1 プライバシー:未整理の概念
プライバシー:グローバルな懸念を呼ぶ問題
テクノロジーとプライバシーへの懸念の高まり
プライバシー概念
プライバシーの新理論
2 プライバシー理論とその欠陥
概念化の方法
プライバシーの諸概念
プライバシーは概念化できるか
3 プライバシーの再構築
方法
一般性
変化・多様性
焦点
4 プライバシーの価値
プライバシーの美徳と悪徳
プライバシーの価値の基礎付け理論
プライバシーの社会的価値
プライバシーの多元的価値
5 プライバシーの類型論
情報収集
情報処理
情報拡散
侵襲
6 プライバシー:新しい理解
プライバシー問題の性質
プライバシーと文化的差異
プライバシーの多元的概念化の便益
プライバシーの未来
訳者あとがき
人名索引
事項索引
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プライバシーの新理論―― 概念と法の再考 単行本 – 2013/6/26
ダニエル・J・ソローヴ
(著),
大谷 卓史
(翻訳)
プライバシー問題を深く理解するための最新理論を集成。
広範な研究に基づき多様な視点から議論を展開する。
高い知的要求に応える、示唆に富む指摘が多く、
高度情報社会の制度を考える基本書である。
本書の大きな意義は、情報技術の発達および社会・経済の変化によるプライバシー概念の変容を、
法学・社会学的に扱える形で要約したところにもある。
それに加え、多様な現象を総合的に理解するため、最新問題を様々な視角で数多く扱う。
さらには思想的背景の議論が丁寧に書かれており、質の高い重要書となっている。
広範な研究に基づき多様な視点から議論を展開する。
高い知的要求に応える、示唆に富む指摘が多く、
高度情報社会の制度を考える基本書である。
本書の大きな意義は、情報技術の発達および社会・経済の変化によるプライバシー概念の変容を、
法学・社会学的に扱える形で要約したところにもある。
それに加え、多様な現象を総合的に理解するため、最新問題を様々な視角で数多く扱う。
さらには思想的背景の議論が丁寧に書かれており、質の高い重要書となっている。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2013/6/26
- ISBN-104622077655
- ISBN-13978-4622077657
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商品の説明
著者について
ダニエル・J・ソローヴ
Daniel J. Solove
1972年生まれ。法学者。プライバシー問題に関する国際的権威として著名。現在ジョージ・ワシントン大学ロースクール教授。また、国際的な法律コンサルタント企業/法律事務所ホーガン・ロヴェルズ(Hogan Lovells)のアドバイザー。
著書:The Digital Person: Technology and Privacy in the Information Age (NYU Press, 2004), The Future of Reputation: Gossip, Rumor, and Privacy on the Internet (Yale University Press, 2007), Nothing to Hide: The False Tradeoff Between Privacy and Security (Yale University Press, 2011) ほか。
大谷卓史
おおたに・たくし
1967年生まれ。吉備国際大学社会科学部准教授。専門は情報倫理学、科学技術史。編集者、サイエンスライター、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て現職。
著書:『アウト・オブ・コントロール――ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性』(岩波書店, 2008)、共著書:『メディアとICTの知的財産権』(共立出版, 2012)、
共訳書:ヴィクター・J・カッツ著、上野健爾・三浦伸夫監訳『カッツ 数学の歴史』(共立出版, 2005)、ほか。
Daniel J. Solove
1972年生まれ。法学者。プライバシー問題に関する国際的権威として著名。現在ジョージ・ワシントン大学ロースクール教授。また、国際的な法律コンサルタント企業/法律事務所ホーガン・ロヴェルズ(Hogan Lovells)のアドバイザー。
著書:The Digital Person: Technology and Privacy in the Information Age (NYU Press, 2004), The Future of Reputation: Gossip, Rumor, and Privacy on the Internet (Yale University Press, 2007), Nothing to Hide: The False Tradeoff Between Privacy and Security (Yale University Press, 2011) ほか。
大谷卓史
おおたに・たくし
1967年生まれ。吉備国際大学社会科学部准教授。専門は情報倫理学、科学技術史。編集者、サイエンスライター、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て現職。
著書:『アウト・オブ・コントロール――ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性』(岩波書店, 2008)、共著書:『メディアとICTの知的財産権』(共立出版, 2012)、
共訳書:ヴィクター・J・カッツ著、上野健爾・三浦伸夫監訳『カッツ 数学の歴史』(共立出版, 2005)、ほか。
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2013/6/26)
- 発売日 : 2013/6/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 312ページ
