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日本経済を殲滅せよ 単行本 – 2010/7/1
- 本の長さ383ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/7/1
- ISBN-104105284029
- ISBN-13978-4105284022
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/7/1)
- 発売日 : 2010/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 383ページ
- ISBN-10 : 4105284029
- ISBN-13 : 978-4105284022
- Amazon 売れ筋ランキング: - 481,626位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
核の時代と当時は異なるものの、中国がどのような経済的、金融的な仕打ちをアメリカにされるかの参考になる。『オレンジ計画』と合わせて読むべき。
2012年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1941年12月8日、我が国が真珠湾攻撃に踏み切った歴史的背景、それまでのアメリカの日本に対する政策と貿易から、情報公開された資料をもとに、その熾烈な裏舞台を克明に読み解かれている素晴らしい本書です。
1920年から1930年代に立案されていた、日本との交戦を想定して考えられたアメリカの「オレンジ計画」を知ることから、日米関係の歴史を見直すキッカケになりました。
1941年8月のローズベルト大統領による「日本資産凍結」から、「アメリカの政策は、なんでもあり」な態度を知るのは、歴史の事実として貴重です。
アメリカでストッキングが流行りだした時、生糸製品の輸出の急増により、我が国が米国ドルを獲得した時代など、ファッションから天然資源、債券などの数字が詳細に述べられています。
日米貿易の歴史は、戦前の生糸から、戦後の自動車や家電と、その商品構成は変遷していますが、貿易摩擦と雇用問題などをはらんだ微妙な危うさがある。
戦前のアメリカの関税率を知ると、驚くばかりです。
その中で、わが国の先人たちの頭脳戦略と壮絶な葛藤が感じられます。
「円高・ドル安」「TPP問題」など、今後、それぞれの経済活動に及ぼす影響を、この『日本経済を殲滅せよ』のタイトルに、継続的なアメリカの一貫した方向性が伝わってくるのは、僕だけでしょうか。
このような本書が出版されるアメリカの凄さに、驚かされました。
そのように思いながら、著者エドワード・ミラー氏に感謝の気持ちです。
1920年から1930年代に立案されていた、日本との交戦を想定して考えられたアメリカの「オレンジ計画」を知ることから、日米関係の歴史を見直すキッカケになりました。
1941年8月のローズベルト大統領による「日本資産凍結」から、「アメリカの政策は、なんでもあり」な態度を知るのは、歴史の事実として貴重です。
アメリカでストッキングが流行りだした時、生糸製品の輸出の急増により、我が国が米国ドルを獲得した時代など、ファッションから天然資源、債券などの数字が詳細に述べられています。
日米貿易の歴史は、戦前の生糸から、戦後の自動車や家電と、その商品構成は変遷していますが、貿易摩擦と雇用問題などをはらんだ微妙な危うさがある。
戦前のアメリカの関税率を知ると、驚くばかりです。
その中で、わが国の先人たちの頭脳戦略と壮絶な葛藤が感じられます。
「円高・ドル安」「TPP問題」など、今後、それぞれの経済活動に及ぼす影響を、この『日本経済を殲滅せよ』のタイトルに、継続的なアメリカの一貫した方向性が伝わってくるのは、僕だけでしょうか。
このような本書が出版されるアメリカの凄さに、驚かされました。
そのように思いながら、著者エドワード・ミラー氏に感謝の気持ちです。
2013年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1,公的資料を裏付けにした数字には説得力がある。
2,当時の世情が分かりやすく説明されていてその数字が経済や政治に与える影響力が感覚として理解しやすい。
良いも悪いもなく淡々と事実が述べられていくだけです。
