
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
地獄の淵から:ヨーロッパ史1914-1949 (シリーズ近現代ヨーロッパ200年史 全4巻) 単行本 – 2017/2/22
英国の泰斗が20世紀前半を通観。二度の世界大戦を軸に、政治・経済・文化と各地域を網羅、学識と読みやすさを兼ね備えた決定版!
- 本の長さ512ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2017/2/22
- 寸法16 x 4 x 21.6 cm
- ISBN-104560095361
- ISBN-13978-4560095362
この商品を見た後に買っているのは?
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1943年、英国オールダム生まれ。現在、英国シェフィールド大学名誉教授。ドイツ現代史、ナチズム研究の世界的な権威であり、英国勲爵士への叙勲をはじめ、数多くの学術賞を受賞している。主要著書として『ヒトラー 権力の本質』、『運命の選択1940-41 世界を変えた10の決断』、『ヒトラー 上1989-1936 傲慢』『ヒトラー 下 1936-1845 天罰』(以上、白水社)、『ヒトラー神話 第三帝国の虚像と実像』(刀水書房)などの邦訳がある。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2017/2/22)
- 発売日 : 2017/2/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 512ページ
- ISBN-10 : 4560095361
- ISBN-13 : 978-4560095362
- 寸法 : 16 x 4 x 21.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 503,275位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,840位ヨーロッパ史
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
8グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヒトラー研究では第一人者と言って良い、イアンカーショー氏の20世紀前半の世界史概要です。翻訳の文章も読みやすく、元が良いのでしょう。どんどん引き込まれていきます。まだ4冊シリーズの続編は出版されていないようですね。
近代の歴史書を読んでいれば、大方知らないことは出てこないですが、何を言いたいのか見失ってしまうマクニール氏(父の方)よりは、私は読みやすいと感じています。またヒトラー本同様、紙面にゆとりがあるのでいろいろ逸話も混ぜて解説してくれるので手元に置いておきたい書籍です。
近代の歴史書を読んでいれば、大方知らないことは出てこないですが、何を言いたいのか見失ってしまうマクニール氏(父の方)よりは、私は読みやすいと感じています。またヒトラー本同様、紙面にゆとりがあるのでいろいろ逸話も混ぜて解説してくれるので手元に置いておきたい書籍です。
2021年1月6日に日本でレビュー済み
本書は、二度の大戦と戦間期を、その前後の期間まで含めて描き出した本。
二段組で500ページほどと言う大著だが、それでもこの期間に描くべき内容は非常に多く、これだけの紙面でもかなり駆け足に思える。
やはり主軸は英仏独露(ソ)で、第一次大戦ではオーストリア、第二次大戦ではイタリアやスペインには紙面が割かれているが、それ以外の国は各国1ページ弱のような触れられ方で通り過ぎていく。もう少し触れてくれてもいいのにとは思うが、それをしようと思うとこの期間だけで上下二巻が必要になってしまうのだろう。
やはりヒトラー研究の大家だけあって、第二次大戦についてはナチスドイツの記述が厚い。ただし戦史家ではないので、戦闘に関する記述はそこまで多くなく、それについては他書(例えば大木 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 など)を読むといいだろう。
ナチス期の記述の厚さと対比すると、世界恐慌に関する記述が思ったよりもあっさりと進んでしまった印象がある。
特徴的なのは第二次大戦後に置かれた9章で、ここで文化、宗教、産業などのこの期間の変化についてまとめてくれている。
映画の普及の話から、カトリックとナチスの(嬉しからざる)関係などまで書かれていて、なかなか面白かった。
10章は戦後復興の話で、ここはジャット と重複する(ジャット書の方が詳しい)感じであった。
信頼できる著者による厚い書だが、それでも通史なので、個別のことに興味を持ったらそれに絞った著作を読み進めるといいだろう。
本書でもある程度触れられているが、例えば第一次大戦後の東欧、南欧での凄惨な進展についてはゲルヴァルト 敗北者たち――第一次世界大戦はなぜ終わり損ねたのか 1917-1923 、ウクライナからポーランドにまたがる肥沃な大地での大虐殺の実態についてはシュナイダー ブラッドランド (上下): ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 などがさらに詳しい叙述を与えてくれる。
