小生はちょっとしたご縁から、昭和20年当時に20歳前後の方たちと長時間お話させていただいたことがある。
おひとりは、終戦時に霞ケ浦で特攻の訓練をしていて、あと終戦が2週間遅かったら生きてはいなかったという方。
もう、おひとりは海軍主計兵として南方の島に配属された方。
番外編では名前も存じ上げないのですが、たまたま長距離フェリーの船室で数時間、話すことができたやはり特攻の生き残りの方。フェリーの到着地で戦友の遺族の方に会い、また供養のために自転車で参詣しに全国をまわっている、という方。
フェリーの方は聞き忘れてしまったのですが、あとのおふたりはいわゆる学徒出陣というやつです。世情的に兵隊となることは必定の流れではあったのでしょうが、学生だった立場からある日を境に、郷土を守るためのとはいえ職業軍人ではなく、パートタイム軍人として他国の兵士の命を奪うことになった若者。
この本を読んで、当時の平凡な一学生兵士が兵士としてどんな日常を送ったのか、それがよくわかり興味深かった。
いろいろな戦争の記録がある、特に特攻に関しては読んでいてつらいものもある。そういったある特異な記録ではない、実にニュートラル(自然体といった意味合いにとってください)な雰囲気。いろいろな戦記を読んで来ましたが、個人的にベストです。
もちろん陸軍か海軍か、昭和16年か昭和20年か、兵隊さんの位は、で、もちろん内容は異なるでしょう。海軍の飯炊きの話なども、読むと実に興味深い。
もちろん、この著作の主人公の一夜でB29、5機撃墜もすごいことです。小生は狩猟をしますので、弾を的に当てることの難しさ、という面からも実に興味深い。空戦では3次元、4次元?ですし、自分も相手も動いていますからね。
ということも含め、当時の生の厚木基地の人間模様、人生模様が描かれ、兵士としての日常に関して本当によくわかった。
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回想の横空夜戦隊: ある予備士官搭乗員のB-29邀撃記 単行本 – 2012/1/1
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- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社潮書房光人新社
- 発売日2012/1/1
- ISBN-104769815131
- ISBN-13978-4769815136
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登録情報
- 出版社 : 潮書房光人新社 (2012/1/1)
- 発売日 : 2012/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 253ページ
- ISBN-10 : 4769815131
- ISBN-13 : 978-4769815136
- Amazon 売れ筋ランキング: - 741,722位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 93,988位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一夜にして5機B−29撃墜。これ自体がまず非常なる出来事である。遅い日本機は接敵(会敵すら)困難が常のしかも農大卒後間もない氏と予科練出身のペアという「新人」たちが達成したとなると尚凄い出来事だ。本書の内容に時系列で入隊以降書かれている様々な道程や要素が絡み合っているにせよ、同乗のペアの2人の人格の成せる技、と読後に独りで結論した。黒鳥氏のお話は色んな場所で断片的に読んだことがあり、最も露出度の高い撃墜マーク機の横での2ショット(表紙のものを含め)は海軍航空史に必須の一葉になっているので本書をいつか読んでみたかった。結論は非常に読んでよかったと思う。当時の資料ということもだが、現代の同じ年代の学生、若者となんら変わりない当時の若者の思考や行動が一気に戦後の時間軸を縮めてくれたのだ。海軍に予備学生で入隊の即席少尉たちの日常や兵学校卒者との間の苦労や、戦闘部隊の緊張感が手に取るように活写されている素晴らしい読み物であった。共著の戦史家、渡辺氏の著書はほぼ全読しているが、この作品はそのなかでも上位にいれたい好きな作品だ。おそらく黒鳥さんの聞き取りを渡辺さんが起こしたものだろう(筆致・語り口からそう判断)。通勤電車や家で何度も繰り返して読んでしまった。航空的に貴重な点は「月光」、なかでも横空自体の情報や内部の状況を知る読み物は多くない。第一人者の渡辺氏ならではの痒いところに手が届く内容に納得。陸軍の屠竜隊(有名な空中勤務者多数)が来隊した時の記念写真など、黒鳥氏自身の撮影によるレア写真が私にとっての目玉だった。航空マニアにとっては装丁もよいし是非手元において頂きたい書です。勿論そうでない方々にも大推薦しときます。
