第2章は強烈だった。ウィキリークスをベースに、日本の外交官僚がアメリカの国益と外務省の省益と自らの出世のバランスを考えながら行動していることを丁寧に説明されている。
日本はアメリカの属国という考えがあるが、属国を望んでいるのは、日本の官僚組織もそうであった。一方的にアメリカが支配しようとしているのではなく、日本の官僚組織が属国統治してもらうことを望んでいるのだった。その結果、自らの出世が約束され、甘い汁が吸えプライドが保てるとのことだ。
どうすればアメリカの意図を達成することができるのか、日本との交渉を有利に進められるかを外交官がアメリカにレクチャーしているのだ。
そこには日本国民の利益のことなど考慮されていない。自分のことしか頭に無いのだ。
外交公電などは洩れることを前提に作成されており、本当に重要なことは別の手段で伝えるのだが、その洩れることが前提の文書でもこれだけの情けない状態が明らかにできている。公電になっていない事実まで含めるといったいどんなことになっているのか。若い時からアメリカに留学させて、親米にしている。アメリカに留学して出世している官僚、政治家は要注意だ。
おしむらくは、中田安彦氏が副島隆彦氏の弟子の位置づけで、異端扱いされ無視される可能性があることだ。先入観を持たずにぜひ一読をお勧めしたい。ジャーナリスト出身である強みを生かして、事実に基づき実に客観的な説明に終始している。推測、予測はほぼ無いので、副島氏の著作とは別次元である。
暗澹たる気分にさせられるが、実にすばらしい内容の、日本人必読の書と考える。
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日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」― 単行本 – 2011/8/6
中田 安彦
(著)
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「ウィキリークス流出公電を分析しアメリカに再占領された属国・日本の姿を暴く、これぞ最新の政治研究だ」
副島隆彦氏激賞!
日本は、再び、アメリカの占領下にある―。
にわかには信じられない話だろうが、これが本書で展開される内容である。
そのために私は、客観的と言い得る証拠を可能なかぎり集めた。日本が再占領されてしまったのは、同盟国アメリカが、東日本大震災後の菅直人政権の対応と与野党の右往左往ぶりを見て、「今の日本は事実上、軽度の破綻国家(フェイルド・ステート)である」と認定したからである。「今の日本政府に統治能力なし」と、アメリカが判断した結果が、現在の再占領なのだ。
副島隆彦氏激賞!
日本は、再び、アメリカの占領下にある―。
にわかには信じられない話だろうが、これが本書で展開される内容である。
そのために私は、客観的と言い得る証拠を可能なかぎり集めた。日本が再占領されてしまったのは、同盟国アメリカが、東日本大震災後の菅直人政権の対応と与野党の右往左往ぶりを見て、「今の日本は事実上、軽度の破綻国家(フェイルド・ステート)である」と認定したからである。「今の日本政府に統治能力なし」と、アメリカが判断した結果が、現在の再占領なのだ。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社成甲書房
- 発売日2011/8/6
- 寸法19 x 2.3 x 13 cm
- ISBN-104880862797
- ISBN-13978-4880862798
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商品の説明
著者について
中田 安彦(なかた・やすひこ)
1976年、新潟県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大手新聞社に一時勤務後、副島国家戦略研究所(SNSI)にて研究員として活動。アメリカの政治思想、対日戦略のほか、欧米の超財界人など、世界を動かす企業・人的ネットワークを主な研究テーマとする。著書に『ジャパン・ハンドラーズ』(日本文芸社)、『世界を動かす人脈』(講談社現代新書)、『アメリカを支配するパワーエリート解体新書』(PHP研究所)、『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』(日本文芸社)。訳書に『プロパガンダ[新版]』(エドワード・バーネイズ著、成甲書房)がある。
1976年、新潟県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大手新聞社に一時勤務後、副島国家戦略研究所(SNSI)にて研究員として活動。アメリカの政治思想、対日戦略のほか、欧米の超財界人など、世界を動かす企業・人的ネットワークを主な研究テーマとする。著書に『ジャパン・ハンドラーズ』(日本文芸社)、『世界を動かす人脈』(講談社現代新書)、『アメリカを支配するパワーエリート解体新書』(PHP研究所)、『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』(日本文芸社)。訳書に『プロパガンダ[新版]』(エドワード・バーネイズ著、成甲書房)がある。
登録情報
- 出版社 : 成甲書房; 初版 (2011/8/6)
- 発売日 : 2011/8/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4880862797
- ISBN-13 : 978-4880862798
- 寸法 : 19 x 2.3 x 13 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 821,819位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月21日に日本でレビュー済み
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2011年10月7日に日本でレビュー済み
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戦後一貫、日本はアメリカの所有物で投資対象です。牧場に例えたら国民はさしずめ家畜といっていいと思います。
牧場主は家畜を十分太らせてからたらふく肉を食っています。搾った乳が大量に持ち出されています。
特にプラザ合意後は大収穫期に入っていると見ています。
この本では最近の牧場の様子が具体的に分かりやすす書かれています。
牧場主に認められ、羊飼いになりたがる人物(本当は家畜に過ぎない)のこっけいな姿も十分あからさまにされていると思います。
牧場の例えに違和感を覚えるあなた、張り巡らされた柵が見えませんか?
