加害者男性の心理に焦点を置いた本が少ない中、この本は2001年に発刊されているが、単に加害者だけでなく被害者にもインタビューを重ね、客観性を持ちつつ、事例を紹介していく。
現にDVを行っている男性たちが自分を見直すのに良い教科書となるだろう。
ただし、暴力を正当化する男性が、この本に辿り着くことはないだろう。なぜなら、自分の傷つきを正当化できなくなるから。
その辺りは今後の書に期待したい。

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DV-殴らずにはいられない男たち (光文社新書 10) 新書 – 2001/10/1
豊田 正義
(著)
'01年10月13日「DV防止法」施行…夫と妻、双方の告白から夫婦間暴力の真相に迫る
加害者自らが脱暴力の決意を固めて外に助けを求めているときに的確なケアが得られないので、「やっぱりやめられない」という絶望感に駆られて暴力を繰り返す人は少なくないのである。(本文より)
加害者自らが脱暴力の決意を固めて外に助けを求めているときに的確なケアが得られないので、「やっぱりやめられない」という絶望感に駆られて暴力を繰り返す人は少なくないのである。(本文より)
なぜ男たちはDVに走るのか? 職業、年齢、生い立ちなど、加害者たちになんらかの共通点はあるのか? 男たちに暴力を止めさせる手立ては? 加害者、被害者双方の生の声をできるかぎり多く集め、様々なケースからDV問題の本質を浮かび上がらせる初めての試み。
- 本の長さ212ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2001/10/1
- ISBN-104334031102
- ISBN-13978-4334031107
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
なぜ男たちはDVに走るのか。職業・年齢・生い立ちなど、加害者たちに共通点はあるのか。男たちに暴力をとめさせる手だては。加害者、被害者双方の生の声を多く集め、様々なケースからDV問題の本質を浮かび上がらせる。
著者について
著者 豊田 正義(とよだまさよし)
1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後に渡米し、ニューヨークの日系誌記者を経て、フリージャーナリストに。ドメスティック・バイオレンスなどの男女間の問題を主要テーマにしている。1995年より市民団体「メンズリブ東京」代表を務める。著書に『男たちのED事情』(晶文社)、『オトコが「男らしさ」を棄てるとき』(飛鳥新社)、『男たちの「私」さがし』(共著、かもがわブックレット)、『壊れかけていた私から 壊れそうなあなたへ』(大修館書店)などがある。
1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後に渡米し、ニューヨークの日系誌記者を経て、フリージャーナリストに。ドメスティック・バイオレンスなどの男女間の問題を主要テーマにしている。1995年より市民団体「メンズリブ東京」代表を務める。著書に『男たちのED事情』(晶文社)、『オトコが「男らしさ」を棄てるとき』(飛鳥新社)、『男たちの「私」さがし』(共著、かもがわブックレット)、『壊れかけていた私から 壊れそうなあなたへ』(大修館書店)などがある。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2001/10/1)
- 発売日 : 2001/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 212ページ
- ISBN-10 : 4334031102
- ISBN-13 : 978-4334031107
- Amazon 売れ筋ランキング: - 289,057位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 895位家族問題
- - 1,166位光文社新書
- - 41,770位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
インタビューによるDV加害者と被害者の視点が言語化されています。希望が持てるような、DVの人とは諦めて縁を切った方がよいと思えるような本でした。身体的暴力のDVに重点が置いてあるので、今度は精神的DVのインタビューも読んでみたいと思いました。
2020年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この疑問を抱いて本書を手に取った。しかし読了後は違う感想を持った。自分も状況によっては女性に暴力をふるってしまうことがあるかもしれない。
