タイトルを、流行(はやり)の「○○症候群」とした安直感は否めないが、内容が想像出来るだけに思わず手にとってしまった。
昨今の風潮を「悪いのは私じゃない症候群」として、その症例を、体系的に収集した点は敬意を払いたい。
その本質を『他罰主義』と分析・要約するのも構わない。
しかし、「新型うつ」(非定型うつのこと)に関して元精神科医とも在ろう御仁が、『他罰の巣窟』として症候群の症例に入れてしまうのは如何なものかと思う。
いずれにしても本書の大部分は症例集であり、エピローグになってようやく『処方箋』なるものが出てくるが、内容が貧弱すぎる。分析が足りないし、元精神科医であれば読者を唸らせる様な『処方箋』を提示して欲しかった。物足りなさが残ってしまう、後味の悪さだ。

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悪いのは私じゃない症候群 (ベスト新書 239) 新書 – 2009/8/8
香山 リカ
(著)
メディアでは、何か事件が起きるたび、誰が悪かったのかと犯人探しが始まる。メディアだけではなく、社会のあちこちで「悪いのは××だ!」という声が以前にも増して聞こえてくる世の中になった。そして、誰もがその後こう付け加える----「悪いのは私じゃない」。
学校が悪い、医者が悪い、会社が悪い、親が悪い、子どもが悪い、前世が悪い......
でも、だれもが「悪いのは私じゃない」と主張して、他を罰してばかりいたら、社会はばらばらになり崩壊してしまう。いったい、私たちはどうしたらいいのだろうか?
本書は、新型うつ病、モンスターペイシェント、アダチル、パワハラ、スピリチュアル・ブーム等々、医学・心理・社会・政治の多角的側面から、悪の原因特定に見られる、「悪いのは私じゃない」という他罰的傾向の淵源に迫る。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社ベストセラーズ
- 発売日2009/8/8
- ISBN-104584122393
- ISBN-13978-4584122396
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商品の説明
著者について
香山リカ(かやま りか)
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学
現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『私は若者が嫌いだ!』『知らずに他人を傷つける人たち』『おとなの男の心理学』(ベスト新書)、『親子という病』(講談社現代新書)、『「私はうつ」と言いたがる人たち』(PHP新書)、『雅子さまと「新型うつ」』(朝日新書)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』(幻冬舎新書)、『いまどきの「常識」』(岩波新書)など著書多数。
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学
現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『私は若者が嫌いだ!』『知らずに他人を傷つける人たち』『おとなの男の心理学』(ベスト新書)、『親子という病』(講談社現代新書)、『「私はうつ」と言いたがる人たち』(PHP新書)、『雅子さまと「新型うつ」』(朝日新書)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』(幻冬舎新書)、『いまどきの「常識」』(岩波新書)など著書多数。
登録情報
- 出版社 : ベストセラーズ (2009/8/8)
- 発売日 : 2009/8/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4584122393
- ISBN-13 : 978-4584122396
- Amazon 売れ筋ランキング: - 673,501位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 270位ベスト新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科医として病院での診察に携わりながら、立教大学現代心理学部映像身体学科教授として教壇にも立つ。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を鋭く分析し、きめ細かな解決策を提示する。ほかにも、政治・社会批評、サブカルチャー批評、皇室問題から趣味のプロレスに関する批評まで、幅広いジャンルで活躍する。事務所では住み着いたノラ猫1匹、自宅では犬1匹と猫5匹と同居。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2009年10月3日に日本でレビュー済み
2010年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
成果主義や、最近の自己責任という、人間関係が希薄で、結果だけ
を重んじる社会を生き延びるための、新しい処世術が、「悪いのは
私じゃない」という症候群になっているという話しです。
もちろんその処世術と言っても、それを貫いた結果、すばらしい人
生があるわけでなく、得をする人はだれもいないという結論なので
すが。
精神科の香山さんの診察室の中には、常軌を逸したツワモノたちが、
いろいろと来院するようです。各章に登場する患者の方々の様子を
