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ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊 単行本 – 2017/1/27
塩野 七生
(著)
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アテネに栄光をもたらした民主政の最大の敵は〝ポピュリズム〟だった――
国内の力を結集することで大国ペルシアを打破した民主政アテネ。不世出の指導者ペリクレスの手腕により、エーゲ海の盟主として君臨し、その栄光は絶頂をむかえた。しかし、デマゴーグが煽動するポピュリズムが台頭すると、アテネはスパルタとの不毛きわまる泥沼の戦争へと突き進んでしまうのだった――。なぜ、かつてできたことができなくなってしまうのか。なぜ、輝かしい栄光はまたたくまに霧散してしまったのか。民主主義の本質をえぐりだす歴史大作。
国内の力を結集することで大国ペルシアを打破した民主政アテネ。不世出の指導者ペリクレスの手腕により、エーゲ海の盟主として君臨し、その栄光は絶頂をむかえた。しかし、デマゴーグが煽動するポピュリズムが台頭すると、アテネはスパルタとの不毛きわまる泥沼の戦争へと突き進んでしまうのだった――。なぜ、かつてできたことができなくなってしまうのか。なぜ、輝かしい栄光はまたたくまに霧散してしまったのか。民主主義の本質をえぐりだす歴史大作。
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2017/1/27
- 寸法15.5 x 3 x 20.7 cm
- ISBN-104103096403
- ISBN-13978-4103096405
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商品の説明
著者について
1937年7月7日、東京に生れる。学習院大学文学部哲学科卒業後、1963年から1968年にかけて、イタリアに遊びつつ学んだ。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくみ、一年に一作のペースで執筆。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2001年、『塩野七生ルネサンス著作集』全7巻を刊行。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2006年、「ローマ人の物語」第XV巻を刊行し、同シリーズ完結。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年に『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。2011年、「十字軍物語」シリーズ全4冊が完結。2013年、『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』(上・下)を刊行。2015年より「ギリシア人の物語」シリーズ全3巻の刊行を開始。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2017/1/27)
- 発売日 : 2017/1/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4103096403
- ISBN-13 : 978-4103096405
- 寸法 : 15.5 x 3 x 20.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 165,748位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 23位古代ギリシア史
- カスタマーレビュー:
著者について
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1937年7月7日、東京生れ。
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。
1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月8日に日本でレビュー済み