牧場主は家畜を十分太らせてからたらふく肉を食っています。搾った乳が大量に持ち出されています。
特にプラザ合意後は大収穫期に入っていると見ています。
この本では最近の牧場の様子が具体的に分かりやすす書かれています。
牧場主に認められ、羊飼いになりたがる人物(本当は家畜に過ぎない)のこっけいな姿も十分あからさまにされていると思います。
牧場の例えに違和感を覚えるあなた、張り巡らされた柵が見えませんか?
2011年8月18日に日本でレビュー済み
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なんとなく結論が予想できたのでそんなに触手が動かなかったのですが。やはり読んでみてよかったです。見開きの写真を見てください。映像は正直です。65年という時間の経過さえも消えてしまうほどの衝撃が迫ってきます。そして本文では恐るべき迫力で真実が浮き彫りにされます。現象面ではよく言われていた話ですが、本質は日米事務方の談合なのです。問題は事務方のレヴェルということです。ここには、長期的な戦略やコストや利害得失の計算や敵への真摯な尊敬もありません。
あるのは、お互いの官僚組織の私的な利益の推進でありグロテスクな馴れ合いなのです。日本側は外圧を利用しての私的な目的の追求であるため、必然的に相手側への実質的な内通とリークが主要な手段となります。相手の米国側はいわゆるジャパノロジストというアメリカでの日の目を見ない「少数派」です。したがっていつまでも日本が「特殊」な存在であり続け、日本語という「障壁」が存在しジャパノロジストたちの「存在意義」を維持させ続けなければいけないわけです。その挙句が、膨大な外貨準備と米国債の購入であり、消費税の増税と国債の格下げというわけですか。ジャーナリズムもこの構図への意図的な参加者なのです。
著者は日本の官僚組織の起源を律令制の制定にまで辿ります。そして徴税の驚くべきほどの自己目的化は不変です。ここまで来るともう橋本氏の「源氏物語」や「平家物語」のモティーフと重なっています。どうやってこの不純な関係から抜け出せるのか?長期的な戦略と利害調整こそが鍵と著者は力説します。再占領でこのアメリカの恐ろしさをもう一度味わい学ばなければいけないのです。でも日本の社会の近代化や民主化の徹底の先に未来があるとは思えないのです。
あるのは、お互いの官僚組織の私的な利益の推進でありグロテスクな馴れ合いなのです。日本側は外圧を利用しての私的な目的の追求であるため、必然的に相手側への実質的な内通とリークが主要な手段となります。相手の米国側はいわゆるジャパノロジストというアメリカでの日の目を見ない「少数派」です。したがっていつまでも日本が「特殊」な存在であり続け、日本語という「障壁」が存在しジャパノロジストたちの「存在意義」を維持させ続けなければいけないわけです。その挙句が、膨大な外貨準備と米国債の購入であり、消費税の増税と国債の格下げというわけですか。ジャーナリズムもこの構図への意図的な参加者なのです。
著者は日本の官僚組織の起源を律令制の制定にまで辿ります。そして徴税の驚くべきほどの自己目的化は不変です。ここまで来るともう橋本氏の「源氏物語」や「平家物語」のモティーフと重なっています。どうやってこの不純な関係から抜け出せるのか?長期的な戦略と利害調整こそが鍵と著者は力説します。再占領でこのアメリカの恐ろしさをもう一度味わい学ばなければいけないのです。でも日本の社会の近代化や民主化の徹底の先に未来があるとは思えないのです。
2011年8月14日に日本でレビュー済み
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副島研究所の中田研究員渾身の一作だと思います。震災後の官邸の混乱の様子が伝わってきて、改めて管総理大臣に任せておいたら、日本はこのままどこへ行ってしまうか、不安を覚えました。しかし、官僚のサポタージュを克服するすべ、すなわち政権交代を実現させた国民が覚醒し、世論を喚起させることができれば、アメリカのソフトパワー戦略を打開し、国民主導の政権を樹立できるということが理解できました。
そういう意味でも私たち、いわゆるB層からの脱却を義務付けられている国民必読の書だと思います。植杉さんの日本の独立も併せて読むとより理解が深まります。
