規制緩和や自由主義経済に警鐘を鳴らす、重厚な評論。
いわゆる規制緩和によって、非正規雇用が増えたり、弱肉強食の
欧米型のスタイルが浸透していったりしていますが、それらは本来的に
日本人の気質や文化、民族性に合っていないものと思います。
そういったことを、資料に基づいて丁寧に論証しています。

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規制緩和という悪夢 (文春文庫 う 13-1) 文庫 – 2002/1/10
内橋 克人とグループ2001
(著),
グループ二〇〇一
(著)
米国で70年代に始まり、日本で90年代に始まった規制緩和の波は、日米両国の社会をどう変えたか。徹底的な調査による原点レポート!
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2002/1/10
- ISBN-10416765623X
- ISBN-13978-4167656232
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2002/1/10)
- 発売日 : 2002/1/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 416765623X
- ISBN-13 : 978-4167656232
- Amazon 売れ筋ランキング: - 687,649位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,719位文春文庫
- - 60,100位ビジネス・経済 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文芸春秋への掲載論文を基に1995年に刊行され、「規制緩和」万能論に対する警鐘を鳴らした本。本書で「規制緩和」推進派の中心として採り上げられる中谷巌氏が、近年自著「資本主義はなぜ自壊したのか」で市場原理主義を(自己)批判している事を考えると感慨深い。
私は「規制緩和」には原則賛成である。本書を読んでもその見解は変らなかった。本書はまず1970年代にアメリカで行なった「規制緩和」がもたらした悲惨な結果を航空業界を例に紹介し、それから日本での導入を考慮して「規制緩和」の欠点を整理するという構成になっている。しかし、「規制緩和」にはこうしたマイナス面もあると言っているだけで、「規制緩和」そのものが悪いという説得力には欠けるとの印象を受けた。「旧国鉄→JR」の例も挙げられているが、航空業界も旧国鉄も普通に考えれば「規制緩和」すべき対象なので、逆に本書の論旨に悪影響を与えていると思う。旧国鉄をJRに変えて失敗だったと思っている一般国民は皆無と言って良いのではないか。著者は、航空会社や旧国鉄を解雇された人々のインタビューだけを俎上に乗せているので、何か「規制緩和」そのものが悪人に見えるのである。各論対象のnegative campaignは消費税導入時を想起させて頂けない。最近流行の格安航空会社(LCC)を見ても、「規制緩和」の潮流そのものは悪くないし、避けられないと思う。競争原理に晒される危険は当然あるとしても、既得権益が蔓延る計画経済よりはずっとマシだと思う。その上で、本当の弱者を救済する手段を構築すれば良い。そうした配慮・知見が求められているのだと思う。
刊行当時に「規制緩和」の危険性に着目した点は買えるとしても、調査対象・範囲が狭い上に理論武装に乏しく、何らかの結論・方向性を打ち出すには脆弱な内容に映った。
私は「規制緩和」には原則賛成である。本書を読んでもその見解は変らなかった。本書はまず1970年代にアメリカで行なった「規制緩和」がもたらした悲惨な結果を航空業界を例に紹介し、それから日本での導入を考慮して「規制緩和」の欠点を整理するという構成になっている。しかし、「規制緩和」にはこうしたマイナス面もあると言っているだけで、「規制緩和」そのものが悪いという説得力には欠けるとの印象を受けた。「旧国鉄→JR」の例も挙げられているが、航空業界も旧国鉄も普通に考えれば「規制緩和」すべき対象なので、逆に本書の論旨に悪影響を与えていると思う。旧国鉄をJRに変えて失敗だったと思っている一般国民は皆無と言って良いのではないか。著者は、航空会社や旧国鉄を解雇された人々のインタビューだけを俎上に乗せているので、何か「規制緩和」そのものが悪人に見えるのである。各論対象のnegative campaignは消費税導入時を想起させて頂けない。最近流行の格安航空会社(LCC)を見ても、「規制緩和」の潮流そのものは悪くないし、避けられないと思う。競争原理に晒される危険は当然あるとしても、既得権益が蔓延る計画経済よりはずっとマシだと思う。その上で、本当の弱者を救済する手段を構築すれば良い。そうした配慮・知見が求められているのだと思う。
刊行当時に「規制緩和」の危険性に着目した点は買えるとしても、調査対象・範囲が狭い上に理論武装に乏しく、何らかの結論・方向性を打ち出すには脆弱な内容に映った。
2009年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界同時不況を引き起こした強欲資本主義関係の本を読んでいてよくこの本が引用されるので早速読んでみました。 規制緩和がいかに日本的経営・労働環境そして風土・人間関係までを破壊してたかが実例をあげて書かれています。10年以上も前の原著が今でも色あせずに鋭い問題提起をしていることにまず瞠目。そして、規制緩和の負の側面に目をつぶった、あるいは、気が回らなかった自分に唖然。 そして、それを煽った学者・マスコミ・政界・官界に怒りを感じました。なんと浅はかな! 今回の世界同時不況を機会として日本再生があるでしょうか。
