これからの先生の活躍の為に敢て辛い採点をいたします。安全保障強化、伝統文化の復興と発展、公共事業拡大など趣旨には全く共感するのだが、いずれも掘り下げが浅くまた主張の言葉が弱い。恭子先生の考えの概要を掴むことはできるが、一般の読者は今ひとつその情熱と真意を理解できまいと想像する。あまりに淡々と上品に書かれすぎている。これを読んでいて安倍元総理の「美しい日本」を思い出した。趣旨はとても良いと想ったが、とても民衆には伝わらない気がした。民衆に実感させるためにもっと具体的な説明やそれに合ったネーミングが必要だったし、なによりも情熱や闘魂を感じさせる迫力がなさ過ぎた。
文化政策が先生の得意なところかもしれない。自然の捉え方や芸術や思想の特徴などの哲学的考察は比較的掘り下げれているが、これとてあっさり終わってしまう。イベントや交流の政策にしてもまるで官庁の計画書みたいに行儀よくならんでいるだけで、どうも迫力がない。伝統文化の復興と発展はこの程度の政策ではとても不十分だと想える。具体策がもっと相互に絡んでいないといけない。なにより生活や産業と密接に関ると思えてならない。すなわち産業政策も包摂するもっとスケールの大きな国家像として示さないとだめだ。たとえば公共事業で述べられている共同溝など都市景観の問題などは当然文化政策でもある。
特に気になる記述もある。レビュアは技術に関る者ゆえ、技術開発については特に疑念を感じる。スマートグリッドがそれほど重要とは思えない。それよりも東西の電力融通が先決だろう。太陽光や風力に触れておきながら、最も大切や核エネルギーと天然ガスなどの非従来型の化石燃料に触れていないのは、先生もまたおかしな世論に迎合する程度の政治家なのかと憂鬱になる。一時帰国の拉致被害者を返さないと頑張った、国を思う政治家なら、たとえどんなことがあろうともはっきり公言して欲しい。「なにより一番大切なものは、核エネルギーです。太陽光はピーク電力緩和などの補助的役割しか果たせません。さらに進歩した原発を世界に先駆けて50発建設します」と。またいくら後援会長とはいえ櫻井氏の映画についてのコメントも引用されるべきでなかった。南京大虐殺を否定する映画製作を批判し、かつクリントイーストウッドの硫黄島の映画を評価するような軽薄な輩は先生の本には似つかわしくない。この映画をDVDの所でレビューしましたが、栗林中将や将兵達にははまことに申し訳ない、巧妙なマインドコントロール映画ですよ。
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国想い夢紡ぎ: 文化のプラットホーム日本 単行本 – 2011/9/1
中山 恭子
(著)
- 本の長さ247ページ
- 言語日本語
- 出版社万葉舎
- 発売日2011/9/1
- ISBN-104860500628
- ISBN-13978-4860500627
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登録情報
- 出版社 : 万葉舎 (2011/9/1)
- 発売日 : 2011/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 247ページ
- ISBN-10 : 4860500628
- ISBN-13 : 978-4860500627
- Amazon 売れ筋ランキング: - 250,170位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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