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エルフランドの王女 単行本 – 1991/10/1
- 本の長さ329ページ
- 言語日本語
- 出版社沖積舎
- 発売日1991/10/1
- ISBN-104806030260
- ISBN-13978-4806030263
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登録情報
- 出版社 : 沖積舎 (1991/10/1)
- 発売日 : 1991/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 329ページ
- ISBN-10 : 4806030260
- ISBN-13 : 978-4806030263
- Amazon 売れ筋ランキング: - 187,437位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年3月14日に日本でレビュー済み
ダンセイニの名前は知っていましたが、彼の作品はこれが初めてでした。
でもとてもすばらしい作品なので良かったです。まさにダンセイニの
最高傑作だと思います。雷でできた剣、黄昏の国境い、永遠の中にまどろむ
エルフランド、青色に輝く宮殿、リラゼルの嘆きに反応して震える
エルフランドの空気・・・人間の世界に住むアルヴェリックと
エルフランドに住むリラゼルとのギャップ・・・
まさに幻想の異世界へ誘ってくれる見事な物語です。
ユニコーンがエルフランドでは尊大で嫌われているという設定も面白いです。それに、トロールのルルルの存在もとてもユーモラスです。
また訳文が実に流麗で美しいです。この物語世界の中の数々の秀逸な描写を
その華麗で豊潤な訳でさらに増幅してくれていると思います。
それからこの作品のテーマの中には物質と精神というものも含まれている
気がしました。
またアールの評定衆の人々の、
最初は魔法がアールに訪れるのを
強く望んでおきながら、いざ数々の魔法がアールを訪れるように
なると、その事に困惑し、ついにはそれらの魔法を疎ましく思うようになる
彼らの(人間の)身勝手さというようなものも強く感じました。
でもとてもすばらしい作品なので良かったです。まさにダンセイニの
最高傑作だと思います。雷でできた剣、黄昏の国境い、永遠の中にまどろむ
エルフランド、青色に輝く宮殿、リラゼルの嘆きに反応して震える
エルフランドの空気・・・人間の世界に住むアルヴェリックと
エルフランドに住むリラゼルとのギャップ・・・
まさに幻想の異世界へ誘ってくれる見事な物語です。
ユニコーンがエルフランドでは尊大で嫌われているという設定も面白いです。それに、トロールのルルルの存在もとてもユーモラスです。
また訳文が実に流麗で美しいです。この物語世界の中の数々の秀逸な描写を
その華麗で豊潤な訳でさらに増幅してくれていると思います。
それからこの作品のテーマの中には物質と精神というものも含まれている
気がしました。
またアールの評定衆の人々の、
最初は魔法がアールに訪れるのを
強く望んでおきながら、いざ数々の魔法がアールを訪れるように
なると、その事に困惑し、ついにはそれらの魔法を疎ましく思うようになる
彼らの(人間の)身勝手さというようなものも強く感じました。
2008年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ダンセイニの作品の中ではこれが一番ファンタジーらしいファンタジーですね。
さすがに初期から中期の作品らしく詩的な美しい文章表現が綺麗です。
人々の、自分達の今いる世界の良さもひとたびエルフランドに心を向ければ色褪せてしまうから関心を寄せない、という複雑な羨望と畏れが実によく伝わってきました。
また、魔を望んだ村の人たちが、現実に魔が到来したら困惑して恐れるという自分勝手な面のあらわれも効果的でしたね。
最終的に村はエルフランドに飲み込まれ、有名になるどころか現実世界からどんどん忘れられていくという結果になってしまうのもナイス。
個人的には、時の流れが殆どないエルフランドに飲み込まれた村で永遠を過ごすというのは結構理想的な結末ともいえますが。
あと、トロールの存在はユーモラスでよかったです。
さすがに初期から中期の作品らしく詩的な美しい文章表現が綺麗です。
人々の、自分達の今いる世界の良さもひとたびエルフランドに心を向ければ色褪せてしまうから関心を寄せない、という複雑な羨望と畏れが実によく伝わってきました。
また、魔を望んだ村の人たちが、現実に魔が到来したら困惑して恐れるという自分勝手な面のあらわれも効果的でしたね。
最終的に村はエルフランドに飲み込まれ、有名になるどころか現実世界からどんどん忘れられていくという結果になってしまうのもナイス。
個人的には、時の流れが殆どないエルフランドに飲み込まれた村で永遠を過ごすというのは結構理想的な結末ともいえますが。
あと、トロールの存在はユーモラスでよかったです。
2003年8月14日に日本でレビュー済み
ダンセイニの長編の中でも、
最高傑作の呼び声高い本書は、訳者の美しい翻訳にも
恵まれ、すばらしい出来となっている。
初期以来の作家自身の揺れ動く感受性の問題追及という
側面からみた場合、それは、<汎神論的気質>と<一神教的視点>の融合が、
本作品では果たされている。
中期以降の「ホラ話」への移行は、日常空間における<夢想>の溶解という
作家の問題意識の変更を窺わせる。
そうした転機にもなったダンセイニ初期の終わりをつげる傑作長編が本書である。
最高傑作の呼び声高い本書は、訳者の美しい翻訳にも
恵まれ、すばらしい出来となっている。
初期以来の作家自身の揺れ動く感受性の問題追及という
側面からみた場合、それは、<汎神論的気質>と<一神教的視点>の融合が、
本作品では果たされている。
中期以降の「ホラ話」への移行は、日常空間における<夢想>の溶解という
作家の問題意識の変更を窺わせる。
そうした転機にもなったダンセイニ初期の終わりをつげる傑作長編が本書である。
2003年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
値段がちょっと高いうえに配送に時間がかかるので、買うまでにかなり迷いました。ダンセイニの多くは絶版、『魔法使いの弟子』の他に、現在入手できる訳本といえばこれしか見当たりません。
今は、これが自分の物になったことに非常に満足しています。
落雷をキャベツの横に埋めるというモチーフまた野原やエルフランドの境界や城の描写の美しさ。文章のためだけにも充分、価値があると思いますが、ストーリーがまたすばらしいです。ネタばれになるのでこれ以上は書けませんが、哀愁と楽観を私は受け取りました。
そして、もう一つ。塩漬け肉(これを燻製にするとハムになる)だの、食べ物もいろいろ出てきます……リスを喰うんかイングランド人。というのが一番強烈に残りました。
今は、これが自分の物になったことに非常に満足しています。
落雷をキャベツの横に埋めるというモチーフまた野原やエルフランドの境界や城の描写の美しさ。文章のためだけにも充分、価値があると思いますが、ストーリーがまたすばらしいです。ネタばれになるのでこれ以上は書けませんが、哀愁と楽観を私は受け取りました。
そして、もう一つ。塩漬け肉(これを燻製にするとハムになる)だの、食べ物もいろいろ出てきます……リスを喰うんかイングランド人。というのが一番強烈に残りました。