- ISBN-10 : 4622077655
- ISBN-13 : 978-4622077657
- Amazon 売れ筋ランキング: - 967,268位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 94,803位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月6日に日本でレビュー済み
プライバシーの権利というのは、もはや学校でも習うぐらいに当たり前に権利として定着している。
しかし、いざ「プライバシーとは何か」「なぜプライバシーは守られるべきか」「どうプライバシーは保護すべきなのか」と問われると、なかなか答えづらいであろう。
プライバシーは、よく「放っておいてもらう権利(自分の行動を他者に干渉されない権利)」と言われる。
しかし、これだと「あなたを殴ること」などの権利侵害もすべて「プライバシー侵害」になってしまい、プライバシー特有の意味が失われてしまう。
例えば、公共の場で尾行や監視を続けることは、一般には非常にストレスを与えるものであり、プライバシーを侵しているとされることも多い。
しかし、公共の場にいる際に、人を見たり、同じ行き先に向かうことはどうして禁止されるのだろうか。
プライバシーの保護といっても、例えば犯罪捜査のための尋問や通話記録の調査というものも存在する。
こういう操作が逆に「プライバシーに反する」として禁じられることもありうるのであり、プライバシー礼賛でもうまくいかない。
本書では、まずプライバシーを単一の原理から説明する方針じたいが誤りであると論じ、「家族的類似」の手法をとる。
その上で、プライバシーの侵害の形態として
侵襲(侵入・意思決定への介入)
情報収集(監視・尋問)
情報処理(集約・同定・非セキュリティ状態・二次利用・排除)
情報拡散(守秘義務関係破壊・開示・暴露・アクセス可能性の増大・脅迫・盗用・歪曲)
を挙げている。
具体的な位置付けやそれを巡る問題については、本書を読んでいただきたい。
プライバシーという捉えどころのないものをかなり具体的かつ丹念に論じている良書である。
あえて難を挙げれば、扱う内容を広げ過ぎたために、さまざまなプライバシーの要素を挙げていく面が強く、「プライバシーとその他の価値との調停」のような難しい問題にはそこまで踏み込めていないのは惜しいところである。
しかし、そうした問題は本書を読んだ上で次に考えるべきものなのであろう。
しかし、いざ「プライバシーとは何か」「なぜプライバシーは守られるべきか」「どうプライバシーは保護すべきなのか」と問われると、なかなか答えづらいであろう。
プライバシーは、よく「放っておいてもらう権利(自分の行動を他者に干渉されない権利)」と言われる。
しかし、これだと「あなたを殴ること」などの権利侵害もすべて「プライバシー侵害」になってしまい、プライバシー特有の意味が失われてしまう。
例えば、公共の場で尾行や監視を続けることは、一般には非常にストレスを与えるものであり、プライバシーを侵しているとされることも多い。
しかし、公共の場にいる際に、人を見たり、同じ行き先に向かうことはどうして禁止されるのだろうか。
プライバシーの保護といっても、例えば犯罪捜査のための尋問や通話記録の調査というものも存在する。
こういう操作が逆に「プライバシーに反する」として禁じられることもありうるのであり、プライバシー礼賛でもうまくいかない。
本書では、まずプライバシーを単一の原理から説明する方針じたいが誤りであると論じ、「家族的類似」の手法をとる。
その上で、プライバシーの侵害の形態として
侵襲(侵入・意思決定への介入)
情報収集(監視・尋問)
情報処理(集約・同定・非セキュリティ状態・二次利用・排除)
情報拡散(守秘義務関係破壊・開示・暴露・アクセス可能性の増大・脅迫・盗用・歪曲)
を挙げている。
具体的な位置付けやそれを巡る問題については、本書を読んでいただきたい。
プライバシーという捉えどころのないものをかなり具体的かつ丹念に論じている良書である。
あえて難を挙げれば、扱う内容を広げ過ぎたために、さまざまなプライバシーの要素を挙げていく面が強く、「プライバシーとその他の価値との調停」のような難しい問題にはそこまで踏み込めていないのは惜しいところである。
しかし、そうした問題は本書を読んだ上で次に考えるべきものなのであろう。
2015年11月22日に日本でレビュー済み
「プライバシーとは何ですか?」と訊かれて、うまく答えられない方は多いと思う。あるいは答えられても、いまひとつしっくりこなかったりする。
本書は原題が Understanding Privacy というだけあり、これまでのプライバシー論をレビューするところから始まり、筆者の唱えるプライバシーの類型論の説明へと繋がっていく流れである。
では、読後に「プライバシーとは何ですか?」と訊かれるとさらっと答えられるかというとそうでもない。類型論というアプローチのために、説明が網羅的になってしまうのである。ただ、プライバシーにまつわる仕組みを考える際には、本書でまとめられている類型論を下地にするとかなり網羅的に考えられるようになる。
なお本書は Threat Modeling: Designing for Security においてプライバシー対策を考える際に参考にすることを推奨されていました。
本書は原題が Understanding Privacy というだけあり、これまでのプライバシー論をレビューするところから始まり、筆者の唱えるプライバシーの類型論の説明へと繋がっていく流れである。
では、読後に「プライバシーとは何ですか?」と訊かれるとさらっと答えられるかというとそうでもない。類型論というアプローチのために、説明が網羅的になってしまうのである。ただ、プライバシーにまつわる仕組みを考える際には、本書でまとめられている類型論を下地にするとかなり網羅的に考えられるようになる。
なお本書は Threat Modeling: Designing for Security においてプライバシー対策を考える際に参考にすることを推奨されていました。