中国という国があらゆる限りの、リソースを活用し防諜活動をおこなっているかを、赤裸々にえぐった
問題の書である。彼女は中国人で日本に帰化している。著者の感覚でいえば、帰国すると逮捕は必定。
著者は冷静に、分析している。中共と中国の違いである。何のためのかくほどまでの、執拗な防諜か?
それは、中共8000万人を、最終的には、一部の特権層を守るために、13億人をまず監視する。次に
他の国でこの特権を犯そうとするものを、監視下に置き、手繰る、ためである。必ずしも、中国を侵略から
守らんがため、孫子の兵法のごとく、戦わず勝つためのインテリジェンスでもなく。おのが階層を守るため
ひたすら、監視し、隙あれば情報を盗み、隙あれば付け込み、まるでスターリンが7人いるような国の防衛
姿勢、異形な組織体であることが、さまざまな事例をあげて、まるでパンドラの箱からでてきた、絶望の
大群である。このような、国家体制はまるで、北朝鮮とおなじであり、みずからの恐怖が原動力となって
いるので、容易にこわれない体制である。
恐怖が源泉である以上、きりがないのである。まるで、戦国時代の腹の探り合いであるから、どう監視し
ていても、不安なのであろう。
不安と恐怖の帝国を築きあげたのは、周恩来であると断じている著者の言葉は重みがある。
彼を絶賛している日本の教養ある人には、誠にショックであろうが、彼により必要もないあの中国に
日本軍はおびき寄せられ、蒋介石とともに抹殺されていく過程が、よく解るというものだ。
また、かの長命で怜悧なキッシンジャー博士が彼を絶賛するのも、腑に落ちる。
かくほどまでに、冷酷なスパイ網を作り、みずからの安寧を図らんがために、嘘と恫喝でかためる、
が故に、さらなる不安と恐怖が増幅される。この本が、やれ安部さんの奥さんが、鳩山さんの奥さんが
というくだりは、本の売れ行きをきにした、枝葉末節である。
かくほどに、民主主義がこれらの悪玉非道に無力であることが、今後、中共が世界の歴史に新たな、
一ページを提供するであろう。
我が国と民主主義は風前のともしびであることを、冷水を浴びせるがごとく警告した問題の本である。
著者の今後の、体系的な論文を真面に読んでみたいものである。
また、ゴクラクトンボのわれわれ、戦争を知らない世代に、わずか近くに、恐怖と不安と絶望の帝国が
誕生していること、肝に銘じることである。敵を知り、己を知ることで、何とかこの災禍から、
のがれる術を、次の世代に教えていく必要があることを教えてくれた良書でもある。
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あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ 単行本 – 2013/4/6
サイバー攻撃、先端技術窃取、政界工作…世界を揺るがす、習近平のスパイ達のインテリジェンス能力。
「日本をあと10年で消滅させる」、中国共産党による破壊工作のすべてを、元中国人が明かす。
政治家から防衛省、大マスコミまで、背筋が凍る浸透と汚染の現状!
一日も早い「スパイ防止法」の制定に向けたインテリジェンス指南書。
「日本をあと10年で消滅させる」、中国共産党による破壊工作のすべてを、元中国人が明かす。
政治家から防衛省、大マスコミまで、背筋が凍る浸透と汚染の現状!
