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エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ 単行本 – 2007/12/14

4.5 5つ星のうち4.5 61個の評価

表の顔は一流コンサルティング会社のチーフエコノミスト
裏の顔はアメリカの工作員

途上国を負債の罠にはめた著者が命がけで告発!
開発援助の裏側を描いた衝撃の全米ベストセラー待望の翻訳

……本書は、世界経済の裏面で暗躍しつつ良心の呵責に苦しんだ、ひとりの男の告白の書
だ。男の名前はジョン・パーキンス。彼は一九七一年から一九八〇年までアメリカの国際
的なコンサルティング会社で有能なエコノミストとして働いたが、実際には、エコノミッ
ク・ヒットマン(EHM)と呼ばれる秘密の仕事に携わっていたのだ。

「エコノミック・ヒットマンとは、世界中の国々を騙して莫大な金をかすめとる、きわ
めて高収入の職業だ」と彼はいう。その手口はじつに巧妙だ。典型的な方法として、彼ら
はまず、石油をはじめ豊富な資源を持つ途上国の指導者に対して、世界銀行の融資を受け
て国家を近代化すれば飛躍的な経済成長を達成できると言葉巧みにもちかけ、その国に巨
額の債務を負わせる。じつのところ、融資された金は巨大なインフラ建設を受注するベク
テルやハリバートンなどの米企業と、現地の利権を握っているほんの一部の富裕なエリー
ト層の懐へと流れる。庶民の暮らしはまったく良くならない。それどころか、債務はとう
てい返済できず、貧しい者はさらに貧しくなる。さらに、債務国の政府は負債の罠に絡め
とられて、天然資源や国連の議決権を奪われたり、米軍基地の設置を強いられたりするこ
とになる。グローバル化が進む現代では、エコノミック・ヒットマンの活動は質量ともに
驚くべき次元に到達しているという。まったく恐ろしいからくりだ。
……「訳者あとがき」より
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社 (2007/12/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/12/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 381ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4492211691
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4492211694
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 61個の評価

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ジョン・パーキンス
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新・植民地主義の実態暴露体験記
4 星
新・植民地主義の実態暴露体験記
まるでル・カレのスパイ小説の素材集のような本です。事実、ル・カレではありませんが、同じ時期に中南米を舞台に盛んにスパイ小説を書いていたグレアム・グリーンの姿を著者は目にして、話しかけています。アメリカの謀略告発本であり、著者の懺悔本です。内容は、経済支援のを名の下に、全世界に広がり続ける米国の資金還流工作の実態を暴くノンフィクションです。今では、なかば公然のことで新鮮味はありませんが、当事者による体験談でノンフィクションのリアル感、緊迫感に溢れています。著者は1970年~1980年代にアメリカの国際的コンサルティング会社に勤めて発展途上国を調査しの投資家向けのレポートを作るのが仕事です。中南米、アジア、中東で仕事をしていくうちに罪悪感を覚え、辞職して、この告発本を書きました。アメリカによる新・植民地主義の方程式は2つのステップがあります。第一は、天然資源に恵まれているが社会的インフラが不整備で政治的にも安定性にかける貧しい発展途上国の指導層に働きかけます。バラ色の予測レポートで、資源開発と発電所、高速道路、空港などのインフラ整備を持ちかけ、その資金調達もIMF,世界銀行を通じて調達します。プロジェクトが決まれば工事受注はアメリカ企業で、現地人は労働者として使用されます。第二は、返済不能な借金漬けで、財政を破綻させ、永遠に債権者の言いなりにならざるを得ないようなアメリカ寄りの立場に追い込むことです。このエコノミック・ヒットマンのシナリオが、うまくいかないときは、ジャッカル(殺し屋=CIA)による反対する指導者の暗殺事故死などによる排除です。それでも思うように行かないときアメリカ軍による軍事行動、つまり戦争を仕掛けます。すべては、ドルの国際基軸通貨の地位を保つことによってナンバーワンの覇権国家の地位を守り、失わないためです。典型的な例が、イラクのサダム・フセイン大統領でした。アメリカの謀略によってありもしない大量秘密兵器隠匿を理由に、アメリカ軍がイラクに戦争を仕掛けました。サダム・フセインアメリカの怒りを買ったのは、石油代金決済をドルではなくてユーロに切り替えると言ったことが原因です。アメリカの逆鱗に触れ、虎の尾を踏んでしまいました。著者は、自分が関係した発展途上国が、アメリカの新・植民地になっており、利益はすべてアメリカに還流していて、現地では劣悪な条件下で酷使されている人々の実態を知ります。このアメリカのやり口を、露骨に真似てやってるのが中国です。中国は70年代にアフリカ諸国で、これをやりましたが、あまりに傲慢な上から目線の態度だったので総スカンを食らって退却しました。何とかに刃物で、経済力・軍事力を背景に、また覇権主義丸出しを始めています。ドル基軸体制に危機感を抱いたアメリカは、反中国の旗色を鮮明にした政策を打ち出しているような感じです。もうすでにロスチャイルド一族は、次の覇権国家は中国だと見なして、中国での活躍を広げています。勝負が決着するにはまだ数十年かかるでしょうが、結果は見えているように感じます。
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書343ページにある通り、アメリカ帝国覇権主義による「負債と欺瞞と隷属と搾取の話」の告発(白)本と言える。アメリカ政府、財界の腐敗ぶりを理解する上で、具体性のある、現在でも色褪せない必読書。
2019年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まるでル・カレのスパイ小説の素材集のような本です。
事実、ル・カレではありませんが、同じ時期に中南米を舞台に盛んにスパイ小説を書いていたグレアム・グリーンの姿を著者は目にして、話しかけています。