都合いい数字が載った資料を使うでもなく、思想が入ることもなく一方の主張だけに偏ることもありません。
面白おかしく話を作るのではなく全ての情報が同じトーンで公平に扱われます。
簡単なようで自分の思想を入れないのは難しいことだと思います。
著者の押し付けはなく判断は読者に任せられます。
当たり前だと思って読んでいた最近出版されたこの手の書籍に自分が毒されていて自己の判断を著者に任せていた事に気付かせてくれた良書でした。
2,当時の世情が分かりやすく説明されていてその数字が経済や政治に与える影響力が感覚として理解しやすい。
良いも悪いもなく淡々と事実が述べられていくだけです。
都合いい数字が載った資料を使うでもなく、思想が入ることもなく一方の主張だけに偏ることもありません。
面白おかしく話を作るのではなく全ての情報が同じトーンで公平に扱われます。
簡単なようで自分の思想を入れないのは難しいことだと思います。
著者の押し付けはなく判断は読者に任せられます。
当たり前だと思って読んでいた最近出版されたこの手の書籍に自分が毒されていて自己の判断を著者に任せていた事に気付かせてくれた良書でした。
2010年11月2日に日本でレビュー済み
日米開戦時の米国大統領ローズベルトは、欧州で始まった戦争に参戦するため、日本を追い込んで真珠湾攻撃に導いたといった風説がある。また真珠湾攻撃を事前に知っていたという説も絶えない。
本書は1937年(昭和12年)の支邦事変の始まり(盧溝橋事件)とパネー号事件を契機にローズベルトは有名な「隔離演説」を行い、第一次世界大戦の遺物である「対敵通商法」の条項を発掘して、日本への金融凍結を視野に入れたところから始まる。著者は、学究的な態度で戦前の日本経済の成り立ちから筆を進める。戦前の対米輸出品の主力であった生糸の消長が興味深い。また当時の石油輸入はほとんどカリフォルニアからであったことを改めて知った。支邦事変が始まると米国の省庁・機関はいつ日本が破産するかを予測し始めた。いずれも余り当たらなかったが。そして各種の日本経済の「脆弱性の研究」がなされた。そして1941年(昭和16年)7月、日本軍の南仏印進駐にともない遂に大統領令8832号が発令されて金融凍結が実施された。日本は必死の回避努力をするものの経済的締め付けから開戦不可避となっていく。ここに至るまでの国務省次官補のアチソンの執念が特筆される。日米開戦についてこのように経済面から追求した著書は少ない。開戦の経緯に興味ある人に一読をお勧めする。
著者は、事実を淡々と述べていくだけで日本の開戦の是非については触れていない。ただ、ローズベルトが「平和国家に対する軍事独裁諸国の侵略をなんとか阻止できないものか」と考えて先の「隔離演説」を行ったと述べるのみである。
それにしても、米国(ローズベルト)は、ほとんど直接利害関係のない日本をなぜこれほど敵視したのであろうか?
なお、本書の著者略歴にはなぜか生年が記されていない。原書で確認したところ1930年生まれであった。念のため記しておきます。
本書は1937年(昭和12年)の支邦事変の始まり(盧溝橋事件)とパネー号事件を契機にローズベルトは有名な「隔離演説」を行い、第一次世界大戦の遺物である「対敵通商法」の条項を発掘して、日本への金融凍結を視野に入れたところから始まる。著者は、学究的な態度で戦前の日本経済の成り立ちから筆を進める。戦前の対米輸出品の主力であった生糸の消長が興味深い。また当時の石油輸入はほとんどカリフォルニアからであったことを改めて知った。支邦事変が始まると米国の省庁・機関はいつ日本が破産するかを予測し始めた。いずれも余り当たらなかったが。そして各種の日本経済の「脆弱性の研究」がなされた。そして1941年(昭和16年)7月、日本軍の南仏印進駐にともない遂に大統領令8832号が発令されて金融凍結が実施された。日本は必死の回避努力をするものの経済的締め付けから開戦不可避となっていく。ここに至るまでの国務省次官補のアチソンの執念が特筆される。日米開戦についてこのように経済面から追求した著書は少ない。開戦の経緯に興味ある人に一読をお勧めする。
著者は、事実を淡々と述べていくだけで日本の開戦の是非については触れていない。ただ、ローズベルトが「平和国家に対する軍事独裁諸国の侵略をなんとか阻止できないものか」と考えて先の「隔離演説」を行ったと述べるのみである。
それにしても、米国(ローズベルト)は、ほとんど直接利害関係のない日本をなぜこれほど敵視したのであろうか?