20年前に書かれた本だが、内容に全く古さがない。取材当時の調査で、20人に1人が「命の危険を感じるほどの暴力を夫から受けた」と回答していることに非常に衝撃を受けた。この値は平成29年度の調査で4.7%であったため、残念ながら現在もほとんど変わっていない。
読む前からずっと持ち続けていた感情は「殴るくらいなら、別れろ」である。私は、愛する人を殴る男性がこの世にいるなんてことが信じられなかった。DV男は、人類の遺伝子エラーで生まれたモンスターだと思っていた。普通は、お互いが愛し合っているという前提から恋愛や結婚をしている。もしも相手に気に食わないところがあるなら、暴力なんか振るわずに別れてしまうのが何より健全だと思うからだ。
1冊の本を通じて4組の夫婦のルポを見てきたが、どの夫も共通して家族内での問題を抱えていた。育った環境要因は、妻に暴力をふるってしまう原因の1つかもしれないが、そう結論付けてしまうのはあまりに短絡的だ。
暴力をふるった後に「もう2度としない」と泣きながら反省し、急に妻への態度を軟化させる夫。それでいて全く学ばずに何度も暴力を繰り返してしまう夫。「暴力をやめたい」と懸命にカウンセリングへ通いながらも、結局繰り返してしまう夫。読んでいて、ドラマを見ているのかと思わされる程の強烈な夫たち。筆者がDVという問題に関わりながら神経をすり減らしていく様が妙にリアルで、引き込まれた。
たった4人の事例だけであるが、読んでいてつくづく思わされたのは「加害者の特徴に一般性はなく、すべてが個々の問題である」ということだ。言い換えれば、「こういう人は妻へ暴力を振るいやすい」といった加害者像は見えてこない。すなわちどんな男性にも、配偶者に対して暴力を振るってしまうことはあり得るのではないかというのが、私の結論である。
しかし、強いて言うならば加害者の夫は皆、妻へ「異常なほど依存」していたように感じられた。自分への評価が低く、妻の存在だけが自分の人生の全てになってしまっている。その妻が自分を受容してくれないと感じたら、愛が憎しみに転化してしまうのかもしれない。
20年前に書かれた本だが、内容に全く古さがない。取材当時の調査で、20人に1人が「命の危険を感じるほどの暴力を夫から受けた」と回答していることに非常に衝撃を受けた。この値は平成29年度の調査で4.7%であったため、残念ながら現在もほとんど変わっていない。
読む前からずっと持ち続けていた感情は「殴るくらいなら、別れろ」である。私は、愛する人を殴る男性がこの世にいるなんてことが信じられなかった。DV男は、人類の遺伝子エラーで生まれたモンスターだと思っていた。普通は、お互いが愛し合っているという前提から恋愛や結婚をしている。もしも相手に気に食わないところがあるなら、暴力なんか振るわずに別れてしまうのが何より健全だと思うからだ。
1冊の本を通じて4組の夫婦のルポを見てきたが、どの夫も共通して家族内での問題を抱えていた。育った環境要因は、妻に暴力をふるってしまう原因の1つかもしれないが、そう結論付けてしまうのはあまりに短絡的だ。
暴力をふるった後に「もう2度としない」と泣きながら反省し、急に妻への態度を軟化させる夫。それでいて全く学ばずに何度も暴力を繰り返してしまう夫。「暴力をやめたい」と懸命にカウンセリングへ通いながらも、結局繰り返してしまう夫。読んでいて、ドラマを見ているのかと思わされる程の強烈な夫たち。筆者がDVという問題に関わりながら神経をすり減らしていく様が妙にリアルで、引き込まれた。
たった4人の事例だけであるが、読んでいてつくづく思わされたのは「加害者の特徴に一般性はなく、すべてが個々の問題である」ということだ。言い換えれば、「こういう人は妻へ暴力を振るいやすい」といった加害者像は見えてこない。すなわちどんな男性にも、配偶者に対して暴力を振るってしまうことはあり得るのではないかというのが、私の結論である。
しかし、強いて言うならば加害者の夫は皆、妻へ「異常なほど依存」していたように感じられた。自分への評価が低く、妻の存在だけが自分の人生の全てになってしまっている。その妻が自分を受容してくれないと感じたら、愛が憎しみに転化してしまうのかもしれない。
2022年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当事者(加害者、被害者)の気持ちがしるされていること。
特に後書きの「編集後記」での加害男性の取材内容などは、「そうなってはいけない」と思わせてくれる。
貴重な危機感を示してくれたと感じた。
特に後書きの「編集後記」での加害男性の取材内容などは、「そうなってはいけない」と思わせてくれる。
貴重な危機感を示してくれたと感じた。
2014年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
