本質的な問題提起による、日本の独立独歩の指南書。
コンプライアンスすることの問題と、それに迎合する国の衰退する現状を見事に推察された書籍です。
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コンプライアンスが日本を潰す (扶桑社新書) 新書 – 2012/6/1
藤井 聡
(著)
アメリカ発のイデオロギーに毒された日本の歪んだ法令システムを国民の手に取り戻すために今、
行うべきことはコンプライアンス(服従)ではなくレジスタンス(抵抗)だ!
本書は小泉元首相と竹中元大臣のコンビにより実施された様々な構造改革が逆に日本を破壊してしまった現状を、
タクシー業界や建設業界などを例にとって解説する。また、長年、日本を苦しめ続けているデフレの元凶を指摘し、
併せて政府が参加表明したTPPの恐ろしさについても警鐘を鳴らす。
<目次より>
●タクシー規制緩和によって、日本のタクシー市場は大混乱に
●小泉・竹中改革における「学者」対「抵抗勢力」という構図のおぞましさ
●談合システムは必要悪ではなく、むしろ「善」の一部である
●コンプライアンスに基づく税制改革は、いずれもデフレを悪化させる
●公正取引委員会は、新自由主義が日本に埋め込んだ「経済警察・司法組織」ほか。
行うべきことはコンプライアンス(服従)ではなくレジスタンス(抵抗)だ!
本書は小泉元首相と竹中元大臣のコンビにより実施された様々な構造改革が逆に日本を破壊してしまった現状を、
タクシー業界や建設業界などを例にとって解説する。また、長年、日本を苦しめ続けているデフレの元凶を指摘し、
併せて政府が参加表明したTPPの恐ろしさについても警鐘を鳴らす。
<目次より>
●タクシー規制緩和によって、日本のタクシー市場は大混乱に
●小泉・竹中改革における「学者」対「抵抗勢力」という構図のおぞましさ
●談合システムは必要悪ではなく、むしろ「善」の一部である
●コンプライアンスに基づく税制改革は、いずれもデフレを悪化させる
●公正取引委員会は、新自由主義が日本に埋め込んだ「経済警察・司法組織」ほか。
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2012/6/1
- ISBN-10459406616X
- ISBN-13978-4594066161
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2012/6/1)
- 発売日 : 2012/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 255ページ
- ISBN-10 : 459406616X
- ISBN-13 : 978-4594066161
- Amazon 売れ筋ランキング: - 963,970位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 401位扶桑社新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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藤井 聡(ふじい さとし)京都大学(大学院工学研究科・都市社会工学専攻)教授 1968年奈良県生まれ。
91年京都大学卒業、93年京都大学大学院修了後、93年同大学助手、98年スウェーデン・イエテボリ大学客員研究員,02年京都大学助教授、03年東京工業大学助教授、06同大学教授を経て,09年より現職。
専門は土木工学(土木計画学)、交通工学,ならびに,公共問題のための心理学.
受賞歴は、
『社会的ジレンマ研究』で03年土木学会論文賞,07年文部科学大臣表彰・若手科学者賞、10年日本学術振興会賞。
『認知的意思決定研究』で05年日本行動計量学会優秀賞(林知己夫賞)。
『村上春樹に見る近代日本のクロニクル』にて06年表現者奨励賞。
『交通政策論』で08年米谷・佐々木賞。
『モビリティ・マネジメント入門』にて08年交通図書賞。
『交通需要予測研究』で98年土木学会論文奨励賞。
『コミュニティに関する進化心理学研究』で09年社会心理学会奨励論文賞。
詳しくは、
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/fujiilab/fujii.html
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一般的には「法令遵守」と訳されることが多い「コンプライアンス」という言葉。
ここでは、本来の「従う」という意味から、さらに「服従する」「媚び、へつらう」という意味にまで広げて論じている。
そしてアメリカの「新自由主義」に対する「コンプライアンス」が日本を潰す、との趣旨を主張した著作である。
