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日蝕 (新潮文庫 ひ 18-1) 文庫 – 2002/1/1
- 本の長さ212ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2002/1/1
- ISBN-104101290318
- ISBN-13978-4101290317
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2002/1/1)
- 発売日 : 2002/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 212ページ
- ISBN-10 : 4101290318
- ISBN-13 : 978-4101290317
- Amazon 売れ筋ランキング: - 276,878位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在した。
美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
また、各ジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
2021年5月26日、長編小説『本心』(文藝春秋社)刊行。
photo: @ogata_photo
–
[受賞歴]
『日蝕』(1999年 芥川龍之介賞)
『決壊』(2009年 芸術選奨文部大臣新人賞受賞)
『ドーン』(2009年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞)
『マチネの終わりに』(2017年 渡辺淳一文学賞)
『ある男』(2019年 読売文学賞)
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[審査員・選考委員履歴]
三島由紀夫賞(2008年~2019年)
写真の町東川賞(2008年~2017年)
木村伊兵衛賞(2018年~)
芥川龍之介賞(2020年~)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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私は一応、聖書を何回か読んで、キリスト教の歴史を多少は知っていたので、付いて行けましたが、全く分からない方はキリスト教の基礎知識を先に読んでからの方がより、作者のこの本が楽しく読めると思います!
高見沢俊彦とアルフィーがお好きという、共通点にも惹かれました!
本書は平野の処女作であるためか、技巧に凝りすぎている。古くさい言い回しは時代感を出すためかも知れないが、奇妙な使い方をしているところがちらほら見られた。
だが、平野はそう悪い作家ではないと思う。『葬送』などは構成もしっかりしているし、文章のぎこちなさが全くなくなっていて、平野の著作の中では一番の傑作だと思う。
内容の陳腐さを難解な語彙と中世ヨーロッパ的意匠とで糊塗した姑息な作品といえる。ルックスの悪さを茶髪とピアスとブランド物のスーツで誤魔化している著者自身と重なり合う。皮肉である。
個人的には、著者の本は提唱している『分人主義』他のエッセイ本こそ既読であったものの、実は小説は未読であった事から。最初の一冊として、受賞当時に賞賛と多くのバッシングの両方を浴びた(らしい)本書を手にとりました。
さて、そんな本書は物語としては舞台設定こそ(おそらく意図して)あまり日本人には馴染みがないと思われる15世紀後半の【宗教と学問、信仰と理性の狭間で揺れる】フランスを舞台にしつつも、割とシンプルなーそれこそファミコン時代のRPG【ドラクエの様な一方通行さ】で、修学中の神学者の神秘体験をファンタジー風味でありつつも迫力をもって描いていて終始圧倒されるわけですが。
一方で、本書で使用されている『江戸時代中期から明治にかけて,国学者が好んで用いた文体』擬古文(ぎこぶん)を模くしたらしい独特な文体は、古い異国の神秘的物語を描くには雰囲気づくりとしても一定の効果を果たしていると感じつつも、単なる難解さだけの中二病的な自己満足ナルシズムとも捉える事もでき。私はどちらかと言えば好みでしたが、ここら辺が読後に【評価のわかれる所】ではないかと思いました。
とはいえ、本書以降の著者のパターンに安住しない【挑戦的な執筆姿勢】を予感させる本作。若者らしい相当の覚悟や充分な推敲が文面から伝わってきつつも、ある種『若者らしくない』題材のこの作品を受け止めた、当時の芥川賞審査員の文壇の重鎮たちの当惑が浮かんでくるようで。何とも外野的に(失礼ながら)にやにやしてしまったり。
読みやすくも難解さに振り回される。そんな不思議な読後感の作品を探す誰か。著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かにオススメ。
小難しい漢字が濫用(?)されているが、その割に読みづらくはない。読み進めるうちに、むしろ、物語の雰囲気とはマッチしていると感じられる。
ドミニコ会の神学僧が、異端の書にみとめた一片の真実を巡り、訪れた錬金術師の元で神秘体験をするという展開だ。やや退屈な序盤からクライマックスにかけて大いに盛り上がりを見せてくれる。ダークファンタジーとしても読むことができるだろう。
神学僧が見た両性具有者の火刑は何を意味するのか…。なるほど、納得の芥川賞受賞作である。