表題はUstreamだが、本文中は、ユーストリームと表記される。積極的に差を付けているのかは不明。
テレビ放送が地デジ、BS、CSとチャンネルが拡大する中で、なぜUstreamかという問題と、ネット生中継の浸透は何を引き起こすかという問題を扱っていると感じた。
Ustreamの技術的な点は全く扱ってない(技術として何が新しいのか興味あるのだが)。
まず、Ustreamとは何かであるが、動画を配信しているが、「生」である点で、ニコニコ生放送とは同じで、YouTubeとは違う(Webカメラなど撮影と同時に出力可能な機材が必ず必要)。
テレビ放送と違うのは、高度の検索性とSNSとの連携性(Twitterとの統合。結果、視聴者との間にインタラクティブな関係が成立)である。
また、テレビがカバーしないテーマをカバーしているのも特徴であるという(「はやぶさ」帰還の際の管制塔中継が例に挙がっている)。
予め告知をしてというより、ツィッターのRTなりを通じて、番組が知られるというSNS依存の放送形態であるのは大変おもしろい。
「生」であることの意味をいろいろ考えさせられる。
「生」と言うことは、それは無編集という意味でジャーナリズムたり得ない一方、ニュースの現場に立ち会うという体験ができることを意味するという。
「生」のため、倫理上映されるべきでないものも入り込むし、プライバシーの配慮もされないことが起こりうるが、それは許容されるべきものなのか否か、そもそも論が未成熟であるということもよく分かった。
放送法による規制とのアンバランスという問題もあるだろう。緩やかなルールだから発展しているという面もあるわけで、本当に難しい問題であろうが、現実だけが先に進んで行っているということではあるのだろう。
なお、本文中、平野友康氏(p.129。モーションダイブキャストの開発リーダー)が出てくるが、どこかで見た名前だと思ったら、Twitterの呼びかけで仕事投げ打ってアメリカに飛んで坂本龍一の生中継をした人だったと気づいた。
バリバリのUstreamのプロだったんですね。最も適した人が手を挙げたという例でもあるわけだと感じた。
その辺のまとめは、[...] を参照。
途中で古川教授の鉄道模型のジオラマに坂本龍一氏が口あんぐりのシーンは一見の価値あり。
Ustreamのそもそもは湾岸戦争の際に兵士と家族が連絡を取り合うためのサービスだったという説が紹介されているが、
トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD
]の冒頭に、トランスフォーマーに襲われた米軍基地で兵士が家族と動画で連絡を取り合うシーンが出てきたのを思い出した。
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USTREAMがメディアを変える (ちくま新書 874) 新書 – 2010/11/10
小寺 信良
(著)
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購入オプションとあわせ買い
WEBカメラとパソコンがあれば、誰でも簡単に放送できる世界がやってきた。一昔の日本人は、カメラを向ければ逃げ出していたものだが、いまやプライバシーを露出することに躊躇がなくなったように思える。そこからさらに進んで、人前に出て堂々とプレゼンテーションできる有能な人々が、どんどん現われているのだ。最初はなんだかテレビごっこのようなものに過ぎなかったメディアが、社会問題に対する議論の場として、テレビ以上の重要性を持ち始めている。
本書はネット放送の代表格としてUstreamを取り上げ、その成長や放送内容の変遷、人が集まるしかけ、マーケティングツールとしての活用などを紐解いてゆく。
本書はネット放送の代表格としてUstreamを取り上げ、その成長や放送内容の変遷、人が集まるしかけ、マーケティングツールとしての活用などを紐解いてゆく。
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2010/11/10
- ISBN-10448006575X
- ISBN-13978-4480065759
商品の説明
著者からのコメント
僕の目線でUstreamを語るとしたら、どういうスタンスが考えられるかなーと、編集者と作戦を立てるわけだけど、たぶん類書を書く人って、ITに強い人だと思うのね。で、僕の強みってなんだろうということをつらつら考えるに、それはテレビ放送をやっていたバックボーンだろうと。
というわけで、いまだマスメディアとしてネットのさらに上に君臨するテレビの世界がまずあって、それをダウンサイジングしたUstreamという見方で書いたらどうか、ということになった。たぶんITの目線で見ると、下から上にいった、つまりテキストから写真ときて、ついに動画も生で配信できるようになった、みたいな成長論になるだろう。それとは逆方向でみたらどうか、と思ったわけだ。
書籍名にはUstreamと入っているけど、実はニコ生の分析もかなり加えている。Ustreamだけにこだわらず、ネット生放送全般について語ったつもり。実際ネットの生放送という意味では、ニコ生の視聴者数は日本ではUstreamと二分するほどの巨大勢力だから。
で、執筆中は類書を読まないようにしていた。読むとどうしてもそこに書いてある事が書きたくなっちゃうし、そうなると差別化が難しくなるから。一通り書き上がってからいくつか目を通したけど、どれにも似てなかった。かなり特異な本に仕上がったんじゃないかなー。
というわけで、いまだマスメディアとしてネットのさらに上に君臨するテレビの世界がまずあって、それをダウンサイジングしたUstreamという見方で書いたらどうか、ということになった。たぶんITの目線で見ると、下から上にいった、つまりテキストから写真ときて、ついに動画も生で配信できるようになった、みたいな成長論になるだろう。それとは逆方向でみたらどうか、と思ったわけだ。
