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緑のカプセルの謎 (創元推理文庫 118-9) ペーパーバック – 1981/1/1
村の菓子屋で毒入りチョコレートが売られ、子供達に犠牲者が出るという珍事が持ち上った。ところが、犯罪研究を道楽とする荘園の主人が毒殺事件のトリックを発見したと称してその公開実験中に、当の本人が緑のカプセルを飲んで毒殺されてしまった。カプセルを飲ませたのは誰か? フェル博士の毒殺講義をふくむカー中期を代表する傑作。
- 本の長さ367ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1981/1/1
- ISBN-104488118097
- ISBN-13978-4488118099
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1981/1/1)
- 発売日 : 1981/1/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 367ページ
- ISBN-10 : 4488118097
- ISBN-13 : 978-4488118099
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,187,799位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これもH・Mシリーズものです。一気に読みました。これもよかった。トリックのネタをばらせないのが残念ですが。こううまくいくのかなとちょっと思いましたけど、よくできているんじゃないでしょうか。
2010年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作品は、1939年に発表された、カー名義の19作目にあたります。
カーとしては珍しく、密室殺人なし、オカルト的な装いもなしの、
毒殺事件の謎を扱った「心理学的推理小説(副題)」。
幕開けはポンペイ。
ここにソドベリイ・クロス村の富豪マーカス・チェズニイ一家と
その知り合いの一行がやってきます。
村では菓子店で買ったチョコレートを食べた少年が
毒殺される事件が発生し、
富豪の姪、マージョリイ・ウィルズが犯人だと噂されており、
その精神的苦痛から逃れるための旅行なのでした。
帰国後、マーカスは、
毒殺のトリックが分かったと言って、
関係者を招いて殺害の様子を再現する実験を行うのですが、
その最中、何とマーカスは「緑のカプセル」の毒によって、
殺害されてしまうのです。
この作品の大きな特徴は、容疑者の数が少ないこと。
実験に立ち会った関係者は、わずかに5人。
しかし、すべての容疑者にアリバイがあり、
犯行が出来ない状況としか思えないのです。
でも、確実にこの中に犯人はいる。誰か?
探偵ギディオン・フェル博士が登場するのは、
物語も半ばになってから。
出番が遅くなった理由を警察部長官のクロウ少佐が、
「(事件は)密室犯罪でもなく、怪談めいた要素もない」ので、
博士が興味を持たなかったからと説明するところが、
興味深かったです。
フェル博士って事件を選んで、密室殺人に挑んでいたのですね。
この作品のハイライトは、
誰が犯人かを示す決定的証拠がフェル博士の罠によって、
鮮やかに示されるところ。
また、「毒殺講義」を含む、
犯人を探り当てるまでの、
推理の部分もなるほどと思わせる展開になっていて、
「毒殺もの」にあえて取り組んだ
カーのサービス精神にいたく感服しました。
カーとしては珍しく、密室殺人なし、オカルト的な装いもなしの、
毒殺事件の謎を扱った「心理学的推理小説(副題)」。
幕開けはポンペイ。
ここにソドベリイ・クロス村の富豪マーカス・チェズニイ一家と
その知り合いの一行がやってきます。
村では菓子店で買ったチョコレートを食べた少年が
毒殺される事件が発生し、
富豪の姪、マージョリイ・ウィルズが犯人だと噂されており、
その精神的苦痛から逃れるための旅行なのでした。
帰国後、マーカスは、
毒殺のトリックが分かったと言って、
関係者を招いて殺害の様子を再現する実験を行うのですが、
その最中、何とマーカスは「緑のカプセル」の毒によって、
殺害されてしまうのです。
この作品の大きな特徴は、容疑者の数が少ないこと。
実験に立ち会った関係者は、わずかに5人。
しかし、すべての容疑者にアリバイがあり、
犯行が出来ない状況としか思えないのです。
でも、確実にこの中に犯人はいる。誰か?
