「びっくり そっくり しゃっくり ようかん」は色んな呼吸が整った、完璧な作品だった。
文章リズムの呼吸。登場人物の会話の呼吸。笑いの呼吸。ジーンと来て欲しいところをはずさない呼吸。そして何より、主人公太一と校長先生の言葉のやり取り、お互いの行動、発展、結末…。すべて完璧な呼吸であり、読者はその呼吸に引き込まれずにはいられないだろう。
この作品は「浜元屋」という老舗の和菓子屋の息子太一が主人公だ。浜元屋新作の栗ようかんに使った栗の実がクセモノだった。ソレで作った菓子は「びっくり そっくり しゃっくり」になるというのだ。
ソレを使って作ったようかんを食べてしまった太一と校長先生。どうなるかというと二人の中身が入れ替わってしまう。
そこから沢山の楽しい騒動がおきる。
世に「入れ替わり話」は本も映画も沢山ある。
悪く言えばどこにでもある話。誰もが思いつく話。入れ替われば楽しいのは当然だ。
だからこそ、誰と誰が入れ替わるか、入れ替わったことによりどう楽しいか、が命であり、作者の力量が問われる部分だろう。
作者、廣田氏はその部分をクリアした、といより大きく塗り替えたと言ってもいい。
「入れ替わる」で勝負すること自体拍手だが、それ以上に、ただ楽しいだけの話に終わらせず、校長先生の過去と結びつけるなど「楽しい感動物語」に仕上げている。
この本を読んだ人は、皆笑い、皆涙するに違いないと確信している。

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びっくりそっくりしゃっくりようかん 単行本 – 2004/7/1
- 本の長さ125ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2004/7/1
- ISBN-104620200050
- ISBN-13978-4620200057
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
栗ようかんを食べたら、な、なんと、4年2組の太一と校長先生の体が入れかわっちゃいました。もうすぐ、職員会議です。さて、二人の運命は? 毎日新聞大阪本社版連載の小説をまとめる。
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