ヨーロッパ史の中でのスイスの永世中立+国民皆兵制度の歴史的な経緯がまとめられ、防衛の概念が目から鱗状態でよくわかりました。
最近の日本の安全保障に関する覚醒は、ちょうどこの議論の上に成り立っていると思いました。スイス政府が配布している不思議なハンドブック「民間防衛」は、かねて日本でも知られていますが、その位置付けがよくわかりました。

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スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ 単行本 – 2005/12/1
松村 劭
(著)
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104396681062
- ISBN-13978-4396681067
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2005/12/1)
- 発売日 : 2005/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4396681062
- ISBN-13 : 978-4396681067
- Amazon 売れ筋ランキング: - 358,338位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 153位ヨーロッパの地理・地域研究
- - 192位軍事情勢
- - 6,414位社会学概論
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が本書を手に取った動機はスイスのことを少しでも知りたかったからだが、この期待には十分応えてくれた。スイスの歴史がその戦史を中心に整理されており、スイスが掲げる「中立」政策の背景にある思想について理解が深まった。
翻って本書メインは、日本の国防をめぐって著者が鳴らす警鐘。いずれも至極真っ当なものに聞こえ、現在日本の外交・国防を預かる立場の人々からこれらに対する反論を是非とも聞いてみたい。国防の観点から政治の在り方を鋭く問う内容だと感じた。
日本の憲法第9条が掲げる理想は立派だ。しかしこれを金科玉条のように考え、現実を無視した平和願望を政治に持ち込もうとする人々は、著者の「理想の現実こそが政治だと誤解しているのではないか」という根本的かつ鋭い問いにどう答えるだろうか。意見は色々あって良いが、最悪の事態を想定する必要がある安全保障問題にあっては、現実を踏まえた責任ある言動を願いたい。
本書が強く訴える「国防線は国境の外にある」という考えは、中国や北朝鮮を対岸に持つ私達が今一度頭に叩き込んでおくべきものと思う。北朝鮮が日本海へミサイルを威嚇発射した時、イスラエルの友人が「何も対応しないというのは信じられない。イスラエルなら攻撃とみなして即反撃に出る。実際に攻撃されてから反撃するのは国防ではない」と断固とした口調で述べていたのを思い出す。
国防問題から一歩離れて、本書が提示する「あるべき民主制」の原理原則−(1)まず、全員の考えが違うことは当然と理解し、満場一致を求めない(だから根回しも、党議拘束も、村八分もしない)。(2)一人一人に全員の利益に立って考えることを要求する。(3)そして、多数決原理を厳格に適用して結論を得、個々人の意見に関わらず決定事項への貢献を求める−が大変興味深かった。政治に限らず、あらゆる組織運営に活かされるべき原理原則ではないだろうか。
翻って本書メインは、日本の国防をめぐって著者が鳴らす警鐘。いずれも至極真っ当なものに聞こえ、現在日本の外交・国防を預かる立場の人々からこれらに対する反論を是非とも聞いてみたい。国防の観点から政治の在り方を鋭く問う内容だと感じた。
日本の憲法第9条が掲げる理想は立派だ。しかしこれを金科玉条のように考え、現実を無視した平和願望を政治に持ち込もうとする人々は、著者の「理想の現実こそが政治だと誤解しているのではないか」という根本的かつ鋭い問いにどう答えるだろうか。意見は色々あって良いが、最悪の事態を想定する必要がある安全保障問題にあっては、現実を踏まえた責任ある言動を願いたい。
本書が強く訴える「国防線は国境の外にある」という考えは、中国や北朝鮮を対岸に持つ私達が今一度頭に叩き込んでおくべきものと思う。北朝鮮が日本海へミサイルを威嚇発射した時、イスラエルの友人が「何も対応しないというのは信じられない。イスラエルなら攻撃とみなして即反撃に出る。実際に攻撃されてから反撃するのは国防ではない」と断固とした口調で述べていたのを思い出す。