アメリカの謀略告発本であり、著者の懺悔本です。
内容は、経済支援のを名の下に、全世界に広がり続ける米国の資金還流工作の実態を暴くノンフィクションです。
今では、なかば公然のことで新鮮味はありませんが、当事者による体験談でノンフィクションのリアル感、緊迫感に溢れています。

著者は1970年~1980年代にアメリカの国際的コンサルティング会社に勤めて発展途上国を調査しの投資家向けのレポートを作るのが仕事です。
中南米、アジア、中東で仕事をしていくうちに罪悪感を覚え、辞職して、この告発本を書きました。

アメリカによる新・植民地主義の方程式は2つのステップがあります。
第一は、天然資源に恵まれているが社会的インフラが不整備で政治的にも安定性にかける貧しい発展途上国の指導層に働きかけます。
バラ色の予測レポートで、資源開発と発電所、高速道路、空港などのインフラ整備を持ちかけ、その資金調達もIMF,世界銀行を通じて調達します。
プロジェクトが決まれば工事受注はアメリカ企業で、現地人は労働者として使用されます。
第二は、返済不能な借金漬けで、財政を破綻させ、永遠に債権者の言いなりにならざるを得ないようなアメリカ寄りの立場に追い込むことです。

このエコノミック・ヒットマンのシナリオが、うまくいかないときは、ジャッカル(殺し屋=CIA)による反対する指導者の暗殺事故死などによる排除です。
それでも思うように行かないときアメリカ軍による軍事行動、つまり戦争を仕掛けます。

すべては、ドルの国際基軸通貨の地位を保つことによってナンバーワンの覇権国家の地位を守り、失わないためです。
典型的な例が、イラクのサダム・フセイン大統領でした。
アメリカの謀略によってありもしない大量秘密兵器隠匿を理由に、アメリカ軍がイラクに戦争を仕掛けました。
サダム・フセインアメリカの怒りを買ったのは、石油代金決済をドルではなくてユーロに切り替えると言ったことが原因です。
アメリカの逆鱗に触れ、虎の尾を踏んでしまいました。

著者は、自分が関係した発展途上国が、アメリカの新・植民地になっており、利益はすべてアメリカに還流していて、現地では劣悪な条件下で酷使されている人々の実態を知ります。

このアメリカのやり口を、露骨に真似てやってるのが中国です。
中国は70年代にアフリカ諸国で、これをやりましたが、あまりに傲慢な上から目線の態度だったので総スカンを食らって退却しました。
何とかに刃物で、経済力・軍事力を背景に、また覇権主義丸出しを始めています。

ドル基軸体制に危機感を抱いたアメリカは、反中国の旗色を鮮明にした政策を打ち出しているような感じです。
もうすでにロスチャイルド一族は、次の覇権国家は中国だと見なして、中国での活躍を広げています。

勝負が決着するにはまだ数十年かかるでしょうが、結果は見えているように感じます。
カスタマー画像
5つ星のうち4.0 新・植民地主義の実態暴露体験記
2019年1月6日に日本でレビュー済み
まるでル・カレのスパイ小説の素材集のような本です。
事実、ル・カレではありませんが、同じ時期に中南米を舞台に盛んにスパイ小説を書いていたグレアム・グリーンの姿を著者は目にして、話しかけています。

