歴史の教科書では朝鮮半島の百済国の救援要請に基づいて大和朝廷が軍を率い、白村江の海戦で唐・新羅の連合軍に敗退したと教えられた。
その事は暗記一辺倒の歴史授業で深く考えもしていなかったが、「遠の朝廷」と呼ばれた大宰府防衛のために「水城の堤防」「大野」「椽」の城を亡命百済人である憶礼福留(おくらいふくりう)と四比福夫(しひふくお)が築いたということを後に知った。
鎌倉時代、蒙古の軍勢が日本に攻めてくるが、北部九州は半島、大陸からの侵略に晒された地域であることが分かる。
白村江の敗戦から皇位継承争いに発展した「壬申の乱」があり、戦いに勝った天武天皇は著者が言うには唐の傀儡政権であったという。大東亜戦争において日本が敗戦した後、アメリカが占領統治を仕切ったが、今なお、時の首相がアメリカ詣でをするのが習いになっている。この観点から白村江の戦いに敗戦した大和朝廷は唐の傀儡政権であったと著者はいう。
白村江の戦いで捕虜になった大伴部博麻が持統朝に30年ぶりに帰国する。官位を授けられ、莫大な恩賞を賜っていることが、別の研究者の本では何も大和朝廷からはもらえなかったとある。いずれが正しいのだろうか。
実際に現場を見たわけではないので、推測でしか物事を語れないのが過去の歴史だが、仏教の導入のされ方、寺の造営という観点から大和朝廷が一時期、唐の傀儡政権であったという著者の意見はひとつの歴史解釈として興味深いものだった。

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白村江 新装版: 古代日本の敗戦と薬師寺の謎 単行本 – 1999/1/1
鈴木 治
(著)
- 本の長さ225ページ
- 言語日本語
- 出版社学生社
- 発売日1999/1/1
- ISBN-104311202229
- ISBN-13978-4311202223
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
663年の白村江の戦いと薬師寺の関係は何か? 平城京から各地を彷徨った遷都の謎、壬申の乱の本当の姿、東大寺の大仏建立に秘められた事実とは? 古代日本を東アジアの国際情勢から解く。95年刊の新装版。
登録情報
- 出版社 : 学生社 (1999/1/1)
- 発売日 : 1999/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 225ページ
- ISBN-10 : 4311202229
- ISBN-13 : 978-4311202223
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,187,066位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,431位日本史一般の本
- カスタマーレビュー:
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