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一都市の盛衰とはがとてもわかりやすく書かれている。悲しいかな民衆って…。それでもなんとかしようと試みる人の冷徹さが偉大。
2023年6月18日に日本でレビュー済み
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前半はペリクレスの治世を中心に、後半はペリクレス以後の政治家やアテネの変遷と、ペリクレス死後も長く続いたペロポネソス戦役が中心に描かれます。
この巻は塩野さんの作品のなかでも特に登場人物たちを中心に描出、展開された一冊であると感じました。ローマ人の歴史の序盤にも似た面白さや読みやすさがありました。
途中、プラトンの「饗宴」についての叙述があり、ギリシアの歴史とソクラテスの時代や関係性が窺い知れて特に興味深く思いました。「饗宴」の中で突如乱入しボーイズラブ的な展開を持ち込み、読書(わたし)に強烈なインパクトを残したアルキビアデスの人物についてもよく知ることができて本当によかったです。
この巻は塩野さんの作品のなかでも特に登場人物たちを中心に描出、展開された一冊であると感じました。ローマ人の歴史の序盤にも似た面白さや読みやすさがありました。
途中、プラトンの「饗宴」についての叙述があり、ギリシアの歴史とソクラテスの時代や関係性が窺い知れて特に興味深く思いました。「饗宴」の中で突如乱入しボーイズラブ的な展開を持ち込み、読書(わたし)に強烈なインパクトを残したアルキビアデスの人物についてもよく知ることができて本当によかったです。
2023年2月17日に日本でレビュー済み
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ありがとうございました
2021年3月2日に日本でレビュー済み
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塩野氏の『ギリシア人の物語』第2巻。本書は、ペリクレス、アルキビアデスと指導者が続くアテネの政治、そしてアテネとスパルタを中心にギリシア世界を二分し、27年もの間続いたペロポネソス戦役を描く。
政治の表舞台に立ったペリクレスは、国の民主政を機能させ、エーゲ海の制海権とデロス同盟を堅持し、海軍力の増強を継続することで、アテネを更なる繁栄へと導く。だがその繁栄に平行して、元はペルシアの脅威に対して結成されたデロス同盟は、アテネの覇権を認める性格のものへと徐々に変質していく。一方でスパルタは、自国を盟主とするペロポネソス同盟を組織していた。この二大勢力を中心とするギリシアにおいて両国は、辺境で勃発した他国どうしの小競り合いに巻き込まれる形で、不本意にも戦争を始めざるを得なくなる。ペロポネソス戦役の開始である。
戦役の最中に世を去るペリクレスに対し、著者はその政治手法を「貴族的で非民主主義的」だと指摘する一方で、それが故にアテネの民主政は最も高く機能したのだと、軽い皮肉を込めて評価する。「形は民主政でも実際はただ一人が統治する」というペリクレスのやり方や、その後アテネに蔓延する衆愚政治を見ると、民主主義が抱える矛盾というものをどうしても考えてしまう。
一時は休戦となった戦役であるが、その後アテネ政界に登場したアルキビアデスは、アテネとペロポネソス半島三国を加えた「四ヶ国同盟」を結びスパルタを刺激、更にはシチリア遠征を決行する。だがアルキビアデスは冤罪をかけられ離脱、残された司令官ニキアスは、もう一人の司令官の戦死やスパルタのギリッポス参戦などにより戦況が悪化したことで、次第に戦意を喪失していく。退くに退けないアテネは増援部隊を送り出すが、敵対するシラクサの猛攻に惨敗。撤退を行うアテネ軍に対しシラクサは容赦なく追撃し、アテネ軍を壊滅させる。
ペロポネソス同盟による攻勢の激化と、デロス同盟の離反に直面するアテネ。デマゴーグに扇動される国家へと成り果てたこの国の民衆は、スパルタから提案された講和を蹴り、復帰したアルキビアデスを解任し、複数の司令官を処刑するという愚行を繰り返す。海軍も消滅し、最後は食料の補給線を断たれたことでアテネはようやく降伏し、戦役は終結する。