一日も早い「スパイ防止法」の制定に向けたインテリジェンス指南書。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社飛鳥新社
- 発売日2013/4/6
- 寸法11.8 x 1.7 x 17.2 cm
- ISBN-104864102392
- ISBN-13978-4864102391
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商品の説明
著者について
鳴霞(メイカ)・・・1957年、中国遼寧省瀋陽市(旧奉天市)生まれ。元中国共産党のエリートコースを歩むが、現在は日本に帰化。2002年から「月刊中国」主幹として、日本のマスコミが扱うことのない中国内部情報を精力的に発信。元・近畿福祉大学中国語科講師。これまで『苦悩の中国』(文芸社)『中国人民解放軍の正体』(日新報道)『中国人民解放軍 知られたくない真実』(潮書房光人社)『日本掠奪』(桜の花出版)を上梓、中国の日本侵略に警告を発し、講演活動や情報発信を精力的に行い、各方面から注目されている。
登録情報
- 出版社 : 飛鳥新社 (2013/4/6)
- 発売日 : 2013/4/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4864102392
- ISBN-13 : 978-4864102391
- 寸法 : 11.8 x 1.7 x 17.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 321,683位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,355位国際政治情勢
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書が出版されたのは2013年4月ですが、すでに世界各国で多くの中共による違法(残念ながら日本では違法ではない?)行為がなされてきたことがわかります。一部とはいえ、アメリカでは国家の危機意識が作用し、中共の摘発や抑止力の行使に至っており、中国寄りと見られていたオーストラリアやドイツでさえも同様の動きがみられました。翻って我が日本の対応はどうか?在日中国大使館一等書記官・李春光は取り逃がし、駐上海日本総領事館職員の自殺はうやむやにされ、南京事件というプロパガンダを長年に渡り許し続けているというのが悲しい現状です。また最近(2018年)やはり中共スパイの巣窟であるとして指摘された孔子学院が、本書執筆時点ですでに危険視されていたにもかかわらず、あいかわらず日本では日中友好という美名のもとに新設の動きさえ見られているのが不思議でなりません。スパイ防止法成立の目途もなく、自衛隊を正規軍と認めないゆえに国家機密漏洩者への罰則が異常に軽い現状認識を許し、国会議員の国籍問題を個人の人権問題とすり替え、挙句の果てには、いつの間にか日本国民に帰化し日本の安全保障にことごとく反対する福山哲郎のような国会議員が存在している現状には、ただただ失望するばかりです。見え透いた政権批判を続け、文科省の裏口入学や接待疑惑のカギを握る福山氏側野党議員への追及は行わないマスコミの姿勢はある意味わかりやすいものとして、本書の題名『あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ』は、誇張でも警告でもなくある程度の事実であると認識しなければならないのでしょう。
2014年8月20日に日本でレビュー済み
昨今、購読者が迷う程、中国関連の書籍が発行されているが、当書は一線を画す内容である。
日本の作家、ジャーナリスト、帰化した著名人等、本当にたくさんの本の中から有益で他の本とカブラ無い内容の書籍を見つけるのは評者の様な入門者には難儀である。
が、本書は、絶対にオススメ出来る。
というか、ここまで中国共産党の秘密を暴いて、筆者の身は大丈夫なのか??と心配になるほど【暴露】されている。
そして、中共の良く言えば長期的な、悪く言えばシツコイ戦略を知らない日本人の事を本当に心配し又、日本人以上に情けなく思う、その熱い感情が紙面に冷静に詳細に語られている。
中国共産党の怖い面は、尖閣に見る力による恫喝だけではなく、日本に入国した全ての中国人を侵入者として如何に利用するか?
又、逆に
中国に訪問した外国人に蜘蛛の巣を張り罠をしかけるという真の恐ろしさに本書を読んだ後、戦慄を覚えた。
他の作家が書いている内容とは視線の鋭さが全く異なる日本人必読の書であると思います。
Amazonで購入
昨今、購読者が迷う程、中国関連の書籍が発行されているが、当書は一線を画す内容である。
日本の作家、ジャーナリスト、帰化した著名人等、本当にたくさんの本の中から有益で他の本とカブラ無い内容の書籍を見つけるのは評者の様な入門者には難儀である。
が、本書は、絶対にオススメ出来る。
というか、ここまで中国共産党の秘密を暴いて、筆者の身は大丈夫なのか??と心配になるほど【暴露】されている。
そして、中共の良く言えば長期的な、悪く言えばシツコイ戦略を知らない日本人の事を本当に心配し又、日本人以上に情けなく思う、その熱い感情が紙面に冷静に詳細に語られている。
中国共産党の怖い面は、尖閣に見る力による恫喝だけではなく、日本に入国した全ての中国人を侵入者として如何に利用するか?
