「異様に迫力のある、人間が心理的に崩壊していく様を追った作品」だと聞いて、手に取った。
幻想文学としてはよくできた作品だが、クトゥルー神話と思って買ったマニアは戸惑っても不思議ではないだろう。
聖職者の男が妻とともに故郷に戻り、場所のもつオーラのようなものに感化され、壊れていく。
やがて、そこがただの田舎ではなかったことがわかってくる。
大小の隠喩と暗喩で神話とラヴクラフトの根源にあるものを匂わせながら、人間を超えた次元には何が待っているのかが明かされるとき、読む者はあっと息を呑むことになる。

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暗黒神ダゴン (創元推理文庫 F ラ 1-12) 文庫 – 2000/8/1
クトゥルー? ヨグ・ソトト? 意味不明の言葉が連なる古い手紙。屋根裏に鎖で固定された一対の手錠。片田舎の屋敷を相続した牧師リーランドを襲う悪夢と、妻への理由なき殺意。そして、魚類を思わせる異様な容貌の少女に出会ったとき、彼は魔界へと踏み込んでいく……異端の詩人がラヴクラフトに捧げる、苦痛と狂気、恐怖と背徳の物語。
- 本の長さ249ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2000/8/1
- ISBN-104488523129
- ISBN-13978-4488523121
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2000/8/1)
- 発売日 : 2000/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 249ページ
- ISBN-10 : 4488523129
- ISBN-13 : 978-4488523121
- Amazon 売れ筋ランキング: - 466,324位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2020年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いま、ちょうど半分くらいのところ。主人公の牧師が妻をいきなり殺して、自分のもつ農場に勝手に入って暮らしている一家の娘とセックスする。主人公の牧師はちょっと頭がおかしいみたいだ。
いま、読み終わった。後半は、主人公が刺青をされる苦痛にあえぐ姿の連続であった。刺青が完成すると、主人公は殺された。そのあと哲学的な思弁が少しつづられる。かつて、ぼくは、詩のなかで、「苦痛こそ神である。」という詩句を書いたことがあるが、それを思い出した。
いま、読み終わった。後半は、主人公が刺青をされる苦痛にあえぐ姿の連続であった。刺青が完成すると、主人公は殺された。そのあと哲学的な思弁が少しつづられる。かつて、ぼくは、詩のなかで、「苦痛こそ神である。」という詩句を書いたことがあるが、それを思い出した。
2007年9月4日に日本でレビュー済み
怖いです。本当に寒気がします。
クトゥールー神話から水妖神ダゴンをモティーフに怪異の世界にはまりこんでいく主人公をこれでもか、のリアリティーをからめて描写しています。
とにかく気持ち悪い。いつの間にか異様な状況に陥っていくあたりの淡々とした文章がゾクゾクするくらいの気持ち悪さ。
他の作家の手になる類似の小説よりもイヤ〜な雰囲気をかもしだしています。
最後に主人公の心理が大逆転するあたり、圧倒的な雰囲気です。
クトゥールー神話から水妖神ダゴンをモティーフに怪異の世界にはまりこんでいく主人公をこれでもか、のリアリティーをからめて描写しています。
とにかく気持ち悪い。いつの間にか異様な状況に陥っていくあたりの淡々とした文章がゾクゾクするくらいの気持ち悪さ。
他の作家の手になる類似の小説よりもイヤ〜な雰囲気をかもしだしています。
最後に主人公の心理が大逆転するあたり、圧倒的な雰囲気です。
2005年11月20日に日本でレビュー済み
ラヴクラフトが好きだったの事もあり手にとってみました。
最初から最後までわけがわからない内容でした。
あとがきを読むと、このあとがきを書いた人もこの物語がわけが
わからない事を認識しているらしく、必死になって解説をいれて
います。
それなりの作品であれば、解釈を入れるのも楽しいものですが、
難解と意味不明は全く違います。
「俺の物語を読むんじゃこれくらい解釈できなくちゃ」
という作者の裸の王様的な態度がひしひしと伝わってきて
非常に不愉快でした。
最初から最後までわけがわからない内容でした。
あとがきを読むと、このあとがきを書いた人もこの物語がわけが
