巻頭対談「若者はなぜ誤解されるのか?」なぜ若者はバッシングが起こるのか?
酒鬼薔薇聖斗事件と若者論の変化。
少年犯罪急増のウソを見破る
鬼子にされる若者たち
なぜ若者論を問題にするのか?
ケータイ・ゲーム有害論に物申す!
インターネットが若者をダメにした?
ケータイを持ったサル。
格差、ニートは自己責任か?
恣意的に解釈される統計
働く意欲のない「ニート」は急増しているのか。
前提を疑うことから始める
犯罪と格差を生んだ「新しい日本人」
傲慢な「心の専門家」たち。
ブックガイド
基礎資料
総論。

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「若者論」を疑え! (宝島社新書 265) 新書 – 2008/4/9
後藤 和智
(著)
『ニートって言うな!』(光文社新書)の著者、後藤和智氏が一般に報道等がされている「若者論」に対しメスを入れる知的エンターテインメントです。フリーター・ニート社会悪論、キレる若者、携帯によるコミュニケーション不全化論、少年犯罪凶悪化論、オタクバッシング、他人を見下す若者論などに対し、「世間でもっともらしく語られている若者論には嘘がある!」をテーマに、詳細なデータと若者へのルポを交えて分析した1冊です。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社宝島社
- 発売日2008/4/9
- ISBN-104796663533
- ISBN-13978-4796663533
著者について
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1984年岩手県釜石市生まれ、宮城県仙台市出身。
東北大学工学部卒業、同大学院工学研究科博士課程前期修了。修士(工学)。
2004年に若者論を検証するブログを開設。
同人作家(サークル「後藤和智事務所OffLine」代表)としての活動は「コミックマーケット73」(2007年冬コミ)より。
現在は若者論研究や若年労働政策、経済政策、統計学、ニセ科学研究のほか、
同人誌では統計学の解説書やデータジャーナリズムなども扱う。
公式サイト: http://www45.atwiki.jp/kazugoto/
Twitter: https://twitter.com/kazugoto
Facebook(個人): http://www.facebook.com/kazutomo.goto.5
Facebook(サークル): http://www.facebook.com/kazugotooffice
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年4月10日に日本でレビュー済み
最近の若者を憂う言説は巷に溢れている。もはや最近の若者は理解できない、壊れているというのは疑う余地などない真実であって、どうしてそんな若者が凶悪化、怪物化してしまったのかという原因についてあれこれ語られる。
…でも本当にそうだろうか?と疑問を抱いたことはないだろうか。そのような人、あるいは今まで疑問をまったく抱くこともなかった人にこの本は読んでいただきたい。
原因分析はおろかそもそも大前提となっている若者が壊れているという事実認識自体がおかしいのではないだろうかという素朴な疑念は抱いたことはないだろうか。つまり、「若者論」を分析するにはそもそもの事実認識の部分と、原因分析そして派生としての処方箋とさまざまな観点から分析しなければならない。そして大概の「若者(批判)論」は、事実認識がおかしく、原因分析がおかしく、そして処方箋もおかしいということをこれでもか、これでもかと証拠提示、集めている著者が「若者論」に一般化して分析しているのが当著である。
「若者論」そのものを分析しているので、その具体例(名)についてはあえて匿名扱いをされているようだが、各章ごとにあげられている豊富な参考資料を読めば該当者(作)が実在することはわかる。それだけでも最近の若者はといいつつ個人的な体験や、あるいは稀に起こる事件を過度に一般化して「若者論」を妄想気味に語る「若者論」とは一線を画している。
それでも物足りないもっと個別具体例についての批判が知りたいというのならば、あとがきで物されているように著者が主宰されているブログをお覗きいただいたい。
冒頭に収録されている本田由紀東大准教授との対談が本全体のガイドになっているのも親切なつくりとなっている。
…でも本当にそうだろうか?と疑問を抱いたことはないだろうか。そのような人、あるいは今まで疑問をまったく抱くこともなかった人にこの本は読んでいただきたい。