又、逆に
中国に訪問した外国人に蜘蛛の巣を張り罠をしかけるという真の恐ろしさに本書を読んだ後、戦慄を覚えた。
他の作家が書いている内容とは視線の鋭さが全く異なる日本人必読の書であると思います。
2013年4月10日に日本でレビュー済み
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先日読んだ柏原竜一『中国の情報機関――世界を席巻する特務工作』(祥伝社新書 2013)は組織や軍事面が主眼でやや敷居が高かったが、中国の内情に詳しい鳴霞氏による本書はスパイの具体的な活動を中心に、スパイ防止法のないセキュリティーの脆弱な日本に警鐘を鳴らす。
驚くべき民主党の無警戒さに触れた箇所も多いし、リアルタイムのニュースで聞いていた身近に思える出来事も鳴霞氏ならではの情報で解説され、ずっしり内容が濃いのに前著より文体がこなれていて読みやすい。
第三章では、中国が主張するところの「南京大虐殺」は1979年になって初めて中国の教科書に載ったこと、雨花台烈士陵園(元通訳捜査官の坂東忠信氏が2010年のメルマガで報じていた)には「国民党によって」虐殺された共産党員30万名が祀られていることなど、南京事件のキモがまとめられている。
歴史的な経緯やフレデリック・ヴィンセント・ウィリアムズ『中国の戦争宣伝の内幕―日中戦争の真実』までが紹介されるので、歴史好きでも発見は多いはず。
あとがきでは、鳴霞氏が両親に聞いた満州国体験の話から氏の10年前の発言(盗聴されていた)が党の記録に残っており、危険人物視されているであろうことまで。
こうなると、鳴霞氏が主宰する『月刊中国』が俄然気になってくる。
中国の国策であるスパイの具体的な活動について知りたい方には、本書は絶好の入門書だ。
目次
第一章 李春光事件は氷山の一角
第二章 嵌められても気付かない国会議員たち
第三章 日本の経済援助が中国のスパイ活動を巨大化させた
第四章 欧米、台湾における中国スパイ事件
第五章 日本の安全保障は大丈夫か
(全263P)
驚くべき民主党の無警戒さに触れた箇所も多いし、リアルタイムのニュースで聞いていた身近に思える出来事も鳴霞氏ならではの情報で解説され、ずっしり内容が濃いのに前著より文体がこなれていて読みやすい。
第三章では、中国が主張するところの「南京大虐殺」は1979年になって初めて中国の教科書に載ったこと、雨花台烈士陵園(元通訳捜査官の坂東忠信氏が2010年のメルマガで報じていた)には「国民党によって」虐殺された共産党員30万名が祀られていることなど、南京事件のキモがまとめられている。
歴史的な経緯やフレデリック・ヴィンセント・ウィリアムズ『中国の戦争宣伝の内幕―日中戦争の真実』までが紹介されるので、歴史好きでも発見は多いはず。
あとがきでは、鳴霞氏が両親に聞いた満州国体験の話から氏の10年前の発言(盗聴されていた)が党の記録に残っており、危険人物視されているであろうことまで。
こうなると、鳴霞氏が主宰する『月刊中国』が俄然気になってくる。
中国の国策であるスパイの具体的な活動について知りたい方には、本書は絶好の入門書だ。
目次
第一章 李春光事件は氷山の一角
第二章 嵌められても気付かない国会議員たち
第三章 日本の経済援助が中国のスパイ活動を巨大化させた
第四章 欧米、台湾における中国スパイ事件
第五章 日本の安全保障は大丈夫か
(全263P)
2022年10月12日に日本でレビュー済み
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中国と北韓とロシアは不思議だと思った。深夜短波で工作員向けの乱数放送。ロシアからの謎ブザー音
想像したらワクワクした。
これらはスパイ向けに放送されてるからです。
想像したらワクワクした。
これらはスパイ向けに放送されてるからです。
2013年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「誤解を恐れず言えば、中国共産党とは、政党や政府ですらなく、十三億の民衆を共産主義というイデオロギーで洗脳し続ける、巨大な『カルト集団』なのである。集団の目的のためには、謀略も殺人も情報操作も戦争も行う。それが『中国共産党』の正体である。」(107ページ)著者は、そう断言して憚らない。
