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狂犬におびえるな: 続・金正日への宣戦布告 単行本 – 2000/1/30
黄 長〓@57F6@
(著, 原名),
萩原 遼
(翻訳)
太陽政策や軟着陸政策はナンセンス。極悪非道の金正日を倒すには対決あるのみ──北朝鮮の元最高幹部が渾身の力で綴った糾弾の書
- 本の長さ397ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2000/1/30
- ISBN-104163559604
- ISBN-13978-4163559605
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
太陽政策や軟着陸政策は言語道断。独裁者・金正日を倒し改革開放を進めるには対決あるのみ。罪なき者まで無残に処刑する、残忍きわまりない金正日の正体を、北朝鮮の元最高幹部が白日の下にさらす衝撃の手記。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2000/1/30)
- 発売日 : 2000/1/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 397ページ
- ISBN-10 : 4163559604
- ISBN-13 : 978-4163559605
- Amazon 売れ筋ランキング: - 399,409位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 67位朝鮮半島のエリアスタディ
- - 2,263位政治入門
- - 37,612位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2009年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章は簡潔さを欠く。読みづらい。内容的には期待していた分不満が残る。独裁国家の元政府高官でかつ実務機関ではない部署、特殊な機関(思想部?)に属していたため興味にやや欠ける。衝撃度、刺激度に欠けるので、星3つとしました。
2018年9月27日に日本でレビュー済み
内容は北朝鮮に対する体制批判や南北の統一政策に関するれっきとした論文をまとめたものであり、タレコミ本として読むことはできない。本書には「こういう事件があった時に金正日は私にこう言った」みたいな具体的な回想や内部情報は一握りしか(かなり重要な証言はあるが)含まれていない。したがって「デイリーNKジャパン」や産経webの「金正日秘録」のような、政権中枢の暴露ネタを求めている読者には全くといっていいほど読む価値がない。表紙の文章は例外中の例外であって、出版社がこういう装丁をしたのはほとんど詐欺といってもおかしくないレベルである。(出版社に告ぐ、表紙で人を騙すのをやめろ。エクスプロイテーション映画まがいの読み捨て本ばっかり出して出版不況だとか嘆く前に普通に本を売る努力をしろ。)
内容は大筋では ①北朝鮮の体制がなぜ間違っていると言えるのか ②統一のために韓国は何をすべきか ③北朝鮮が改革開放を行う場合どのようにすべきか ④真に正しい社会とはどのようなものであるべきか といったことについて論述されているのだが、言及の範囲は社会・経済・教育・文化・法制度・人類史など極めて多岐に及ぶ。これらがただの現状分析や所感ではなく、「思想哲学」という観点で最初から最後まで通底している点で本書はものすごい異彩を放っている。ちょっとした奇書と言えるのかも知れない。
例えば北の人権問題を批判するにも、まず人類歴史を持ち出して「人間は動物と違う」というところから始まり、唯物史観論的な社会構造の変化(科学の発展→生産様式の発展→経済活動の変化・・・)について述べ、社会体制が社会全般に及ぼす作用がどのようなものであるかを分析し、それら功利主義的に作用した例を述べ、社会構造の理想的なモデルを提示した上で、「個人独裁はそれに逆行するから悪だ」というふうに説明している。・・・ぐえー、すさまじい社会主義思想っぷりである。この著者の思想というのが大変に大きなもので、見ようによっては理念をいじくり回しているだけの言葉遊びにしか見えないが、見ようによっては人類の歴史の根本をついている大変に立派な正論にも見えるものでもある。