2002年5月30日に日本でレビュー済み
アメリカは素晴らしい国だろうか?株長者を多数生みだす一方で、最低賃金では健康保険にも入れず、病気したらアウトという社会がそこにある。
日本はどうか?一見破綻しつつあるように見えるが、あいかわらず若い女の子がブランドに身を包み、海外旅行にいつでもいける「ゴールデンリセッション」状態を謳歌している。
この本はアメリカの90年代をひたすら真似しようとしている現在の日本に対して、冷静な警告を与えてくれている。このまま行くとどうなるのか、為政者がどのような社会を作ろうとしているかが、読者にははっきり見えてくるはずだ。文庫のこの値段で、これだけの内容。買って損はないと思う。
日本はどうか?一見破綻しつつあるように見えるが、あいかわらず若い女の子がブランドに身を包み、海外旅行にいつでもいける「ゴールデンリセッション」状態を謳歌している。
この本はアメリカの90年代をひたすら真似しようとしている現在の日本に対して、冷静な警告を与えてくれている。このまま行くとどうなるのか、為政者がどのような社会を作ろうとしているかが、読者にははっきり見えてくるはずだ。文庫のこの値段で、これだけの内容。買って損はないと思う。
2005年10月13日に日本でレビュー済み
いわゆる規制緩和が、いかに大企業や投資家に有利で、その一方で庶民の生活を苦しくするという矛盾を生じさせたのかを、アメリカの実例を交えながら書いた本である。私は単行本も読んだことがあるが、単行本の内容に加え、文庫オリジナルのまえがきや書下ろしがあるので、単行本の読者もぜひこの文庫本を買ったらいかがでしょう。
ところで、この本の単行本は1995年に書かれたが、10年たってもぜんぜん古くなっておらず、今なお問題を提起している。そういう意味でこの本は日本経済を語る上での古典になったといえよう。
ところで、この本の単行本は1995年に書かれたが、10年たってもぜんぜん古くなっておらず、今なお問題を提起している。そういう意味でこの本は日本経済を語る上での古典になったといえよう。
2005年9月4日に日本でレビュー済み
総選挙を目前に控えた今、読んでいただきたい本。小泉政権の経済改革の理論的根拠を支えた竹中氏の根拠と先進国アメリカでの実際はどうなったのか、を理解することができます。日曜午前のある番組で常連のようにコメントしていた竹中氏の意見を盲目的に正しいと信じていた方にぜひ読んでいただきたい。規制緩和と経済改革がもてはやされた小泉政権の4年間、私達は将来安心できると実感できたのだろうか? その答えを考える一助となる本でる。
2002年12月23日に日本でレビュー済み
単行本として出版されたときに非常に話題と議論を呼んだ本の文庫化。
いまでこそ規制緩和については若干の懐疑が提示されているが、規制緩和が経済活性化の鍵であり、そして官僚バッシングとあいまって、まるで経済の魔法の杖であるように語られた時期があった。実際には、規制緩和は、規制で守られていた者から、新規参入者への富の移転という効果を発揮するし、その結果として、規制で守られていた大多数の「中流市民」の安全と安定と豊かさを剥奪することがある。この本は、そんな規制緩和に伴う「奪われた側」に着目して記述した本である。
規制対象業種というのは、経済的には確かに非効率な生産セクターであったり、消費者の過剰保護であったり、それに付け込んだ官僚組織の自己肥大・腐敗を伴ったりするのかもしれないが(いや、現にそうなのだが)、それに従事する人にとっては、かけがえのない生活手段であり、消費者にとっては、ちょっと高い値段は払わされるけど、安心して使える物・サービスだったりしたもの、そういうものがなくなったときに一体何が起こるのか。単なる官僚組織叩きや、より効率的な生産者の台頭、廉価で質のいい供給、という語り口は実は浅薄なのだということに気づかされる。
私は規制緩和は基本的に進めていくべきだと思うけれども、その結果、何が失われるのかということについて、鋭く描写したこの本は、規制緩和推進の立場の人であっても是非一読されるべき本だと思います。
いまでこそ規制緩和については若干の懐疑が提示されているが、規制緩和が経済活性化の鍵であり、そして官僚バッシングとあいまって、まるで経済の魔法の杖であるように語られた時期があった。実際には、規制緩和は、規制で守られていた者から、新規参入者への富の移転という効果を発揮するし、その結果として、規制で守られていた大多数の「中流市民」の安全と安定と豊かさを剥奪することがある。この本は、そんな規制緩和に伴う「奪われた側」に着目して記述した本である。
規制対象業種というのは、経済的には確かに非効率な生産セクターであったり、消費者の過剰保護であったり、それに付け込んだ官僚組織の自己肥大・腐敗を伴ったりするのかもしれないが(いや、現にそうなのだが)、それに従事する人にとっては、かけがえのない生活手段であり、消費者にとっては、ちょっと高い値段は払わされるけど、安心して使える物・サービスだったりしたもの、そういうものがなくなったときに一体何が起こるのか。単なる官僚組織叩きや、より効率的な生産者の台頭、廉価で質のいい供給、という語り口は実は浅薄なのだということに気づかされる。
私は規制緩和は基本的に進めていくべきだと思うけれども、その結果、何が失われるのかということについて、鋭く描写したこの本は、規制緩和推進の立場の人であっても是非一読されるべき本だと思います。