アテネの戦後処理方法で強硬な姿勢を取るコリントとテーベに対し、スパルタの王パウサニアスの発した「騎士道精神」による言葉が、とても感動的だ。アテネは救われたが、経済大国であることを断念させられ、覇権国家でもなくなった。著者の指摘する通り、まさに自滅したのである。覇権国家の凋落が淡々と、物悲しく語られる下りが、なんとも塩野さんらしい筆致である。
戦役の前と後を比較したアテネの支配領域の地図が、最後に掲載されている。この2つの地図は、のちのローマ帝国の最盛期とビザンチン帝国の滅亡時の状態に酷似していて、とても印象的だ。さて、次巻はいよいよアレクサンダー大王の登場となる最終巻。大変楽しみである。
政治の表舞台に立ったペリクレスは、国の民主政を機能させ、エーゲ海の制海権とデロス同盟を堅持し、海軍力の増強を継続することで、アテネを更なる繁栄へと導く。だがその繁栄に平行して、元はペルシアの脅威に対して結成されたデロス同盟は、アテネの覇権を認める性格のものへと徐々に変質していく。一方でスパルタは、自国を盟主とするペロポネソス同盟を組織していた。この二大勢力を中心とするギリシアにおいて両国は、辺境で勃発した他国どうしの小競り合いに巻き込まれる形で、不本意にも戦争を始めざるを得なくなる。ペロポネソス戦役の開始である。
戦役の最中に世を去るペリクレスに対し、著者はその政治手法を「貴族的で非民主主義的」だと指摘する一方で、それが故にアテネの民主政は最も高く機能したのだと、軽い皮肉を込めて評価する。「形は民主政でも実際はただ一人が統治する」というペリクレスのやり方や、その後アテネに蔓延する衆愚政治を見ると、民主主義が抱える矛盾というものをどうしても考えてしまう。
一時は休戦となった戦役であるが、その後アテネ政界に登場したアルキビアデスは、アテネとペロポネソス半島三国を加えた「四ヶ国同盟」を結びスパルタを刺激、更にはシチリア遠征を決行する。だがアルキビアデスは冤罪をかけられ離脱、残された司令官ニキアスは、もう一人の司令官の戦死やスパルタのギリッポス参戦などにより戦況が悪化したことで、次第に戦意を喪失していく。退くに退けないアテネは増援部隊を送り出すが、敵対するシラクサの猛攻に惨敗。撤退を行うアテネ軍に対しシラクサは容赦なく追撃し、アテネ軍を壊滅させる。
ペロポネソス同盟による攻勢の激化と、デロス同盟の離反に直面するアテネ。デマゴーグに扇動される国家へと成り果てたこの国の民衆は、スパルタから提案された講和を蹴り、復帰したアルキビアデスを解任し、複数の司令官を処刑するという愚行を繰り返す。海軍も消滅し、最後は食料の補給線を断たれたことでアテネはようやく降伏し、戦役は終結する。
アテネの戦後処理方法で強硬な姿勢を取るコリントとテーベに対し、スパルタの王パウサニアスの発した「騎士道精神」による言葉が、とても感動的だ。アテネは救われたが、経済大国であることを断念させられ、覇権国家でもなくなった。著者の指摘する通り、まさに自滅したのである。覇権国家の凋落が淡々と、物悲しく語られる下りが、なんとも塩野さんらしい筆致である。
戦役の前と後を比較したアテネの支配領域の地図が、最後に掲載されている。この2つの地図は、のちのローマ帝国の最盛期とビザンチン帝国の滅亡時の状態に酷似していて、とても印象的だ。さて、次巻はいよいよアレクサンダー大王の登場となる最終巻。大変楽しみである。
2021年6月14日に日本でレビュー済み
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まわりくどいと感じる表現もあるが、
それが
塩野さんの話りをきいているかのようで
どんどん読み進んだ
民主主義の罠
なぜ人はデマゴークに振り回されるのか
なぜ衆愚政治に陥るのかを知りたくて
買ったのだが
人々の持つ些細な不安感を煽られた結果
一国がつぶれてしまう様子が
リアルに感じられた
したくなくても起きる戦争
やめ時を誤ったためにおきた沢山の無駄死に、、、
一巻と三巻も買うことにしました
それが
塩野さんの話りをきいているかのようで
どんどん読み進んだ
民主主義の罠
なぜ人はデマゴークに振り回されるのか
なぜ衆愚政治に陥るのかを知りたくて
買ったのだが
人々の持つ些細な不安感を煽られた結果
一国がつぶれてしまう様子が
リアルに感じられた
したくなくても起きる戦争
やめ時を誤ったためにおきた沢山の無駄死に、、、
一巻と三巻も買うことにしました