パーソナリティー障害という病気について、日本ではまだ研究が遅れているのか?専門書がかなり少ない。
パーソナリティー障害の本を数冊読んでから
こちらの本を読むと
障害から引き起こされる行動や発言、思考など
裏付けされたようにDVに繋がるのがわかった。
著者はパーソナリティー障害について深く知らずに
取材を始めたのか、事実をありのままに書き起こし
「なぜ、こんなに発言に矛盾が?」「なぜ、こんな行動がとれるのか?」と素直に書いているが
それを証明するための本としては
岡田尊司氏の著書「パーソナリティー障害」関連の
本をお薦めする。
豊田氏の取材したDVに関するほとんどの行為や
思考が、まるで豊田氏の本を読みながら書いたのかと
思うほど 岡田尊敬氏が精神科や少年院の医師として
研究してきた内容とリンクするのだ。
(幼少期の親子関係とパーソナリティー障害は
深く関係する理論)
DVの原因をもっともっと探ってみたい方は
岡田尊敬氏の本も同時に読んでみると
いいと思う。
そしてその病気は
本人の努力と環境で
治らせていくことができるのだと結んである。
パーソナリティー障害の本を数冊読んでから
こちらの本を読むと
障害から引き起こされる行動や発言、思考など
裏付けされたようにDVに繋がるのがわかった。
著者はパーソナリティー障害について深く知らずに
取材を始めたのか、事実をありのままに書き起こし
「なぜ、こんなに発言に矛盾が?」「なぜ、こんな行動がとれるのか?」と素直に書いているが
それを証明するための本としては
岡田尊司氏の著書「パーソナリティー障害」関連の
本をお薦めする。
豊田氏の取材したDVに関するほとんどの行為や
思考が、まるで豊田氏の本を読みながら書いたのかと
思うほど 岡田尊敬氏が精神科や少年院の医師として
研究してきた内容とリンクするのだ。
(幼少期の親子関係とパーソナリティー障害は
深く関係する理論)
DVの原因をもっともっと探ってみたい方は
岡田尊敬氏の本も同時に読んでみると
いいと思う。
そしてその病気は
本人の努力と環境で
治らせていくことができるのだと結んである。
2013年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
僕自身は女性に暴力を奮った経験はありません。
しかし最愛の人に憎しみを抱いた事はあります。
愛し愛されている間柄でも、強烈に傷つけられると自己防衛本能なのか、己の中に憎しみが生まれる。
愛しているのに、反撃して相手にも同じ傷を与えたくなる。どんなに自分が辛かったのか、同じ目に遭わせて相手に理解させてやりたくなる。
分かって欲しい。理解して欲しいという気持ちが肥大化し暴走する。
大好きな相手に対しても、そんな子供じみて歪んだ気持ちが生まれる事があった。
当然そんな危険な感情は己の理性で頑張って抑えるのだが、理解してもらえず蓋をされたその憎しみは、やがて己の中で更に肥大化し愛を飲み込む。
この御する事が困難な愛憎。
相反する気持ちが強烈に高まり、やがて自分自身でも完全に制御出来なくなってしまったら…
ひょっとして僕も暴走して、女性に暴力を奮ってしまうかもしれない。大切な人を傷つけてしまうかもしれない…
DVって実は他人事ではなく、誰だって加害者になる事があるのでは?
そんな可能性を自らの深淵に感じた為、自戒の意味で読みました。
やはり読んで良かったです。
著者の豊田さんの文章が非常に分かりやすく、心にスッと入ってくる為にすぐに読みきれました。
きっとこんな状況だったら俺もイラっときちゃうな。とか発狂したくなるな。とか、こんな事言われたら相手を想いやるのは難しいな。
と、DV加害者に共感する箇所もいくつかありました。
DVが自分とは無縁と思う人に是非読んでほしい。
自分には無縁と思うより、可能性があるけどそうならないように予防しようというスタンスでいる方が、結果的に大切な人との愛を育てられると思うので。
しかし最愛の人に憎しみを抱いた事はあります。
愛し愛されている間柄でも、強烈に傷つけられると自己防衛本能なのか、己の中に憎しみが生まれる。
愛しているのに、反撃して相手にも同じ傷を与えたくなる。どんなに自分が辛かったのか、同じ目に遭わせて相手に理解させてやりたくなる。
分かって欲しい。理解して欲しいという気持ちが肥大化し暴走する。
大好きな相手に対しても、そんな子供じみて歪んだ気持ちが生まれる事があった。
当然そんな危険な感情は己の理性で頑張って抑えるのだが、理解してもらえず蓋をされたその憎しみは、やがて己の中で更に肥大化し愛を飲み込む。
この御する事が困難な愛憎。
相反する気持ちが強烈に高まり、やがて自分自身でも完全に制御出来なくなってしまったら…
ひょっとして僕も暴走して、女性に暴力を奮ってしまうかもしれない。大切な人を傷つけてしまうかもしれない…
DVって実は他人事ではなく、誰だって加害者になる事があるのでは?
