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マイ・ロスト・シティ- (村上春樹翻訳ライブラリー f- 1) 新書 – 2006/5/10

4.1 5つ星のうち4.1 48個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2006/5/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/5/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 280ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4124034989
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4124034981
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 48個の評価

著者について

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スコット・フィッツジェラルド
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上位レビュー、対象国: 日本

2015年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フィッツジェラルドをまだ読んだことがない方は、
是非この本から読んで欲しい
どの物語も素晴らしい
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界恐慌時代の投資家の欲望と破滅を
感じさせる作品です。

 映像の世紀を見ていたら度々フィッツジェラルド氏の
名前が出てきたので買いました。

 内容は大満足です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
彼の短編はハッとするほどの切なさが感じられることが多いのですが、この短編集にはそれがあまりありません。マイ・ロスト・シティーは小説と言うよりエッセイ、他の作品とは少し趣きの異なる面白さがあります。フィッツジェラルド節が溢れています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
My Lost Cityは短編で都市生活者の心情を見事に繊細に描いた作品だと私は思う。もともと、フィッツジェラルドは私にとってはあまり特別ではなかった。物語にとにかく刺激を求めていた頃だものだから、フィッツジェラルドなんか読む気もなかった。しかし、気が変わって刺激もなくなると、次は繊細に書かれた作品が読みたくなり、真っ先に思いついたのが【フィッツジェラルド】であった。(私は村上訳も良いが、多少古くなる故野崎孝訳の方も好きである。そこは、個人にゆだねられる)

単刀直入にフィッツジェラルドは繊細な形容遣い、繊細な物語の設定が私にとっての最大のポイントだと思う。
そういう世界観を求めている人にぜひ読んでほしいと思う。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年9月11日に日本でレビュー済み
フィッツジェラルドと村上春樹をいちどに頬張れる美味しい作品集。

『氷の宮殿』では、”サリー・キャロル”の体温を通じ、南部と北部の文化の異なりをもまんまと体感させられました。南部の家族主義と北部の個人主義がサリーのなかでせめぎ合い、彼女が選んだのは?あああ!まったく。アメリカという広大な土壌に広がる人文地理の差異が、コンパクトに描写されて名作。そして、金で金を洗う名家の子息を観察するに、フィッツジェラルドほどの慧眼はいない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年8月17日に日本でレビュー済み
 最初に『残り火』を持ってきたのは全くの正解だったと思う。なんと美しきかな、まさにきらびやかな宝石にも似た純愛物語。真実の愛とは”悲しみを見つめ続ける心であり、幻滅ではなく痛みそのもの”なのだ。
 燃え尽きた"残り火"の中に微かな暖を求める祈りにも似た想い。「かつての彼を私は愛する事が出来ます。それ以外に何が出来るのですか」と言い切る程の崇高な愛。彼にはプロットも繊細さも必要ない、全くの文才だけで勝負できる所が凄い。まるで氷の剣で突き刺すような瑞々しくもあり冷酷な描写は、シンプルでありながら実に純朴で、読者を深く感傷の余韻に浸らせる。
 『悲しみの孔雀』では、度重なる不遇に見舞われる親子を哀れな孔雀に例え、最後の最後で”全く何を恐れればいいんだ。我々は神をも恐れぬ”と開き直る。悲しくもあり、逞しくもあり、微笑ましくもある親子の生き様を描く。Poorを哀しみと訳してる所も憎い。
 『失われた3時間』は一番のお気に入りで、実に皮肉な再会劇。フィッツジェラルドならではある種の乾いた残忍さが特徴だ。妻に先立たれた孤独な男プラントは恋憧れ続けた女性と20年振りに出会う。しかし、当の彼女は彼を一目見て、これまた片思いの男性と勘違いし、受け入れてしまう。しかし、彼は彼女に肘鉄を食らわせ出ていった、彼女が恋憧れて止まないドナルド・パワーズではなくて、ドナルド・プラントだったのだ。旦那の留守中に、夫の浮気心を勘繰りながら独りウィスキーソーダを呑む美しき人妻の描写は実にエロチックでもある。
 ほろ酔い加減の人妻が深夜の電話口で"ドナルド"と聞いた途端、彼女の頭の中は”パワーズ一色”になる。それほど彼女の彼に対する想いは強かった。しかし、目の前にいる男がパワーズではないと知らされた瞬間、ロマンチックな酔いは急速に醒め、冷酷にも彼を突き放つ。20年前と同様、彼は再び肘鉄を食らわされるのだ。この目の眩む僅か5分間に彼は実に多くのものを失う。”人生なんて結局は何もかも切り捨てていく為の長い道のり”と悟る。まさに、笑うに笑えない残酷無比な最高のラブコメディーである。
 最後に『マイ・ロスト・シティー』を持ってきたのも実に心憎い。1929年のNYの大恐慌と彼自身の崩壊を見事に重ね合せ、ロマンチックにメランコリックに描く。彼の”時代の申し子”としての成功物語は、そのまま彼の夢の崩壊へと導いていく。NYの思春期の眩いばかりの思い出は彼の夢でもあったのだ。失われた街を後にする、混乱し喪失した彼の心傷が実に深く伝わってくる。
 フィッツジェラルドの”金持ちに対する憧れと憎悪、自己憐憫と自己客体視”が彼の天才的な文筆にさらに磨きをかける。彼の短編の中でも思い切りメランコリックだが、とても読み干し甲斐のある作品に仕上がってる。僅か30ページ足らずの超短編で、これ程までに読者を深く心酔させる彼の作品に、村上氏が没頭するのも当然である。
 