アメリカの謀略告発本であり、著者の懺悔本です。
内容は、経済支援のを名の下に、全世界に広がり続ける米国の資金還流工作の実態を暴くノンフィクションです。
今では、なかば公然のことで新鮮味はありませんが、当事者による体験談でノンフィクションのリアル感、緊迫感に溢れています。

著者は1970年~1980年代にアメリカの国際的コンサルティング会社に勤めて発展途上国を調査しの投資家向けのレポートを作るのが仕事です。
中南米、アジア、中東で仕事をしていくうちに罪悪感を覚え、辞職して、この告発本を書きました。

アメリカによる新・植民地主義の方程式は2つのステップがあります。
第一は、天然資源に恵まれているが社会的インフラが不整備で政治的にも安定性にかける貧しい発展途上国の指導層に働きかけます。
バラ色の予測レポートで、資源開発と発電所、高速道路、空港などのインフラ整備を持ちかけ、その資金調達もIMF,世界銀行を通じて調達します。
プロジェクトが決まれば工事受注はアメリカ企業で、現地人は労働者として使用されます。
第二は、返済不能な借金漬けで、財政を破綻させ、永遠に債権者の言いなりにならざるを得ないようなアメリカ寄りの立場に追い込むことです。

このエコノミック・ヒットマンのシナリオが、うまくいかないときは、ジャッカル(殺し屋=CIA)による反対する指導者の暗殺事故死などによる排除です。
それでも思うように行かないときアメリカ軍による軍事行動、つまり戦争を仕掛けます。

すべては、ドルの国際基軸通貨の地位を保つことによってナンバーワンの覇権国家の地位を守り、失わないためです。
典型的な例が、イラクのサダム・フセイン大統領でした。
アメリカの謀略によってありもしない大量秘密兵器隠匿を理由に、アメリカ軍がイラクに戦争を仕掛けました。
サダム・フセインアメリカの怒りを買ったのは、石油代金決済をドルではなくてユーロに切り替えると言ったことが原因です。
アメリカの逆鱗に触れ、虎の尾を踏んでしまいました。

著者は、自分が関係した発展途上国が、アメリカの新・植民地になっており、利益はすべてアメリカに還流していて、現地では劣悪な条件下で酷使されている人々の実態を知ります。

このアメリカのやり口を、露骨に真似てやってるのが中国です。
中国は70年代にアフリカ諸国で、これをやりましたが、あまりに傲慢な上から目線の態度だったので総スカンを食らって退却しました。
何とかに刃物で、経済力・軍事力を背景に、また覇権主義丸出しを始めています。

ドル基軸体制に危機感を抱いたアメリカは、反中国の旗色を鮮明にした政策を打ち出しているような感じです。
もうすでにロスチャイルド一族は、次の覇権国家は中国だと見なして、中国での活躍を広げています。

勝負が決着するにはまだ数十年かかるでしょうが、結果は見えているように感じます。
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21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月3日に日本でレビュー済み
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世界中で起きている事の中心に、がアメリカの富を守る為やアメリカ企業が栄える為に、独裁者を作り援助するのが、良く分かります。
著者の良心が書かせた本、出版できて良かったと真に思います
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界中には私達の知らないところでエコノミックヒットマンという人達が暗躍しているようだ。 エコノミックヒットマンの仕事とはアメリカの大企業の意向をうけて「世界各国の指導者たちを、アメリカの商業利益を促進する巨大ネットワークに取り込むこと」であるという。

それによって「最終的には、そうした指導者達は負債という罠に絡めとられて、忠誠を誓わざるを得なくなる。そうしておけば必要なときにいつでも彼らを利用できる-政治的、経済的、あるいは軍事的な必要を満たすために。それと引き換えに彼らは、工業団地や発電所や空港を国民に提供することで元首として地盤を固められる。そしてアメリカのエンジニアリング会社や建設会社は莫大な利益を得られる」という。

この本は実際にエコノミックヒットマンとして世界を飛びまわった人物によって書かれた実話である。

エコノミックヒットマンが各国の指導者の取り込みに失敗したときは、アメリカのCIAの残忍な通称ジャッカル達が送り込まれて、不慮の「事故」に見せかけて暗殺されたり、地位を追われ失脚させられたりするという。 そしてジャッカルたちも取り込みに失敗したらお次は世界最強の軍隊の登場というわけだ。