わからない事を認識しているらしく、必死になって解説をいれて
います。
それなりの作品であれば、解釈を入れるのも楽しいものですが、
難解と意味不明は全く違います。
「俺の物語を読むんじゃこれくらい解釈できなくちゃ」
という作者の裸の王様的な態度がひしひしと伝わってきて
非常に不愉快でした。
2016年8月29日に日本でレビュー済み
クトゥルーかと問われればそれは違うと断言できる作品。
それよりも、心の闇を本当に緩やかに書いていた(気がする)
2年ほど前に読んだため記憶があやふやなのだが、ただひたすら同じような場面が続いていた印象しかない。
読む人が読めば評価できるかもしれないが、クトゥルーに関する本を探していてたまたま見つけて読んだ私には退屈な作品であった。
それよりも、心の闇を本当に緩やかに書いていた(気がする)
2年ほど前に読んだため記憶があやふやなのだが、ただひたすら同じような場面が続いていた印象しかない。
読む人が読めば評価できるかもしれないが、クトゥルーに関する本を探していてたまたま見つけて読んだ私には退屈な作品であった。
2020年10月4日に日本でレビュー済み
一つの小説としては良く書けていると思います。
しかしこれがラヴクラフトのクトゥルーかというと、私は首を傾げます。
ラヴクラフトの世界観を借りて執筆された他の何かです。
『インスマウスの影』が好きで、その繋がりで読んでみたのですが、
おどろおどろしい恐怖、というよりも得体のしれない気持ち悪さの方を強く感じました。
特に性的な描写とか拷問に近い刺青のシーンとか・・
オカルト的な気味悪さではなく、生理的な嫌悪感と言っていいと思います。
ラヴクラフトの延長のつもりで読むとがっかりするかもしれません。
しかしこれがラヴクラフトのクトゥルーかというと、私は首を傾げます。
ラヴクラフトの世界観を借りて執筆された他の何かです。
『インスマウスの影』が好きで、その繋がりで読んでみたのですが、
おどろおどろしい恐怖、というよりも得体のしれない気持ち悪さの方を強く感じました。
特に性的な描写とか拷問に近い刺青のシーンとか・・
オカルト的な気味悪さではなく、生理的な嫌悪感と言っていいと思います。
ラヴクラフトの延長のつもりで読むとがっかりするかもしれません。
2009年3月1日に日本でレビュー済み
Fred Chappellの『Dagon』(1968)の翻訳。
クトゥルー神話のひとつ。
著者は詩人・小説家。主として純文学のジャンルで活躍している人という。本書以外には怪奇小説は手がけていないようだ。
クトゥルーものではあるが、なんとも解釈の難しい一冊であった。まず、怪物やあからさまな怪異は登場しない。むしろ、メインとなっているのは心の問題である。超常的な状態へと飲み込まれていく主人公の心が延々と描かれていくのである。自己と他者、主と従、選択と放棄などがテーマとしてあらわれてくる。
正直に言って私にはテーマへの共感は出来なかったし、小説として優れているとも思えない。
訳者の尾之江氏が詳細な解説を寄せている。それを読んでから購入を考えた方がいいと思う。
クトゥルー神話のひとつ。
著者は詩人・小説家。主として純文学のジャンルで活躍している人という。本書以外には怪奇小説は手がけていないようだ。
クトゥルーものではあるが、なんとも解釈の難しい一冊であった。まず、怪物やあからさまな怪異は登場しない。むしろ、メインとなっているのは心の問題である。超常的な状態へと飲み込まれていく主人公の心が延々と描かれていくのである。自己と他者、主と従、選択と放棄などがテーマとしてあらわれてくる。
正直に言って私にはテーマへの共感は出来なかったし、小説として優れているとも思えない。
訳者の尾之江氏が詳細な解説を寄せている。それを読んでから購入を考えた方がいいと思う。
2004年11月25日に日本でレビュー済み
小説として読むと恐ろしく緩やかな展開をする作品。うまくまとめればこの五分の一くらいの分量の短編に出来るかもしれない。
ただ、これを読んでから訳者後書きを読むと「ああ、なるほど」と思うでしょう。曰く、これは典型的なドラゴン退治の物語だとか。ドラゴン、というかレビヤタン。クトゥルー神話に分類されますが、異界の脅威などはほとんど無い心理学的な作品です。
物質的なアメリカでは受け入れられず、ヨーロッパで評価されたのもうなずける。
ただ、これを読んでから訳者後書きを読むと「ああ、なるほど」と思うでしょう。曰く、これは典型的なドラゴン退治の物語だとか。ドラゴン、というかレビヤタン。クトゥルー神話に分類されますが、異界の脅威などはほとんど無い心理学的な作品です。
物質的なアメリカでは受け入れられず、ヨーロッパで評価されたのもうなずける。