バリバリの社会進化論に基づいて未来の展望を語ったり、あるいは国家が国民に対して「正しい指導思想」を普及させることで、「利害関係を正しく判断し正確な行動目標をたてられるようにする」ために三権分立に4つめの「思想権」を追加する(270-273頁要約)とか、言論の自由はそれ自体に価値があるのではなく功利主義的目的でのみ運用されなければならない(338頁要約)などと断言するなど、とんでもなく大時代的で古くさくも感じられるのだが、論理的な筋道は間違いなく通っている。国家が放任的な自由主義にはしるのをよしとしない態度や、資本主義に何が期待されどのような限界がありがどのような形で成熟が予想されるのかという解説には他のネオマルキシズムに勝るとも劣らない明瞭さと鋭さも感じさせられる。繰り返すが思想が大きすぎてこちらとしては評価のしようがないほどのものである。
ちょっと詳しい人ならもうお気づきだろうが、著者の思想観はれっきとした社会主義の一種、改良マルクス主義としての「主体思想」そのものである。著者は政治の上では北朝鮮の政権を裏切ったが、思想の上では何の転向もしていないのだ。そもそも権力強化と南側懐柔の道具として口先だけ主体思想を利用した金日成なんかより、著者の方がよっぽど主体思想に精通しているといえる。いや、そもそも主体思想とは誰でもない著者自身が長年かけて作り上げた思想体系なのだろう。また著者の文章は白峰文庫や外国文出版などの金日成による論文に論法や言葉遣いが非常に似ているので、彼が金日成のゴーストライターであったというのもおそらく事実なのだろう。そういう意味では本書はどんな主体思想本よりも踏み込んだ、本物の主体思想本であると言えると思う。ネオマルキシズムとしての主体思想を体系化した数少ない貴重な本でもあるわけで、主体思想に興味がある人にはぜひ読んでもらいたい。
北朝鮮公認の主体思想関係の論文は一部の頭がアレな人以外からはあまり相手にされていない。その理由はおそらく「事大主義を否定していて、首領独裁を正当化できるなら中身はどうでもいい」というしょうもない事情で運用されているから、「人間中心哲学」と「唯一指導体系」の間をうまく橋渡しすることができず、素人目に見ても論理の連続性が破綻しているためなのだろうが、 ≪主体思想を根拠に首領独裁を否定している≫(!)本書にはそういう綻びがまったくなく、気持ちが悪いほど自己矛盾のない、最初から最後まで閉じた思想になっている。
吉本隆明や埴谷なんたらやアントニオ・ネグリののような戦後資本主義国の「現代思想」は非常に難解で読み手の教養を必要とするものだが、本書の論理展開は明解かつ丁寧で分かりやすくその気になれば中高生でも理解できる。ただしあくまで興味があればの話だ。物の言い方がかなり教条的かつ理念的な上、頻繁に話題が飛び、その割に角度を変えながら論点を何度も同じ主張へ帰納させているため、興味がなければ大変にクドくて退屈で眠くなる文章でもある。読者に判断や反駁の余地を残さず、「~である」「~ねばならない」が頻出するあたり、北朝鮮国内の思想教材を彷彿とさせる。
個人的には北朝鮮の対外政策と本当の歴史(つまり逆革命歴史w)や、対北懐柔政策への批判(ここは本当に彼の言うとおりになった)、在日本朝鮮総連に対する批判と提言については納得できたが、韓国の統一戦略や改革解放後の政策については理念的すぎると感じた。特に子供の思想教育に関する言及(228頁)は噴飯物だ。また「統一のためには米中日露とは国益を無視してでも親善関係を築け(要約)」とまで書いてあるが、90年代の韓国にそんなゆとりがあるとは到底思えない。著者にはまるで「民心」というひどく曖昧で面倒くさいものの存在が見えていないかのようだ。逆にマルクス主義を批判的に発展させる形で著者の社会思想を展開した補論「社会主義に対する正しい認識」は自分にとっては最も評価が高かった。
黄長燁氏が韓国に亡命した際は大騒ぎになったが、その後亡くなるまでの動静はあまり日本では報道されていなかったように思う。進歩派政権下では発言を制限されていたとも言われているが、李明博政権下でも特にブレインとして重用されたということもなく、対北強行派民間団体の著名な活動家として以上の立場にはなり得なかったようだ。命を狙われていたということもあるが、あまりにも時代の実態や南の国民感情にそぐわない発言を繰り返したために、亡命後の韓国で少なからず腫れ物扱いされたのではないか、という気がしてならない。