探偵ギディオン・フェル博士が登場するのは、
物語も半ばになってから。
出番が遅くなった理由を警察部長官のクロウ少佐が、
「(事件は)密室犯罪でもなく、怪談めいた要素もない」ので、
博士が興味を持たなかったからと説明するところが、
興味深かったです。
フェル博士って事件を選んで、密室殺人に挑んでいたのですね。
この作品のハイライトは、
誰が犯人かを示す決定的証拠がフェル博士の罠によって、
鮮やかに示されるところ。
また、「毒殺講義」を含む、
犯人を探り当てるまでの、
推理の部分もなるほどと思わせる展開になっていて、
「毒殺もの」にあえて取り組んだ
カーのサービス精神にいたく感服しました。
2015年3月2日に日本でレビュー済み
ドイルは晩年降霊術にはまりました。個人的な理由もあったらしいですが、20世紀の子、JDC/CD(変名がカーター・ディクスンなので… 全然変名にする気無しですよね)は合理性の人です。ロマンと合理。読者を(そして自分を)不思議がらせるのが大好き。設定負けして失敗する作品もありますが、概ね綱渡りに成功しています。この作品は設定良し、展開良し、謎解き良しで大好きです。もちろん最高傑作は「火刑法廷」(雰囲気最高)ですが、この作品とか、貴婦人として死す、とかも大好きです。JDC/CDに慣れてくると失敗作でさえ微笑ましい(貴方の努力わかりました、頑張りましたね… ってなるのです)と思えるようになります。この作品は探偵小説の金字塔だとさえ思っています。
2013年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
予想通り良品でした。ディクスン・カーの隠れた名作。新本格の若い人にもお奨めしたいです。
2004年6月3日に日本でレビュー済み
ディクスン・カーは、実に不思議な魅力を持ったミステリ作家です。
「よくまあ、こんなトリック思いついて、しかもそれを作品に書いてしまったもんだ」という茶目っ気というか、おもしろ真面目のような心意気。
「読者の皆さん、どうです、びっくりしたでしょう?」という、読み手を何とかしてだまくらかし、引っかけてやろうというミステリ・スピリット。
さり気なく作品の中に置いた伏線の妙。
H・M(ヘンリー・メリヴェール)がしばしばやってのけるドタバタ、ファース的なユーモア。ドワッハッハのこりゃたまげたね、まいったねシーン。
そして、読み手を話の中に引き入れるリーダビリティー。わくわく、ぞくぞくさせられるストーリーテリングの冴え。読ませ巧者の名人芸。
ほんとにまあ、実に魅力的で心打たれるミステリマインドを持った作家だったなあと、にこにこしてしまいます。
そんなカーの、「こりゃ上手いやねぇ」と堪能させられるミステリがこれ、『緑のカプセルの謎』。フェル博士ものの作品。トリックといい、伏線といい、リーダビリティーといい、バランスのとれた仕上がりになっていて、読みごたえは十分。
「ミステリは大好き。でも、カーの作品はどうもアクが強くてアホくさくて、いまいち馴染めない」という方にお薦めしたい作品です。
本書を読んで「へえっ。カーのミステリ、なかなかいけるじゃない」と思ったら、ぜひ、名作『火刑法廷』や『囁く影』なんかも読んでみてください。
「よくまあ、こんなトリック思いついて、しかもそれを作品に書いてしまったもんだ」という茶目っ気というか、おもしろ真面目のような心意気。
「読者の皆さん、どうです、びっくりしたでしょう?」という、読み手を何とかしてだまくらかし、引っかけてやろうというミステリ・スピリット。
さり気なく作品の中に置いた伏線の妙。
H・M(ヘンリー・メリヴェール)がしばしばやってのけるドタバタ、ファース的なユーモア。ドワッハッハのこりゃたまげたね、まいったねシーン。
そして、読み手を話の中に引き入れるリーダビリティー。わくわく、ぞくぞくさせられるストーリーテリングの冴え。読ませ巧者の名人芸。
ほんとにまあ、実に魅力的で心打たれるミステリマインドを持った作家だったなあと、にこにこしてしまいます。
そんなカーの、「こりゃ上手いやねぇ」と堪能させられるミステリがこれ、『緑のカプセルの謎』。フェル博士ものの作品。トリックといい、伏線といい、リーダビリティーといい、バランスのとれた仕上がりになっていて、読みごたえは十分。
「ミステリは大好き。でも、カーの作品はどうもアクが強くてアホくさくて、いまいち馴染めない」という方にお薦めしたい作品です。
