例えば、在日「朝鮮人」という呼称一つをとってみても、なぜ「"朝鮮"人」なのか、ということを考えねばならない。筆者はそこから丁寧に説明してくれる。「中学生の質問箱」の名にふさわしく、届けたい、という真摯な思いに満ちた一冊となっている。もちろん、それにふさわしい書き方、分量、そして構成が採られており、中学生から大人まで、たくさんの人々に開かれた書だと言える。
そして私にとって大きかったのは、本書のコラムに紹介されている宗秋月という詩人、あるいはその随想に登場する文今分オモニの詩と出会えたということだ。
宗秋月、そして文今分オモニの言葉は、ポストコロニアルの日本語、日本語文学について考えていく…という私の生涯のテーマに、破格の示唆を与えてくれた。本書を読了後に即時購入した『猪飼野タリョン』および『宗秋月全集』は、おそらく、私の一生涯を賭して読み込んでいく書になると思う。
個人的な信条として、「真の良書とは、他の無数の良書への道を開いてくれるものである」という思いがあるのだが、本書、徐京植『在日朝鮮人ってどんなひと?』は、まさに、そんな良書の典型であった。
著者、及び編集者に、最大限の敬意と謝意を表したい。
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在日朝鮮人ってどんなひと? (中学生の質問箱) 単行本 – 2012/1/26
徐 京植
(著)
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現代社会の情報過剰で全体像がとらえにくい問題を、テーマごとにまるまる一冊、中学生目線の素朴な疑問に第一人者が答える形でひも解いてゆくシリーズ。第一弾は「在日朝鮮人」を知る!
- ISBN-104582835554
- ISBN-13978-4582835557
- 出版社平凡社
- 発売日2012/1/26
- 言語日本語
- 寸法13 x 1.9 x 18.8 cm
- 本の長さ256ページ
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2012/1/26)
- 発売日 : 2012/1/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4582835554
- ISBN-13 : 978-4582835557
- 寸法 : 13 x 1.9 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 140,236位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2017年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
差別を経験されてきた方の考えを知り、視野を広げるのに役立ちました。
中学生向きに書かれた本ですが、大学生の私が読んでもためになることが書かれてあり、高校生や大学生でも読むべきだと思います。
中学生向きに書かれた本ですが、大学生の私が読んでもためになることが書かれてあり、高校生や大学生でも読むべきだと思います。
2024年1月24日に日本でレビュー済み
中学生向けに書かれたという事だが大人が読んでこそ価値があると思う。
著者の徐京植氏といえばNHK こころの時代での物静かな語り口の印象がある、昨年お亡くなりになったが著書を読んでみたくてこの本を手に取った。
在日朝鮮人の歴史は自分自身ある程度は知っている積もりではあったが、それは誤りだった。
強引に併合され日本人にされ創始改名させられ強引に連れてこられ、一方であからさまな差別、戦後は無国籍にされ外国人にされ差別され続ける。
日本政府は常にその場しのぎの対応で彼等の人権など微塵も考慮しない。
それらに対して日本人は今一度向き合うべきだ。
若い人も良い年した大人もこの本で学ぶ事で国際的な人間に近づけると思った。
著者の徐京植氏といえばNHK こころの時代での物静かな語り口の印象がある、昨年お亡くなりになったが著書を読んでみたくてこの本を手に取った。
在日朝鮮人の歴史は自分自身ある程度は知っている積もりではあったが、それは誤りだった。
強引に併合され日本人にされ創始改名させられ強引に連れてこられ、一方であからさまな差別、戦後は無国籍にされ外国人にされ差別され続ける。
日本政府は常にその場しのぎの対応で彼等の人権など微塵も考慮しない。
それらに対して日本人は今一度向き合うべきだ。
若い人も良い年した大人もこの本で学ぶ事で国際的な人間に近づけると思った。
2014年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日韓の歴史を、分かりやすく、子ども目線で書いて下さったのが、印象的ですが、日本にいるすべての大人が読むべき本でしょう!
今ある韓国を韓国人ではなく、あえて、差別的な呼び方をされた朝鮮人と、わが身を呼ぶところに、共感を得ました。
在日には、自信と誇りを与え、日本人には、歴史の真実を知り、明日の希望を与える本だと信じています。こんな素敵な本を書いて下さった
除京植氏に感謝!感謝!
今ある韓国を韓国人ではなく、あえて、差別的な呼び方をされた朝鮮人と、わが身を呼ぶところに、共感を得ました。
在日には、自信と誇りを与え、日本人には、歴史の真実を知り、明日の希望を与える本だと信じています。こんな素敵な本を書いて下さった
除京植氏に感謝!感謝!