国防問題から一歩離れて、本書が提示する「あるべき民主制」の原理原則−(1)まず、全員の考えが違うことは当然と理解し、満場一致を求めない(だから根回しも、党議拘束も、村八分もしない)。(2)一人一人に全員の利益に立って考えることを要求する。(3)そして、多数決原理を厳格に適用して結論を得、個々人の意見に関わらず決定事項への貢献を求める−が大変興味深かった。政治に限らず、あらゆる組織運営に活かされるべき原理原則ではないだろうか。
2015年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古とは見えないほど綺麗で帯もついていた。梱包も堅固でした。
文字通り国防とは、憲法とは、国民一人一人が主権者
として政治に参加しているという意識を持ち考えるにはいい本だと想います。
文字通り国防とは、憲法とは、国民一人一人が主権者
として政治に参加しているという意識を持ち考えるにはいい本だと想います。
2008年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
↑の質問に答えられる人がどれほどいるだろうか? その答えをこの本は初心者にもわかりやすく答えてくれる。主に他の国の歴史も参考にしながら強国に囲まれたスイスの歴史とスイス人のリアリズムが書かれているのだが、それは政治から日常生活に至るまでとても参考になる内容だと感じました。
この本を読んで一番良かったとおもうのは、「歴史から学び、未来を予想し、対応策を考えて、実行する」ということがいかに重要かということを教えてもらったことです。
「仲良くして、お互いに利益を分け合う仲なら大丈夫」
「アメリカがバックにいるのに自衛隊なんていらない」
「中国や北朝鮮が日本を攻めることはない」
「いや、日本は甘すぎるのではないか?」
「軍事費なんて金をドブに捨てているようなものだ」
「そもそもどうして戦争なんて始めるんだ?」
そう思っている方には、是非この本をお勧めしたい。この本が言っていることが全てではないと思うが、決して無駄ではないことは間違いないでしょう(無駄だと感じたならばその方は歴史や政治や戦争を良く知る人なのでしょう)。
「軍事力ほど儲からないものはない。しかし、軍事力がなければ、もっと儲からない」
この本の中の一節です。日本には侵攻される理由がたくさんあるようです・・・。
この本を読んで一番良かったとおもうのは、「歴史から学び、未来を予想し、対応策を考えて、実行する」ということがいかに重要かということを教えてもらったことです。
「仲良くして、お互いに利益を分け合う仲なら大丈夫」
「アメリカがバックにいるのに自衛隊なんていらない」
「中国や北朝鮮が日本を攻めることはない」
「いや、日本は甘すぎるのではないか?」
「軍事費なんて金をドブに捨てているようなものだ」
「そもそもどうして戦争なんて始めるんだ?」
そう思っている方には、是非この本をお勧めしたい。この本が言っていることが全てではないと思うが、決して無駄ではないことは間違いないでしょう(無駄だと感じたならばその方は歴史や政治や戦争を良く知る人なのでしょう)。
「軍事力ほど儲からないものはない。しかし、軍事力がなければ、もっと儲からない」
この本の中の一節です。日本には侵攻される理由がたくさんあるようです・・・。
2017年11月19日に日本でレビュー済み
著者は1978年、防衛庁から外務省に出向し、国連の会議に出席するためスイスに赴任しました。その経験を踏まえて、第2次大戦中、ヒトラーのドイツと隣接しながら、独立を守り抜いたスイスの国防の秘訣が書かれています。
その他、以下の点も興味深かったです。
・非武装中立を掲げたギリシアのメロス島の滅亡の歴史(働き手の男子は全員殺戮され、幼児・老人は船に乗せて海に捨てられ、働ける子供と女性は奴隷として売り飛ばされた)
・スイスが独立までに208年を要した過酷な戦いの歴史
・核兵器を持たない代わりにフランスが核報復を請け負う協定を締結
・スイスのしたたかな移民政策
その他、以下の点も興味深かったです。
・非武装中立を掲げたギリシアのメロス島の滅亡の歴史(働き手の男子は全員殺戮され、幼児・老人は船に乗せて海に捨てられ、働ける子供と女性は奴隷として売り飛ばされた)
・スイスが独立までに208年を要した過酷な戦いの歴史
・核兵器を持たない代わりにフランスが核報復を請け負う協定を締結
・スイスのしたたかな移民政策
2007年1月17日に日本でレビュー済み
日々世界では内戦や戦争がおこり,また公開されているだけでも頻繁に軍事演習が行われています.
ニュースで伝わる話もどこか別世界のことで,気にもとまらないのではないでしょうか.
本書は,平和というか平穏は当たり前だと平和ボケしている日本人に警鐘をならす一冊.
永世中立国のスイスの歴史的背景からの考えをもとに日本の国防を考える内容です.
著者が自衛隊出身の方で軍事より?の偏りが危惧されましたが,至って正論を主張していると感じました.
国を守るための境界は国境ではだめな理由など,よくよく考えると当たり前ですが
普段気にもしていない重大な誤りを指摘しているので,読む価値があります.