氏が200年先の人類歴史を見通した勤勉実直な大思想家なのか、それとも現実見えてない化石左翼の爺さんなのか、あるいは思想を楯に崩壊後の北朝鮮を牛耳ろうとした権力的野心家なのかは読んだ方に判断してもらいたい。
なお対日外交政策についてはかなり達観した見解が示されている。興味深いので引用しておくことにしよう。
「共存共栄するアジア共同体を建設するためには、(・・・)文化的交流を活発に行い、政治的強調もあらゆる方向に強化していかなくてはならない。/ アジアの国々との親善を強化する上で、われわれは過去よりも未来を重視する必要がある。過去の歴史に教訓を求めるのはよいが、過去に起きたよくないことにたいして感情的に対する必要はない。過去に日本がわが国を強制的に占領し、朝鮮人に多くの悪いことをしたのは事実であり、このような事実を事実のまま明らかにすることは正しいが、そうした過去を根拠として今日の日本人に敵対心をもって対することは誤りである。今日の日本人は、帝国主義、軍国主義が支配していた古い時代の日本人ではない。世代も交代し、世界情勢もいちじるしく変化した。分別のない子供時代に殴りあいして喧嘩したことを大人になってまで考える必要がないように、過去に朝日間にあったよくないことが、今日の朝日両国の人民の親善に支障を与えてはならない。(351頁)」
内容は大筋では ①北朝鮮の体制がなぜ間違っていると言えるのか ②統一のために韓国は何をすべきか ③北朝鮮が改革開放を行う場合どのようにすべきか ④真に正しい社会とはどのようなものであるべきか といったことについて論述されているのだが、言及の範囲は社会・経済・教育・文化・法制度・人類史など極めて多岐に及ぶ。これらがただの現状分析や所感ではなく、「思想哲学」という観点で最初から最後まで通底している点で本書はものすごい異彩を放っている。ちょっとした奇書と言えるのかも知れない。
例えば北の人権問題を批判するにも、まず人類歴史を持ち出して「人間は動物と違う」というところから始まり、唯物史観論的な社会構造の変化(科学の発展→生産様式の発展→経済活動の変化・・・)について述べ、社会体制が社会全般に及ぼす作用がどのようなものであるかを分析し、それら功利主義的に作用した例を述べ、社会構造の理想的なモデルを提示した上で、「個人独裁はそれに逆行するから悪だ」というふうに説明している。・・・ぐえー、すさまじい社会主義思想っぷりである。この著者の思想というのが大変に大きなもので、見ようによっては理念をいじくり回しているだけの言葉遊びにしか見えないが、見ようによっては人類の歴史の根本をついている大変に立派な正論にも見えるものでもある。バリバリの社会進化論に基づいて未来の展望を語ったり、あるいは国家が国民に対して「正しい指導思想」を普及させることで、「利害関係を正しく判断し正確な行動目標をたてられるようにする」ために三権分立に4つめの「思想権」を追加する(270-273頁要約)とか、言論の自由はそれ自体に価値があるのではなく功利主義的目的でのみ運用されなければならない(338頁要約)などと断言するなど、とんでもなく大時代的で古くさくも感じられるのだが、論理的な筋道は間違いなく通っている。国家が放任的な自由主義にはしるのをよしとしない態度や、資本主義に何が期待されどのような限界がありがどのような形で成熟が予想されるのかという解説には他のネオマルキシズムに勝るとも劣らない明瞭さと鋭さも感じさせられる。繰り返すが思想が大きすぎてこちらとしては評価のしようがないほどのものである。
ちょっと詳しい人ならもうお気づきだろうが、著者の思想観はれっきとした社会主義の一種、改良マルクス主義としての「主体思想」そのものである。著者は政治の上では北朝鮮の政権を裏切ったが、思想の上では何の転向もしていないのだ。そもそも権力強化と南側懐柔の道具として口先だけ主体思想を利用した金日成なんかより、著者の方がよっぽど主体思想に精通しているといえる。いや、そもそも主体思想とは誰でもない著者自身が長年かけて作り上げた思想体系なのだろう。また著者の文章は白峰文庫や外国文出版などの金日成による論文に論法や言葉遣いが非常に似ているので、彼が金日成のゴーストライターであったというのもおそらく事実なのだろう。そういう意味では本書はどんな主体思想本よりも踏み込んだ、本物の主体思想本であると言えると思う。ネオマルキシズムとしての主体思想を体系化した数少ない貴重な本でもあるわけで、主体思想に興味がある人にはぜひ読んでもらいたい。