構成も内容も、とてもわかり易く説得力がある。
全体は5章で構成される。
第1〜3章で、具体例を挙げながら、「コンプライアンス」がいかに日本を蝕んでいったか、を論じる。
第1章は、タクシーの「規制緩和」により、会社間の競争が激化し、賃金の著しい低下を招いた例。
第2章は、建設業界の「談合」が否定されたことで、日本屈指の巨大産業である建設業界じたいが崩壊に向かった話。
第3章では、現在のデフレの要因も新自由主義への「コンプライアンス」にあることを論証する。
こうした原因を踏まえた上で、第4章はTPPが、いかに最強の「コンプライアンス」装置であるか、を訴え、断じて参加すべきでないと力説する。
最後の第5章では、新自由主義に「コンプライアンス」している政党・議員か否かを見極めて投票行動を、と主張。
そのポイントとして、消費増税、TPP、災害に対するニューディール政策の有無、といった具体的な指標を挙げている。
「コンプライアンス」との言葉に、かつてウォルフレンが「シカタガナイ」とのキーワードを使って、従属的な日本のマインドを語っていたことを想起した。
また、新自由主義の思想のもと、金融資本主義の頂点に立つアメリカの金融界を中心に、産官軍学の複合体が、いかに巧妙に世界秩序を維持し、その富を集中させているか、に思いを馳せた。
そして、日本の官僚、マスコミ、学者、そして政治家の多くが、いかに唯々諾々とアメリカの支配の文脈に「服従」させられてしまっているか。
「コンプライアンス」というキーワードを使って読み解くと、メンタル面を含んだ巧妙なカラクリに「なるほど」との思いになった。
藤井教授が、オールラウンドにものを考え、共感できる論を展開できる根拠の一端として、私の心に残った所がある。
それは、経済学を含めた「人文社会科学」に対するデビッド・ヒュームの次の考えを紹介し、自ら実行された箇所である。
すなわち「(人文社会科学というものは)『頭』で行うものではなく、徹底的に自分自身の経験をベースにしながら、自分自身の直感、さらに言うなら『心』や『魂』でもって論考を重ねるものです」(127ページ)と。
計量経済学で博士論文を書き終えた著者は、「理論に対する違和感」を覚え、その直後、「新自由主義経済学には圧倒的に不足している『心理学』を学ぶことを決めた」のである(134ページ)。
日本が岐路に立つ今こそ、多くの人が読み、正しい進路を選ぶ力に、と願う。
ここでは、本来の「従う」という意味から、さらに「服従する」「媚び、へつらう」という意味にまで広げて論じている。
そしてアメリカの「新自由主義」に対する「コンプライアンス」が日本を潰す、との趣旨を主張した著作である。
構成も内容も、とてもわかり易く説得力がある。
全体は5章で構成される。
第1〜3章で、具体例を挙げながら、「コンプライアンス」がいかに日本を蝕んでいったか、を論じる。
第1章は、タクシーの「規制緩和」により、会社間の競争が激化し、賃金の著しい低下を招いた例。
第2章は、建設業界の「談合」が否定されたことで、日本屈指の巨大産業である建設業界じたいが崩壊に向かった話。
第3章では、現在のデフレの要因も新自由主義への「コンプライアンス」にあることを論証する。
こうした原因を踏まえた上で、第4章はTPPが、いかに最強の「コンプライアンス」装置であるか、を訴え、断じて参加すべきでないと力説する。
最後の第5章では、新自由主義に「コンプライアンス」している政党・議員か否かを見極めて投票行動を、と主張。
そのポイントとして、消費増税、TPP、災害に対するニューディール政策の有無、といった具体的な指標を挙げている。
「コンプライアンス」との言葉に、かつてウォルフレンが「シカタガナイ」とのキーワードを使って、従属的な日本のマインドを語っていたことを想起した。
また、新自由主義の思想のもと、金融資本主義の頂点に立つアメリカの金融界を中心に、産官軍学の複合体が、いかに巧妙に世界秩序を維持し、その富を集中させているか、に思いを馳せた。
そして、日本の官僚、マスコミ、学者、そして政治家の多くが、いかに唯々諾々とアメリカの支配の文脈に「服従」させられてしまっているか。
「コンプライアンス」というキーワードを使って読み解くと、メンタル面を含んだ巧妙なカラクリに「なるほど」との思いになった。
藤井教授が、オールラウンドにものを考え、共感できる論を展開できる根拠の一端として、私の心に残った所がある。
それは、経済学を含めた「人文社会科学」に対するデビッド・ヒュームの次の考えを紹介し、自ら実行された箇所である。
すなわち「(人文社会科学というものは)『頭』で行うものではなく、徹底的に自分自身の経験をベースにしながら、自分自身の直感、さらに言うなら『心』や『魂』でもって論考を重ねるものです」(127ページ)と。
