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希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書) 新書 – 2010/8/17
現代に必要なのは「あきらめ」だ!?
ピースボートに乗り込んだ東大院生(社会学)が、
船内で見たものとは・・・。
本田由紀・東大教授による解説と反論つき。
◎ 内 容
最近、「コミュニティ」や「居場所」は、
若者や生きづらさを抱えた人を救う万能薬のように
語られることが多い。
しかし、それは本当なのか。
本書は、「世界平和」や「夢」をかかげたクルーズ船・
ピースボートに乗り込んだ東大の院生による、
社会学的調査・分析の報告である。
なんらかの夢や希望をもって乗り込んだはずの船内で、
繰り広げられる驚きの光景。それは、日本社会の
ある部分を誇張した縮図であった。
希望がないようでいて、実は「夢をあきらめさせてくれない」社会で、
最後には「若者に夢をあきらめさせろ!」とまで言うようになった著者は、
何を見、何を感じたのか。
若者の「貧しさ」と「寂しさ」への処方箋としてもちあげられる
「承認の共同体」の可能性と限界を探っていく。
解説と反論、本田由紀。
◎ 本 文 より
「怒る老人、泣く若者......。」
ピースボートをただの観光クルーズ船だと思ったら大間違いだ。
僕が乗り合わせたクルーズはエンジンが壊れたり、
船体に穴が空きアメリカ湾岸警備隊に拿捕されたり、
それに怒った年配者たちが集会を開いたり、
それを見て若者たちが泣いたり、本当に色々なことがあった。
それをただ記述して最近流行の「ルポ」にしても、
それなりに面白い内容になったと思う。
しかし、それだけでは勿体ないと思った。
それは、ピースボートが日本社会のある部分を濃縮したような
空間だと感じたからだ。
ピースボートを通して見えてくるもの。
それは、今を生きる若者の問題、不安定雇用の問題、
組織の問題、旅の問題、自分探しの問題と様々だ。
僕は特に「コミュニティ」と「あきらめ」というキーワードと共に
ピースボートを考えてみたいと思った。(「はじめに」より)
◎ 目 次
はじめに
1章 壊れた日本、希望は共同体?
2章 旅の終焉と新しい団体旅行
3章 ピースボートの秘密
4章 自分探しの幽霊船に乗る若者たち
5章 ルポ・ピースボート
6章 あきらめの舟
7章 だからあなたはあきらめて
あとがき
解説、というか反論......本田由紀
◎ 著者プロフィール
古市憲寿(ふるいちのりとし)
1985年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
現在、東京大学大学院総合文化研究科博士課程。
慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。
有限会社ゼント執行役。専攻は社会学。
大学院で若者とコミュニティについての研究を進める傍ら、
コンサルティング会社でマーケティング、IT戦略立案等に関わる。
本田由紀(ほんだゆき)
1964年生まれ。社会学者。東京大学大学院教育学研究科教授。
著書に『若者と仕事』(東京大学出版会)、『多元化する「能力」と日本社会』
(NTT出版、第6回大佛次郎論壇賞奨励賞受賞)、
『「ニート」って言うな!』(共著、光文社新書)、
『教育の職業的意義』(ちくま新書)などがある。
- ISBN-104334035787
- ISBN-13978-4334035785
- 出版社光文社
- 発売日2010/8/17
- 言語日本語
- 寸法11 x 1.4 x 17.5 cm
- 本の長さ306ページ
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2010/8/17)
- 発売日 : 2010/8/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 306ページ
- ISBN-10 : 4334035787
- ISBN-13 : 978-4334035785
- 寸法 : 11 x 1.4 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 295,673位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,229位光文社新書
- カスタマーレビュー:
著者について
1985年東京都生まれ。社会学者。
慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。
若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)、世界の戦争博物館を巡り戦争と記憶の関係について考察した『誰も戦争を教えてくれなかった』(講談社)などで注目される。
内閣府国家戦略室「フロンティア分科会」部会委員、「経済財政動向等についての集中点検会合」委員、内閣官房行政改革推進本部事務局「国・行政のあり方に関する懇談会」メンバー、「クールジャパン推進会議」委員などを歴任。
2018年には小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)を発表した。
http://twitter.com/poe1985
https://www.instagram.com/poe1985/
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イメージ付きのレビュー