本書を読んで「へえっ。カーのミステリ、なかなかいけるじゃない」と思ったら、ぜひ、名作『火刑法廷』や『囁く影』なんかも読んでみてください。
2002年5月23日に日本でレビュー済み
読みやすさでは、「皇帝のかぎ煙草入れ」などと並んで、カー作品の中で最高のものの一つ。かなりシンプルな事件を、丹念に描いていく。当然、その過程で様々な仮説と反証がなされていく。ウェルメイド作品だが、やや地味。
2014年8月24日に日本でレビュー済み
本書の邦題はアメリカ版から採られているが、イギリス版のタイトルは『黒い眼鏡』(The Black Spectacles)である。これは直接には犯人が犯行時にかけていた黒眼鏡を指すが、被害者の「およそ人間の目くらいたよりにならぬしろものはない」という言葉に象徴されるように、人間の観察眼の曖昧さと先入見の危うさといったものが本書のテーマになっているので、『緑のカプセルの謎』という即物的なタイトルより『黒い眼鏡』のほうが示唆的・隠喩的でよかったのではないかと思う。
副題に「心理学的推理小説」とある通り、本編のメイントリックはいわゆる「心理トリック」だが、元々被害者が持論を証明するために催した観察実験で、観衆(被験者)を騙すために仕掛けた罠を犯人が利用して行った殺人であり、それが状況設定や犯行過程の不自然さを相殺して、カーとしては珍しいほどスムーズで無理のないトリックになっている。
大胆な不可能興味と破天荒な物理トリックを得意とするカーではあるが、本書や『皇帝のかぎ煙草入れ』といった心理トリックの傑作もあり、リーダビリティの点でも万人向けのミステリとして評価が高い。
観察実験での10の質問に関連して、
虫の好かないフェル博士、
べつに理由もないけれど----
という詩句が出てくるが、これはマザーグースの一篇で、元々は風刺作家のトマス・ブラウンがオックスフォードの学生だった頃、自分を退学させよとうとした学寮長のフェル先生(Dr.Fell)を揶揄して書いた詩といわれる。
カーのフェル博士も、実はこのマザーグースの句から採った名前である。
この句が唐突に出てきて、我々にはこの洒落がピンと来ないので、この辺の由来は巻末の解説に書いてしかるべきと思うが、書いてなかったので蛇足として記す。
副題に「心理学的推理小説」とある通り、本編のメイントリックはいわゆる「心理トリック」だが、元々被害者が持論を証明するために催した観察実験で、観衆(被験者)を騙すために仕掛けた罠を犯人が利用して行った殺人であり、それが状況設定や犯行過程の不自然さを相殺して、カーとしては珍しいほどスムーズで無理のないトリックになっている。
大胆な不可能興味と破天荒な物理トリックを得意とするカーではあるが、本書や『皇帝のかぎ煙草入れ』といった心理トリックの傑作もあり、リーダビリティの点でも万人向けのミステリとして評価が高い。
観察実験での10の質問に関連して、
虫の好かないフェル博士、
べつに理由もないけれど----
という詩句が出てくるが、これはマザーグースの一篇で、元々は風刺作家のトマス・ブラウンがオックスフォードの学生だった頃、自分を退学させよとうとした学寮長のフェル先生(Dr.Fell)を揶揄して書いた詩といわれる。
カーのフェル博士も、実はこのマザーグースの句から採った名前である。
この句が唐突に出てきて、我々にはこの洒落がピンと来ないので、この辺の由来は巻末の解説に書いてしかるべきと思うが、書いてなかったので蛇足として記す。
2006年12月8日に日本でレビュー済み
カーの作品の中ではオカルティズムが出て来ない、毒殺がメインテーマになっている点で異色作。衆人環視の中で「緑のカプセル」によって演者が毒殺される。誰がどうやって毒を運んだのか ? 不可能犯罪性は健在である。
作品中で「密室講義」ならぬ「毒殺講義」が出て来るのもカーの稚気が感じられ、微笑ましい。冒頭で述べたようにオカルティズムが出て来ないで、スッキリとした進行なので読み易いと言える。解決も合理的で、カー・マニアならずとも楽しめる中期の傑作。
作品中で「密室講義」ならぬ「毒殺講義」が出て来るのもカーの稚気が感じられ、微笑ましい。冒頭で述べたようにオカルティズムが出て来ないで、スッキリとした進行なので読み易いと言える。解決も合理的で、カー・マニアならずとも楽しめる中期の傑作。