マーケットプレイスにて注文した。届くまでの間にネットで書評や感想を拾ってみて、どういう本
なのかということは既に分かっていた。それでもなお、この本を支持できるのではないかという
淡い期待を寄せてもいた。それは端的に、フェティッシュで猥雑な妄想を掻きたててくれるのでは
ないかという期待だった。つまり、自分の望むような「官能小説」の類似型があり得るのではないか
と。
この本はKKベストセラーの出版による、殆どねつ造された机上の記事と断じて良い。私は、ねつ造
そのものを非難するのではない。文中の「文学部1年」とか「理学部1年」というような、リアリティ
を構築しようとする努力の微塵もない姿勢が、あまりにもお粗末だということだ。
猥雑なものを、徹底的に追及していったのならば、それは虚構として賛美することができる。だから
私たちは反復される世界内存在の日常を周知していながら、虚構を求める。官能小説家もその技術が
優れているのならば、やがては文学たり得る作品に到達する。しかし、妄想・虚構といえど、それを
支えるのは、「そうであるかもしれない」と読者を説得(あるいは良く騙す)するためのリアリティを
徹底させないならば、虚構作品ではない。
新しい切り口の猥雑さを、エロを創り出そうとした発想だけは支持したい。それらは、どう努力しても
ホンモノらしさの近似値でしかないが、限りなく近似していけばホンモノに見えてくる筈だった。
もう少しうまく読者を騙すだけの知性と熱意が、編集部には誰もいなかったのか。技巧を凝らした
珠玉の虚構を創出しようというだけの、ほんとうの遊び心と匠たらんとする矜持を誰も持ち合わせ
なかったのか。ならばなぜ出版を志したのかと、猛省を促したい。

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東大生たちの「性」 単行本(ソフトカバー) – 2008/2/16
東大生ライフスタイル研究会
(編集)
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社ベストセラーズ
- 発売日2008/2/16
- ISBN-104584130558
- ISBN-13978-4584130551
登録情報
- 出版社 : ベストセラーズ (2008/2/16)
- 発売日 : 2008/2/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 192ページ
- ISBN-10 : 4584130558
- ISBN-13 : 978-4584130551
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,709,786位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,959位サブカルチャー一般の本
- - 35,075位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月9日に日本でレビュー済み
内容は女性週刊誌の「エッチな告白」程度の文の後ろに「(教育学部3年)」等と書いてあると思えば良いと思います。
ところで、非常に疑問に思うことがあります。それはこの本の執筆者たる「東大生ライフスタイル研究会」なる会が、東大生19人によって構成されていると自称していながら、その存在や活動の痕跡が、(私の知る限り)この著作1つのみに限られているという点です。
その「研究会」が、HP、ブログ、etc…を用いて、会の設立・活動の趣旨を主張したり、更にはこの著作の宣伝・広告を行わないのは、一体何故なのでしょうか?要領のいい東大生ともなれば、当然そのような行為を行って然るべきとも思うのですが…
ところで、非常に疑問に思うことがあります。それはこの本の執筆者たる「東大生ライフスタイル研究会」なる会が、東大生19人によって構成されていると自称していながら、その存在や活動の痕跡が、(私の知る限り)この著作1つのみに限られているという点です。
その「研究会」が、HP、ブログ、etc…を用いて、会の設立・活動の趣旨を主張したり、更にはこの著作の宣伝・広告を行わないのは、一体何故なのでしょうか?要領のいい東大生ともなれば、当然そのような行為を行って然るべきとも思うのですが…
2008年2月23日に日本でレビュー済み
現役東大生だからこそ、ここまで赤裸々な証言を得ることができたのだろう。
コメントがリアルで、説得力がある。文体は軽めだが、冗談めかした表現のなかに「格差問題」をさりげなく滲ませるなど、なかなか読み応えもある。オススメ。
コメントがリアルで、説得力がある。文体は軽めだが、冗談めかした表現のなかに「格差問題」をさりげなく滲ませるなど、なかなか読み応えもある。オススメ。
2010年12月12日に日本でレビュー済み
まじめな東大生がいかなるものかがわかりますが、これといって新鮮さはありませんでした。
4人に一人が童貞、処女と言いうことはわかりました。
4人に一人が童貞、処女と言いうことはわかりました。