なお、本書の著者略歴にはなぜか生年が記されていない。原書で確認したところ1930年生まれであった。念のため記しておきます。
2022年6月4日に日本でレビュー済み
日本悪者論に洗脳させられていた自分の目を覚ます、きっかとなった書物のひとつです。
本書は、最終的に、米国東海岸での石油不足の理由で日本への石油輸出が、ルーズベルト大統領により止められた所で終わります。そこに至るまでに、既に、アメリカにいる日本人の預金が引き出せなくなるとか、当時、アメリカとの開戦を避けようと和平交渉していた日本に対して、実際に行われたことが、どんなものか詳述されております。
本書に出てくる、オポチュニズム、オポチュニストという言葉も、深い意味がわからずに読んでました。
私の様に、お花畑的な人が、歴史の真実に気付くきっかけとなるのではと思います。
また現代への示唆も与えてくれます。
石油が輸入できなくなった歴史から、今思うのは、石油や電力がないと生活が成り立たない現代、発電の燃料は何なのか。石油や天然ガスの輸入が止まると、自分の生活がどうなってしまうのか。スーパーで食材の入手が困難になったり、価格が高騰するかもしれません。生活インフラ全てが正常に動いてくれるのか、不安になります。
自前資源、電力確保、色々な安全保障、現代に課題が沢山あると、気付くとともに、残念ながら自分は、お花畑に住んでいる訳ではないことに気づかされます。
本書は、最終的に、米国東海岸での石油不足の理由で日本への石油輸出が、ルーズベルト大統領により止められた所で終わります。そこに至るまでに、既に、アメリカにいる日本人の預金が引き出せなくなるとか、当時、アメリカとの開戦を避けようと和平交渉していた日本に対して、実際に行われたことが、どんなものか詳述されております。
本書に出てくる、オポチュニズム、オポチュニストという言葉も、深い意味がわからずに読んでました。
私の様に、お花畑的な人が、歴史の真実に気付くきっかけとなるのではと思います。
また現代への示唆も与えてくれます。
石油が輸入できなくなった歴史から、今思うのは、石油や電力がないと生活が成り立たない現代、発電の燃料は何なのか。石油や天然ガスの輸入が止まると、自分の生活がどうなってしまうのか。スーパーで食材の入手が困難になったり、価格が高騰するかもしれません。生活インフラ全てが正常に動いてくれるのか、不安になります。
自前資源、電力確保、色々な安全保障、現代に課題が沢山あると、気付くとともに、残念ながら自分は、お花畑に住んでいる訳ではないことに気づかされます。
2011年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近現代史の中で、日清・日露戦争当時まで、日本は受け身のプレーヤーだったと言って良いだろう。しかし、1905年、日露戦争の勝利は、日本を国際政治における第一級の能動的プレーヤーの地位に押し上げた。そして、その後の歴史の展開は、国際社会において国家意思を明確にしつつ、国内的・国際的要因の全てに眼を配りながら生き抜くことの困難さを痛覚させられる100年間だったと言えよう。
とりわけ、この期間において我が国の歴史に特記されるべき事件は、大東亜(太平洋)戦争の敗北とアメリカによる占領である。日本の歴史家の多くは、戦争の原因を国内的要因から分析する。しかし、大東亜(太平洋)戦争は、少なくとも日本、アメリカ、中国(国民党と共産党)、ソビエトの4カ国、それにアメリカを参戦させようとするイギリスの狡知を含めた対立抗争として把握しない限り、正確に分析することはおぼつかない。
著者は、近年機密解除された資料を駆使して、日本の経済・金融基盤の脆弱さに着目したアメリカが、大陸政策での対立から、「戦闘を避け、日本経済の破壊という方法で外交政策の目的を成就させようとした戦略」を証明する。そして、アメリカ政府のねらいが、日本の孤立や限定的抑圧ではなく、日本という国家の解体・殲滅を目的としていたことを明かす。
国務省には知日派も穏健派もいた。しかし、ディーン・アチソンのような中堅クラスの野心的な官僚たちは、対日強硬派のモーゲンソー財務長官と組み、金融凍結案を成立させて、日本経済の息の根を止めた。それは、経済面からアメリカが仕掛けた日米戦争だったのだ、と著者は言う。
つまり、真珠湾攻撃の前に、既に「日米戦争」は始まっていたのである。そして、戦後アメリカが占領軍として押しつけた憲法を初めとする日本改造の試み。
1980年代、再び、日本が経済大国として国際社会の能動的プレーヤーにのし上がったとき、アメリカの台頭するライバルに対する執拗な攻撃が始まる。円戦略に基づくプラザ合意、対日年次改革要望書、日米構造協議・・・。その内実においてアメリカは、今も日本に対して経済戦争を仕掛け続けているのではないか。
とりわけ、この期間において我が国の歴史に特記されるべき事件は、大東亜(太平洋)戦争の敗北とアメリカによる占領である。日本の歴史家の多くは、戦争の原因を国内的要因から分析する。しかし、大東亜(太平洋)戦争は、少なくとも日本、アメリカ、中国(国民党と共産党)、ソビエトの4カ国、それにアメリカを参戦させようとするイギリスの狡知を含めた対立抗争として把握しない限り、正確に分析することはおぼつかない。
