このマンガ本の販売プローモーション用の文章の表現は、誤解を生みやすい。「紀元前から続くイスラムとユダヤの対立」というのは、紀元後7世紀に生まれたイスラーム教というのと矛盾するし、世界三大宗教がユダヤ、キリスト、イスラム教というのも一般的ではない。
しかし、旧約聖書に記述されているアブラハム（イブラヒム）の２人の息子イザークとイシュマエルの関係から、後のイスラム（ほぼアラブ人）とユダヤの対立の芽があったということであれば、「紀元前」というのも間違いではない。旧約聖書の記述が歴史的な事実かというのは別としても、現実に宗教としてはそれを前提としていることは事実である。また、世界三大宗教に仏教を入れず、３つの一神教を三大宗教とする見解も存在している。そもそも、「三大」というのは、日本人が好きな分類であり、世界史という観点からは、こういう言い方はあまりしない。内容的には、ここまでわかっていれば違和感はないし、逆に、そこまで踏み込んでいるということを意味していると思われます。販売促進用のキャッチコピーに、思慮に欠けた部分があるのか、意図的なのか、というところでしょうか。
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