全6章です。
1章は「同性愛が禁忌とされているのはキリスト教(厳密にはその元になったユダヤ教)の
価値観によるもので、それ以外の宗教圏では普通に行われている」
「古代ギリシャと明治以前の日本は特に男色が盛んだった」という歴史・宗教がらみの解説。
2章は、断面図を用いた医学的な解説。
3章は「ひとりでできるもん」の復習にあたる、個人での洗浄や開発器具の使い方について。
4章は「出会い系」などで相手を探す時のマナー、対人トラブルや犯罪を回避する心得。
5章は前戯や肛門性交について。
肛門性交に向いた体位のメリットとデメリット、図解。
相手を不快にさせない為に配慮しろ等具体的な助言。
6章は、コスプレや乱交、脱法ドラッグ(使用するなという警告という建前になっている)について。
前作の「アナルを使ったオナニー＝アナニー」の定義から外れて、
本番行為までを含めた「掘られノンケ」及び「バイセクシャル」の人向け解説本です。
(一応最後に著者による注釈が書かれており、前作の「アナニー」の定義自体が
編集部の意向で改変されたもの、と説明されています)
「ひとりでできるもん」では漫画部分のコマ配置がおかしかったのですが今回は修正されています。
断面図や器具の図を除き、図解や漫画は基本的に男の娘や中校生くらいの男の子として描かれており、
(モザイクをかけずに、亀頭を服に隠したり見切れさせています。玉部分までは見えている絵があります)
医学書や、ガチなゲイの人向けの絵よりはずっと手元に置く抵抗感は少ないかと思います。
どちらかというと実用書としてより、フィクション作品でゲイや社会問題を描く時の
資料・ネタ帳として役立つ本だと思います。
BLに限らず、学園ものとかサスペンスものとかでも、大勢の登場人物が出る作品には
ゲイやオネエキャラが出てくる事が多いですし、
出会い系のトラブルなんてそのまんま刑事ドラマに流用できます。
そういう話に手っ取り早くリアリティを与えるのに、この本は非常に便利です。
また、1章で扱われている「同性愛が異常だというのはユダヤ・キリスト教の価値観に過ぎず、
生物学的にはバイセクシャルの方が正常だし、近代化する前の日本はバイが普通だった」
といった内容は、偏見を無くす為にも学校で教えてしまっていいくらいです。
(詳しく知りたい方は「稚児灌頂」「藤原頼長 台記」「陰間」などでぐぐって下さい。
日本史で習う「東海道中膝栗毛」は、ゲイカップルの話です。
内容を教えず同性愛描写のある小説のタイトルだけを暗記させるのは問題ですし、
男児に性犯罪に巻き込まれるリスクを自覚させるのは、大変有益だと思います)
挿絵は何人かのイラストレーターが描いています。
表紙は「男の娘」が2人並んだ絵ですが、
中のイラストや漫画は、髪の短い、ショタっぽい絵の方が多いです。
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