そういう意味でも私たち、いわゆるB層からの脱却を義務付けられている国民必読の書だと思います。植杉さんの日本の独立も併せて読むとより理解が深まります。
2011年9月7日に日本でレビュー済み
大学の研究者による政治過程研究といわゆる陰謀論者による政治過程研究との違いは何だろうか。
理論的アプローチの点では近年実はそれほど違いは無い。両者とも、政治家、官僚、利益団体など
の政治的アクターの合理的(推移的)な選好を仮定し、それらの政治的アクターが一定のルール
(公式、非公式の政治経済制度)の下に自らの選好に最も適った行動をした結果として現実に起こ
ったことを説明する。いわゆる合理的選択論である。両者がはっきりと異なるのは、理論から導か
れた仮説を検証する方法においてである。大学の研究者は信頼のおける公開資料の解釈に依拠する
のに対し、陰謀論者はもっぱら出所不明のもっともらしい情報や状況証拠からの推論に依拠する。
したがって、前者の研究では資料の公開がすでになされた古い事例しか扱えないか、そもそも公に
された資料から実証可能な無難で穏当な仮説しか提示されない一方、後者では現在進行中の出来事
に対して刺激的な仮説が自由に提示されるかわりに実証性に乏しい、ということになる。
翻って本書はどちらに分類されるであろうか。「外務官僚はアメリカ政府のエージェントである」
との本書の主張は、本来ならば直接実証不可能であり明らかに陰謀論の範疇である。しかし、ウィ
キリークスの流出資料という現在進行中の問題に関する重要資料があるため、その主張にかなりの
程度説得的な裏付けが与えられている。この意味で本書は前代未聞の「実証的な陰謀論の書」であ
り、従来の陰謀論にアレルギーをもつ読者にも受け入れられるのではないかと思う。また本書は決
してそれをひけらかすことはないが、随所にオーソドックスな学問的な議論を踏まえた記述が見ら
れる。こうした特徴は以前よりこの著者に見られるものであるが、本書ではそれが一段と強まった
ように見受けられる。ぜひ新境地を開いてもらいたい。
理論的アプローチの点では近年実はそれほど違いは無い。両者とも、政治家、官僚、利益団体など
の政治的アクターの合理的(推移的)な選好を仮定し、それらの政治的アクターが一定のルール
(公式、非公式の政治経済制度)の下に自らの選好に最も適った行動をした結果として現実に起こ
ったことを説明する。いわゆる合理的選択論である。両者がはっきりと異なるのは、理論から導か
れた仮説を検証する方法においてである。大学の研究者は信頼のおける公開資料の解釈に依拠する
のに対し、陰謀論者はもっぱら出所不明のもっともらしい情報や状況証拠からの推論に依拠する。
したがって、前者の研究では資料の公開がすでになされた古い事例しか扱えないか、そもそも公に
された資料から実証可能な無難で穏当な仮説しか提示されない一方、後者では現在進行中の出来事
に対して刺激的な仮説が自由に提示されるかわりに実証性に乏しい、ということになる。
翻って本書はどちらに分類されるであろうか。「外務官僚はアメリカ政府のエージェントである」
との本書の主張は、本来ならば直接実証不可能であり明らかに陰謀論の範疇である。しかし、ウィ
キリークスの流出資料という現在進行中の問題に関する重要資料があるため、その主張にかなりの
程度説得的な裏付けが与えられている。この意味で本書は前代未聞の「実証的な陰謀論の書」であ
り、従来の陰謀論にアレルギーをもつ読者にも受け入れられるのではないかと思う。また本書は決
してそれをひけらかすことはないが、随所にオーソドックスな学問的な議論を踏まえた記述が見ら
れる。こうした特徴は以前よりこの著者に見られるものであるが、本書ではそれが一段と強まった
ように見受けられる。ぜひ新境地を開いてもらいたい。
2011年11月1日に日本でレビュー済み
震災後の米国と日本政府の動きを詳細に追いつつ、また流出公電を検証して、如何に現在の日本が米国におんぶにだっこで、再占領されているかを訴えている。また小沢一郎氏の思想・考え方を実に分かりやすく説いてくれる。特に後者については、「自立した個人であれ」を主眼に、制度革命者として、旧来の律令制度の弊害を打破し、真の国民主権の議会制デモクラシーを根付かせようとしているのだ、という分析は、実に納得のいく正論と受け止めた。他にも、
-ポピュリズムの欠点は持続性がないこと
-東京地検特捜部が、大元は、大戦後に日本の指導部の隠蔽財産(物資)を見つけ出すため米占領軍が生んだ組織であること
-山縣有朋が、(当時としては)急進的な、アメリカ憲法型の民選憲法を求める民権運動を(時期尚早として)弾圧したこと
-鳩山政権時代に「年次改革報告書」が廃止されたこと
-福島第一原発で事故を起こした1号炉は、GEで働いていた3人の技師が職を辞して告発した「いわくつき」の炉であったこと
などなど、沢山教えてくれた。全体として大変読み応えのある良い本だ。
それだけに、いきなり本文の初めから東日本大震災を「2001年」(→本来はもちろん「2011年」)と、また180頁の(嘉手納基地への統合が)海兵隊と海軍の同居(→本来は「空軍」)とされているような誤植は、再版される時に修正されることを望む。
-ポピュリズムの欠点は持続性がないこと
-東京地検特捜部が、大元は、大戦後に日本の指導部の隠蔽財産(物資)を見つけ出すため米占領軍が生んだ組織であること
-山縣有朋が、(当時としては)急進的な、アメリカ憲法型の民選憲法を求める民権運動を(時期尚早として)弾圧したこと
-鳩山政権時代に「年次改革報告書」が廃止されたこと
-福島第一原発で事故を起こした1号炉は、GEで働いていた3人の技師が職を辞して告発した「いわくつき」の炉であったこと
などなど、沢山教えてくれた。全体として大変読み応えのある良い本だ。
それだけに、いきなり本文の初めから東日本大震災を「2001年」(→本来はもちろん「2011年」)と、また180頁の(嘉手納基地への統合が)海兵隊と海軍の同居(→本来は「空軍」)とされているような誤植は、再版される時に修正されることを望む。
2012年6月17日に日本でレビュー済み
他の章はともかく、第4章は大学で日本史学を学んだ者が読めば「妄想」に過ぎないことがすぐにわかります。
「律令官僚というエートス」と著者はTwitterで言い訳していましたが、
(1)律令制と大日本帝国憲法体制との間には幕藩体制の前に「王朝国家」もしくは「権門体制」があって断絶があり、「摂関家」「院」「武家」によって律令制は名実ともに大きく変質させられている。
だけではなく、
(2)大日本帝国憲法体制下の官僚機構は、岩倉具視の基本構想をもとに明治10年代に入ってから伊藤博文が一から新規に制度設計したものである。
ということが研究によりはっきりしているからです。
そもそも「律令制の出発点」を西暦645年と言っていますが、この年に起こったのは「乙巳の変」というクーデターであって、律令制継受の契機となるのは西暦663年の白村江の戦いです。彼の歴史認識は「歴史教科書の一部を彼の都合に合わせてつまみ食いしただけのもの」に過ぎません。
第二次世界大戦敗戦以後に関する記述が仮に100パーセント完全完璧に正しかったとしても、それ以前の時代に関する歴史認識のいい加減がこの本の価値をゼロにしてしまっていると言えるでしょう。
「律令官僚というエートス」と著者はTwitterで言い訳していましたが、
(1)律令制と大日本帝国憲法体制との間には幕藩体制の前に「王朝国家」もしくは「権門体制」があって断絶があり、「摂関家」「院」「武家」によって律令制は名実ともに大きく変質させられている。
だけではなく、
(2)大日本帝国憲法体制下の官僚機構は、岩倉具視の基本構想をもとに明治10年代に入ってから伊藤博文が一から新規に制度設計したものである。
ということが研究によりはっきりしているからです。
そもそも「律令制の出発点」を西暦645年と言っていますが、この年に起こったのは「乙巳の変」というクーデターであって、律令制継受の契機となるのは西暦663年の白村江の戦いです。彼の歴史認識は「歴史教科書の一部を彼の都合に合わせてつまみ食いしただけのもの」に過ぎません。
第二次世界大戦敗戦以後に関する記述が仮に100パーセント完全完璧に正しかったとしても、それ以前の時代に関する歴史認識のいい加減がこの本の価値をゼロにしてしまっていると言えるでしょう。
2013年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日米同盟の名のもと、日本は米国の支配下に今なおあるということが理解できたのは購入した甲斐があった。