うーん。いやいや。
BLについては細分化して詳しく書いてあるけど、男性向けのエロマンガについては通り一遍なことしか書いてない。
結局、男性は視覚的・即物的で、女性は関係性を求めるという従来の論議から一歩も踏み出していないのでは?
よしんば、タイトルどおりにマンガという大衆表現ではそのような傾向が見られるとしても、その結論は知っていたと言うほかない。
BL(ヤオイ)についての知識は得られたし、著者の誠意も感じられたけれど、総体的に見てマンガというよりフェミニズムの本と感じた。

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欲望のコード: マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ) 単行本 – 2009/6/1
堀 あきこ
(著)
日本において、女性のための性を描いた恋愛コミックは、一市場を築く商品ジャンルとして確立している。本書はこれら<性的表現を含む女性コミック>の比較分析を通し、メディアの受け手である現代女性がどのような作品を望んでいるのか、また、どのようなセクシュアリティ観を持っているのかを読み解こうとするものである。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社臨川書店
- 発売日2009/6/1
- ISBN-104653040184
- ISBN-13978-4653040187
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商品の説明
出版社からのコメント
作品世界の物語性、そしてキャラクター間の関係性から、<欲望>の男女差を読み解く意欲作。
抜粋
女性が欲望の視線を向けるのは、男性の身体そのものではない。
女性向けメディアにおいて、男性はグラビア的単一存在としては性的対象とならず、彼を組み込んだ物語が生まれた時、ようやく性的身体として認められるのである。
女性向けメディアにおいて、男性はグラビア的単一存在としては性的対象とならず、彼を組み込んだ物語が生まれた時、ようやく性的身体として認められるのである。
著者について
1968年大阪府生まれ。社会人経験の後、大阪大学大学院人間科学研究科入学。2008年3月、同科博士前期課程修了。現在、フリーランスのライター。研究テーマは、マンガ、ジェンダー、セクシュアリティ。
About this Title
女性が欲望の視線を向けるのは、男性の身体そのものではない。
女性向けメディアにおいて、男性はグラビア的単一存在としては性的対象とならず、彼を組み込んだ物語が生まれた時、ようやく性的身体として認められるのである。
女性向けメディアにおいて、男性はグラビア的単一存在としては性的対象とならず、彼を組み込んだ物語が生まれた時、ようやく性的身体として認められるのである。
登録情報
- 出版社 : 臨川書店 (2009/6/1)
- 発売日 : 2009/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 254ページ
- ISBN-10 : 4653040184
- ISBN-13 : 978-4653040187
- Amazon 売れ筋ランキング: - 737,297位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 318,026位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月7日に日本でレビュー済み
雑誌(いわゆるアダルト系雑誌)の構成、構造から、読者のニーズを探り当て、その原因となる社会的背景を探ろうという試みと位置づければよいのだろうか。
まず困るのは、聞き慣れない言葉が出てくること。「レディコミ」(1979年の「BE in LOVE」で始まったカテゴリー)、「TL」(レディコミより若年層狙い)、「ヤオイ」(ヤマなし・オチなし・イミなし)である。
あと、挿絵の引用は雑誌なので、おもしろそうと思っても、どうやって入手してよいか分からない。むしろ、著者がこれをどうやって手に入れたかが気になる。
「 戦後エロマンガ史 」を読んだときも思ったが、こういうバックナンバーこそ電子書籍化して売れば、たとえ売れ行きはマイナーであったとしても、お金を持った中年以上の購買意欲は地味に強いと思うのだが。
基本的には女性視点の本。
男性は女性の裸に興奮する(あるいは登場人物の男性に同一化)というのは当たり前として、女性が、男性が女性の裸を見ることで見られている女性に自己同一化して陶酔を感じるというのは、男性から見ると意味が正直分からない。
受け身的存在と言うことなのだろうか?
作品中、男性キャラクターが、女性の快楽に奉仕するものと位置づけられているらしいことは、そんなに抵抗感がない。ただ、そう実生活で求められるとすると、どうなんだろうとは思う。
また、レディコミはポルノグラフィとして読まれているが、「ヤオイ」読者は恋愛を求めているというが、恋愛要素のないポルノグラフィも想像しにくいという意味では、あまり、はっきりした境界を示しているようには思えない。
全般的には、とにかくわかりにくく、未完成感の強い本で、自分もよく分からなかったが、視点、テーマはよいと思う。
サブカルチャーであるからこそのつかみ所のなさがある一方、進化、変化のまっただ中にある。
雑誌は読者が求めるものを提供しているからこそ買い手が付くわけで、雑誌の内容から読者の性的なニーズが読み解け、それが社会の何らかの変化、傾向を示しているという視軸を是非突き詰めて欲しい。
自分自身が掴めていないが何か大きなトレンドの波に流されているのかもしれない。
なお、本書で「ヤオイにおいて過激な性描写で知られる雑誌「コミックJUNE」」に限らず、Amazonで入手可能というのは、それはそれでびっくりした。
また、海外でヤオイ人気が急激に伸びていて、コミックマーケットで海外の愛好家が大量に同人誌を買っていることも珍しくないそうだ。
まず困るのは、聞き慣れない言葉が出てくること。「レディコミ」(1979年の「BE in LOVE」で始まったカテゴリー)、「TL」(レディコミより若年層狙い)、「ヤオイ」(ヤマなし・オチなし・イミなし)である。
あと、挿絵の引用は雑誌なので、おもしろそうと思っても、どうやって入手してよいか分からない。むしろ、著者がこれをどうやって手に入れたかが気になる。
「 戦後エロマンガ史 」を読んだときも思ったが、こういうバックナンバーこそ電子書籍化して売れば、たとえ売れ行きはマイナーであったとしても、お金を持った中年以上の購買意欲は地味に強いと思うのだが。
基本的には女性視点の本。
男性は女性の裸に興奮する(あるいは登場人物の男性に同一化)というのは当たり前として、女性が、男性が女性の裸を見ることで見られている女性に自己同一化して陶酔を感じるというのは、男性から見ると意味が正直分からない。
受け身的存在と言うことなのだろうか?