松下政経塾や鹿野農林水産大臣、農林水産会社、サプリ関係会社を手玉にとって、一億六千万と情報、農産品をせしめた「李春光」は、「TPP交渉参加」阻止のために民主党政権奥深く工作を進めていた。しかし、著者に言わせれば、「スパイ天国・日本」の実態はその程度の《軽い》ものではないという。在日中国人、及び十二万人を超えた「帰化中国人」が日常情報収集に当たり、駐日大使館のコントロール下にある。中共は、近年、彼らを「日籍華人」と呼び、「日籍華人連誼会」という組織を作って統括するようになった。彼らの多くは中共の洗脳が十分に解けていない状態にあり、しかも、家族や係累が大陸にいるために中共を恐れ、日本国に忠誠心を持っていない。
著者は、例えば、この「日籍華人」の代表格として、菅直人政権の官房副長官だった『福山哲朗』を挙げる。昭和50年に父、弟とともに帰化した彼は、元の名前を「陳哲朗」という。「彼は、『従軍慰安婦」解決促進法案の提出を推進したり、その前の鳩山政権では外務副大臣として『東アジア共同体』を進めようとしたりしたが、普天間基地問題では最後まで「少なくとも県外」に拘り、日米関係を崩壊寸前まで追い込む原動力となった」(27ページ。なお、福山は普通「在日」として扱われることが多いが、ここでは著者の記述に従った。)
民主党に巣くった「日籍華人」は、福山だけではない。議員の「配偶者」、或いは「議員秘書」として情報工作をした例を、著者は実名を挙げて具体的にその工作の次第を描く。著者がこのように具体的に書けるのは、著者が「あとがき」で断っているように「千代田情報研究会」という背景があるからだ。この「研究会」の実態は詳らかではないが、知っていても書けない大手新聞政治部記者やフリーランサーの集まりだろう。現役ではない、公安OBなどが入っている場合もある。著者が、果敢に実名を挙げて具体的に書けるのは、「名誉棄損」で訴えられても戦えるだけの確証をそろえているものと考えることが妥当である。
「あとがき」によれば、著者は、瀋陽生まれの「満州族」である。祖父母は「満州国」時代を体験しており、日本軍の廉直さに対する敬意には並々ならぬものがあったという。中国共産党のエリートコースを歩んだ著者は、しかし、縁あって日本人と結婚し、25歳で来日した。通訳として仕事をしているうちに痛感したことは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」ということである。2002年「月刊中国」を立ち上げ、中国の本当の姿を伝えようと考えたという。
多分、女性であるが故に、本書では、日本の「ファーストレデイ」たちの軽率な行為も取り上げられ、辛辣に批評される。
鳩山幸が北朝鮮系のイ・ソジンといううがい薬みたいな名前の「韓流俳優」にぞっこんだったことは広く知られているが、二ヶ月に一度、会食を重ねてきたことは「ファーストレディ」の品格を貶めている。(断っておくが普通の日本人の男なら、鳩山夫人の歌う「さくらさくら」など聞けたものではない。その俳優も、余程、気味が悪かったものと同情したくなるくらいだ。だが、「工作」は確実に遂行されていたことだろう)
安倍昭江も同じである。安倍の自民党幹事長時代、「京劇俳優」に夢中になり、その俳優の「招待」で中国で国賓並みの歓待を受けたことも、知っていて書けない政治部記者たちがぼやいていたことである。(このことは最近週刊誌でようやく報道された。一介の京劇俳優が国賓並みの招待ができるわけがない)ただ、こういった女のすることに、日本人の男は、比較的寛大だ。惻隠の情を持って書かないことを誇りとする。しかし、著者は「女」である。内閣総理大臣安倍晋三が、昭江夫人を伴って、2007年4月24日、「CNN」のインタビューを受けた。資本提供を受けて中国よりになっていた「CNN」は、「従軍慰安婦に日本軍が直接関与した事実はないとおっしゃってますが・・・」と安倍に尋ねると、昭江は「あなた、そんなこと言ったんですか?」と言った。国際関係に影響することを事情を知りもしない妻が言及すべきではない。著者は、「対中国ODA復活」を幹事長時代の安倍が行ったことについて、安倍夫人の「京劇俳優との関係」からの関与を示唆する。