著者は、近年機密解除された資料を駆使して、日本の経済・金融基盤の脆弱さに着目したアメリカが、大陸政策での対立から、「戦闘を避け、日本経済の破壊という方法で外交政策の目的を成就させようとした戦略」を証明する。そして、アメリカ政府のねらいが、日本の孤立や限定的抑圧ではなく、日本という国家の解体・殲滅を目的としていたことを明かす。
国務省には知日派も穏健派もいた。しかし、ディーン・アチソンのような中堅クラスの野心的な官僚たちは、対日強硬派のモーゲンソー財務長官と組み、金融凍結案を成立させて、日本経済の息の根を止めた。それは、経済面からアメリカが仕掛けた日米戦争だったのだ、と著者は言う。
つまり、真珠湾攻撃の前に、既に「日米戦争」は始まっていたのである。そして、戦後アメリカが占領軍として押しつけた憲法を初めとする日本改造の試み。
1980年代、再び、日本が経済大国として国際社会の能動的プレーヤーにのし上がったとき、アメリカの台頭するライバルに対する執拗な攻撃が始まる。円戦略に基づくプラザ合意、対日年次改革要望書、日米構造協議・・・。その内実においてアメリカは、今も日本に対して経済戦争を仕掛け続けているのではないか。
2010年10月21日に日本でレビュー済み
太平洋戦争の軍事面における米国の対日戦略を白日の下にさらした、名著『オレンジ計画』の
著者による一冊。本書は同テーマに、今度は経済面から迫っています。
当時の日本は、今と同様に殆どの物資について純輸入国でした。更にその大部分をアメリカ
から買っていたのです。石油はもちろん、それ以外にも鉱物、綿、肥料(米は自給できても
それを育てる為の肥料は輸入していたのです)、各種機械…と、食料以外のものは全て輸入
していた、と言っても過言ではありません。
(なので、現在以上に、海外に生殺与奪の権利を握られていたのです)
孤立主義を引きずっていたルーズベルト(とアメリカ全体)は、アメリカの権益を侵す
だけでなく、更なる拡張政策に励む日本の行動を何とかすべし、但し武力(戦争)はNGと
いうスタンスでした。
その為、第1次世界大戦当時に成立した法律(対敵通商法)内の一条項を元に、戦略物質と
それほど重要では無いが日本経済にダメージを与えるには有効な物資の禁輸を実施。
しかし、それにはいろんな抜け道があったこと、更には事前の予測ほど日本が困窮していな
さそう=より物資をかき集めていたことから、石油の禁輸&日本の在外資産の凍結、という
貿易立国の血液循環を止める手段に出たのです。
(日本とアメリカの関係は、この当時も互恵関係にあった)
そう、ここまでなら当時の歴史に詳しい方なら既知部分かもしれません。この本の読み
どころは、では誰がそれをしたのか?(著者はディーン・アチソン、この時は経済担当
国務次官補が首謀者と見ている模様)、どんなふうに行ったのか?(禁輸対象をピック
アップする=日本の弱みを探る=脆弱性の研究)、その割には禁輸後の影響は
アーサー・B・ハーシー(経済学者)率いる諜報調整連絡局=国務省と戦略諜報局の
合同組織、のチームが行ったものしか無い、日本の輸出品「絹」が、アメリカでどれだけ
もてはやされ、外貨獲得に寄与したか…等々が頁をめくる度に再現されるのです。
この本は歴史書を読む醍醐味を味わえ、何より、あの戦争に関する事実の一端をを知る
ことができるのです。一読の価値有り。
著者による一冊。本書は同テーマに、今度は経済面から迫っています。
当時の日本は、今と同様に殆どの物資について純輸入国でした。更にその大部分をアメリカ
から買っていたのです。石油はもちろん、それ以外にも鉱物、綿、肥料(米は自給できても
それを育てる為の肥料は輸入していたのです)、各種機械…と、食料以外のものは全て輸入
していた、と言っても過言ではありません。
(なので、現在以上に、海外に生殺与奪の権利を握られていたのです)
孤立主義を引きずっていたルーズベルト(とアメリカ全体)は、アメリカの権益を侵す
だけでなく、更なる拡張政策に励む日本の行動を何とかすべし、但し武力(戦争)はNGと
いうスタンスでした。
その為、第1次世界大戦当時に成立した法律(対敵通商法)内の一条項を元に、戦略物質と
それほど重要では無いが日本経済にダメージを与えるには有効な物資の禁輸を実施。
しかし、それにはいろんな抜け道があったこと、更には事前の予測ほど日本が困窮していな
さそう=より物資をかき集めていたことから、石油の禁輸&日本の在外資産の凍結、という
貿易立国の血液循環を止める手段に出たのです。
(日本とアメリカの関係は、この当時も互恵関係にあった)
そう、ここまでなら当時の歴史に詳しい方なら既知部分かもしれません。この本の読み
どころは、では誰がそれをしたのか?(著者はディーン・アチソン、この時は経済担当
国務次官補が首謀者と見ている模様)、どんなふうに行ったのか?(禁輸対象をピック
アップする=日本の弱みを探る=脆弱性の研究)、その割には禁輸後の影響は
アーサー・B・ハーシー(経済学者)率いる諜報調整連絡局=国務省と戦略諜報局の
合同組織、のチームが行ったものしか無い、日本の輸出品「絹」が、アメリカでどれだけ
もてはやされ、外貨獲得に寄与したか…等々が頁をめくる度に再現されるのです。
この本は歴史書を読む醍醐味を味わえ、何より、あの戦争に関する事実の一端をを知る
ことができるのです。一読の価値有り。