計量経済学で博士論文を書き終えた著者は、「理論に対する違和感」を覚え、その直後、「新自由主義経済学には圧倒的に不足している『心理学』を学ぶことを決めた」のである(134ページ)。
日本が岐路に立つ今こそ、多くの人が読み、正しい進路を選ぶ力に、と願う。
2018年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルを見ると、「法令順守=無駄な仕事(雑用)」が増えて経済活動が停滞する、
との説を唱える著書かと思ったが、ご本人の主義主張に反する法律が制定されたために、
この通りに経済活動が進むと日本が大変なことになる、と説いておられる。
要するに、小泉政権(改革)に対する愚痴と反論の書であり、
コンプライアンス=法令順守とはかけ離れた主張の場になっている。
屁理屈とこじ付けの、破綻しているロジックである。
たぶんアイキャッチのために、注目されるであろう「コンプライアンス」
という単語を使われたと思うが、全く関係のない論旨であった。
居酒屋で酔っ払いのおっさんがグダグダうなっているのと変わらない。
30ページほど読んでブックオフに直行した。
との説を唱える著書かと思ったが、ご本人の主義主張に反する法律が制定されたために、
この通りに経済活動が進むと日本が大変なことになる、と説いておられる。
要するに、小泉政権(改革)に対する愚痴と反論の書であり、
コンプライアンス=法令順守とはかけ離れた主張の場になっている。
屁理屈とこじ付けの、破綻しているロジックである。
たぶんアイキャッチのために、注目されるであろう「コンプライアンス」
という単語を使われたと思うが、全く関係のない論旨であった。
居酒屋で酔っ払いのおっさんがグダグダうなっているのと変わらない。
30ページほど読んでブックオフに直行した。
2012年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
藤井聡先生の本は学者先生の本にありがちな
難解な文章表現は無く、とても読みやすいです。
良識ある一般庶民であればよく理解できると思います。
さてこの作品の感想ですが、一読すると
私たちの国「日本」がなぜおかしな方向に
行き始めたのか、そして今待ったなしの状態で
あることがよく分かります。
戦後の平和ボケで日本人は
「危機感」を忘れてしまったのかもしれません。
団塊世代にはあまりこの「危機感」
は無いようなので、団塊ジュニア世代の私たちが
今すぐ「覚醒」しなければなりません。
私はとりあえず、嘘くさいテレビはあまり
見なくなりました。
難解な文章表現は無く、とても読みやすいです。
良識ある一般庶民であればよく理解できると思います。
さてこの作品の感想ですが、一読すると
私たちの国「日本」がなぜおかしな方向に
行き始めたのか、そして今待ったなしの状態で
あることがよく分かります。
戦後の平和ボケで日本人は
「危機感」を忘れてしまったのかもしれません。
団塊世代にはあまりこの「危機感」
は無いようなので、団塊ジュニア世代の私たちが
今すぐ「覚醒」しなければなりません。
私はとりあえず、嘘くさいテレビはあまり
見なくなりました。
2013年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本の経済はすでに国内では閉じていないので、この主張はひとつの意見としてはありうるが日本の経済的基盤が海外マーケットでの自由競争である以上バランスをとるべき。意見をぶつけて抵抗してというよりも包括的バランス点を見いだすようなことが必要なのだと思う。何度も何度も刷り込むような記述は不愉快だった。
2012年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
建設業界にたずさわってきた者としてこの本を読みました。
バブル後期から現在に至るまでの建設業界の危機的状況を、身をもって体験してきた私にとってこの本は、実感と共に強い説得力をもって迫ってきました。
新自由主義(新古典派経済学)が、いかにして我が国を窮地に追いやり、日本の産業構造を破壊しているかを、非常に分かりやすく述べています。
私の身近にいるある者は職を失い、ある者は廃業し、又ある者は転職を繰り返す境遇に突き落とされており。現在まさに私の目の前で起きている''破壊の犠牲'≠ニいう現実と、本書で述べられている著者の考察がシンクロし、あまりの口惜しさと悔しさに読んでいて涙が止まりませんでした。
社会インフラを創造する業界が破壊される事が、国家にとってどれほどの打撃であるか。更に、これは建設業だけの話ではありません、各業界、日本の産業の隅々まで浸透している''コンプライアンス'≠ネるものの正体を、詳らかにする本書は。真に日本が破壊されて、取り返しのつかない状況になる前に読んでこそ意味が有ります。
破棄されてから悔しさと共に読むか?そうなる前に読むか?
