お届け先を選択
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

生物進化とハンディキャップ原理―性選択と利他行動の謎を解く 単行本 – 2001/6/10

4.8 5つ星のうち4.8 8個の評価

商品の説明

商品説明

砂漠でのんびりと草を食んでいるガゼル。そこに1匹のオオカミが近づいてきた。さてガゼルはどうするだろうか? 一目散に走って逃げるかと思えば、意外にもガゼルはその場でピョンピョン高く跳び上がってみせ、それから逃げることが多い。知能が高いことで知られているカラスは食物や人間、敵などを見分けることができるが、なぜか自分の巣に産み落とされたカッコウの卵を自分の卵と同様に育てる。

こうした現象に対し、アモツ・ザハヴィは1977年にハンディキャップ原理を提案した。ハンディキャップ原理とは、「動物が示すさまざまな信号には発信のコストがかかるため、信号には個体間でのハンディの差がつきもので、それは発信者の能力を正直に表すように進化する」というものである。先ほどのガゼルの例は「ガゼルは自分の身体能力を飛び跳ねることで発信する。するとオオカミは体力が劣るガゼルをそのジャンプの高さではかることができるので、やみくもにガゼルを追いまわす必要がなく、また他のガゼルも必死に逃げなくて済み体力を温存できる」と説明する。本書ではこの原理をアメーバからヒトにいたる生物種で見られる性選択や利他行動に適用し解説している。

本書はとても読みやすく、どこから開いてもすぐに内容に引き込まれてしまう。これには大貫の素晴らしい翻訳もその一助になっている。(別役 匝)

内容(「MARC」データベースより)

ガゼルの自殺的にも見えるディスプレーから人間の顎髭まで、とてつもなく広範囲の動物行動と解剖学的構造を説明する理論として注目を集めているハンディキャップ原理。進化論の構図を完成させる最後の理論が姿を現す。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白揚社 (2001/6/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2001/6/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 428ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4826901011
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4826901017
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 8個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
8グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2012年6月5日に日本でレビュー済み
 仮説であることを伝えるための「〜と考えられている。」といった表現、文字数が増えたり、言葉に強さがないといったデメリットがあるとしても、視聴者に誤った知識を与えないために省略してはならない部分です。残念ながらNHKをはじめとしてマスメディアの多くが、この原則を無視して断定的な表現で解説されるのを耳にします。
 本書、"The Hadicap Principle"は生物の様々な形態や行動に対して「なぜか?」を考える手がかりとなる興味深い仮説を、その仮説の提唱者本人がわかりやすく解説するものです。そしてところどころに書かれる人間に関しての問いかけは、「人間とは」を様々な面から考えさせる問いかけともなっています。
 本書で解説されるハンディキャップ原理、「正しいか、正しくないか」といった視点で読むのではなく、「研究の場における知的活動とはどういうものか」という観点から読まれることをお勧めします。何しろ、本書に登場する生物の様々な姿や行動について、私達は詳細な観察や想像を通してでしか、理解を深めることはできませんので・・。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年9月1日に日本でレビュー済み
実はこの本は、単なる生態学や進化論の本ではなく、認証システムが自然に進化しうる過程について書かれた、おそらく最初の本である。
その意味で、この本が情報科学や哲学や言語学など、他の分野に与える影響は計り知れないものがある。
著者の主張は明確で「コストこそがメッセージ」ということだ。
この主張は明確であると同時に、強い説得力を持っている。
しかしながら、この本に書かれてある個々の事例を見ると、にわかには受け入れがたいものがある。著者はコストとメッセージの原理を過剰に適用しているのではないだろうか。さらに「ハンディーキャップ」という癖のある用語が理解をはばみ、誤解を生みだしやすいように思われる。
それでもなお、この本はあらゆる分野の専門家のとって必読の書であることは間違いない。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハンディキャップ原理は生物進化に特化した話ではなく、一般社会におけるコミュニケーションにも通じるものがある。お金持ちが、無駄ともいえるほど高いものを購入して、金持ちであるという余裕をアピールする。無駄をするというハンディも背負うことでその優秀さ、優位性をアピールする。といったことである。
ドーキンスの”利己的な遺伝子”では、遺伝子の利益のためにとる利他行動の原理を説明している。ハンディキャップ原理においても、利他行動の説明をしているが、優秀さをアピールするといった、コミュニケーションに焦点が置かれている点が特徴的である。
生物進化の研究をしていて、この本に出会ったが、一般書であり、一般社会に多く適用できる原理であることにおもしろさを感じた。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年8月11日に日本でレビュー済み
ザハãƒ"のハンディキャッãƒ-原理についてのåŒ...括書.動物の進åŒ-ç"Ÿæ...‹å­¦ã®åŸºæœ¬çš„なè'-作でã"れほど愉ã-く深い本はä¹...ã€...の出会い.70å¹'代にハンディキャッãƒ-理è«-ã‚'å"±ãˆã¦å­¦ä¼šã®è­°è«-ã‚'沸騰させ,å½"初は否定的なè«-評も多かったものの最è¿'では理解も深まりå-ã'å...¥ã‚Œã‚‰ã‚Œã¦ã„るという背景があるわã'であるが,そのé-"もイスラエルで野å¤-のç "究一筋であったã"とが読è€...とã-てもうれã-い.ã"うやって通読するとハンディキャッãƒ-理è«-は非常に基礎的でかつ強力な理è«-であるã"とが実感できる.詳ç'°ã¯ã¾ãŸæ ¼åˆ¥ã«æ¥½ã-くて,たとえば鳥のä½"表のé...è‰²ï¼ˆã"の一般åŒ-理è«-がオリジナル)とかカッコーの再解釈(物事は証拠がでるまでは思いã"まずに深く考えるべきだ)とかいろいろな驚きに満ちている.
(ã"ã‚"なにæ-©ãç¿»è¨³ãŒå‡ºã‚‹ã¨ã¯æ€ã!„ませã‚"でã-た.そもそも翻訳されないだろうという予想であったので嬉ã-いå¤-れæ-¹ã‚'ã-た)
面白いエãƒ"ソードとã-てそもそもハンディキャッãƒ-ã‚'発表ã-たときは本人には「自明」であったので学会の反応に驚いたとã"ろなã‚"かもいいです.ハミルトン博士が頭にきている部分もよくわかりまã-た.(わずかなページですã'ど確かにã"ã"はザハãƒ'ィå...ˆç"Ÿã®å‹‡ã¿è¶³ï¼‰ãƒŸãƒ©ãƒ¼ã®æœ¬ã‚'読みè¿"ã-てから読むとザハãƒ'ィのå...ˆè¦‹æ€§ã¨é™ç•Œã‚‚良くわかります.でもやっぱり深い観察に裏æ‰"ちされたとても深い本でã-た.
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年8月30日に日本でレビュー済み
「ハンディキャップ原理」は1977年に初めて提示された進化生物学の
モデルの1つである。チメドリが必要以上に鳴き、ガゼルが捕食者に
向けてぴょんぴょん跳ねるように、ときに動物は奇妙な信号も発信す
る。ハンディキャップ原理は、動物の発信する情報がどのような理由
で進化したのかを説明するための1つのモデルである。この原理の提
出後、数理モデルで一旦は否定されたことから日のあたる場所にな
かったらしい。ところが、1990年に新たなモデルで成立することがわ
かって以降、再評価されるようになったという。