-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
しかし読んでも読んでも「古市さんはどこにいて、どう思っているの」と思いながら読み進めました。
でも、結局あとがきになってしまった。
そこで、同級生に読んでもらって「ずるいあなたはどこにもいない」と言われる。
でも、古市さんはこの本に書かれた内容、分析それ自体が僕だと言えるとある。
参った。さすが古市さんよまれてた…と思った。
本の内容は、船の中でこんなことが起きるなんて、私なら耐えられないと思うことばかりでした。
後、古市さんの本を読み始めたのが「平成くん、さようなら」からこの本で9冊目だったので脚注の存在がページごとにある読みやすさを改めてかんじました。
自分にとってはドンピシャ!の名著で期待以上の力作でした。
意味の病である現代的不幸を抱えた人にはオススメです。
『新左翼とロスジェネ』『サブカル・ニッポンの新自由主義』
を読めば、より一層理解が増すと思われます。
十牛図のようにシークエンスごとに振舞いが逆に規定されており、
パターン化して俯瞰できるのは面白い試みであると思います。
ピースボートという意識高い系の精鋭達が集まったにも関わらずに
決まった振舞いをするようなメカニズムがあり、その通りになるのは
当事者にしては味気ないものだなぁと感慨深いものがあります。
元祖無理ゲー社会のトライ&エラーの実践者の一人でもあり、
人生をすごろくのように達観していないと出来ないし、出てこない芸当です。
またゲーミフィケーション的思考を窺うことが出来て時代の先駆者です。
高収入は望めない新自由主義時代の砂漠のような荒野のような環境下の
プレイヤーでヒトに備わった共同体志向や各種属性を上手に使ってシェアして
まぁまぁな生活をしていこうという万人向けの正当な処方箋であると思った。
正しい知識人の在り方かもしれませんが、諦観して厭世的な袋小路の
シニシズムにならないことを願うばかりです。
自由と自己規定の間を揺らぐ行く宛ても無い自分探し系の漂流者であるような
自分は、都会のような環境にいながら、映画『イントゥ・ザ・ワイルド』
にならないように気をつけたいです。ようやくワナビーは何処に居ても
ワナビーであることに気づけました。
無い物ねだりですが、TV業界やお笑い業界の構造分析もして頂ければ
大変助かります。(山中伊知郎氏の「お笑いタレント化」社会 みたいな)
最後についつい旧版に感想を送るあたりが承認欲求を抱えている為なの
かもしれない。
筆者が乗船して感じたことを分析を交えて淡々と解説しています。
筆者が乗船した時には、ピースボート史上最悪の事態に遭遇したのが、
ていねいに記述されています。
別の視点での正確な情報を得ようと
2016.12に年に3回だけ開催される横浜港での船内見学会を見てきました。
ネット上での悪評がたくさんあったので、注意深く観察しましたが、スタッフの対応も良く
見学者も普通のツアー客で、拍子抜けしました。
今のピースボートは、世界一周のカジュアルなクルーズ船の印象です。
この本がピースボートのある一面を解説してくれているので
ピースボートに興味がある方に、ご一読をおススメします。

筆者が乗船して感じたことを分析を交えて淡々と解説しています。
筆者が乗船した時には、ピースボート史上最悪の事態に遭遇したのが、
ていねいに記述されています。
別の視点での正確な情報を得ようと
2016.12に年に3回だけ開催される横浜港での船内見学会を見てきました。
ネット上での悪評がたくさんあったので、注意深く観察しましたが、スタッフの対応も良く
見学者も普通のツアー客で、拍子抜けしました。
今のピースボートは、世界一周のカジュアルなクルーズ船の印象です。
この本がピースボートのある一面を解説してくれているので
ピースボートに興味がある方に、ご一読をおススメします。




「こんなものが修士論文になる訳ないでしょ」と数え切れないくらい言われた。 との記述が279頁にある。
こんな(レベルの低い)ものが東京大学の修士論文に認められた上
大手出版社の本になってしまう現実は、非常に不公平で陰湿な社会を垣間見せる。
著者は「若者に人生を諦めらめさせる必要性」を主張するが、こういう(東大なら無能でも本を出せてしまう)
不公平で陰湿な社会の現実こそ「若者に人生を諦めらめさせる」。
そんな不幸な若者たちは、この本から「処世術(コミュニケーション力)」を学ぶと良い。
著者が指導教官ではない「東京大学教授で作家としても有名な上野千鶴子と本田由紀」を
巧みに取り込んだ「処世術(コミュニケーション力)」の過程・テクニックが記述された部分だけは
面白い。
そんなレビューがあるかと叱られそうだけれど、仕方がない。
著者の「若さ」は、あとがきだけでなく各章からひしひしと伝わってくる。
内容としては、もっと調査票のデータや、ピースボートの中身についてページを割いてくれる方がありがたい。
(そこまでの内容はないのかもしれないが……)
各論考は本田由紀含め読むに値しない。
この本を読んだ感想としては……。
社会学というのは本当に不思議な分野だ。
言っちゃったモン勝ち、注目されたモン勝ち、という印象を受ける。
暇つぶしに読んでみるのは良いけれど、
しかしこの内容でなにかを「分かった」ような気になることはあるまい。
と、いったところか。