そんな可能性を自らの深淵に感じた為、自戒の意味で読みました。
やはり読んで良かったです。
著者の豊田さんの文章が非常に分かりやすく、心にスッと入ってくる為にすぐに読みきれました。
きっとこんな状況だったら俺もイラっときちゃうな。とか発狂したくなるな。とか、こんな事言われたら相手を想いやるのは難しいな。
と、DV加害者に共感する箇所もいくつかありました。
DVが自分とは無縁と思う人に是非読んでほしい。
自分には無縁と思うより、可能性があるけどそうならないように予防しようというスタンスでいる方が、結果的に大切な人との愛を育てられると思うので。
2015年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても感動しました!
問題に公正かつ真摯に向き合う豊田さんの誠実さにとにかく感動です。
豊田さんの別の本も注文しました!
問題に公正かつ真摯に向き合う豊田さんの誠実さにとにかく感動です。
豊田さんの別の本も注文しました!
2020年5月14日に日本でレビュー済み
DVの本で感動するとは思わなかった。
多くのDV関連本は暗く陰鬱で、一部にはそのカルト的な思考に悍ましさすら覚えるものもあった。
この本は、悲惨な状況から目を背けることなく、加害と被害のありのままを見据える人間洞察にあふれている。
善悪を超越した人間の業に命の力強さを感じたのかもしれない。
特に第3章の「俺は絶対に反省しない」は圧巻だった。
たぶんハッピーエンドではないけど、一面的な加害者と被害者の不器用な愛情が交錯して子どもの存在が唯一の救いになる反面、2人が人生を自分でコントールすることを難しくしている実態が描かれて胸に迫るものがあった。
DVは犯罪なのはわかっていて、だからこそほかのあらゆる犯罪と同じように刑罰では完治しない。
DV防止法とそこにつながるDV利権関係者はこの本をどう読むであろうか。
壮大な社会病理のあるがままを自覚することで、国家的犯罪に対する認知療法の効果を生むことを期待する。
著者には、この筆力をもって女性が加害者となるDVや虚偽DV、片親による子どもの連れ去り誘拐などのテーマに切り込んでほしい。
女性のDV加害者がこのように取材を受けてくれるのか、ここまで内省的に話をしてくれるのか、とても興味深いところである。
出版から20年を経てまったく内容に古さを感じさせないことを私たちは悲しむべきであろう。
多くのDV関連本は暗く陰鬱で、一部にはそのカルト的な思考に悍ましさすら覚えるものもあった。
この本は、悲惨な状況から目を背けることなく、加害と被害のありのままを見据える人間洞察にあふれている。
善悪を超越した人間の業に命の力強さを感じたのかもしれない。
特に第3章の「俺は絶対に反省しない」は圧巻だった。
たぶんハッピーエンドではないけど、一面的な加害者と被害者の不器用な愛情が交錯して子どもの存在が唯一の救いになる反面、2人が人生を自分でコントールすることを難しくしている実態が描かれて胸に迫るものがあった。
DVは犯罪なのはわかっていて、だからこそほかのあらゆる犯罪と同じように刑罰では完治しない。
DV防止法とそこにつながるDV利権関係者はこの本をどう読むであろうか。
壮大な社会病理のあるがままを自覚することで、国家的犯罪に対する認知療法の効果を生むことを期待する。
著者には、この筆力をもって女性が加害者となるDVや虚偽DV、片親による子どもの連れ去り誘拐などのテーマに切り込んでほしい。
女性のDV加害者がこのように取材を受けてくれるのか、ここまで内省的に話をしてくれるのか、とても興味深いところである。
出版から20年を経てまったく内容に古さを感じさせないことを私たちは悲しむべきであろう。