本書はこの時代の全体像をとらえるうえでのよい土台を与えてくれるだろう。
二段組で500ページほどと言う大著だが、それでもこの期間に描くべき内容は非常に多く、これだけの紙面でもかなり駆け足に思える。
やはり主軸は英仏独露(ソ)で、第一次大戦ではオーストリア、第二次大戦ではイタリアやスペインには紙面が割かれているが、それ以外の国は各国1ページ弱のような触れられ方で通り過ぎていく。もう少し触れてくれてもいいのにとは思うが、それをしようと思うとこの期間だけで上下二巻が必要になってしまうのだろう。
やはりヒトラー研究の大家だけあって、第二次大戦についてはナチスドイツの記述が厚い。ただし戦史家ではないので、戦闘に関する記述はそこまで多くなく、それについては他書(例えば大木 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 など)を読むといいだろう。
ナチス期の記述の厚さと対比すると、世界恐慌に関する記述が思ったよりもあっさりと進んでしまった印象がある。
特徴的なのは第二次大戦後に置かれた9章で、ここで文化、宗教、産業などのこの期間の変化についてまとめてくれている。
映画の普及の話から、カトリックとナチスの(嬉しからざる)関係などまで書かれていて、なかなか面白かった。
10章は戦後復興の話で、ここはジャット と重複する(ジャット書の方が詳しい)感じであった。
信頼できる著者による厚い書だが、それでも通史なので、個別のことに興味を持ったらそれに絞った著作を読み進めるといいだろう。
本書でもある程度触れられているが、例えば第一次大戦後の東欧、南欧での凄惨な進展についてはゲルヴァルト 敗北者たち――第一次世界大戦はなぜ終わり損ねたのか 1917-1923 、ウクライナからポーランドにまたがる肥沃な大地での大虐殺の実態についてはシュナイダー ブラッドランド (上下): ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 などがさらに詳しい叙述を与えてくれる。
本書はこの時代の全体像をとらえるうえでのよい土台を与えてくれるだろう。
2019年12月23日に日本でレビュー済み
イアン・カーショーが描く通史は第一次大戦(1914)から東西冷戦勃発(1949)までのヨーロッパ史である。英国のドイツ史家カーショーのオリジナリティーは、東西冷戦開始までを該博な知識で埋め合わせることである。東西冷戦開始こそ、第一次大戦が未解決の問題として残した課題であったからだ。連合国は社会主義ソ連に向き合うことなく、ヤルタ会談でソ連を連合国側に入れた。そのツケが冷戦の嵐となって吹き出したのである。
膨大な通史を叙述するに当たり、著者が提示した観点は四つに絞られる。①民族主義・人種差別主義的なナショナリズム。→ドイツの反ユダヤ主義とユダヤ人虐殺に収斂される。②領土修正主義を目指す激しい要求。→東欧諸国の民族自決主義による独立達成と旧ソ連の衛星国化。③ロシア革命によって火が点いた尖鋭な階級闘争→社会主義(マルクス・レーニン主義)への対応。④長期化する資本主義の危機。?→世界恐慌への対応、特にニューディール政策とブロック経済。
本書を読めば、第一次大戦が残した未解決の緒課題が 第二次大戦を生み出したことが明解である。ここにカーショーの本領がある。ナチスの台頭はドイツ史を見るだけではわからない。ヨーロッパ史全体(旧ソ連も含め)を見通す視点が必要である。ドイツ史を学ぶとは、ヨーロッパ史(アメリカ史も含めて)をひとつの大きな全体として捉えることなのである。
本書は見事にそれを達成している。時間をかけて、急がずに本書を読みたいものだ。時には引き返すことも しながら。
お勧めの現代ヨーロッパ史である。
膨大な通史を叙述するに当たり、著者が提示した観点は四つに絞られる。①民族主義・人種差別主義的なナショナリズム。→ドイツの反ユダヤ主義とユダヤ人虐殺に収斂される。②領土修正主義を目指す激しい要求。→東欧諸国の民族自決主義による独立達成と旧ソ連の衛星国化。③ロシア革命によって火が点いた尖鋭な階級闘争→社会主義(マルクス・レーニン主義)への対応。④長期化する資本主義の危機。?→世界恐慌への対応、特にニューディール政策とブロック経済。
本書を読めば、第一次大戦が残した未解決の緒課題が 第二次大戦を生み出したことが明解である。ここにカーショーの本領がある。ナチスの台頭はドイツ史を見るだけではわからない。ヨーロッパ史全体(旧ソ連も含め)を見通す視点が必要である。ドイツ史を学ぶとは、ヨーロッパ史(アメリカ史も含めて)をひとつの大きな全体として捉えることなのである。
本書は見事にそれを達成している。時間をかけて、急がずに本書を読みたいものだ。時には引き返すことも しながら。
お勧めの現代ヨーロッパ史である。
2018年5月7日に日本でレビュー済み
ナチスドイツ研究の泰斗である著者のヨーロッパ近(現)代史です。
和訳も平易で読みやすく、この時代に関心のある方にはお薦めの一冊です。
ヨーロッパの近(現)代史を、第一次世界大戦前の1914年の姿から説き起こし、現代ヨーロッパの基礎が作られた1949年頃までを、相互連関する一体の歴史として描きます。
