本書は野村総合研究所が毎年出版している、IT市場における技術の変化やマーケットの動向分析と予測を目的としたものであり、今後5年程度のIT市場の羅針盤となり得るものである。
特に近年のトレンドとしては、UberやAirbndなどに見る通り、個人やベンチャーがモバイルやソーシャルの力を活かして短期間で新たなビジネスが立ち上げられる時代となったこと、「個人のエンパワーメント」が生まれ、大企業から個人にパワーシフトが起こっていることが特徴と云える。
国内のB2Bロボット市場は、現状はインダストリーが8割以上を占めるが、今後は介護や接客などのサービス、建設や作業などのインフラ分野の伸びが期待され、市場規模も今後10年で3倍、20年で5倍になるという予測が立てられている。
その他、フィンテックや農業分野でのIT活用等、様々な分野でのIT活用の可能性についても触れられている。
「未来予想図」としても参考になる手頃な一冊である。
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