書籍名にはUstreamと入っているけど、実はニコ生の分析もかなり加えている。Ustreamだけにこだわらず、ネット生放送全般について語ったつもり。実際ネットの生放送という意味では、ニコ生の視聴者数は日本ではUstreamと二分するほどの巨大勢力だから。
で、執筆中は類書を読まないようにしていた。読むとどうしてもそこに書いてある事が書きたくなっちゃうし、そうなると差別化が難しくなるから。一通り書き上がってからいくつか目を通したけど、どれにも似てなかった。かなり特異な本に仕上がったんじゃないかなー。
著者について
AV機器評論家/コラムニスト。1963年、宮崎県生まれ。
テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、94年にフリーランスの映像編集者として独立。同時にAV機器、パソコン、放送機器などの解説・評論をはじめ、ネットやデジタル技術に関わる様々な問題を掘り下げるなど、幅広く執筆活動を行なう。2007年より一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。
テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、94年にフリーランスの映像編集者として独立。同時にAV機器、パソコン、放送機器などの解説・評論をはじめ、ネットやデジタル技術に関わる様々な問題を掘り下げるなど、幅広く執筆活動を行なう。2007年より一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。
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AV機器評論家/コラムニスト。1963年、宮崎県生まれ。
テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、94年にフリーランスの映像編集者として独立。同時にAV機器、パソコン、放送用機器の解説・評論をはじめ、ネットやデジタル技術の問題点を掘り下げるなど、幅広く執筆活動を行なう。2007年に津田大介氏とともに一般社団法人インターネットユーザー協会を立ち上げ、現在同協会代表理事。
カスタマーレビュー
星5つ中3.5つ
5つのうち3.5つ
3グローバルレーティング
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月1日に日本でレビュー済み
2010年11月14日に日本でレビュー済み
テクニカルライター小寺信良氏のUSTREAMに関する一冊。USTREAM本は既に何冊も出ているが、TV業界に身をおいたこともある方の視点から書かれているため、TVとUSTREAMの違いが明確に整理されており、さまざまな示唆を与えてくれた。
◆本書の構成
・第一章 ユーストリームという世界
・第二章 ユーストリームの可能性
・第三章 ユーストリームとツイッターの相乗効果
・第四章 ユーストリームがビジネスを変える
・第五章 ユーストリーム番組制作のポイント
・第六章 ユーストリームがテレビを殺す
・第七章 横たわるユーストリームの課題
正直、ソーシャルメディアがマスメディアを駆逐するといった、一面的なものの見方には僻々している昨今である。もし、それが事実ならば「草野球が広まることによって、プロ野球が滅亡する」ということだって起こりうるはずである。むしろ、裾野の広がりは、映像文化そのものの活性化として喜んで受け入れるべきこと。無競争であったこれまでの状況こそ特殊であり、あるべき姿に戻っただけとも解釈できる。
◆本書を読んで感じたこと
・自分たちの仕事において常識と思っていることが、どのような前提条件のうえに成り立っているか、きちんと把握しておく必要がある。
・その前提条件を把握するためには、個人でソーシャルメディアの海に飛び込んで体験してみるのが、一番の近道と思われる。
・その中で、それぞれのメディアにおける”文脈の違い”を認識する必要がある。
・映像によって何を伝えたいのか、それを考えることが一番大事である。
「マスメディアのことだけ知っている」、「ソーシャルメディアのことだけ知っている」というのは、いずれも片手落ちなこと。違いのわかる男こそ、今求められているのだ。ダバダ〜♪
◆本書の構成
・第一章 ユーストリームという世界
・第二章 ユーストリームの可能性
・第三章 ユーストリームとツイッターの相乗効果
・第四章 ユーストリームがビジネスを変える
・第五章 ユーストリーム番組制作のポイント
・第六章 ユーストリームがテレビを殺す
・第七章 横たわるユーストリームの課題
正直、ソーシャルメディアがマスメディアを駆逐するといった、一面的なものの見方には僻々している昨今である。もし、それが事実ならば「草野球が広まることによって、プロ野球が滅亡する」ということだって起こりうるはずである。むしろ、裾野の広がりは、映像文化そのものの活性化として喜んで受け入れるべきこと。無競争であったこれまでの状況こそ特殊であり、あるべき姿に戻っただけとも解釈できる。
◆本書を読んで感じたこと
・自分たちの仕事において常識と思っていることが、どのような前提条件のうえに成り立っているか、きちんと把握しておく必要がある。
・その前提条件を把握するためには、個人でソーシャルメディアの海に飛び込んで体験してみるのが、一番の近道と思われる。
・その中で、それぞれのメディアにおける”文脈の違い”を認識する必要がある。
・映像によって何を伝えたいのか、それを考えることが一番大事である。
「マスメディアのことだけ知っている」、「ソーシャルメディアのことだけ知っている」というのは、いずれも片手落ちなこと。違いのわかる男こそ、今求められているのだ。ダバダ〜♪
2010年12月1日に日本でレビュー済み
USTREAM そのものの本ではなくて,著者のもともとの仕事であるテレビや,ラジオ,新聞などの従来メディアとの比較や,テレビの裏話などにウェイトがある. USTREAM の番組のつくりかたなども書いてあるが,多分にテレビ的だ. USTREAM らしさは,こういうところからでてくるのではないようにもおもえる.