作品中、男性キャラクターが、女性の快楽に奉仕するものと位置づけられているらしいことは、そんなに抵抗感がない。ただ、そう実生活で求められるとすると、どうなんだろうとは思う。
また、レディコミはポルノグラフィとして読まれているが、「ヤオイ」読者は恋愛を求めているというが、恋愛要素のないポルノグラフィも想像しにくいという意味では、あまり、はっきりした境界を示しているようには思えない。
全般的には、とにかくわかりにくく、未完成感の強い本で、自分もよく分からなかったが、視点、テーマはよいと思う。
サブカルチャーであるからこそのつかみ所のなさがある一方、進化、変化のまっただ中にある。
雑誌は読者が求めるものを提供しているからこそ買い手が付くわけで、雑誌の内容から読者の性的なニーズが読み解け、それが社会の何らかの変化、傾向を示しているという視軸を是非突き詰めて欲しい。
自分自身が掴めていないが何か大きなトレンドの波に流されているのかもしれない。
なお、本書で「ヤオイにおいて過激な性描写で知られる雑誌「コミックJUNE」」に限らず、Amazonで入手可能というのは、それはそれでびっくりした。
また、海外でヤオイ人気が急激に伸びていて、コミックマーケットで海外の愛好家が大量に同人誌を買っていることも珍しくないそうだ。
2015年5月29日に日本でレビュー済み
久々に出会えた良書。分かりやすく読みやすい。
良かった点
①読みやすい
著者がライターだからだろうが、下手な教授が書いたものよりも圧倒的にとても読みやすい。字がギュウギュウに詰められていることもなく、ストーリーも一貫しており、とても論理的。馬鹿な私でもスラスラ読めました。
②基礎的な知識の豊富であり、男女両方のポルノ論について書いてある
タイトルにポルノ論の教科書と書いたが、多くのポルノ研究者を分かりやすく引用しており、これを読めば、現在のポルノ研究で言われていることが、大体は分かる。女性向けポルノ(著者はこの表現を避けているが)だけでなく、男性向けポルノについても、比較するため、詳しく書かれており、両方の基礎的なポルノの知識を得ることができる。
③批判だけで終わらない
フェミニストみたいに単なるポルノ批判で終わらない。現在のポルノでの脱構築なども論じてあって、それがなかなか面白い。
「ポルノについていろいろ知りたいなー」「ポルノ研究って全体的に何してるんだろう」と思っている素人・初心者に対しては、これ以上分かりやすい教科書はないのではないかと思う。守如子さんや赤川学さんを先に読むよりも、まず最初にこれを読んどいたほうがいいと思う。
現在、私が2番目のレビュアーだが、こんなにいい本なのに、レビューが少ないのが不思議である。
良かった点
①読みやすい
著者がライターだからだろうが、下手な教授が書いたものよりも圧倒的にとても読みやすい。字がギュウギュウに詰められていることもなく、ストーリーも一貫しており、とても論理的。馬鹿な私でもスラスラ読めました。
②基礎的な知識の豊富であり、男女両方のポルノ論について書いてある
タイトルにポルノ論の教科書と書いたが、多くのポルノ研究者を分かりやすく引用しており、これを読めば、現在のポルノ研究で言われていることが、大体は分かる。女性向けポルノ(著者はこの表現を避けているが)だけでなく、男性向けポルノについても、比較するため、詳しく書かれており、両方の基礎的なポルノの知識を得ることができる。
③批判だけで終わらない
フェミニストみたいに単なるポルノ批判で終わらない。現在のポルノでの脱構築なども論じてあって、それがなかなか面白い。
「ポルノについていろいろ知りたいなー」「ポルノ研究って全体的に何してるんだろう」と思っている素人・初心者に対しては、これ以上分かりやすい教科書はないのではないかと思う。守如子さんや赤川学さんを先に読むよりも、まず最初にこれを読んどいたほうがいいと思う。
現在、私が2番目のレビュアーだが、こんなにいい本なのに、レビューが少ないのが不思議である。