんの著作も
含めて存在します。
いかんせん、2000年の著作を結構まじめに読もうとした私が
お馬鹿でした。
もう少し新しい年代の本をお勧めします。
内容は、鋭く、情報量豊富。でも今の時点では、60点。
2006年8月16日に日本でレビュー済み
著者は現代において信頼に値する発言をする数少ないジャーナリストである。私の見たところ、思想的に偏りがなく、特定の宗教に与することもなく、公正な立場で、綿密な取材と緻密な考察に基づく自らの意見を発信している。これは、当たり前のようでいて、なかなかできないことである。そして、真摯な姿勢で日本(人)を愛している。
本書は、日本を愛する著者が、それ故に日本を蝕む様々な問題について語った書。本書で槍玉に挙げられるのは、官僚(主義)、新聞を中心としたジャーナリズムの偏向と硬直化、脆弱な外交姿勢、少子化を含めた母性(家族)の問題など。我々日本人自身の姿勢についても問われている。
かつての日本は、効率的な官僚主導の政治、報道機関の公正さ、近所付き合いを含めた良好な家族関係等が美徳として考えられていた。それが今や崩壊しつつあり、まさしく日本の危機に直面していると警告されている。私心に捕われず、「日本の危機」を正面から見据えた良書。
本書は、日本を愛する著者が、それ故に日本を蝕む様々な問題について語った書。本書で槍玉に挙げられるのは、官僚(主義)、新聞を中心としたジャーナリズムの偏向と硬直化、脆弱な外交姿勢、少子化を含めた母性(家族)の問題など。我々日本人自身の姿勢についても問われている。
かつての日本は、効率的な官僚主導の政治、報道機関の公正さ、近所付き合いを含めた良好な家族関係等が美徳として考えられていた。それが今や崩壊しつつあり、まさしく日本の危機に直面していると警告されている。私心に捕われず、「日本の危機」を正面から見据えた良書。
2007年8月25日に日本でレビュー済み
下の評者も言っているが、リベラルな多元的価値の共存できる共同体=近代立憲主義
というシステムに、この人の主張は適用不可能なのだ。
特定の復古的価値のみに正当性を主張して、国民各人が各自の価値観により生を営む
ことを許さないその寛容性の欠如には、どうあっても同意できかねる。
このような言論が戦後日本のレジームを叩き壊してしまうという効果も見逃せない。
ヴォルテールによる思想の自由市場論という言葉を著者は知っているのだろうか。
というシステムに、この人の主張は適用不可能なのだ。
特定の復古的価値のみに正当性を主張して、国民各人が各自の価値観により生を営む
ことを許さないその寛容性の欠如には、どうあっても同意できかねる。
このような言論が戦後日本のレジームを叩き壊してしまうという効果も見逃せない。
ヴォルテールによる思想の自由市場論という言葉を著者は知っているのだろうか。
2003年12月5日に日本でレビュー済み
国際的な視座を持つジャーナリスト、櫻井よし子さんが、綿密な取材と論理的な思考力と筆力で、日本社会のゆがんだ部分にメスを入れます。私たち日本人が見て見ないふりをしている暗い側面が浮き彫りにされ、政治家や官僚だけでなく、国民の私たちにとっても、読んで痛い本です。しかし、この痛みは、日本をよい国にするために、避けて通れない痛みではないでしょうか。問題を解決するためには、まず問題の存在を知る必要があります。この本を読めば、日本社会のシステムに対する漠然とした不安感、不信感が、怒りと強烈な危機感に変わるでしょう。そして、何がその危機を引き起こしているのか、そして何が変わらなければならないかも、見えてきます。
戦後、日本を救ったものは、政治と教育とマスコミで、今、日本を滅ぼそうとしているものも、政治と教育とマスコミであるといわれています。それを事実としてつきつけられる本です。
戦後、日本を救ったものは、政治と教育とマスコミで、今、日本を滅ぼそうとしているものも、政治と教育とマスコミであるといわれています。それを事実としてつきつけられる本です。