読むと、香山さん自身が、世の不条理を感じてしまうのではないか
と、とても心配になります。
そのなかで、最近の傾向として、「悪いのは私じゃない症候群」の
方が増えているというのです。これは、子どもの「いじめられない
ために、いじめる側に廻る」といったことや、「勉強しろというか
ら、勉強をやる気なくした」という、他責や他罰的な発想を、社会
人であるオトナが行っているのです。
精神的に、成長が遅れてるともいえますが、個人尊重を優先しすぎ、
また物質的に飽和状態になった社会だからこそ、恵まれすぎた社会
のゆがみのような気がします。
そのうえ、かつて向こう三軒両隣とか、町内会とか、国とか頼れる
ものが崩壊し、信頼できるものではなくなり、また個人主義ゆえ、
家族の絆まで揺るいでしまった社会の結果、ともいえるのではない
かと思います。
最近は、香山さんは、勝間さんとの論争でよくマスコミに出てきま
すが、たしかに勝間さんの上昇思考、プラス思考は、自分が五体満
足で、心身ともの健康であってこそ成り立つ理屈であって、そのな
かの何か1つでも、欠けてしまえば、苦しいだけのレースになり、
自ら社会の脱落者となってしまうような気がします。
まずは、「自己責任」という他者を批判する見地でなく、他者と比
較して、あるいは相手をおもんぱかってという、過去の日本的情緒
ではなく、自分の人生は、自分で向き合うという姿勢を持てば、悪
者探しに、躍起になっている場合ではないと気がつくはずです。
そして何を隠そう、自分のことは、一生懸命やっているか、さぼっ
ているか、実は、自分が一番わかっていたりするものです。
それに、ときには、さぼって歩いてたっていいのです。
を重んじる社会を生き延びるための、新しい処世術が、「悪いのは
私じゃない」という症候群になっているという話しです。
もちろんその処世術と言っても、それを貫いた結果、すばらしい人
生があるわけでなく、得をする人はだれもいないという結論なので
すが。
精神科の香山さんの診察室の中には、常軌を逸したツワモノたちが、
いろいろと来院するようです。各章に登場する患者の方々の様子を
読むと、香山さん自身が、世の不条理を感じてしまうのではないか
と、とても心配になります。
そのなかで、最近の傾向として、「悪いのは私じゃない症候群」の
方が増えているというのです。これは、子どもの「いじめられない
ために、いじめる側に廻る」といったことや、「勉強しろというか
ら、勉強をやる気なくした」という、他責や他罰的な発想を、社会
人であるオトナが行っているのです。
精神的に、成長が遅れてるともいえますが、個人尊重を優先しすぎ、
また物質的に飽和状態になった社会だからこそ、恵まれすぎた社会
のゆがみのような気がします。
そのうえ、かつて向こう三軒両隣とか、町内会とか、国とか頼れる
ものが崩壊し、信頼できるものではなくなり、また個人主義ゆえ、
家族の絆まで揺るいでしまった社会の結果、ともいえるのではない
かと思います。
最近は、香山さんは、勝間さんとの論争でよくマスコミに出てきま
すが、たしかに勝間さんの上昇思考、プラス思考は、自分が五体満
足で、心身ともの健康であってこそ成り立つ理屈であって、そのな
かの何か1つでも、欠けてしまえば、苦しいだけのレースになり、
自ら社会の脱落者となってしまうような気がします。
まずは、「自己責任」という他者を批判する見地でなく、他者と比
較して、あるいは相手をおもんぱかってという、過去の日本的情緒
ではなく、自分の人生は、自分で向き合うという姿勢を持てば、悪
者探しに、躍起になっている場合ではないと気がつくはずです。
そして何を隠そう、自分のことは、一生懸命やっているか、さぼっ
ているか、実は、自分が一番わかっていたりするものです。
それに、ときには、さぼって歩いてたっていいのです。
2015年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
精神科医に嫌われる理由が分かった。なんでこの人は精神科歴が2年なのに精神科の専門医と指導医が取れたのかとても謎。精神科医が書いた本というと精神科医は嫌がり、社会学者が書いたというと社会学者が怒りだすでしょう。1円でも送料がもったいなかったと思いました。
2017年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「新型うつ」とも呼ばれる、自責的ではなく、むしろ他者を責め続けるタイプのうつ病が増えている、という話から説き起こし、日本社会全体で他罰的な傾向が強まっているのではないか、と問題提起しています。
著者が臨床の現場で接する患者や病院内の話が興味深いです。
私自身、もう3年にわたって、重度の「悪いのは私じゃない症候群」患者によって、かなり多くの時間と精力をとられて困っています。
本書に「抗うつ薬を飲み続ければ治る」等の治療法が書いてないかと少しは期待していましたが、残念ながら治療法は書いてありませんでした。むしろ日本社会全体の問題のように書いてあります。
私は社会全体の問題じゃなくてやっぱり個人の問題じゃないだろうかと思っています。「あとがき」では、他罰主義が得策でないと知ることが解決の糸口だと示唆しています。「悪いのは私じゃない」とばかり言っている人は、決して満足のいく結果を手にすることはできず、不幸になるばかり、ということを理性に訴えることが、病気から立ち直らせるきっかけになるように思います。しかし、短い診療時間しか患者と接しない精神科医にそこまでの関与を求めるのは無理かもしれません。
著者が臨床の現場で接する患者や病院内の話が興味深いです。
私自身、もう3年にわたって、重度の「悪いのは私じゃない症候群」患者によって、かなり多くの時間と精力をとられて困っています。