アマゾン川流域の地下に大量の油田が眠っているエクアドルでは、アメリカから石油の採掘権という形で容赦ない要求を突きつけられた。そしてエコノミックヒットマンが関わったプロジェクトのせいで対外債務まみれになった。大多数の貧困層が生み出されそれを救済するために割く予算もなくなった。そして美しい熱帯雨林は広域に破壊汚染され、先住民のインディオも滅亡の危機にさらされた。エクアドルの大統領だったロルドスは、外国企業にたいしてエクアドル国民のためになる計画を実行しない限り強制的にこの国から追い出すと警告をしたために「ヘリコプター事故」によって命を落とした。

その二ヶ月後には、パナマの自治権を主張しパナマ運河を取り戻そうと考えていた英雄オマール・トリホス将軍は、エコノミックヒットマンが取り込むことができなかったために彼は「飛行機事故」で命を落とした。

そしてその後を継いだマヌエル・ノリエガは軍隊や暗殺者の訓練所である米州学校の設置期限の延長を拒否したがために、アメリカはパナマに無差別の大々的な空爆を行った。「ただ一握りの権力のある政治家と企業の経営陣の思惑を、果敢にも無視してしまっただけ」でである。 

またエコノミックヒットマンもCIAのジャッカルも取り込みに失敗したいい例はイラクのサダム・フセインだった。 アメリカ政府や大企業たちの真の狙いとそれによって自国に将来招かれる不幸を予見していたフセインは、彼らの要求を頑なに拒み続けた。 そしてクウェートに侵攻したのをいいことにアメリカは軍隊を送り込みイラクはズタズタにされた。 フセインは確かに独裁者だったかもしれないが、角度を変えてみればアメリカや西欧の毒牙から自国を必死に守ろうとした熱烈な「愛国者」だったとみることができる。

しかし、このような途上国を奴属させようとする大企業の多くの従業員たちは、ほかの大多数のアメリカ人と同じく、「自分達は世界の国々のために発電プラントや高速道路や港湾設備を作る手助けをしていると信じて」いたのだそうで、それはアメリカを世界規模の帝国に変身させるためであったという事実に気づこうとしないのだ。 逆に彼らに罪の意識がないからこそ危険なのかもしれない。 

私はこの本を読んで思ったことがある。 わが国において小泉前首相と竹中平蔵はエコノミックヒットマンに取り込まれたいい例なのではないかと。 個人的には反対だが、良いにしろ悪いにしろ小泉以来の規制緩和によってわが国でも外国の企業の参入が容易になったし、また中産階級の数がどんどん減っていき経済的格差が広がってきている。 

そしてわが国においてエコノミックヒットマンが取り込みに失敗したいい例は田中角栄だったのではないか。 独自の石油外交を展開しようとしたがためにCIAのジャッカルたちによって首相の地位を失脚させられたのではないか・・・。

また今議論にあがっているTPPに賛成派はまさにエコノミックヒットマンに取り込まれようとしている連中ではないのか。もちろんTPPに参加すればあらゆるものが規制緩和されるので外国の大企業は巨大な市場である日本を格好の餌とするに違いない。

この本には他にもいろんなことが書いているが、それは実際にこの本を手にして読んでもらいたい。 世界中には私達の知らないところでエコノミックヒットマンという人達が暗躍しているようだ。 エコノミックヒットマンの仕事とはアメリカの大企業の意向をうけて「世界各国の指導者たちを、アメリカの商業利益を促進する巨大ネットワークに取り込むこと」であるという。

それによって「最終的には、そうした指導者達は負債という罠に絡めとられて、忠誠を誓わざるを得なくなる。そうしておけば必要なときにいつでも彼らを利用できる-政治的、経済的、あるいは軍事的な必要を満たすために。それと引き換えに彼らは、工業団地や発電所や空港を国民に提供することで元首として地盤を固められる。そしてアメリカのエンジニアリング会社や建設会社は莫大な利益を得られる」という。

この本は実際にエコノミックヒットマンとして世界を飛びまわった人物によって書かれた実話である。

エコノミックヒットマンが各国の指導者の取り込みに失敗したときは、アメリカのCIAの残忍な通称ジャッカル達が送り込まれて、不慮の「事故」に見せかけて暗殺されたり、地位を追われ失脚させられたりするという。 そしてジャッカルたちも取り込みに失敗したらお次は世界最強の軍隊の登場というわけだ。

