日中韓の関係について詳しい呉善花氏・黄文雄氏・石平氏との対談を書籍化したものですが、
読みやすく理解しやすかったです。
内容は概ね以下の通りでした。
第一章では中国・韓国の反日姿勢とそのための韓国の中国依存について。
まず、朴槿恵大統領が、それまでアジア外交を訪日から始めるという歴代韓国大統領の慣習を破って
訪中した件から始まり、2013年の6〜7月には「中韓未来ビジョン共同声明」を発表し、その中で、
明らかに日本に対してあてこすった『憂慮』を示して中国が朴槿恵大統領を支持することを明言しています(32頁)。
そして、経済的にも韓国は日本から中国への乗り換えを図っています。代表的なものが中韓通貨スワップです(36頁以下)。
要するに日韓通貨スワップから中韓通貨スワップへと経済的依存先をシフトしたわけですが、
韓国の何倍もしたたかな中国からは、なかなか恩恵を受けることは難しいようです。
中国も韓国も円安による安倍ノミクスの好景気を苦々しく思っているようですが、
そもそもが実態に見合わない元安とウォン安によって経済的に過大な恩恵を受けてきた二国ですから、
正常な為替レートに戻しつつある現状にケチつけるのは難癖というものです。
(現状でも異常な超円高が多少緩和されただけで、依然として円高すぎるのですが)
第二章では習近平の夢として、中華思想やそれに基づく中国の施策など挙げられていますが、
結局中国の基本姿勢は「領土拡大」に他なりません。
それゆえ日本を含む近隣諸国やチベット・ウイグルなどでしょっちゅう問題を起こしているわけですが……。
ここで気になったのは、中国の軍拡についてです。
2013年の国防予算は、中国は米国に次いで二位、そして日本の2・3倍に当たる約11兆1000億円を計上しており、
5年後には日本の軍事力を抜くだろうとのことでした(81頁以下)。
一体何のための軍拡か?
一貫して「領土拡大」を貫く中国の目的は一つしか考えられません。
第三章では、中国韓国の領土観が説明されていますが、
もう中国や韓国に理屈も論拠もあったものではない、という感じでした。
とにかく、中国は沖縄も朝鮮半島も中国の領土、という感覚(112頁)で、
月の領土化すら目指す始末(120頁)。
要するに無限。手に入るもの全てを手にするといった強欲な中国の姿勢は昔から変わらないようです。
去年だったか、ニュースで知ったのですが、中国と国境を接しているブータンも
その領土の北部を2割ほど中国に浸食されつつあるとか。
もう中国と国境を接している国は常に隙なくその境界を死守しなければならないようです。
第四章では、中国・韓国の親日と反日について説明されています。
まず、中国がなぜ反日政策を取るようになったか。
それは、やはり天安門事件で失墜した国家の威信を取り戻し、愛国教育を施すためでした。
そのための悪役・外敵として日本が選ばれたとのことで(157頁)、そうだとすると
日本は中国の愛国教育のドバッチリを受けていることになります。
そのため、80年代までは中国には反日感情がなかったとすら書かれています(163頁以下)。
最後に、意外だったのは、呉氏の「(韓国人は)日本人の歴史認識は絶対に許せないといいながら、
日本人それ自体が嫌いだという人は少ないです」(189頁)とのことでした。
つまり表向きは反日でも、個人として日本人は好きとのこと。
このへんの韓国人のメンタリティはもはや私の理解の範疇を超えています。
但し、中国人は公私(すなわち親日・反日)を意識的に使い分けている(190頁)という点では納得しました。
だから中国の方が厄介なんですよね……。
というわけで、日中韓の関係、とりわけ反日で連携しようとしてる中韓の関係と中国の基本姿勢を知るのに役立つと思います。
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呉善花(韓国)が黄文雄(台湾)、石平(中国)に直撃 日本人の恩を忘れた中国人・韓国人の「心の闇」 (一般書) 単行本 – 2013/12/12
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購入オプションとあわせ買い
帰化人直撃シリーズ第2弾!前回は黄が、今回は呉が黄文雄、石平の本音を引き出す。日本人の中国並びに韓国評価は甘い。名前を出して恐縮だが黒田勝弘氏の韓国論、加藤嘉一氏の中国論はどうしても日本人の優しさが出て甘い。その点、故国を棄て日本人に差別されながらも、それを乗り越えて日本大好きになり、日本に帰化した彼らは双方の長所、欠点を熟知している。そこで前回は文化面、今回は精神面から光を当てる。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2013/12/12
- 寸法18.4 x 12.8 x 1.8 cm
- ISBN-104198637245
- ISBN-13978-4198637248
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商品の説明
著者について
呉善花
1956年韓国生まれ。大東文化大学(英語学)卒業後、東京外国語大学地域研究科修士課程修了。拓殖大学国際開発学部教授。著書に『スカートの風』『攘夷の韓国 開国の日本』(山本七平賞受賞)他多数。
黄文雄
1938年台湾高雄州岡山郡(現在の高雄県岡山鎮)生まれ。早稲田大学商学部卒業後、明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。著書に『中国の没落』他多数。
石平
1962年中国四川省成都生まれ。84年北京大学哲学部卒。95年神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。著書に『私はなぜ中国を捨てたのか』他多数。
1956年韓国生まれ。大東文化大学(英語学)卒業後、東京外国語大学地域研究科修士課程修了。拓殖大学国際開発学部教授。著書に『スカートの風』『攘夷の韓国 開国の日本』(山本七平賞受賞)他多数。