2017年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ギリシャは短距離走者、ローマは長距離ランナー」だと作者は云う。塩野さんは過去の研究や文献だけに頼る人ではなく現場を踏み、石碑や遺跡まで読みこなして行く物凄いエネルギッシュな作者です。結論に曖昧なところがなく実に大胆です。何千年も前の世界に飛び込んで自分の目で見てそのまま自分で判断する。筆致は男性的で剛直。戦場マップと作戦展開の解説はリアルタイムのような圧巻の臨場観があります。歴史学者には必ずしも評判がよいとは云えないようですが、ボク達が知りたいのは細部の正確さではなく、何がどうしてどの様に起きたかということですから、塩野さんの文学に魅せられるのです。
塩野さんが多神教(或いは無神論?)の國、日本人であるといことが、ギリシャ、ローマの歴史を色眼鏡なしの目で見る透明性と公平さに繋がっていると思います。例えば一時ブームになった<137億年の物語>(宇宙の歴史・英クリストファー・ロイド著/文芸春秋2012年9月刊)のローマ人への評価:「物まねが得意で乱暴な民族が築いた帝国が限度を遙かに超えて権力にしがみつく、その時代に誕生したイエス・キリストはやがて救世主となる」これに対して塩野七生は:「他民族を受け入れ、その習慣や宗教に介入せず、宗教や哲学ではなく「法」によってすべてを統治したローマ」という考え方。まるで違う古代ローマの風景、ロイドのキリスト教が染みついた偏見からみると塩野さんの分析は遙かにボク達の腑に落ちます。
古代ギリシャの500を超えたといわれるギリシャ語を話す都市国家(ポリス)の中でぬきんでていたのがスパルタとアテネでした。スパルタは豊富な土地と産物に恵まれていたので他者を拒絶する鎖国状態。王政で強力な陸軍が特徴。アテネは開かれた商業国家で海洋に進出し、強力な海軍を擁し民政国家を目指しました。
「民主政と民主主義は違う」と塩野さんは云います。本の中ではアテネの「民主政」になっています。「民主政は政治制度、民主主義は哲学」というわけです。古代アテネの民主政は兵役とリンクされて、投票権はアテネ市民で20歳以上の男子と決められ、女性、奴隷などには選挙権はありませんでした。ボクはずっと以前からアテネの「陶片追放(オストラコン)」システムは悪い政治家を追い出す面白い制度だと思っていたのですが、これは結局失敗だったようです。紀元前500年ごろ、わずか10年で10件程度が実施されて廃止されました。問題はこの制度を悪用して優秀な政敵を追い出す結果になったからです。
アテネの民主政の時期は曖昧な部分もありますが、一応ソロン(前639 ~559)に始まり、ペリクレス(前495~429)で頂点に、そしてペリクレスの死後25年、幾多の戦争の挙げ句前404年、スパルタに破れ民主政は廃止。民主政は約200年続いたことになります。アテネの敗北と衰退の原因は驚くべき才能の持ち主だが節操のない先導者アルキビアデスの去就と、一部の煽動者にあおられた選挙民の誤った判断でした。いわゆるポピュリズム(衆愚政)の弊害もありますが、どのような政治システムでも時代を問わず結局リーダーの資質が結果に表れるようです。
その後古代ギリシャでは北部の弱小国マケドニアが隆盛となりスパルタも敗北、アリストテレスの教え子アレキサンダー大王が一帯を配下に納め、ペルシャを征服する物語と繋がります。
ところでオリンピックの第1回の開催は前776年(約2800年前)アテネの西200キロにあるオリンピア(発展中のポリスの一つ)の聖なる森で行われました。開かれた理由は戦争ばかりしているポリス同志がすこしは休戦したいという思いからでした。ですからオリンピック開催期間の1週間を挟んで1ヶ月は戦争がありませんでした。4年に一度の開催、参加者は個人ですが所属のポリスを代表していましたから現在と同じでした。コースは1スタディオン(191米)、最初は徒競走のみ。のちにいろいろな競技種目が加わりました。勝者に賞金などはなかったようですが、その栄光は生涯輝いて様々な優遇に預かりました。
しかし、1172年続いたオリンピック競技は293回をもって終焉を迎えたのです。ギリシャを支配していたローマ帝国が皇帝テオドシウスによってキリスト教を國教としたため、そもそもオリンピア信仰のお祭りだったオリンピックも続けられなくなったのです。歴史的には宗教が人間を究極の不幸に追いやったり楽しみを奪ったりすることは沢山見受けられます。アリストテレスが中世の欧州でルネッサンスまでの千年もの間忘去られたのも同じ理由(キリスト教の神学と適合しない)によるものです。新潮社2017/1