2016年9月25日に日本でレビュー済み
入門書以上のとても有用な基本図書です。
いろいろな理由をつけてけなしているレビューがありますが、知らずにいたのでうろたえているのか、初めて知って慌てているのか、読み始めたはいいが「愛国心」が崩れそうでパニクってるのか、惑わされずに読んでください。
及ばずながら日本の近現代史を勉強しようと、「しなおそうと」ではなく勉強「しよう」と、この2年間ほど主に歴史家、歴史研究者たちによる「史料に基づく」著作を読んできた。朝鮮半島の現代史も数冊、最近の日本における特に嫌韓蔑韓の潮流についても実態を描くと言えるものを読んできた。これからも読み続けるつもりです。
それらと照らし合わせて今言えることは、本書は読者として対象にされている中学生だけでなく、大人にとっても必読書だ。
宮台真司氏の言う「失敗学」が行われないこの国、「丁寧な説明をする」などというウソで国民を愚弄する総理大臣、それを「他よりはマシだから」などと支持する多数の人々、みなブレア政権の追米中東出兵を真剣に検証する国についてのニュースなどには目をつぶり耳をふさいで見もせず読まないのだろう。お上の言うことをそっくりそのまま自分の考えること、言うことにして安心していたいのだろう。
いくらかでもそうでない人はぜひ読んでみてほしい。全部信じろなどとはいわない。たぶんものの見え方がかわります。かわっても死にはしないしね。
いろいろな理由をつけてけなしているレビューがありますが、知らずにいたのでうろたえているのか、初めて知って慌てているのか、読み始めたはいいが「愛国心」が崩れそうでパニクってるのか、惑わされずに読んでください。
及ばずながら日本の近現代史を勉強しようと、「しなおそうと」ではなく勉強「しよう」と、この2年間ほど主に歴史家、歴史研究者たちによる「史料に基づく」著作を読んできた。朝鮮半島の現代史も数冊、最近の日本における特に嫌韓蔑韓の潮流についても実態を描くと言えるものを読んできた。これからも読み続けるつもりです。
それらと照らし合わせて今言えることは、本書は読者として対象にされている中学生だけでなく、大人にとっても必読書だ。
宮台真司氏の言う「失敗学」が行われないこの国、「丁寧な説明をする」などというウソで国民を愚弄する総理大臣、それを「他よりはマシだから」などと支持する多数の人々、みなブレア政権の追米中東出兵を真剣に検証する国についてのニュースなどには目をつぶり耳をふさいで見もせず読まないのだろう。お上の言うことをそっくりそのまま自分の考えること、言うことにして安心していたいのだろう。
いくらかでもそうでない人はぜひ読んでみてほしい。全部信じろなどとはいわない。たぶんものの見え方がかわります。かわっても死にはしないしね。
2013年11月16日に日本でレビュー済み
一方的にしばかれ続けるので、多くの人は読んでいて一度は不快になると思います(私もでした。笑)
感情に負けず、最後まで読みましょう。知らなかったことが色々出てくるはずです。
タイトルの在日朝鮮人の人権にとどまらず、戦争責任・南北統一・拉致問題などと全部繋がっていることがよくわかります。
読者が次に必要な作業は、この本をクリティカルに読むこと。
日本政府側の言い分を検証し、この本と突き合わせて考える。国際法の観点も必要かも知れません。
それを経て、ようやく著者と平等な立場で対話できると思います。
我々がよく考えて次の行動を取る必要があるでしょう。この問題は早く何とかしないと、日本を含め誰にとっても得になりませんからね。。
感情に負けず、最後まで読みましょう。知らなかったことが色々出てくるはずです。
タイトルの在日朝鮮人の人権にとどまらず、戦争責任・南北統一・拉致問題などと全部繋がっていることがよくわかります。
読者が次に必要な作業は、この本をクリティカルに読むこと。
日本政府側の言い分を検証し、この本と突き合わせて考える。国際法の観点も必要かも知れません。
それを経て、ようやく著者と平等な立場で対話できると思います。
我々がよく考えて次の行動を取る必要があるでしょう。この問題は早く何とかしないと、日本を含め誰にとっても得になりませんからね。。
2013年2月28日に日本でレビュー済み
1.内容
最近は、高校無償化(高等学校等就学支援金制度)制度が朝鮮学校に適用されるかだとか、在日特権を許さない市民の会の活動だとかが世間を賑わしているが、そもそもなぜ、いわゆる在日朝鮮人(用語の問題はあるが、著者の用語に従う。p45から参照)が日本におり、問題とされているのかを、日韓併合(植民地支配)近辺から、現代までを、在日朝鮮人の証言を交えつつ語ったものといえる。
2.評価
