先日千葉市民会館において「ちばエコ農産物」販売促進検討会議が開催された。主催は森田健作知事で話題の千葉県庁。参集者はちばエコ生産農家、市場関係者(県内外)、スーパー、生協関係者などである。何について話し合ったのか、かいつまんで言えば、ちばエコ農産物をいかにして浸透させ安全・安心を謳い消費者に提供するにはという話し合いだった。市場関係者からは「品質の統一、ならびに出荷量の安定化」と私には聞こえた。一方、会場の農家からは「自分らの取り組みが消費者に掲示する方法に改善の余地あり」この意見の方はちばエコホームページ場に、生産の内容がわかりやすく表示されていないという意見であった。「新鮮・おいしい・安心・安全」への取り組みは難儀なことである。
暴論かも知れないが、東京の市場に視察にいくと日本中から多種多様の野菜が集積されている。その箱には「○○エコ栽培」と謳われているものが目に付く。近年、マスコミでも大きく報道された食品の汚染、偽装。産地で頑張っている個人、生産グループは栽培履歴やさまざまなエコ栽培への取り組みには取り掛かっている。地道な管理と研究。天候や資材費高騰への対処も含めながら求めるのはおなじ「おいしい野菜作り」である。筆者である武田氏のこの本には、私の探していたアドバイスが系統立てて紹介されており、とても参考になった。
「エコだから美味しいですよ」といううたい文句で野菜をうまいなどとは口が曲がってもいうべきではないと私は思う。多くの先達の農家が苦心してきたのは管理の技術と対処法であると思う。野菜の
表情、これは確かにある。なぜだろう、なぜこんなに「べと」や「ぼと」にやられるのか？ものにならなくて臍を咬む思いはだれにも経験はあると思うが苦く苦しい思いだ。すべては「おいしい」という結果へのあくなき求道だと思う。
本書を手に取り、またまた百人力の力を得たように思う。畑への施肥は引き算ができない。入れすぎ
で崩したバランスの矯正に多くの農家が難儀をしている。エコだからといって、姿形が悪くては商売にはならない。「きれい・高品質・健全・多収」まで辿り着きかなくては経営が成り立たないのだ。
それがこの商売の難しさであり腕の振るいどころでもある。
「水・湿度・肥料」一体で上手に効かす施肥の技術をやさしく系統立て紹介したのが本書です。ご同業、新規就農された若い農業者のみなさん、ぜひお手に取りごらんください。地域変われば水も土めも違いますが、おうおうにして参考にはなるかと思います。ぜひご覧ください。
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