というか,中国の動きを考えると,絶対に読む必要のある書籍です.
核武装などの話のかなり前に本書ようなの議論をするべきでしょう.
日本のようにそれぞれが自分の都合で主張し,すぐに徒党を組むのとは対照的に,
みなが国の存続を念頭に考え議論をするスイスの民主主義のあり方は
本書がいいように書き過ぎていたとしても理想とするところでしょう.
国防以上に興味深い話でした.
日本国民がぜひ本書を読み,これをふまえて議論を重ねられることを望みます.
ニュースで伝わる話もどこか別世界のことで,気にもとまらないのではないでしょうか.
本書は,平和というか平穏は当たり前だと平和ボケしている日本人に警鐘をならす一冊.
永世中立国のスイスの歴史的背景からの考えをもとに日本の国防を考える内容です.
著者が自衛隊出身の方で軍事より?の偏りが危惧されましたが,至って正論を主張していると感じました.
国を守るための境界は国境ではだめな理由など,よくよく考えると当たり前ですが
普段気にもしていない重大な誤りを指摘しているので,読む価値があります.
というか,中国の動きを考えると,絶対に読む必要のある書籍です.
核武装などの話のかなり前に本書ようなの議論をするべきでしょう.
日本のようにそれぞれが自分の都合で主張し,すぐに徒党を組むのとは対照的に,
みなが国の存続を念頭に考え議論をするスイスの民主主義のあり方は
本書がいいように書き過ぎていたとしても理想とするところでしょう.
国防以上に興味深い話でした.
日本国民がぜひ本書を読み,これをふまえて議論を重ねられることを望みます.
2008年1月28日に日本でレビュー済み
スイスといえば「永世中立国」で平和な(戦争に加担しない)国というのが、多くの日本人のイメージかもしれません。
本書を読めばそのイメージがいっぺんに覆されます。
中立を守るということは、
「どちらの側にもつかない=どちらからも攻められる可能性がある」
ということなのです。
「どちらの味方もしないから、どちらからも攻められることはないだろう」
という楽観的なことではないのです。
スイスは今までの歴史から、そのことを実感として感じ、国民一人ひとりの意識から、常に有事に備えているということが本書を読むとわかります。
現在の日本はそのような「いざとなったらどうするの」という議論すら出来ない状態になってます。
スイス並みにやれとまでは言いませんが、せめて有事にはどうするのか、他国から攻撃されたらどうするのかの議論ぐらいまともにやってもらいたいという気にさせられます。
終戦前後、満州や樺太、北方領土が旧ソ連の進行によってどのような状況になったかをもう一度考え直してもらいたい。
「無防備都市宣言」や「憲法改正反対」など理想を訴えるのもいいですが、もう少し現実的な方向を考えていった方がいいのではないかなと思います。
本書を読んで、改めて「国を守る」ということを考えさせられました。
本書を読めばそのイメージがいっぺんに覆されます。
中立を守るということは、
「どちらの側にもつかない=どちらからも攻められる可能性がある」
ということなのです。
「どちらの味方もしないから、どちらからも攻められることはないだろう」
という楽観的なことではないのです。
スイスは今までの歴史から、そのことを実感として感じ、国民一人ひとりの意識から、常に有事に備えているということが本書を読むとわかります。
現在の日本はそのような「いざとなったらどうするの」という議論すら出来ない状態になってます。
スイス並みにやれとまでは言いませんが、せめて有事にはどうするのか、他国から攻撃されたらどうするのかの議論ぐらいまともにやってもらいたいという気にさせられます。
終戦前後、満州や樺太、北方領土が旧ソ連の進行によってどのような状況になったかをもう一度考え直してもらいたい。
「無防備都市宣言」や「憲法改正反対」など理想を訴えるのもいいですが、もう少し現実的な方向を考えていった方がいいのではないかなと思います。
本書を読んで、改めて「国を守る」ということを考えさせられました。
2005年12月24日に日本でレビュー済み
憲法改正も軌道に乗りかけている。静かに何かが動いている。そんな時に憲法改正に必要な素材が提供されているように思われる。それは政治家だけではなく、国民全てに与えられた教材のように思われる。スイスの実体を知ることは良いことだ。この世はきれい事だけではないことが、スイスを知ることで日本が見えるのではないだろうか。飾のない文章が、日本の未来を議論するダイヤの原石になっていると私は思える。