著者は法学部教授だが、法律の専門家ではなさそう(後述)。在日朝鮮人の側から見た、日本社会において連綿と続いている在日朝鮮人差別や生きづらさの様が示されている(創氏改名を受け入れないと現在の日本に渡航できず不便だったり、ドイツやフランスと違い突然日本国籍を剥奪された上に選択できなかったり、など)。ただ、著者は法律の専門家ではないからか(だから書いてはいけないとは書いていない)、「国籍の決め方」(p39)の記述については疑問がある。もちろん、日本の国籍取得が不当に厳しいところがあるのは否定しない(要件が厳しい上に法務大臣の自由裁量だという。p158〜165)し、かつては日本国籍があったのに勝手に奪われたのはよくない。だからと言って、出生地主義を是とするトーン(p39からも伺えるので、ご一読)は疑問である。「『血統主義』」(p39)は、日本独特というわけでもないし(いわゆる大陸法系がそうらしい。『法律学小事典』の当該箇所参照)、絶対に間違っているとも言えない。以上のように、日本社会に連綿と続いている在日朝鮮人問題を理解するのに有益な点で星5つ、主に国籍取得について記述に疑問があるので星1つ減らして、星4つとする。
最近は、高校無償化(高等学校等就学支援金制度)制度が朝鮮学校に適用されるかだとか、在日特権を許さない市民の会の活動だとかが世間を賑わしているが、そもそもなぜ、いわゆる在日朝鮮人(用語の問題はあるが、著者の用語に従う。p45から参照)が日本におり、問題とされているのかを、日韓併合(植民地支配)近辺から、現代までを、在日朝鮮人の証言を交えつつ語ったものといえる。
2.評価
著者は法学部教授だが、法律の専門家ではなさそう(後述)。在日朝鮮人の側から見た、日本社会において連綿と続いている在日朝鮮人差別や生きづらさの様が示されている(創氏改名を受け入れないと現在の日本に渡航できず不便だったり、ドイツやフランスと違い突然日本国籍を剥奪された上に選択できなかったり、など)。ただ、著者は法律の専門家ではないからか(だから書いてはいけないとは書いていない)、「国籍の決め方」(p39)の記述については疑問がある。もちろん、日本の国籍取得が不当に厳しいところがあるのは否定しない(要件が厳しい上に法務大臣の自由裁量だという。p158〜165)し、かつては日本国籍があったのに勝手に奪われたのはよくない。だからと言って、出生地主義を是とするトーン(p39からも伺えるので、ご一読)は疑問である。「『血統主義』」(p39)は、日本独特というわけでもないし(いわゆる大陸法系がそうらしい。『法律学小事典』の当該箇所参照)、絶対に間違っているとも言えない。以上のように、日本社会に連綿と続いている在日朝鮮人問題を理解するのに有益な点で星5つ、主に国籍取得について記述に疑問があるので星1つ減らして、星4つとする。
2012年3月26日に日本でレビュー済み
在日朝鮮人の人達、「国籍が違うこと」そのこと自体が苦しみなのではなく、違ったものを違ったものとして受け入れることができない日本の社会構造や国民性のために苦しんでいます。親しい友人に対してさえ、自分の事を正直に語れない苦しみ。意を決して自分の国籍を打ち明けても、後に残る違和感。そして、それによってさらに苦しむ。
その上、法的権利がなかったり、制限されていたり、その他就職等でも差別を受ける(昔のような、あからさまな差別はなくなってきているようですが)。
意識的であっても、無意識であっても、そのような環境を作り出しているのは、私たち日本人です。
日本に居住する大多数である日本人。その私たち日本人の側が「在日朝鮮人の人達」のことについて、もっと関心を抱き、自ら学習し、考え方や感じ方を変えていかなければ、この人達の苦しみはなくなりません。
当該書籍は、とてもわかりやすく書かれていると思うので、(「中学生の質問箱」というサブタイトルになっていますが)中学生に限らず多くの日本人に読んでもらいたい本だと思います。
その上、法的権利がなかったり、制限されていたり、その他就職等でも差別を受ける(昔のような、あからさまな差別はなくなってきているようですが)。
意識的であっても、無意識であっても、そのような環境を作り出しているのは、私たち日本人です。
日本に居住する大多数である日本人。その私たち日本人の側が「在日朝鮮人の人達」のことについて、もっと関心を抱き、自ら学習し、考え方や感じ方を変えていかなければ、この人達の苦しみはなくなりません。
当該書籍は、とてもわかりやすく書かれていると思うので、(「中学生の質問箱」というサブタイトルになっていますが)中学生に限らず多くの日本人に読んでもらいたい本だと思います。