黄文雄
1938年台湾高雄州岡山郡(現在の高雄県岡山鎮)生まれ。早稲田大学商学部卒業後、明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。著書に『中国の没落』他多数。
石平
1962年中国四川省成都生まれ。84年北京大学哲学部卒。95年神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。著書に『私はなぜ中国を捨てたのか』他多数。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2013/12/12)
- 発売日 : 2013/12/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4198637245
- ISBN-13 : 978-4198637248
- 寸法 : 18.4 x 12.8 x 1.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 412,371位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 174位アジア・アフリカの地理・地域研究
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著者について
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トップレビュー
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2014年1月20日に日本でレビュー済み
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2020年1月28日に日本でレビュー済み
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それぞれの国の人の考えがわかる。
2019年3月20日に日本でレビュー済み
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シナの朱成虎将軍の弁である。(2005年7月14日 香港で米英大手メディアとの記者会見の談)
「世界の人口問題を解決するには、核がもっとも有効にして手取り早い方法だ」
「我々は核兵器の先制攻撃により中国以外の人口を減らすとともに自民族を温存させることに力を注ぐべきで、この核戦争後に100年あまりの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配するようになるだろう」
「世界人口の総数はすでに地球資源と生態環境の許容能力を超えており、これを解決するために戦争、疫病あるいは飢饉などの手段を用いて大量に人口を消滅させ、人類を引き続き生存させるべきである。このための一つとして、中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、10年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけのの核兵器を装備することが可能である」
これがシナの世界戦略だ!!
「世界の人口問題を解決するには、核がもっとも有効にして手取り早い方法だ」
「我々は核兵器の先制攻撃により中国以外の人口を減らすとともに自民族を温存させることに力を注ぐべきで、この核戦争後に100年あまりの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配するようになるだろう」
「世界人口の総数はすでに地球資源と生態環境の許容能力を超えており、これを解決するために戦争、疫病あるいは飢饉などの手段を用いて大量に人口を消滅させ、人類を引き続き生存させるべきである。このための一つとして、中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、10年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけのの核兵器を装備することが可能である」
これがシナの世界戦略だ!!
2020年5月16日に日本でレビュー済み
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低価格で素早く手に入り最高に楽しめました。
2013年12月14日に日本でレビュー済み
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私は基本的に対談・鼎談モノは不得手なのだが、本書は韓国、中国、台湾出身の三氏(呉善花氏・石平氏・黄文雄氏)の論客揃い踏みということもあって、躊躇なく購入したものである。呉善花氏の『
なぜ「反日韓国に未来はない」のか(小学館新書)
』は読んでいるが、他二氏の著書は読んでいない(TV等で論説を視聴した程度)ので、本書は特に石平氏と黄文雄氏の論説に注目した。なお以下特記ない限り、個別の著者を指定するのは煩瑣なので一括して“著者(ら)”とさせて頂く(明示なき時も同様)。まず本書の構成は4章構成で、第1章に「朴槿惠の離日と中国依存」、第2章に「習近平の夢と不公平」、第3章では「領土観と歴史認識」、第4章に「裏返しの反日と親日」というトピックである。なお本書タイトルに言う『日本人の恩を忘れた』とは、戦後の日本が積極的に取り組んだ、対韓国(主として朴正煕政権など)・対中国(主としてトウ小平政権など)への莫大な経済援助や技術援助を指していると推察される。
