秋★枝先生の東方儚月抄は全3巻 (上巻・中巻・底巻)なので本作が真ん中となります。中巻序盤は上巻の伏線回収（永琳から綿月姉妹への手紙）、その後は幻想郷の出来事（紅魔館、白玉楼、永遠亭組を中心としたやり取り）から月への侵攻、そして月到着後のスペルカード戦（依姫vs咲夜まで）と、流れる様にストーリーが進行します。
中巻で綿月依姫とのスペルカード戦開始のインパクトが大きいのは確かです。ただ、永琳との会話でわかるパチュリーの知性の高さ、言動から読み取れる幽々子の聡明さ、長く生きても熱い心と探求心を忘れないカリスマ溢れるレミリアなど、現在も人気のキャラ達がとても活き活きと描かれています。特に、「永く生きていると必要なものばかりになって困るのよ 日常のどうでもいいことが重要になってくるの」はレミリアの名言の一つかと。
依姫とのスペルカード戦途中という、続きが非常に気になる場面で終わりますので、連載当時に読まれていた方々はモヤモヤ感が残ったかも知れません。とはいえ、要所で東方節がさく裂するストーリーですし、世界観もしっかりしていますので、東方ファンにはたまらない作品でした。
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