評者は、すこし前にル・カレの『スパイたちの遺産』を読んだのですが『寒い国から帰ってきたスパイ』を下敷きにしているから細部で理解できないところもあった。
『スパイたちの遺産』の訳者の加賀山卓郎氏も『寒い国から帰ってきたスパイ』をかって読んだ方も読み直してからこの『スパイたちの遺産』を読むよう勧めていたが、スマイリー三部作も最近読んだからいいか、と思い読んでしまったのです。
が、なんとなくすっきりしないので大昔に読んだ『寒い国から帰ってきたスパイ』を何十年ぶりに再読することにしました。
もはやスパイ小説古典の金字塔ともいえるル・カレの傑作だけに一気読みしてしまいました。
『寒い国から帰ってきたスパイ』を読み終えたら、『スパイたちの遺産』の後半を、どうしても今一度読むことになってしまった。
半世紀も昔に書いた本を下敷きにして『スパイたちの遺産』のディティールを構想した才能に舌を巻きながら読んでしまったのです。
『寒い国から帰ってきたスパイ』と『スパイたちの遺産』とを重ねて読みしてから、あらためてジョン・ル・カレ86歳にして衰えない作家としての意欲を思い知らされました。
<2020年10月7日の追記>
頼んでいる本が届かないので昨年読んだばかりのスマイリー三部作の第一作『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を読み始めたが、結局最後まで読んでしまうことになってしまった。
映画「裏切りのサーカス」では、ビル・ヘイドンがジム・プリドーに射殺されて終えていたのだが、原作ではビル・ローチ少年の述懐でそれとなく示唆しているところで終えている。
このような描写で終えているのが、ル・カレの真骨頂上だと気が付きながら読み終えたのです。
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寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) 文庫 – 1978/5/1
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- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1978/5/1
- ISBN-104150401748
- ISBN-13978-4150401740
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- 言語 : 日本語
- 文庫 : 334ページ
- ISBN-10 : 4150401748
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2020年9月30日に日本でレビュー済み
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2022年4月20日に日本でレビュー済み
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抑えられた表現、丁度よい長さ疲れた日に読むのに向いてます。
2021年6月20日に日本でレビュー済み
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内容はともかく楽しめるが 惜しむらくは文字の印刷が薄いので読みにくい。
2021年2月8日に日本でレビュー済み
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さすが、ジョンルイカレ、名作ですね、内容は複雑で十分理解できていないのですが、読みご耐えが圧巻で、とても良かったです、カレの作品、もう一冊読もうと思っています、
2021年9月8日に日本でレビュー済み
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ル•カレの第三作目で、実質的に初めて成功したといえる作品です。中期や後期の作品に比べると、心理と状況ともに描写が浅いと感じる部分もありましたが、紛れもなくル•カレにしか成せない文体で書かれた読み応えのある一冊でした。
もう少し具体的にあらわすと、人物や関係性に対する十分な説明がないままの展開にぼんやりと流されていくうちに、どんどん魅せられ、引き込まれていく感覚、そして流れが濁流に変わった後に、ようやく視界が開かれて物語の全貌が明らかにされる、これこそがル•カレにしか描けない文体であり世界観であると改めて感じさせられました。(他の著者なら、読ませて、引き込む前に読者を逃してしまうでしょう。)
ジョージ•スマイリー、ピーター•ギラム、コントロール、といった数年後に書かれるスマイリー三部作の主要人物も登場します。
たびたび場面の端に登場しつつ、ずんぐりむっくりした、メガネをかけた、ホワイトカラー然の、神経質な、小男、などと表現され続けた紳士が、中盤178ページに来たところでころでついに、正式に名刺を差し出すことというしかめつらしい所作によってチェルシー バイウォーターストリートの住人-我らが「ジョージ•スマイリー」であることを表明したときには思わず身震いがしました。
みじめな役回りをあてがわれた果てに、儚く救いのない終わりを迎えるあたりに、スクールボーイ閣下のウェスタビーと本作のリーマスを重ねる部分がありました。
何を対立軸に置いているのか(共産主義やナチズムなのか人物なのか)が最後まで曖昧で、さらに仮想敵役のムントの描写が、カーラのもつ絶対感と比べてあまりにも弱いので、三部作からは見劣りしますが読む価値が十分にある秀作だったと思います。
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みじめな役回りをあてがわれた果てに、儚く救いのない終わりを迎えるあたりに、スクールボーイ閣下のウェスタビーと本作のリーマスを重ねる部分がありました。
何を対立軸に置いているのか(共産主義やナチズムなのか人物なのか)が最後まで曖昧で、さらに仮想敵役のムントの描写が、カーラのもつ絶対感と比べてあまりにも弱いので、三部作からは見劣りしますが読む価値が十分にある秀作だったと思います。
2020年8月10日に日本でレビュー済み
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ジョン・ル・カレの第三作にしてベストセラー。何十年ぶりかで再読してみて、あらためてスパイ小説の古典であり、すべてのスパイ小説ファンの皆さんに読んで欲しい傑作だと思いました。
2019年12月14日に日本でレビュー済み
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途中途中に、肩をゆらすという表現が用いられ、誤訳の本であるという先入観を持って読んでいた。しかし、ある部分にはちゃんと肩をすくめると書かれている。なので、微秒なニュアンスをあえて伝えるためにこのような言葉を用いたと私は思った。
2021年2月3日に日本でレビュー済み
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007の活劇とは違って、地味だが、ねちねちしたスパイの世界と心理を抉り出している。心理学の本みたいだし、対人交渉の秘訣や留意点も教えてくれる。正直怖い世界の話だ。