本書に「抗うつ薬を飲み続ければ治る」等の治療法が書いてないかと少しは期待していましたが、残念ながら治療法は書いてありませんでした。むしろ日本社会全体の問題のように書いてあります。
私は社会全体の問題じゃなくてやっぱり個人の問題じゃないだろうかと思っています。「あとがき」では、他罰主義が得策でないと知ることが解決の糸口だと示唆しています。「悪いのは私じゃない」とばかり言っている人は、決して満足のいく結果を手にすることはできず、不幸になるばかり、ということを理性に訴えることが、病気から立ち直らせるきっかけになるように思います。しかし、短い診療時間しか患者と接しない精神科医にそこまでの関与を求めるのは無理かもしれません。
2022年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年になって初めて読みました。ネットの誹謗中傷、うつ病など、今でも社会で大きな問題になっていることについて、どういう考え方や風潮がそれを引き起こしているのかがよくわかる一冊でした。コロナ禍での「自粛警察」という言葉が生まれた理由もよくわかります。
2010年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほかのレビューにも書かれていますがエッセイですね。
この題名はちょっといかがなものかと思います。
結局、今後は産業医としても稼ぎたい。ほかの精神科医と違って
忠実な企業のイヌになりますよ!だから産業医としてオファー
ください!ということを本でアピールって、すごい商売根性が
たくましいかたなんだな・・・となんだか読んでいて複雑な
気持ちになりました。
この題名はちょっといかがなものかと思います。
結局、今後は産業医としても稼ぎたい。ほかの精神科医と違って
忠実な企業のイヌになりますよ!だから産業医としてオファー
ください!ということを本でアピールって、すごい商売根性が
たくましいかたなんだな・・・となんだか読んでいて複雑な
気持ちになりました。
2016年7月15日に日本でレビュー済み
以前さ、この人は毎日新聞で、ヘイトスピーチ規制の法律が出来たことで
やっと国際的になったとコラムに書いていたのよ。
それに対してこの小母さんのツイッターで反論を書いた人がいた。
ヘイトスピーチ規制は恣意的な解釈で運用される事が多く、カナダなどすでに撤廃しているし
アメリカは規制法そのものがない。
ヘイトスピーチ規制そのものが国際的とは言い難い。そんな内容だったが。
それに対しての香山リカの反論は、自分は国際均準ではないだよ。
新聞のコラムで、自身が国際的になったと絶賛した事を、国際的には違う方向だと指摘されると
自身の言ったことを忘れてしまう。
この事実が示す事は、この人の論拠も主張も非常に軽薄だって事だ
ちゃんと調べて自分なりに分析して結論を出したわけではなく
ただ、社会の情勢を観て、ネットの在日批判についても何のメリットもないから
ネトウヨ叩きやヘイトスピーチ非難をやろうかってだけ
自分なりに勉強しているわけではないから、主義主張なんてない
ただ、国際的とか人道とか、反対しにくい大義名分を掲げているだけだ。
ま、はっきり言ってウソばかりだね。
それを非難されても、反省の言葉など皆無。
悪いのは私じゃない症候群。
まさに香山リカという人物そのものではないの
自身を分析して結論をつけたのならともかく
それを社会全体に当てはめて、適当なことを言っているだけだな
やっと国際的になったとコラムに書いていたのよ。
それに対してこの小母さんのツイッターで反論を書いた人がいた。
ヘイトスピーチ規制は恣意的な解釈で運用される事が多く、カナダなどすでに撤廃しているし
アメリカは規制法そのものがない。
ヘイトスピーチ規制そのものが国際的とは言い難い。そんな内容だったが。
それに対しての香山リカの反論は、自分は国際均準ではないだよ。
新聞のコラムで、自身が国際的になったと絶賛した事を、国際的には違う方向だと指摘されると
自身の言ったことを忘れてしまう。
この事実が示す事は、この人の論拠も主張も非常に軽薄だって事だ
ちゃんと調べて自分なりに分析して結論を出したわけではなく
ただ、社会の情勢を観て、ネットの在日批判についても何のメリットもないから
ネトウヨ叩きやヘイトスピーチ非難をやろうかってだけ
自分なりに勉強しているわけではないから、主義主張なんてない
ただ、国際的とか人道とか、反対しにくい大義名分を掲げているだけだ。
ま、はっきり言ってウソばかりだね。
それを非難されても、反省の言葉など皆無。
悪いのは私じゃない症候群。
まさに香山リカという人物そのものではないの
自身を分析して結論をつけたのならともかく
それを社会全体に当てはめて、適当なことを言っているだけだな
2017年3月17日に日本でレビュー済み
香山氏は他の著書で見るに堪えないタイトルも多いですが
「悪いのは私じゃない」というのは現代の問題をうまく指摘していると思います。
まだまだ知名度が低い重大なネット中傷事件、スマイリーキクチ氏の件に言及しているのも評価できます。
他の章に目を向けると、モンスターと断定的な決めつけも目立ちますが。
あなたに言われたくはない、という点は他の方が十分に指摘しているので省略します。
「悪いのは私じゃない」というのは現代の問題をうまく指摘していると思います。
まだまだ知名度が低い重大なネット中傷事件、スマイリーキクチ氏の件に言及しているのも評価できます。
他の章に目を向けると、モンスターと断定的な決めつけも目立ちますが。
あなたに言われたくはない、という点は他の方が十分に指摘しているので省略します。