はじめに（抜粋） ヤフオク詐欺対策サイト「TARGEST」主宰 中島慎一
偽名や他人の口座を使って別人になりすます、入金されたら連絡を絶って逃げる、商品の代わりにがらくたを送ってくる、捕まりそうになったら自己破産をする……次々に卑劣な手口を考えだし、ヤフーオークションに跋扈する詐欺師たち。彼らのやり方は、いわゆる「インターネット詐欺」の典型と言ってかまわないだろう。
私の運営するサイトには、ヤフーオークションにおける詐欺被害者からの報告を、そのまま掲載した詐欺師リストがある。
しかし、悲しいかな、この詐欺師リストを見つけ出すのは、詐欺被害に遭ってからの人のほうが圧倒的に多いのだ。そこで私は、これ以上何も知らない人々が、非道な詐欺師たちの投げた網にかからないようにするために、本書を通じて広く警鐘を鳴らすことにした。
真実だけを克明に記した本書が、ヤフーオークション詐欺ならびにインターネット詐欺から身を守るためのバイブルとなることを祈るばかりである。
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おわりに~新たな被害者が生まれないことを願って（抜粋）
ヤフオクでは２００４年３月現在、利用者数に限りなく近いといわれる「ユニークブラウザ数」が１，５４３万となっている。これは、東京都の人口より３００万も多い数字であり、単純計算すれば日本国民の約８人に一人がヤフオクにアクセスしていることになる。そして、インターネット利用者に限ると、約５人に一人という計算になり、まさに石を投げればヤフオク利用者に当たる状況といえよう。
６月２４日の『日経流通新聞』で、「違法物の出品など問題も出ているが」との記者の質問に対し、ヤフーの井上社長は「確かに問題は出ていますが、全体からみれば数％にすぎません」と答えている。２００３年度の月間平均総出品数は約６０７万件であるから、仮にそれが１％だったとしても、６万７００件もの違法物が出品されていることになる。「……すぎません」で済まされるほど小さな数字ではないと思うのは、中島氏や私だけではないはずだ。
警 察「マンガ喫茶は会員制でもないし、履歴もないから、特定は不可能。警察としては何もできないんですぅ~」 被害者「じゃぁ、マンガ喫茶から詐欺をしたら、逮捕されないんですね」 警 察「まっ、そうなるかなぁ~」
第六章に書かれたこんなエピソードは極端であろうが、ヤフオク詐欺の被害者の多くが、警察とやり取りするなかで似たような経験をしている。また、「返す」という一言や、一部返金などの実績があるだけで、「これは民事ですね」と、被害届さえ受理しようとしない警察の姿勢も納得がいかない。
そうはいっても、まずはヤフオクの利用者自身が、詐欺に遭わないようにすることが先決である。本書も、詐欺師を減らすことよりも「被害者を減らす」ことに重きを置いて製作した。１，５４３万人のヤフオク利用者には、ぜひとも全員に熟読していただき、詐欺師たちの卑劣な手口を見破る術を身につけてもらえれば幸いである。（BananaRum Inc. Producer K.Iwasaki）
内容（「MARC」データベースより）
さまざまな手口を使ってネットに跋扈する詐欺師たち。心の虚をつく巧妙な手口、想像を超えた隠れ蓑、頼りにならない警察…。詐欺師を追いかける被害者たちの壮絶な闘いの記録。被害対策の方法・詐欺師リスト付き。