北朝鮮公認の主体思想関係の論文は一部の頭がアレな人以外からはあまり相手にされていない。その理由はおそらく「事大主義を否定していて、首領独裁を正当化できるなら中身はどうでもいい」というしょうもない事情で運用されているから、「人間中心哲学」と「唯一指導体系」の間をうまく橋渡しすることができず、素人目に見ても論理の連続性が破綻しているためなのだろうが、 ≪主体思想を根拠に首領独裁を否定している≫(!)本書にはそういう綻びがまったくなく、気持ちが悪いほど自己矛盾のない、最初から最後まで閉じた思想になっている。
吉本隆明や埴谷なんたらやアントニオ・ネグリののような戦後資本主義国の「現代思想」は非常に難解で読み手の教養を必要とするものだが、本書の論理展開は明解かつ丁寧で分かりやすくその気になれば中高生でも理解できる。ただしあくまで興味があればの話だ。物の言い方がかなり教条的かつ理念的な上、頻繁に話題が飛び、その割に角度を変えながら論点を何度も同じ主張へ帰納させているため、興味がなければ大変にクドくて退屈で眠くなる文章でもある。読者に判断や反駁の余地を残さず、「~である」「~ねばならない」が頻出するあたり、北朝鮮国内の思想教材を彷彿とさせる。
個人的には北朝鮮の対外政策と本当の歴史(つまり逆革命歴史w)や、対北懐柔政策への批判(ここは本当に彼の言うとおりになった)、在日本朝鮮総連に対する批判と提言については納得できたが、韓国の統一戦略や改革解放後の政策については理念的すぎると感じた。特に子供の思想教育に関する言及(228頁)は噴飯物だ。また「統一のためには米中日露とは国益を無視してでも親善関係を築け(要約)」とまで書いてあるが、90年代の韓国にそんなゆとりがあるとは到底思えない。著者にはまるで「民心」というひどく曖昧で面倒くさいものの存在が見えていないかのようだ。逆にマルクス主義を批判的に発展させる形で著者の社会思想を展開した補論「社会主義に対する正しい認識」は自分にとっては最も評価が高かった。
黄長燁氏が韓国に亡命した際は大騒ぎになったが、その後亡くなるまでの動静はあまり日本では報道されていなかったように思う。進歩派政権下では発言を制限されていたとも言われているが、李明博政権下でも特にブレインとして重用されたということもなく、対北強行派民間団体の著名な活動家として以上の立場にはなり得なかったようだ。命を狙われていたということもあるが、あまりにも時代の実態や南の国民感情にそぐわない発言を繰り返したために、亡命後の韓国で少なからず腫れ物扱いされたのではないか、という気がしてならない。
氏が200年先の人類歴史を見通した勤勉実直な大思想家なのか、それとも現実見えてない化石左翼の爺さんなのか、あるいは思想を楯に崩壊後の北朝鮮を牛耳ろうとした権力的野心家なのかは読んだ方に判断してもらいたい。
なお対日外交政策についてはかなり達観した見解が示されている。興味深いので引用しておくことにしよう。
「共存共栄するアジア共同体を建設するためには、(・・・)文化的交流を活発に行い、政治的強調もあらゆる方向に強化していかなくてはならない。/ アジアの国々との親善を強化する上で、われわれは過去よりも未来を重視する必要がある。過去の歴史に教訓を求めるのはよいが、過去に起きたよくないことにたいして感情的に対する必要はない。過去に日本がわが国を強制的に占領し、朝鮮人に多くの悪いことをしたのは事実であり、このような事実を事実のまま明らかにすることは正しいが、そうした過去を根拠として今日の日本人に敵対心をもって対することは誤りである。今日の日本人は、帝国主義、軍国主義が支配していた古い時代の日本人ではない。世代も交代し、世界情勢もいちじるしく変化した。分別のない子供時代に殴りあいして喧嘩したことを大人になってまで考える必要がないように、過去に朝日間にあったよくないことが、今日の朝日両国の人民の親善に支障を与えてはならない。(351頁)」
2006年10月18日に日本でレビュー済み
核実験宣言後の北朝鮮情勢を場合分けするとすると次のようになるだろう。
ケース1.米朝開戦による甚大な被害の後の体制転覆
ケース2.開戦と同程度の甚大な被害の後の革命による体制転覆
ケース3.平和裡の革命による体制転覆
ケース4.現状維持(核兵器開発継続により経済制裁が更に餓死者を発生させる)