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年4月21日に日本でレビュー済み
本書は、本書以前に邦訳出版がなかったフィッツジェラルド(1896-1940) の短編とエッセイから以下の6つのテクストを集めたもの。

「残り火(Lees Of Happiness)」
「氷の宮殿(Ice Palace)」
「哀しみの孔雀(Lo, The Poor Peacock)」
「失われた三時間(Three Hours Between Planes)」
「アルコールの中で(An Alcoholic Case)」
「マイ・ロスト・シティー(My Lost City)」

「残り火」「氷の宮殿」は1920年という作家デビューの年の短編。「哀しみの孔雀」「失われた三時間」「アルコールの中で」は、1930年代から1940年代という作家の「凋落期」の短編。「マイ・ロスト・シティー」は作家の自伝的エッセイ。

それだけでなく冒頭には、訳者である村上春樹による論考「フィッツジェラルド体験」が収録。村上のフィッツジェラルドに対する個人的な体験が語られるほか、フィッツジェラルドの作品と生涯が重ねて考察されています。
訳者の論考と、本書後半部に収録されている作家の自伝的エッセイ「マイ・ロスト・シティー」、巻末の作家自身へのインタビュー「F・スコット・フィッツジェラルド インタビュー」を読んでから、そのほかの5つ短編を読むと、テクストのなかに作家の内面的要素を強く感じとれます。反対に、テクストを白紙の状態で読みたい方は、短編から先に読んだほうがいいでしょう。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年12月31日に日本でレビュー済み
 期待はずれでした。フィッツジェラルドの凡作ーー翻訳するまでもないが為に誰も翻訳してこなかった作品群ーーを集めてきたという印象です。野崎孝の『フィッツジェラルド短編集』の方が選編も翻訳も優れています。あちらにも『氷の宮殿』と『失われた三時間』が収録されています。この二つは凡作ではありません。
 ただ、『F・スコット・フィッツジェラルド』と題するインタビュー記事は興味深いです。フィッツジェラルド自身の半生や苦労、ヘミングウェイとの交友についての言及がなされています。
 村上春樹氏の翻訳は、そう質の高いものではないです。三人称形式の地の分に制約もなしに一人称の独白(というより感想、ぼやき)を入り乱れさせるのは、文章を拙く見せる手法だと思います。
 加えて、不必要なカタカナ言葉がうっとうしいです。「スポイルする」などの形容は日本語でよろしいかと思います。こうした気取りが、衒学者やスノッブ共に受けているんでしょうが……。
 精神の修養というよりは、娯楽です。なので売り上げと合致しているのだと思います。なにも悪いことではありません。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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