アマゾン川流域の地下に大量の油田が眠っているエクアドルでは、アメリカから石油の採掘権という形で容赦ない要求を突きつけられた。そしてエコノミックヒットマンが関わったプロジェクトのせいで対外債務まみれになった。大多数の貧困層が生み出されそれを救済するために割く予算もなくなった。そして美しい熱帯雨林は広域に破壊汚染され、先住民のインディオも滅亡の危機にさらされた。エクアドルの大統領だったロルドスは、外国企業にたいしてエクアドル国民のためになる計画を実行しない限り強制的にこの国から追い出すと警告をしたために「ヘリコプター事故」によって命を落とした。

その二ヶ月後には、パナマの自治権を主張しパナマ運河を取り戻そうと考えていた英雄オマール・トリホス将軍は、エコノミックヒットマンが取り込むことができなかったために彼は「飛行機事故」で命を落とした。

そしてその後を継いだマヌエル・ノリエガは軍隊や暗殺者の訓練所である米州学校の設置期限の延長を拒否したがために、アメリカはパナマに無差別の大々的な空爆を行った。「ただ一握りの権力のある政治家と企業の経営陣の思惑を、果敢にも無視してしまっただけ」でである。 

またエコノミックヒットマンもCIAのジャッカルも取り込みに失敗したいい例はイラクのサダム・フセインだった。 アメリカ政府や大企業たちの真の狙いとそれによって自国に将来招かれる不幸を予見していたフセインは、彼らの要求を頑なに拒み続けた。 そしてクウェートに侵攻したのをいいことにアメリカは軍隊を送り込みイラクはズタズタにされた。 フセインは確かに独裁者だったかもしれないが、角度を変えてみればアメリカや西欧の毒牙から自国を必死に守ろうとした熱烈な「愛国者」だったとみることができる。

しかし、このような途上国を奴属させようとする大企業の多くの従業員たちは、ほかの大多数のアメリカ人と同じく、「自分達は世界の国々のために発電プラントや高速道路や港湾設備を作る手助けをしていると信じて」いたのだそうで、それはアメリカを世界規模の帝国に変身させるためであったという事実に気づこうとしないのだ。 逆に彼らに罪の意識がないからこそ危険なのかもしれない。 

私はこの本を読んで思ったことがある。 わが国において小泉前首相と竹中平蔵はエコノミックヒットマンに取り込まれたいい例なのではないかと。 個人的には反対だが、良いにしろ悪いにしろ小泉以来の規制緩和によってわが国でも外国の企業の参入が容易になったし、また中産階級の数がどんどん減っていき経済的格差が広がってきている。 

また今議論にあがっているTPPに賛成派はまさにエコノミックヒットマンに取り込まれようとしている連中ではないのか。もちろんTPPに参加すればあらゆるものが規制緩和されるので外国の大企業は巨大な市場である日本を格好の餌とするに違いない。

この本には他にもいろんなことが書いているが、それは実際にこの本を手にして読んでもらいたい。 
57人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年4月20日に日本でレビュー済み
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資源国で有りながら貧しい国にエコノミック・ヒットマンを送り、資源開発とインフラ整備を持ちかけるのは資本主義の原則ではないか。 しかしこの説得に合意しないときにはジャッカルを送り暴動、暗殺を指揮し傀儡政権を樹立してアメリカの奴隷国家にする。 中、南米で繰り返されてきた政変劇である。 愛国心のある政治指導者は決して賄賂には動じない。 彼らは自らの命と引き換えに国益を守る。 他国には人権を強要しながら自らは人権を踏みにじっているダブル・スタンダードのアメリカ帝国主義。 IMFや世界銀行を使い貧国を借金漬けにして返済不能にする。 その後は金融、経済システムのアメリカ企業による乗っ取りである。 これに抵抗すれば軍隊が送り込まれる。 企業経営者は思い悩む。 悪徳によって企業を存続させるか、良心に基ずいて企業を解散させるか。 帝国主義的資本主義とは資源国の犠牲の上に成り立つ悪徳の経済学である。 著者は良心の呵責からアメリカ帝国主義を告発する。 生命を賭けた勇気ある行動である。 この出版は逆に彼の生命を保証しているという。 すなわち出版前の発覚であるなら暗殺されていたであろう。 言論の自由が保障されいないアメリカはナチスの再来か。 
41人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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