動物間の進化は淘汰圧にさらされているので、幅はあるにしろ大きく
適応から外れるものはない。しかし、動物はときに人間から見て不合
理なまでに派手に誇張されたデザインをもち、不必要にエネルギーを
消費しているような行動をとる。デザインや行動による信号の発信は
何らかの利得を得ようと行なわれているのは間違いないだろう(例え
ば、優秀な遺伝的形質をもっていることを示し、生殖を成功させよう
としたり)。とするならば、それが本当に正しい情報なのか判断され
ることが進化的に安定するためには必要となる。なぜなら、その信号
を他個体が意味のある情報とみなさないならば、何の反応もしなくな
り、その場合、信号を発信すること自体がなくなるからである。

では、そういった情報の信頼性をどのように担保しているのかが問題
になる。それを信号を発信するコストから説明しようとするのがハン
ディキャップ原理である。例えば、ガゼルが捕食者に対してぴょんぴ
ょんと跳ねてみせるのは「これだけ無駄なエネルギーのコストを負っ
ても逃げる自身がありますよ」というメッセージになるという。逃げ
る身体的能力があることを正しい情報として示すために、ぴょんぴょ
んと跳ねるコストを払うのである。本書は、このような見解を様々な
フィールドの動物行動へとあてはめていく。注意したいのは、一般の
読者を想定したらしく、数理モデルやデータとの適合を通してこの原
理を追求した本ではないことである。様々な動物行動へハンディキャッ
プ原理からの解説を加え、適合可能性を示唆した内容である。そのぶ
ん読み物としては非常に面白い。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年8月13日に日本でレビュー済み
本書は全般的に、ハンディキャップ理論で生物の社会行動を解釈すればこのようになる、という可能性を示した本と考えた方が良いだろう。取り上げられている例の多くは数理モデルで検証しているわけでも、観察に基づいて検証しているわけでもない。だからこじつけや強引な解釈が目に付く部分もある。まあそうは言ってもハンディキャップ理論について徹底して書かれた本は他にないので、少し距離を置いて読めば非常に面白いし、豊かな洞察にあふれていると言えると思う。若干残念なのは血縁選択が群選択と同様に内部崩壊に弱いと考えているところと(これは血縁選択への典型的な誤解のひとつ)、おそらくそれに関連して集団遺伝学的な論理展開にキレがないこと。でももっと読まれて良い本だと思うんだけどなぁ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート