ツイッターのTLに流れてきたので、興味を持って購入。
「真面目に不真面目」を地で行く、ネタとしてはよくある「生物学的に正しい妖怪の考察」本。
確かによくあるといえばよくある本なのです。が。
……いわゆる妖怪をとりあつかった古典的なネタばかりではなく、レオ・レオーニの並行植物「オオツキヒカリバナ」と、秘密の博物誌に登場する「カワリオオアゴウツボ」の生態が考察されているというところで星二つ追加しました。特に後者の生態には目から鱗。そうか! なるほど、そうだったのかー!納得したー!!
手垢のついた「ドラキュラはどうして日光を浴びると灰になるのか」よりも、いっそ一冊まるまるこれらの「生物」の生態考察に費やしてくれてもよかったのに、と思わないでもなかった。初版の年代を鑑みると、それも致し方ないのかもしれないが。
閑話休題。
もう一つ、この本を買うメリットとしてあげられるのは、巻末にあげられている参考・引用文献の豊富さと、入手のしやすさだ。ちょっと検索すれば大体のことがわかる現代だからこそ、原典にきちっとあたってみるのも大事なことだと思うので。

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ろくろ首の首はなぜ伸びるのか 遊ぶ生物学への招待 (新潮新書) 新書 – 2005/12/15
武村 政春
(著)
ドラキュラはなぜ日光で灰になってしまうのか。
モスラはどうやって呼吸しているのか。
人と魚が合体して人魚になる過程、カマイタチの鎌の成分、カオナシが食べた生物の声になるメカニズムとは——。
古今東西の「架空生物」の謎を最新生物学で解き明かす。
読み進むうちに頭が柔らかくなること間違いなし。
仮想と現実、冗談と本気、奇想と学問が大胆に結合した「遊ぶ生物学」がここに誕生!
モスラはどうやって呼吸しているのか。
人と魚が合体して人魚になる過程、カマイタチの鎌の成分、カオナシが食べた生物の声になるメカニズムとは——。
古今東西の「架空生物」の謎を最新生物学で解き明かす。
読み進むうちに頭が柔らかくなること間違いなし。
仮想と現実、冗談と本気、奇想と学問が大胆に結合した「遊ぶ生物学」がここに誕生!
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/12/15
- ISBN-104106101483
- ISBN-13978-4106101489
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商品の説明
出版社からのコメント
ろくろ首の首はなぜ伸びるのか、そう言われたところで、そんなことは考えたこともない、考えたくもない、という方が圧倒的多数であるかとは思います。
しかし、この疑問にとどまらず、本書では「ドラキュラはなぜ日光で灰になるのか」「『千と千尋の神隠し』のカオナシはなぜ飲み込んだ生物の声を出すのか」「モスラはなぜ巨大化したのか」等々、古今東西の架空生物の謎に迫っております。
ただの空想ではなく、日頃DNAの複製といった先端分野について真面目に研究している著者が、出来る限りの生物学知識を駆使して、妖怪、怪獣、幻獣を解剖するという斬新な内容です。読み進むうちに「考えたくもない」「考えたこともない」謎の数々が解き明かされていき、いつのまにか「もっと考えたい」という頭に変わってくるはずです。
頭が柔らかくなることは楽しいことだからです。また、ここでしか見られない数々の解剖図もまた本書の魅力となっております。
しかし、この疑問にとどまらず、本書では「ドラキュラはなぜ日光で灰になるのか」「『千と千尋の神隠し』のカオナシはなぜ飲み込んだ生物の声を出すのか」「モスラはなぜ巨大化したのか」等々、古今東西の架空生物の謎に迫っております。
ただの空想ではなく、日頃DNAの複製といった先端分野について真面目に研究している著者が、出来る限りの生物学知識を駆使して、妖怪、怪獣、幻獣を解剖するという斬新な内容です。読み進むうちに「考えたくもない」「考えたこともない」謎の数々が解き明かされていき、いつのまにか「もっと考えたい」という頭に変わってくるはずです。
頭が柔らかくなることは楽しいことだからです。また、ここでしか見られない数々の解剖図もまた本書の魅力となっております。
著者について
武村政春 1969(昭和44)年三重県津市生まれ。1998年名古屋大学大学院医学研究科修了。医学博士。名古屋大学助手を経て、現在三重大学生命科学研究支援センター助手。専門はDNA複製の分子・細胞生物学。著書に『ろくろ首考』『DNA複製の謎に迫る』がある。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/12/15)
- 発売日 : 2005/12/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 223ページ
- ISBN-10 : 4106101483
- ISBN-13 : 978-4106101489
- Amazon 売れ筋ランキング: - 647,580位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
AMAZONなど、ネットで書籍を購入しようとしている各位
向けに、この出版社はタイトル命で新書を何冊かリリースされ
ていますが、初見はその内の一冊かな・・・というのが印象です。
確かに、切り口はワクワクさせられますし、内容も面白い・・・
けど、整合性やツッコミ加減に、かなり不満が残るのも確か。
生物学者さんが書かれているので、それなりの素養をもっての
書物ではあるのですが、筆者の知的好奇心を充足するほどには
出来上がっていないな・・・と思いました。
「さおだけ屋・・・」のベストセラーもそうでしたが、タイトル命、
ネットバイヤーだましの書物の乱発は、ある意味ビジネスチャンス
かもしれないけど、買う側も、色々な情報収集をしっかりしないと
いけないな・・・と、考えさせられました。
ま、そんなに悪書ではないし、さらっと読むだけの分では、
丁度いい。例えば、新幹線で出張する折に時間つぶしに読む分には
十分すぎる位の内容ではありますよ。
向けに、この出版社はタイトル命で新書を何冊かリリースされ
ていますが、初見はその内の一冊かな・・・というのが印象です。
確かに、切り口はワクワクさせられますし、内容も面白い・・・
けど、整合性やツッコミ加減に、かなり不満が残るのも確か。
生物学者さんが書かれているので、それなりの素養をもっての
書物ではあるのですが、筆者の知的好奇心を充足するほどには
出来上がっていないな・・・と思いました。
「さおだけ屋・・・」のベストセラーもそうでしたが、タイトル命、
ネットバイヤーだましの書物の乱発は、ある意味ビジネスチャンス
かもしれないけど、買う側も、色々な情報収集をしっかりしないと
いけないな・・・と、考えさせられました。
ま、そんなに悪書ではないし、さらっと読むだけの分では、
丁度いい。例えば、新幹線で出張する折に時間つぶしに読む分には
十分すぎる位の内容ではありますよ。
2016年10月1日に日本でレビュー済み
「古今東西の「架空生物」の謎を最新生物学で解き明かす。」などと解説に書かれてしまうと、ゴリゴリの生物学者が自身の知識と経験を総動員して、読者を完全に無視した専門書的な言いまわしで解説しているのを想像しましたが、むしろ逆で、肝心なところは、結構、浅いツッコミにとどめて、あくまでもその妖怪の世界観は壊さないようにしている工夫を感じました。
想像していたより軽めのタッチで読みやすいですが、決して素人が書いたようなものでもなく、生物学に関しては、ある程度、高い知識を持った人の文章であることは、容易に読み取ることができます。それだけに、仮説が強引なところもありますが、全体的には、非常に面白い作品に仕上がっていると思います。
想像していたより軽めのタッチで読みやすいですが、決して素人が書いたようなものでもなく、生物学に関しては、ある程度、高い知識を持った人の文章であることは、容易に読み取ることができます。それだけに、仮説が強引なところもありますが、全体的には、非常に面白い作品に仕上がっていると思います。
2006年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生物の分類法としては界の下には門が来て、それゆえケンタウロス一族は脊索動物門、脊椎動物亜門、哺乳綱の分類されるのだそうだ。
めでたしめでたし〜〜〜♪
ってどこが面白いのだろう?
この本は全部がこんな感じだ。
『ケンタウロスは体が大きい、だから心臓も肺も二個あったに違いない。(なければならない。)では次の話題・・。』
博識は認める、また科学者の癖に妖怪好きというのにも個人的に好感がもてるのだが、いかんせんこの著者、なんというかオタクっぽいのだ、語り口が。第一章からすでに自分の世界に入っていて読者のことはほったらかしである、少なくとも素人のリーダーの感情はほとんど無視、または向き合っているつもりでピントが全く合っていないのである。
ちなみにドラキュラはミドリムシが祖先でそれは光合成をするドラキュリンとよばれるタンパク質によって覆われていることを著者はルーマニアのキラウシェスク博士からこっそり個人的に聞いたのだろうだ。
このジョーク(?)で笑えた人、及び生物の分類、生体の機能のトリビアが知りたい人だけにはこの本を強くお勧めする。
めでたしめでたし〜〜〜♪
ってどこが面白いのだろう?
この本は全部がこんな感じだ。
『ケンタウロスは体が大きい、だから心臓も肺も二個あったに違いない。(なければならない。)では次の話題・・。』
博識は認める、また科学者の癖に妖怪好きというのにも個人的に好感がもてるのだが、いかんせんこの著者、なんというかオタクっぽいのだ、語り口が。第一章からすでに自分の世界に入っていて読者のことはほったらかしである、少なくとも素人のリーダーの感情はほとんど無視、または向き合っているつもりでピントが全く合っていないのである。
ちなみにドラキュラはミドリムシが祖先でそれは光合成をするドラキュリンとよばれるタンパク質によって覆われていることを著者はルーマニアのキラウシェスク博士からこっそり個人的に聞いたのだろうだ。
このジョーク(?)で笑えた人、及び生物の分類、生体の機能のトリビアが知りたい人だけにはこの本を強くお勧めする。
2012年5月24日に日本でレビュー済み
本書は、ろくろ首やぬえ、ケンタウロス等の妖怪が実在するとして、その構造がどのようになっているのかを、仮想現実的に考察したものである。
したがって、その考察部分には「キメラ腺」やら「ドラキュリン」といった珍妙な名称の生態組織や成分が登場する。
これが、各項目前半の生物学的または解剖学的な、まじめな描写との対比で、実に楽しい。
著者の遊び心満点といった雰囲気である。
かつて大伴昌司が著した怪獣図鑑を彷彿とさせるものだといえよう。
しかし、うっかり知識のない人が読むと、前半部分が現在の生物学や解剖学の実際の情報を駆使して、詳細に述べられているだけに、後半部分のこのお遊び部分も、真実のものだと受け取られかねない。
このあたりは、要注意点かもしれない。
さて、個人的には「ドラキュラ」が太陽光をあびて瞬時に灰化するあたりが、実に面白かった。
もちろん他の項目も面白かったのだが、第三章「遊ぶ生化学・遊ぶ分子生物学」の「ドラキュラ」の項目には楽しませてもらった。
そして、このドラキュラが瞬時に灰化する理由が短時間に光合成が進行するから、というのには納得した。
まさに、目から鱗が落ちる、といったところだろうか。
本書に類するものとしては柳田理科雄の諸著があるが、本書は生物学に特化した、という点で、あの一連の「空想科学シリーズ」ものとはまた違った面白さがある。
そして、楽しみながらも、各項目の前半部分で、生物学・解剖学の知識を得られるという、一粒で二度おいしい一冊である。
したがって、その考察部分には「キメラ腺」やら「ドラキュリン」といった珍妙な名称の生態組織や成分が登場する。
これが、各項目前半の生物学的または解剖学的な、まじめな描写との対比で、実に楽しい。
著者の遊び心満点といった雰囲気である。
かつて大伴昌司が著した怪獣図鑑を彷彿とさせるものだといえよう。
しかし、うっかり知識のない人が読むと、前半部分が現在の生物学や解剖学の実際の情報を駆使して、詳細に述べられているだけに、後半部分のこのお遊び部分も、真実のものだと受け取られかねない。
このあたりは、要注意点かもしれない。
さて、個人的には「ドラキュラ」が太陽光をあびて瞬時に灰化するあたりが、実に面白かった。
もちろん他の項目も面白かったのだが、第三章「遊ぶ生化学・遊ぶ分子生物学」の「ドラキュラ」の項目には楽しませてもらった。
そして、このドラキュラが瞬時に灰化する理由が短時間に光合成が進行するから、というのには納得した。
まさに、目から鱗が落ちる、といったところだろうか。
本書に類するものとしては柳田理科雄の諸著があるが、本書は生物学に特化した、という点で、あの一連の「空想科学シリーズ」ものとはまた違った面白さがある。
そして、楽しみながらも、各項目の前半部分で、生物学・解剖学の知識を得られるという、一粒で二度おいしい一冊である。
2007年4月4日に日本でレビュー済み
ホンネです。
期待外れというか、なんと言うか・・・
生物学に興味を持つ人なら面白いのかもしれませんが、
私のように、「ちょっと齧ってみようかな」的な人間には向かないかもしれません。
もっと楽しさを入れて欲しかったというのが私の意見です。