2012年1月15日に日本でレビュー済み
筆者は予備士官搭乗員として本土防空戦に参加、一夜でのB-29連続5機撃墜によって知られる人物であり、その回想記を航空戦記で定評のある編者が体裁を整えたものが本書です。
特殊な形態での執筆であっただけに、かなり難産した様子が本書の後書きからも伺われますが、結果的に非常に完成度の高い読み物となっており、筆者、編者の努力が報われているように思います。
本書は上述のような経緯で完成したために、個人戦記の魅力である当事者のみの知りうる人物描写や組織の雰囲気を生き生きと伝える一方で、編者によって再構成された文章によってオリジナルの密度を保ったまま、読みやすく良質の物語となっています。
内容的には、予備士官と兵学校出身者の対立、上官による下級士官への教育(士官用料亭の使い方のエピソードなどは、面白いです)、下士官兵との距離感などが、敬愛する山田夜戦隊隊長の思い出やラバウル帰りの下士官との関係など、様々な挿話の中に伺え、引き込まれるものがあります。
また横空夜戦隊が使用した航空機に関しては、筆者が主として搭乗した「月光」が中心となりますが、有名な「ヨ-101」号機は、どうやら横空で機銃の増設や単排気管工作を実施された試作機的機体であったことや、夜戦型「彗星」の評価、横空を訪問した陸軍飛行第四戦隊の「屠龍」の印象なども、わずかな記述ながら興味深いものがあります。
B-29との戦闘については、全体の中で大きな比重を占めていませんが、夜戦の混乱や戦闘の興奮、あるいは息のあったペアによる冷静な判断と戦果といったものが活写され、さらに大戦果をあげたことで引き起こされる様々な騒動への戸惑いが綴られます。
そして最後に、戦時中に「暗視ホルモン」として投与されたヒロポンの副作用に苦しみながらも戦後を生き抜く筆者の姿と、数十年の時を経て再会した部隊の戦友から送られた言葉による静かな余韻をもって本書は締めくくられます。
血湧き肉躍るというものではありませんが、太平洋戦末期の予備士官搭乗員の青春をよく活写しており、読み物的にも充実感があります。近年発表された第二次大戦の個人戦記としては、まずお勧めと言ってよい一冊でしょう。
特殊な形態での執筆であっただけに、かなり難産した様子が本書の後書きからも伺われますが、結果的に非常に完成度の高い読み物となっており、筆者、編者の努力が報われているように思います。
本書は上述のような経緯で完成したために、個人戦記の魅力である当事者のみの知りうる人物描写や組織の雰囲気を生き生きと伝える一方で、編者によって再構成された文章によってオリジナルの密度を保ったまま、読みやすく良質の物語となっています。
内容的には、予備士官と兵学校出身者の対立、上官による下級士官への教育(士官用料亭の使い方のエピソードなどは、面白いです)、下士官兵との距離感などが、敬愛する山田夜戦隊隊長の思い出やラバウル帰りの下士官との関係など、様々な挿話の中に伺え、引き込まれるものがあります。
また横空夜戦隊が使用した航空機に関しては、筆者が主として搭乗した「月光」が中心となりますが、有名な「ヨ-101」号機は、どうやら横空で機銃の増設や単排気管工作を実施された試作機的機体であったことや、夜戦型「彗星」の評価、横空を訪問した陸軍飛行第四戦隊の「屠龍」の印象なども、わずかな記述ながら興味深いものがあります。
B-29との戦闘については、全体の中で大きな比重を占めていませんが、夜戦の混乱や戦闘の興奮、あるいは息のあったペアによる冷静な判断と戦果といったものが活写され、さらに大戦果をあげたことで引き起こされる様々な騒動への戸惑いが綴られます。
そして最後に、戦時中に「暗視ホルモン」として投与されたヒロポンの副作用に苦しみながらも戦後を生き抜く筆者の姿と、数十年の時を経て再会した部隊の戦友から送られた言葉による静かな余韻をもって本書は締めくくられます。
血湧き肉躍るというものではありませんが、太平洋戦末期の予備士官搭乗員の青春をよく活写しており、読み物的にも充実感があります。近年発表された第二次大戦の個人戦記としては、まずお勧めと言ってよい一冊でしょう。