第1章はトピックタイトルから解るように、概ね呉氏の前掲書のコンセプトに沿ったもので、自身の韓国への入国拒否、朴槿惠政権の反日政策と中国接近(「中韓反日共同戦線」)の危うさ、反日を生む韓国の民族性・歴史などを議論する。特に黄文雄氏は朴槿惠自身の「しっかりした歴史認識をもっているか、大いに疑問」(33頁)であり、「ハングル」世代の朴槿惠が「漢字を十分に読めなければ……歴史書はとても理解できないはず」として、「歴史」を対日問題とする朴槿惠自身の“歴史認識”に批判を投げ掛ける。中国語等が得意?ともされている朴槿惠、確かに黄文雄氏の言うように彼女の「歴史認識」を拝聴したいものであるが、おそらく彼女に言わせれば「加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わりようがない」(148頁)と言うものなのであろう。石平氏の言うように「日本と韓国の未来を完全に封じ込めるもので……とてつもない執念深さ」(149頁)と言うほかないのかもしれない。
第2章では、主として中国(習近平政権)の海外覇権・海洋覇権増強主義を取り上げる。習近平の唱える「中国の夢」は、「中華民族が世界を制覇する」というに他ならず、胡錦濤時代の「平和的台頭」という「仮面」を取り去った、富国強兵・中華帝国の再現であると言う(66〜72頁)。このような中国の軍備増強に警鐘を鳴らすが、他方で「中国通常兵器」は前近代的であって核兵器が主力であると指摘する(85〜90頁)。右の兵器云々の行りは余興的になされた印象があるので、額面通り受け取るのも些か妥当ではないだろうが、中国のロシア製兵器の「ダウングレード」云々の話は具体的であり説得性がある。このような中国の覇権主義は、水資源の枯渇と汚染と表裏一体であるとも言う。つまり中国の覇権拡大主義は、新しいかつ安全な資源の確保にもあるという論調は(アフリカへの進出などから)確かに頷けるものがある。
第3章は、第2章に続いて中国の覇権主義を具体的に、特に領土・領空面で議論する。沖縄も朝鮮半島も中国の領土であるとする最大(唯一の?)理由は、歴史的な「朝貢外交」の史実にあるという(112〜116頁)。挙げ句は、ハワイも中国の領土になりうる(かつてハワイ王朝は中国王朝と交易していたとの理由)という笑い話のようなホントの話らしいのだから、驚くというレベルを超越しているだろう。この話は黄文雄氏の発言(119頁)にあるが、オバマ政権のクリントン国務長官が2012年11月29日付の質疑応答にあると極めて具体的に特定されており、少なくとも中国の太平洋への覇権意思は本気であろう。このような中国の覇権主義は、領空から宇宙空間(月)まで射程にあるという観測をしている。
そして第4章では、これまで何度も指摘されてきた中・韓の反日政策の真意・目的、中韓から観る日本の位置などを総論的に考察し、国民個人では親日でも、外面または集団では反日という二面性を指摘する。全体としては相似的な中国と韓国の反日政策について、細かい点でのそれぞれの異同を纏めたものという印象がある。中国・韓国について、これらの国の出身者などによる議論は、巷間で仄聞するものと同様のトピックであっても中々に興味深いものがある。
第1章はトピックタイトルから解るように、概ね呉氏の前掲書のコンセプトに沿ったもので、自身の韓国への入国拒否、朴槿惠政権の反日政策と中国接近(「中韓反日共同戦線」)の危うさ、反日を生む韓国の民族性・歴史などを議論する。特に黄文雄氏は朴槿惠自身の「しっかりした歴史認識をもっているか、大いに疑問」(33頁)であり、「ハングル」世代の朴槿惠が「漢字を十分に読めなければ……歴史書はとても理解できないはず」として、「歴史」を対日問題とする朴槿惠自身の“歴史認識”に批判を投げ掛ける。中国語等が得意?ともされている朴槿惠、確かに黄文雄氏の言うように彼女の「歴史認識」を拝聴したいものであるが、おそらく彼女に言わせれば「加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わりようがない」(148頁)と言うものなのであろう。石平氏の言うように「日本と韓国の未来を完全に封じ込めるもので……とてつもない執念深さ」(149頁)と言うほかないのかもしれない。
第2章では、主として中国(習近平政権)の海外覇権・海洋覇権増強主義を取り上げる。習近平の唱える「中国の夢」は、「中華民族が世界を制覇する」というに他ならず、胡錦濤時代の「平和的台頭」という「仮面」を取り去った、富国強兵・中華帝国の再現であると言う(66〜72頁)。このような中国の軍備増強に警鐘を鳴らすが、他方で「中国通常兵器」は前近代的であって核兵器が主力であると指摘する(85〜90頁)。右の兵器云々の行りは余興的になされた印象があるので、額面通り受け取るのも些か妥当ではないだろうが、中国のロシア製兵器の「ダウングレード」云々の話は具体的であり説得性がある。このような中国の覇権主義は、水資源の枯渇と汚染と表裏一体であるとも言う。つまり中国の覇権拡大主義は、新しいかつ安全な資源の確保にもあるという論調は(アフリカへの進出などから)確かに頷けるものがある。
第3章は、第2章に続いて中国の覇権主義を具体的に、特に領土・領空面で議論する。沖縄も朝鮮半島も中国の領土であるとする最大(唯一の?)理由は、歴史的な「朝貢外交」の史実にあるという(112〜116頁)。挙げ句は、ハワイも中国の領土になりうる(かつてハワイ王朝は中国王朝と交易していたとの理由)という笑い話のようなホントの話らしいのだから、驚くというレベルを超越しているだろう。この話は黄文雄氏の発言(119頁)にあるが、オバマ政権のクリントン国務長官が2012年11月29日付の質疑応答にあると極めて具体的に特定されており、少なくとも中国の太平洋への覇権意思は本気であろう。このような中国の覇権主義は、領空から宇宙空間(月)まで射程にあるという観測をしている。
そして第4章では、これまで何度も指摘されてきた中・韓の反日政策の真意・目的、中韓から観る日本の位置などを総論的に考察し、国民個人では親日でも、外面または集団では反日という二面性を指摘する。全体としては相似的な中国と韓国の反日政策について、細かい点でのそれぞれの異同を纏めたものという印象がある。中国・韓国について、これらの国の出身者などによる議論は、巷間で仄聞するものと同様のトピックであっても中々に興味深いものがある。