この本で生物学に興味を持てるか・・・というとそうでもない。
学習には向かない本です。
期待外れというか、なんと言うか・・・
生物学に興味を持つ人なら面白いのかもしれませんが、
私のように、「ちょっと齧ってみようかな」的な人間には向かないかもしれません。
もっと楽しさを入れて欲しかったというのが私の意見です。
この本で生物学に興味を持てるか・・・というとそうでもない。
学習には向かない本です。
2014年3月15日に日本でレビュー済み
できれば「鼻行類」や「平行植物」のように、架空の生物学を、ひたすら大真面目に詳細に、述べたかったそうです。しかし本書にはそこまでの詳細さ・文学的なムードはなく、飛頭蛮、鵺、吸血鬼、ろくろ首、目目連、カオナシなど、お化け・妖怪の類の生態について、あっさりと端的に、しかし出来るかぎり科学的に、大真面目に、述べようとしつつも、肝心要の部分は空想で補う、軽めの読み物です。
同じく軽めの読み物「空想科学読本」とは根本的に違うのは、「これは、こうこうこういうわけで、科学的にはあり得ないのだ」という検証ではなく、「こうすればあり得るのだ」という無理やりな展開であるので、真面目な雑学を得たい、という読者にはまったくもって不向きです。
本書は、ひたすら笑っていいんだと思います。私は吸血鬼とカオナシのところで吹き出してしまいました。なんじゃーその「抗カエル男抗体」ってのはっ!? しかもそこには「アンティ・カエルオトコ・アンティボディ」ってルビがふってある始末です。ある意味、徹底してますね。
吸血鬼の場合は、ページを捲ったところに、あまりといえばあまりな結論が。いや〜、それはあり得ないでしょ? ・・・って、それをいうのなら太陽光を浴びると灰になる吸血鬼の生態そのものがあり得ないのですが、それを言っちゃうとすべてが成り立たない訳でして。ううむ。
目目連の解説も、なかなかどうして、酷かったです。だって、それだと障子の反対側から見た方がよっぽど怖いのでは・・・?(笑)
ツッコミながら笑うのが好きな方。
どんな考察であれ、妖怪や怪物についてのお話が好きだ、という方。
ちょっとした息抜きには最適かと思います。
同じく軽めの読み物「空想科学読本」とは根本的に違うのは、「これは、こうこうこういうわけで、科学的にはあり得ないのだ」という検証ではなく、「こうすればあり得るのだ」という無理やりな展開であるので、真面目な雑学を得たい、という読者にはまったくもって不向きです。
本書は、ひたすら笑っていいんだと思います。私は吸血鬼とカオナシのところで吹き出してしまいました。なんじゃーその「抗カエル男抗体」ってのはっ!? しかもそこには「アンティ・カエルオトコ・アンティボディ」ってルビがふってある始末です。ある意味、徹底してますね。
吸血鬼の場合は、ページを捲ったところに、あまりといえばあまりな結論が。いや〜、それはあり得ないでしょ? ・・・って、それをいうのなら太陽光を浴びると灰になる吸血鬼の生態そのものがあり得ないのですが、それを言っちゃうとすべてが成り立たない訳でして。ううむ。
目目連の解説も、なかなかどうして、酷かったです。だって、それだと障子の反対側から見た方がよっぽど怖いのでは・・・?(笑)
ツッコミながら笑うのが好きな方。
どんな考察であれ、妖怪や怪物についてのお話が好きだ、という方。
ちょっとした息抜きには最適かと思います。
2013年7月18日に日本でレビュー済み
空想上の生き物の実現性を、生物学の専門家として考察する、という本なのだが、どうも中途半端な感じである。
どうせなら徹底して、現在知られている物質や仕組みでこの生物を実現するとしたらどうなるかを示してほしかったが、本書では謎の新物質や「ありえない」形態が登場してしまっている。
やはり傑作「鼻行類」にはかなわないな、というのが正直なところ。
どうせなら徹底して、現在知られている物質や仕組みでこの生物を実現するとしたらどうなるかを示してほしかったが、本書では謎の新物質や「ありえない」形態が登場してしまっている。
やはり傑作「鼻行類」にはかなわないな、というのが正直なところ。