ヨーロッパの国家間関係や政治・経済の仕組みが、第一次世界大戦を経て破壊され、20~30年代を通じてカオス化する。
民族主義の台頭・共産主義の勃興・封建体制の崩壊が噴出し、それぞれの国の事情に従って再編に尽力するが調整できず、政治も経済も社会も不安定なまま、ナチスドイツに引きずられる形で第二次世界大戦となってゆく。
第二次世界大戦後は、第一次世界大戦前のヨーロッパと様相が一変した世界が生まれる。
そこに姿を現したのは、新たなヨーロッパの盟主、資本(自由)主義の経済大国アメリカと社会(全体)主義の軍事大国ソ連だった。ヨーロッパはいやがおうでも冷戦構造に巻き込まれてゆく・・・。
こういう捉え方は、物語性があって理解が進みます。
ヨーロッパ史とはいえ、著者の専門上ドイツの記述が厚くなっていますが、両大戦とも中心はドイツでしたから違和感はありません。
むしろ、ドイツが中心に据わっているため各国間相互の連関が分かり易くなっています。
ヨーロッパ史では、ピューリタン革命(1640年代)からドイツ統一(1990年)までを「近代史」、1990年以降を「現代史」に区分していますので、1914年~1949年というのは、「近代後半」てことになります。(1980年代までは、1914年以降が「現代史」でした)
ヨーロッパそれぞれの国の歴史があり、陸続きであるが故に民族・国家間の相互連関が密であったため切り分けづらく、長い時代区分になってしまうんですが、1914~1949までを一括りにしてみると、おもしろいほどに理解が進みます。
是非、ご一読ください。
和訳も平易で読みやすく、この時代に関心のある方にはお薦めの一冊です。
ヨーロッパの近(現)代史を、第一次世界大戦前の1914年の姿から説き起こし、現代ヨーロッパの基礎が作られた1949年頃までを、相互連関する一体の歴史として描きます。
ヨーロッパの国家間関係や政治・経済の仕組みが、第一次世界大戦を経て破壊され、20~30年代を通じてカオス化する。
民族主義の台頭・共産主義の勃興・封建体制の崩壊が噴出し、それぞれの国の事情に従って再編に尽力するが調整できず、政治も経済も社会も不安定なまま、ナチスドイツに引きずられる形で第二次世界大戦となってゆく。
第二次世界大戦後は、第一次世界大戦前のヨーロッパと様相が一変した世界が生まれる。
そこに姿を現したのは、新たなヨーロッパの盟主、資本(自由)主義の経済大国アメリカと社会(全体)主義の軍事大国ソ連だった。ヨーロッパはいやがおうでも冷戦構造に巻き込まれてゆく・・・。
こういう捉え方は、物語性があって理解が進みます。
ヨーロッパ史とはいえ、著者の専門上ドイツの記述が厚くなっていますが、両大戦とも中心はドイツでしたから違和感はありません。
むしろ、ドイツが中心に据わっているため各国間相互の連関が分かり易くなっています。
ヨーロッパ史では、ピューリタン革命(1640年代)からドイツ統一(1990年)までを「近代史」、1990年以降を「現代史」に区分していますので、1914年~1949年というのは、「近代後半」てことになります。(1980年代までは、1914年以降が「現代史」でした)
ヨーロッパそれぞれの国の歴史があり、陸続きであるが故に民族・国家間の相互連関が密であったため切り分けづらく、長い時代区分になってしまうんですが、1914~1949までを一括りにしてみると、おもしろいほどに理解が進みます。
是非、ご一読ください。
2017年3月28日に日本でレビュー済み
2016年、出版された「ヒトラー・驕慢」「ヒトラー・天罰」の著者、イアン・カーショーの最新作(2015年原著発行)の翻訳です。
表題のとおり、20世紀前半の欧州の歴史を概観した著作です。
全体の流れの記述はさほど新鮮味はありませんが、著者の専門分野であり、大戦の主役であったドイツ以外の国々の事象も、簡単すぎず、詳細すぎず、触れられており、興味深く読めました。ドイツ・ソ連・英国の関係がこうであった時期に、これまでボンヤリとしか知らなかったその他の国々の国内状況が具体的に分かり、おおいに参考になりました。
また、記述をドイツの無条件降伏で打ち切らず、復興のあり方を第1次大戦後のそれと比較し、戦争とその惨禍に隠れた20世紀前半の社会・経済・文化・協会の変化を記述した最後の2章はユニークだと思います。
本文だけで、2段組500頁近い大部で、尻込みしそうですが、現在の欧州の姿が形作られた直接の経緯が、平易にまとめられているので、ソフトカバーや新書で刊行され、幅広く読まれることを期待します。
表題のとおり、20世紀前半の欧州の歴史を概観した著作です。
全体の流れの記述はさほど新鮮味はありませんが、著者の専門分野であり、大戦の主役であったドイツ以外の国々の事象も、簡単すぎず、詳細すぎず、触れられており、興味深く読めました。ドイツ・ソ連・英国の関係がこうであった時期に、これまでボンヤリとしか知らなかったその他の国々の国内状況が具体的に分かり、おおいに参考になりました。
また、記述をドイツの無条件降伏で打ち切らず、復興のあり方を第1次大戦後のそれと比較し、戦争とその惨禍に隠れた20世紀前半の社会・経済・文化・協会の変化を記述した最後の2章はユニークだと思います。
本文だけで、2段組500頁近い大部で、尻込みしそうですが、現在の欧州の姿が形作られた直接の経緯が、平易にまとめられているので、ソフトカバーや新書で刊行され、幅広く読まれることを期待します。