著者に言わせれば、これらのことは「ハニートラップ」の一種なのだ。男だけが、ターゲットにされるわけではない。「妻たち」もターゲットにされるのだ。
「中国の女」の実態についての著者の指摘はさらに厳しい。中国共産党幹部の「氏・素性の良い」娘たちが、日本のクラブホステスをして情報を集めているという。麻生太郎の行きつけのクラブには、その手の女の子たちが張り付けられていた。「ワターシ、ニホンゴワカラナーイ」という女の子たちが、政財界の要人の会話をメモして、中国国家公安部に情報を渡していた。著者によれば、こうした女の子の手にかかって勝てる男は滅多にいない。偶然を装って近づいてきた中国人の女に意気投合して、同行したホテルで薬を飲まされ機密書類をコピーされたケースもある。
著者は、言う。「西太后」は、20番目の愛人だったが、ライバルをことごとく蹴散らして、正室である「東太后」を毒殺し、権力を握った。これが「中国女の本質だ」。著者も元々は中国人の女性だろうからそこまで言わなくてもいいのではないかと思うのだが、易々とハニートラップにかかる日本人の男に対する義憤があるのだろう。
内容を紹介しきれないのが残念である。「朝日新聞」は「人民日報」と業務提携しており、社内に「支局」があることで有名である。しかし、朝日新聞そのものが中共の外交政策の「支局化」している実体が、論説主筆若宮啓文を例に取り上げられる。若宮は「中国の理解者」くらいのつもりでも、相手側は「コードネーム」を振っていることだろうし、利益供与の積み重ねも記録されているだろう。中共が倒れたら、そういった極秘資料が大量に売りに出されるに違いない。日本の政治家、官僚、財界人、新聞記者、研究者、文化人・・・余りの多さにびっくりすることになるかも知れない。そのとき、「訴追」できるかどうかは別にして「スパイ防止法」は一刻も早く成立させねばならない。反対する輩には一言「何か、困ることでもあるんですか」と言えばいいだろう。
最近、柏原竜一氏の「中国の情報機関」(祥伝社新書)が発行された。この本も良い本であるが、本書からは「一日も早くスパイ防止法の制定を!」という切実な感情が、伝わってくる。
松下政経塾や鹿野農林水産大臣、農林水産会社、サプリ関係会社を手玉にとって、一億六千万と情報、農産品をせしめた「李春光」は、「TPP交渉参加」阻止のために民主党政権奥深く工作を進めていた。しかし、著者に言わせれば、「スパイ天国・日本」の実態はその程度の《軽い》ものではないという。在日中国人、及び十二万人を超えた「帰化中国人」が日常情報収集に当たり、駐日大使館のコントロール下にある。中共は、近年、彼らを「日籍華人」と呼び、「日籍華人連誼会」という組織を作って統括するようになった。彼らの多くは中共の洗脳が十分に解けていない状態にあり、しかも、家族や係累が大陸にいるために中共を恐れ、日本国に忠誠心を持っていない。
著者は、例えば、この「日籍華人」の代表格として、菅直人政権の官房副長官だった『福山哲朗』を挙げる。昭和50年に父、弟とともに帰化した彼は、元の名前を「陳哲朗」という。「彼は、『従軍慰安婦」解決促進法案の提出を推進したり、その前の鳩山政権では外務副大臣として『東アジア共同体』を進めようとしたりしたが、普天間基地問題では最後まで「少なくとも県外」に拘り、日米関係を崩壊寸前まで追い込む原動力となった」(27ページ。なお、福山は普通「在日」として扱われることが多いが、ここでは著者の記述に従った。)
民主党に巣くった「日籍華人」は、福山だけではない。議員の「配偶者」、或いは「議員秘書」として情報工作をした例を、著者は実名を挙げて具体的にその工作の次第を描く。著者がこのように具体的に書けるのは、著者が「あとがき」で断っているように「千代田情報研究会」という背景があるからだ。この「研究会」の実態は詳らかではないが、知っていても書けない大手新聞政治部記者やフリーランサーの集まりだろう。現役ではない、公安OBなどが入っている場合もある。著者が、果敢に実名を挙げて具体的に書けるのは、「名誉棄損」で訴えられても戦えるだけの確証をそろえているものと考えることが妥当である。