原因分析はおろかそもそも大前提となっている若者が壊れているという事実認識自体がおかしいのではないだろうかという素朴な疑念は抱いたことはないだろうか。つまり、「若者論」を分析するにはそもそもの事実認識の部分と、原因分析そして派生としての処方箋とさまざまな観点から分析しなければならない。そして大概の「若者(批判)論」は、事実認識がおかしく、原因分析がおかしく、そして処方箋もおかしいということをこれでもか、これでもかと証拠提示、集めている著者が「若者論」に一般化して分析しているのが当著である。
「若者論」そのものを分析しているので、その具体例(名)についてはあえて匿名扱いをされているようだが、各章ごとにあげられている豊富な参考資料を読めば該当者(作)が実在することはわかる。それだけでも最近の若者はといいつつ個人的な体験や、あるいは稀に起こる事件を過度に一般化して「若者論」を妄想気味に語る「若者論」とは一線を画している。
それでも物足りないもっと個別具体例についての批判が知りたいというのならば、あとがきで物されているように著者が主宰されているブログをお覗きいただいたい。
冒頭に収録されている本田由紀東大准教授との対談が本全体のガイドになっているのも親切なつくりとなっている。
2008年5月15日に日本でレビュー済み
「ニートっていうな!」で鮮烈にデビューした気鋭の作家の第二作。
それなりに読ませる内容です。
どこかの書評にも書いてありましたが著者のブログの内容がベースになっています。
しかし個人攻撃で成り立つブログと出版というメディアは根本的に立場が違うため、
この著者のスタイルでは今後なかなか厳しくなるでしょう。
「若者論」への反論というものは、若者の特権。
往々にして、批判者自身が社会の中心となる世代に上がるにつれて厳しい立場に追い込まれるもの。
「変節」ということばを恐れてはいけないともいえましょう。
大人になって、いつまでもマイノリティでは寂しいものですから。
あるいは永遠にブログの中に逃げ込むという手もありますが…
厳しいことを書きましたが、著者のブログに「骨」を感じたので敢えて書きました。
自作での健全なる「変節」を期待しましょう。
小林秀雄もいっていましたが、私は基本的に人の批判は書かない、と。
行き詰まりになってしまうのかもしれませんね。
それなりに読ませる内容です。
どこかの書評にも書いてありましたが著者のブログの内容がベースになっています。
しかし個人攻撃で成り立つブログと出版というメディアは根本的に立場が違うため、
この著者のスタイルでは今後なかなか厳しくなるでしょう。
「若者論」への反論というものは、若者の特権。
往々にして、批判者自身が社会の中心となる世代に上がるにつれて厳しい立場に追い込まれるもの。
「変節」ということばを恐れてはいけないともいえましょう。
大人になって、いつまでもマイノリティでは寂しいものですから。
あるいは永遠にブログの中に逃げ込むという手もありますが…
厳しいことを書きましたが、著者のブログに「骨」を感じたので敢えて書きました。
自作での健全なる「変節」を期待しましょう。
小林秀雄もいっていましたが、私は基本的に人の批判は書かない、と。
行き詰まりになってしまうのかもしれませんね。
2010年7月25日に日本でレビュー済み
多くの若者論の杜撰さを論理的に批判した書物です。基本、若者を批判する書物を書いた学者は政府なり省庁に呼ばれ重宝がられるのは戦後以降ずっと続いた傾向であるわけで、更に学者が若者論を再生産するという図式も伺えます。何より若者批判論を癒しとして受容したがる若者もいるわけでそのような傾向に一石を投じる書物だと思います。 ただ問題はデータがないものは存在しないかのように語らなければならないという1950年代の歴史学のアポリアにどう答えるか。既にそれを乗り越した現象学的社会学に学ぶのか、かつて著者と同じ道を辿った宮崎哲弥とどう異なる道を見出せるかが鍵になるでしょう。
2008年12月18日に日本でレビュー済み
酒鬼薔薇聖斗事件以降,若者バッシングがさかんになったという.この本は若者バッシングの「エセ科学」性をあばき,徹底的に反論している.しかし,ここで批判されている本のおおくは,そもそも「科学」ではない.それを「エセ科学」といって批判するのは,いささか奇異な感じがする.
とはいえ,「教育再生会議」などにおいて根拠のない議論にもとづいて政策の方向がきめられていくのは問題である.また,根拠も明確でないまま本を書き散らす日本の論壇は批判されてしかるべきだろう.
とはいえ,「教育再生会議」などにおいて根拠のない議論にもとづいて政策の方向がきめられていくのは問題である.また,根拠も明確でないまま本を書き散らす日本の論壇は批判されてしかるべきだろう.