「建設は死闘。破壊は一瞬」
創造するには長い年月が必要ですが、壊れる時はあっという間。
二千年を裕に超える歴史を持つ我が国をもってしても、破壊は一瞬のうちに行われます。
先人の培ってきた愛すべき日本を、易々と破壊してはいけない。
歴史と伝統に敬意と畏敬の念を。
バブル後期から現在に至るまでの建設業界の危機的状況を、身をもって体験してきた私にとってこの本は、実感と共に強い説得力をもって迫ってきました。
新自由主義(新古典派経済学)が、いかにして我が国を窮地に追いやり、日本の産業構造を破壊しているかを、非常に分かりやすく述べています。
私の身近にいるある者は職を失い、ある者は廃業し、又ある者は転職を繰り返す境遇に突き落とされており。現在まさに私の目の前で起きている''破壊の犠牲'≠ニいう現実と、本書で述べられている著者の考察がシンクロし、あまりの口惜しさと悔しさに読んでいて涙が止まりませんでした。
社会インフラを創造する業界が破壊される事が、国家にとってどれほどの打撃であるか。更に、これは建設業だけの話ではありません、各業界、日本の産業の隅々まで浸透している''コンプライアンス'≠ネるものの正体を、詳らかにする本書は。真に日本が破壊されて、取り返しのつかない状況になる前に読んでこそ意味が有ります。
破棄されてから悔しさと共に読むか?そうなる前に読むか?
「建設は死闘。破壊は一瞬」
創造するには長い年月が必要ですが、壊れる時はあっという間。
二千年を裕に超える歴史を持つ我が国をもってしても、破壊は一瞬のうちに行われます。
先人の培ってきた愛すべき日本を、易々と破壊してはいけない。
歴史と伝統に敬意と畏敬の念を。
2013年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・・というタイトルとしたほうが広く一般には分かりやすいのではないでしょうか。内容はそこに集約されるわけですから。
コンプライアンス=法令遵守 自体が日本を潰すと言ってるのではありません。
新自由主義の浸透に向かうべく作られた、一部の法令に従う姿勢を称して「コンプライアンスする」とこの本において定義づけしているのです。
内容は明快で分かりやすいです。こういう考え方があり、こういうことに基づいてそう考えるんだな、ということがよく分かります。
ただ、特に終盤に近づくと同じ内容が情緒的に何度も繰り返され、ちょっと飽きてきます。そういう部分をそぎ落とせば、全体量が三分の二くらいでスッキリまとまりそう。
コンプライアンス=法令遵守 自体が日本を潰すと言ってるのではありません。
新自由主義の浸透に向かうべく作られた、一部の法令に従う姿勢を称して「コンプライアンスする」とこの本において定義づけしているのです。
内容は明快で分かりやすいです。こういう考え方があり、こういうことに基づいてそう考えるんだな、ということがよく分かります。
ただ、特に終盤に近づくと同じ内容が情緒的に何度も繰り返され、ちょっと飽きてきます。そういう部分をそぎ落とせば、全体量が三分の二くらいでスッキリまとまりそう。
2013年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コンプライアンスという切り口には、しっくり来ない内容でしたが、新自由主義への盲信に危機感をたぎらせる内容でした。
「独占禁止法」というものが、そんなに大きな力を持っているというのは、あまり意識していませんでした。
行政の中でも、公正取引委員会というのは、とても小さな組織で、出先機関もありますが、他の行政機関と比べて、それはそれは小さな事務所で大きな権限を行使しているように感じませんでしたので、何ともびっくりです。
いじめの構図の視点も、いい得て妙です。
現在の公務員バッシングも、新自由主義のイジメだと考えればシックリ来ます。
これらのイジメは、一つづつターゲットを変えながら日本をダメにしているという視点から、大同団結して新自由主義を戦わなければいけないのだと感じました。
「独占禁止法」というものが、そんなに大きな力を持っているというのは、あまり意識していませんでした。
行政の中でも、公正取引委員会というのは、とても小さな組織で、出先機関もありますが、他の行政機関と比べて、それはそれは小さな事務所で大きな権限を行使しているように感じませんでしたので、何ともびっくりです。
いじめの構図の視点も、いい得て妙です。
現在の公務員バッシングも、新自由主義のイジメだと考えればシックリ来ます。
これらのイジメは、一つづつターゲットを変えながら日本をダメにしているという視点から、大同団結して新自由主義を戦わなければいけないのだと感じました。