「あとがき」によれば、著者は、瀋陽生まれの「満州族」である。祖父母は「満州国」時代を体験しており、日本軍の廉直さに対する敬意には並々ならぬものがあったという。中国共産党のエリートコースを歩んだ著者は、しかし、縁あって日本人と結婚し、25歳で来日した。通訳として仕事をしているうちに痛感したことは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」ということである。2002年「月刊中国」を立ち上げ、中国の本当の姿を伝えようと考えたという。
多分、女性であるが故に、本書では、日本の「ファーストレデイ」たちの軽率な行為も取り上げられ、辛辣に批評される。
鳩山幸が北朝鮮系のイ・ソジンといううがい薬みたいな名前の「韓流俳優」にぞっこんだったことは広く知られているが、二ヶ月に一度、会食を重ねてきたことは「ファーストレディ」の品格を貶めている。(断っておくが普通の日本人の男なら、鳩山夫人の歌う「さくらさくら」など聞けたものではない。その俳優も、余程、気味が悪かったものと同情したくなるくらいだ。だが、「工作」は確実に遂行されていたことだろう)
安倍昭江も同じである。安倍の自民党幹事長時代、「京劇俳優」に夢中になり、その俳優の「招待」で中国で国賓並みの歓待を受けたことも、知っていて書けない政治部記者たちがぼやいていたことである。(このことは最近週刊誌でようやく報道された。一介の京劇俳優が国賓並みの招待ができるわけがない)ただ、こういった女のすることに、日本人の男は、比較的寛大だ。惻隠の情を持って書かないことを誇りとする。しかし、著者は「女」である。内閣総理大臣安倍晋三が、昭江夫人を伴って、2007年4月24日、「CNN」のインタビューを受けた。資本提供を受けて中国よりになっていた「CNN」は、「従軍慰安婦に日本軍が直接関与した事実はないとおっしゃってますが・・・」と安倍に尋ねると、昭江は「あなた、そんなこと言ったんですか?」と言った。国際関係に影響することを事情を知りもしない妻が言及すべきではない。著者は、「対中国ODA復活」を幹事長時代の安倍が行ったことについて、安倍夫人の「京劇俳優との関係」からの関与を示唆する。
著者に言わせれば、これらのことは「ハニートラップ」の一種なのだ。男だけが、ターゲットにされるわけではない。「妻たち」もターゲットにされるのだ。
「中国の女」の実態についての著者の指摘はさらに厳しい。中国共産党幹部の「氏・素性の良い」娘たちが、日本のクラブホステスをして情報を集めているという。麻生太郎の行きつけのクラブには、その手の女の子たちが張り付けられていた。「ワターシ、ニホンゴワカラナーイ」という女の子たちが、政財界の要人の会話をメモして、中国国家公安部に情報を渡していた。著者によれば、こうした女の子の手にかかって勝てる男は滅多にいない。偶然を装って近づいてきた中国人の女に意気投合して、同行したホテルで薬を飲まされ機密書類をコピーされたケースもある。
著者は、言う。「西太后」は、20番目の愛人だったが、ライバルをことごとく蹴散らして、正室である「東太后」を毒殺し、権力を握った。これが「中国女の本質だ」。著者も元々は中国人の女性だろうからそこまで言わなくてもいいのではないかと思うのだが、易々とハニートラップにかかる日本人の男に対する義憤があるのだろう。
内容を紹介しきれないのが残念である。「朝日新聞」は「人民日報」と業務提携しており、社内に「支局」があることで有名である。しかし、朝日新聞そのものが中共の外交政策の「支局化」している実体が、論説主筆若宮啓文を例に取り上げられる。若宮は「中国の理解者」くらいのつもりでも、相手側は「コードネーム」を振っていることだろうし、利益供与の積み重ねも記録されているだろう。中共が倒れたら、そういった極秘資料が大量に売りに出されるに違いない。日本の政治家、官僚、財界人、新聞記者、研究者、文化人・・・余りの多さにびっくりすることになるかも知れない。そのとき、「訴追」できるかどうかは別にして「スパイ防止法」は一刻も早く成立させねばならない。反対する輩には一言「何か、困ることでもあるんですか」と言えばいいだろう。
最近、柏原竜一氏の「中国の情報機関」(祥伝社新書)が発行された。この本も良い本であるが、本書からは「一日も早くスパイ防止法の制定を!」という切実な感情が、伝わってくる。