ケース3までは同時に半島の統一を意味しているだろうが、その被害の違いは計り知れないものになるだろうと予想されているようだ。選択肢としてはケース3しかなく、上記のどれに道が開かれていても3に近づくような努力をせねばならない。制裁の下の餓死者と開戦した場合の戦死者とどちらが多くなるかという数量比較の問題ではないだろう。
著者等亡命者の人たちの協力を得ながら体制の転換を周辺の五カ国が支援していけるかどうか、少なくともそれを展望しているかどうかにかかってくると言わねばならない。
ケース1.米朝開戦による甚大な被害の後の体制転覆
ケース2.開戦と同程度の甚大な被害の後の革命による体制転覆
ケース3.平和裡の革命による体制転覆
ケース4.現状維持(核兵器開発継続により経済制裁が更に餓死者を発生させる)
ケース3までは同時に半島の統一を意味しているだろうが、その被害の違いは計り知れないものになるだろうと予想されているようだ。選択肢としてはケース3しかなく、上記のどれに道が開かれていても3に近づくような努力をせねばならない。制裁の下の餓死者と開戦した場合の戦死者とどちらが多くなるかという数量比較の問題ではないだろう。
著者等亡命者の人たちの協力を得ながら体制の転換を周辺の五カ国が支援していけるかどうか、少なくともそれを展望しているかどうかにかかってくると言わねばならない。
2016年7月23日に日本でレビュー済み
北朝鮮高官(元国際政治秘書、金日成総合大学総長)が韓国亡命後著した北鮮の内実と改革の処方箋。
金日成・正日親子の首領絶対主義=経済軽視により発生した300万人を超える餓死、政敵一族粛清(数十万人)、悲惨な強制収容所の実態を告発する。
首領絶対主義では、金親子偶像化を最優先する教育(33%)、また党、軍、企業、教育機関、地域等、あらゆる組織に張り巡らされた正日直轄の国家保衛部監視網を通して、首領批判を封じる体制を築き、更に海外情報を遮断する。首領以外が創意を提議することは不可能。北庶民は封建社会以前の無権利状態にある。
餓死者が出ても核やミサイル開発を止めない先軍主義、ソウルを火の海にすると広言しテロ、潜水艇や軍事スパイによる挑発で南侵の機会を窺う。まさに軍国主義だ。
韓国側から見た平和統一、そして改革開放の原則論も述べられる。韓国の対応がでたらめ過ぎるからか、韓当局と世論に対する著者の歯がゆさが伝わってくる。
本書発行(2000年)後16年、正日から正恩に代替わりしたが、著者が期待した”首領絶対主義体制崩壊”の兆しはない。逆に核・ミサイル開発に拍車がかかり、韓国への挑発も激しくなっているかに見える。クリントンの甘やかし政策、中国とロシアののらりくらり、日本の拉致一本槍スタンス、韓国の親北勢力の跋扈・・・、まだ先は長いと思わざるを得ない。
正日が朝鮮総連に干渉しすぎたため組織が弱体化した経緯は参考になった。
著者が良心的なのは認めるがエピソードが少なく、全体に抽象論、理想論にすぎる。教科書を読んでいる気分になる部分が多い。
北独特の用語は一般的な日本語に置き換えるほうがわかり易かった。
金日成・正日親子の首領絶対主義=経済軽視により発生した300万人を超える餓死、政敵一族粛清(数十万人)、悲惨な強制収容所の実態を告発する。
首領絶対主義では、金親子偶像化を最優先する教育(33%)、また党、軍、企業、教育機関、地域等、あらゆる組織に張り巡らされた正日直轄の国家保衛部監視網を通して、首領批判を封じる体制を築き、更に海外情報を遮断する。首領以外が創意を提議することは不可能。北庶民は封建社会以前の無権利状態にある。
餓死者が出ても核やミサイル開発を止めない先軍主義、ソウルを火の海にすると広言しテロ、潜水艇や軍事スパイによる挑発で南侵の機会を窺う。まさに軍国主義だ。
韓国側から見た平和統一、そして改革開放の原則論も述べられる。韓国の対応がでたらめ過ぎるからか、韓当局と世論に対する著者の歯がゆさが伝わってくる。
本書発行(2000年)後16年、正日から正恩に代替わりしたが、著者が期待した”首領絶対主義体制崩壊”の兆しはない。逆に核・ミサイル開発に拍車がかかり、韓国への挑発も激しくなっているかに見える。クリントンの甘やかし政策、中国とロシアののらりくらり、日本の拉致一本槍スタンス、韓国の親北勢力の跋扈・・・、まだ先は長いと思わざるを得ない。
正日が朝鮮総連に干渉しすぎたため組織が弱体化した経緯は参考になった。
著者が良心的なのは認めるがエピソードが少なく、全体に抽象論、理想論にすぎる。教科書を読んでいる気分になる部分が多い。
北独特の用語は一般的な日本語に置き換えるほうがわかり易かった。