塩野七生/ローマ人の物語第1巻より→人間行動の正し手を
宗教に求めたユダヤ人、哲学に求めたギリシャ人、法律に求めたローマ人
塩野さんが多神教(或いは無神論?)の國、日本人であるといことが、ギリシャ、ローマの歴史を色眼鏡なしの目で見る透明性と公平さに繋がっていると思います。例えば一時ブームになった<137億年の物語>(宇宙の歴史・英クリストファー・ロイド著/文芸春秋2012年9月刊)のローマ人への評価:「物まねが得意で乱暴な民族が築いた帝国が限度を遙かに超えて権力にしがみつく、その時代に誕生したイエス・キリストはやがて救世主となる」これに対して塩野七生は:「他民族を受け入れ、その習慣や宗教に介入せず、宗教や哲学ではなく「法」によってすべてを統治したローマ」という考え方。まるで違う古代ローマの風景、ロイドのキリスト教が染みついた偏見からみると塩野さんの分析は遙かにボク達の腑に落ちます。
古代ギリシャの500を超えたといわれるギリシャ語を話す都市国家(ポリス)の中でぬきんでていたのがスパルタとアテネでした。スパルタは豊富な土地と産物に恵まれていたので他者を拒絶する鎖国状態。王政で強力な陸軍が特徴。アテネは開かれた商業国家で海洋に進出し、強力な海軍を擁し民政国家を目指しました。
「民主政と民主主義は違う」と塩野さんは云います。本の中ではアテネの「民主政」になっています。「民主政は政治制度、民主主義は哲学」というわけです。古代アテネの民主政は兵役とリンクされて、投票権はアテネ市民で20歳以上の男子と決められ、女性、奴隷などには選挙権はありませんでした。ボクはずっと以前からアテネの「陶片追放(オストラコン)」システムは悪い政治家を追い出す面白い制度だと思っていたのですが、これは結局失敗だったようです。紀元前500年ごろ、わずか10年で10件程度が実施されて廃止されました。問題はこの制度を悪用して優秀な政敵を追い出す結果になったからです。
アテネの民主政の時期は曖昧な部分もありますが、一応ソロン(前639 ~559)に始まり、ペリクレス(前495~429)で頂点に、そしてペリクレスの死後25年、幾多の戦争の挙げ句前404年、スパルタに破れ民主政は廃止。民主政は約200年続いたことになります。アテネの敗北と衰退の原因は驚くべき才能の持ち主だが節操のない先導者アルキビアデスの去就と、一部の煽動者にあおられた選挙民の誤った判断でした。いわゆるポピュリズム(衆愚政)の弊害もありますが、どのような政治システムでも時代を問わず結局リーダーの資質が結果に表れるようです。
その後古代ギリシャでは北部の弱小国マケドニアが隆盛となりスパルタも敗北、アリストテレスの教え子アレキサンダー大王が一帯を配下に納め、ペルシャを征服する物語と繋がります。
ところでオリンピックの第1回の開催は前776年(約2800年前)アテネの西200キロにあるオリンピア(発展中のポリスの一つ)の聖なる森で行われました。開かれた理由は戦争ばかりしているポリス同志がすこしは休戦したいという思いからでした。ですからオリンピック開催期間の1週間を挟んで1ヶ月は戦争がありませんでした。4年に一度の開催、参加者は個人ですが所属のポリスを代表していましたから現在と同じでした。コースは1スタディオン(191米)、最初は徒競走のみ。のちにいろいろな競技種目が加わりました。勝者に賞金などはなかったようですが、その栄光は生涯輝いて様々な優遇に預かりました。
しかし、1172年続いたオリンピック競技は293回をもって終焉を迎えたのです。ギリシャを支配していたローマ帝国が皇帝テオドシウスによってキリスト教を國教としたため、そもそもオリンピア信仰のお祭りだったオリンピックも続けられなくなったのです。歴史的には宗教が人間を究極の不幸に追いやったり楽しみを奪ったりすることは沢山見受けられます。アリストテレスが中世の欧州でルネッサンスまでの千年もの間忘去られたのも同じ理由(キリスト教の神学と適合しない)によるものです。新潮社2017/1
塩野七生/ローマ人の物語第1巻より→人間行動の正し手を
宗教に求めたユダヤ人、哲学に求めたギリシャ人、法律に求めたローマ人
2017年12月15日に日本でレビュー済み
作者は書く対象への思い入れが強く、過大評価しがちです、 反対に敵対するものは、過少評価しがちです。それがなければ更に良いのですが。