2008年5月6日に日本でレビュー済み
この本の長所
1.若者論について、主に通俗的、政治的に保守な見解について、それなりの根拠を持って異を唱えているところ。この本の説が正しいかはさておき、通俗的、政治的に保守な見解を信奉している人にとっては新たな視座が与えられて自分で考えられるようになろう。
2.本田由紀さんとの対談はとりわけ面白かった(特に本田さんのツッコミが良かった)。
この本の短所
著者独自の根拠があいまいなところが散見されるところ。誰それのこういう研究があるから正しいというだけでは読む側としては著者の説に軍配は上げにくいであろう。
結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして(難しいかもしれないが、著者独自と思われる見解が見たかったので)星4つ。
1.若者論について、主に通俗的、政治的に保守な見解について、それなりの根拠を持って異を唱えているところ。この本の説が正しいかはさておき、通俗的、政治的に保守な見解を信奉している人にとっては新たな視座が与えられて自分で考えられるようになろう。
2.本田由紀さんとの対談はとりわけ面白かった(特に本田さんのツッコミが良かった)。
この本の短所
著者独自の根拠があいまいなところが散見されるところ。誰それのこういう研究があるから正しいというだけでは読む側としては著者の説に軍配は上げにくいであろう。
結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして(難しいかもしれないが、著者独自と思われる見解が見たかったので)星4つ。
2008年4月17日に日本でレビュー済み
キレやすい、やる気がない、昔はこうではなかった…。昨今、飛び交う数々の「若者論」。それらは、教育や政策と言ったものにまで影響を与えつつある。しかし、それらの言論を検証すると、多くが根拠がない、根拠の薄いものである。そして、それらによって出来てしまう問題について綴った書。
本書は、1章で凶悪犯罪などの統計データを元にした考察。2章で、ゲーム・ネット有害論、3章でフリーター・ニートなど労働問題の検証を行い、4章でまとめる、という形を取っている。
著者はネット上で活動を行っており、それを見慣れている人には少々、突っ込み方が足りないと感じるか思うが、「若者」を巡る言説がコンパクトに整理してまとめられており、「若者論」の大まかな流れ、構図というものを整理するのに良いのではないかと思う。無論、著者の活動を知らない方には、本書でも十分に考えさせられるかと思うが。
「今の若者は…」というのは、太古の昔から言われ続けてきたことであり、それがあること自体は今に始まったことではない。それが「ただの愚痴」で済んでいるのであれば、何の問題もない。ところが、現在の日本では、その「根拠のない若者論」が一人歩きし、それが政策や教育現場に影響を与えるようになってしまっている。「根拠のない若者論」による政策や教育というのは予算や時間を大きく損なうだけでなく、本当の問題への対応を遅らせてしまったり、差別など別の問題を作り出してしまう結果につながりかねない。それこそが問題である。
本書は「若者論」を題材にしているわけであるが、本書で訴えられいることは若者以外について考える際にも十分なヒントとなると思う。
本書は、1章で凶悪犯罪などの統計データを元にした考察。2章で、ゲーム・ネット有害論、3章でフリーター・ニートなど労働問題の検証を行い、4章でまとめる、という形を取っている。
著者はネット上で活動を行っており、それを見慣れている人には少々、突っ込み方が足りないと感じるか思うが、「若者」を巡る言説がコンパクトに整理してまとめられており、「若者論」の大まかな流れ、構図というものを整理するのに良いのではないかと思う。無論、著者の活動を知らない方には、本書でも十分に考えさせられるかと思うが。
「今の若者は…」というのは、太古の昔から言われ続けてきたことであり、それがあること自体は今に始まったことではない。それが「ただの愚痴」で済んでいるのであれば、何の問題もない。ところが、現在の日本では、その「根拠のない若者論」が一人歩きし、それが政策や教育現場に影響を与えるようになってしまっている。「根拠のない若者論」による政策や教育というのは予算や時間を大きく損なうだけでなく、本当の問題への対応を遅らせてしまったり、差別など別の問題を作り出してしまう結果につながりかねない。それこそが問題である。
本書は「若者論」を題材にしているわけであるが、本書で訴えられいることは若者以外について考える際にも十分なヒントとなると思う。
2008年5月29日に日本でレビュー済み
「少年犯罪は凶悪化している」「ケータイやゲームは有害である」「ニートは自己責任である」等々、若者に関する主張がマスコミで報じられることがありますが(主に「識者」ぶった人によって)、著者はそういった考えは統計や研究に基づいたものではなく、根拠の無い単なる思い込みだとしてバッサバッサとぶった切っていきます。
少し前に出版された『戦前の少年犯罪』と同じような趣旨の本ですが、扱うテーマが犯罪だけに限らず多岐に渡っていて幅広い知識が得られるし、その割には新書ということもあってコンパクトにまとまっていてかなり読みやすく、著者自身が本書を「若者論に関する基本書」と位置づけているのも頷ける内容です。これで1984年生まれだとは相変わらず凄い。
また、巻末のブックガイドも◎。
文体や個別事例への踏み込み方は著者自身のブログの方が面白いと思うので、本書を気に入った人はブログも読んでみると良いんじゃないかなあと思います。
少し前に出版された『戦前の少年犯罪』と同じような趣旨の本ですが、扱うテーマが犯罪だけに限らず多岐に渡っていて幅広い知識が得られるし、その割には新書ということもあってコンパクトにまとまっていてかなり読みやすく、著者自身が本書を「若者論に関する基本書」と位置づけているのも頷ける内容です。これで1984年生まれだとは相変わらず凄い。
また、巻末のブックガイドも◎。
文体や個別事例への踏み込み方は著者自身のブログの方が面白いと思うので、本書を気に入った人はブログも読んでみると良いんじゃないかなあと思います。